業績堅調で割安な大和ハウス工業(1925)の株価・業績推移は買い?テクニカル分析を含めて予想する。

国内大手住宅メーカーである大和ハウス工業。

近年では都市開発や海外へも事業を展開しています。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から大和ハウス工業の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

■投資判断基準:『手出し無用』

▷ 以下の点を総合的に勘案し、ファンダメンタルでは「買い」、テクニカル的には「売り」の判断であるため「手出し無用」

■ 業績見通し:

▷20年3月期も前期比4.6%増の3760億円への伸びを見込み9期連続の増益。

■ ROEが2018年を天井として下降中

▷東証一部の出遅れセクター

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷予想PERは現状株価で8.7倍と割安。PBRも1.38 倍で割安水準。

■ 他社との比較:

▷今期増配で株主還元も充実

■ 株主還元策の動向:

▷今期1円の増配を実施

 

【企業情報】大和ハウス工業とは?

大和ハウス工業は戸建て住宅分野だけではなく、賃貸住宅事業・流通店舗事業・建築事業・マンション事業・環境エネルギー事業・海外事業と幅広い分野で事業を行っています。

大和ハウス工業では将来に向けた企業戦略として、「アスフカケツノ」をキーワードとしています。

明日の社会に必要不可欠である商品やサービスを開発していくことを公表しています。

よって、今後は住宅や不動産といったセクターだけではなく、福祉・通信・農業といった分野でも活躍することが期待されます。

 

大和ハウスの過去10年の業績推移(PL)

ここでは日本を代表するハウスメーカーである、大和ハウス工業の過去10年間の業績推移を見ていきます。

大和ハウスの業績

 

大和ハウス工業の売上高は2007~2011年にかけて「横ばい」で推移していました。2012年から売上高が急上昇しています。

これは東日本大震災による住宅特需が発生したことから、売上高が急増したと考えられます。

本業の成績を表す営業利益ですが、2010年を底として、右肩上がりになっています。

このことから、大和ハウス工業の業績は「好調」であるといってよいでしょう。

 

2019年3月期決算分析

大和ハウス工業が5月13日に発表した決算によると、19年3月期の連結経常利益は前の期比4.3%増の3594億円、20年3月期も前期比4.6%増の3760億円に伸びを見込んでいると公表しました。

これにより大和ハウス工業は9期連続で過去最高益を更新する見通しです。

また、前期の年間配当を110円→114円(前の期は107円)に増額、今期も前期比1円増の115円に増配することも発表しています。

決算を受けて、大和ハウス工業の株価は9営業日連続陽線を出して上昇していることから、相場参加者に好決算と評価されていることもわかります。

大和ハウス工業のROEROA

上記の表は過去10年間の大和ハウス工業のROEROAの推移です。

大和ハウスのROEとROA

 

ROEは0.7%~17.0%と非常に大きな幅で推移していることがわかります。またROAも2.2%~9.1%と大きな幅で動いています。

日本の東証一部の平均ROEが8%であることと比較すると、大和ハウス工業のROEは現状平均よりも高い水準で推移していることがわかります。

しかし、ここ2年程ROE値が下降してきていることから、資本効率が悪化してきていることを見て取ることができます。

また日本の東証一部の平均ROAが2%台であることと比較してみた場合、大和ハウス工業のROAは良好に推移しているといってよいでしょう。

 

大和ハウス工業の第6次中期経営計画

大和ハウス工業では、2019年5月に2019年度〜2021年度にわたる「第6次中期経営計画」を公表しました。

≪第6次中期経営計画≫

・ガバナンスの強化

・第6次中期経営計画の業績目標

 

大和ハウスの中期経営計画

大和ハウスの中経

 

現状9期連続で過去最高益を更新している大和ハウス工業。今後3年間でさらなる増収増益を更新していくことを目標に掲げています。

<<セグメント別目標>>

商業・事業施設領域で事業の拡大を図っていくことを目標にしています。

<<海外展開>>

売上高4,000億円を目標として掲げています。

<<資本政策>>

近年下降気味だったROEの目標値を13%以上に設定しています。

 

好調な業績をさらに向上させるための具体的な取り組みや目標を第6次中期経営計画で公表しています。

内容的に現実的に達成可能な経営計画であると評価することができます。

*参考:https://www.daiwahouse.com/about/release/house/pdf/challenge_dh6th.pdf

 

大和ハウス工業のテクニカル分析

ここでは大和ハウス工業は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

大和ハウス工業の過去10年の株価推移

以下は大和ハウス工業(1925)の月足チャートです。

大和ハウス工業の過去10年チャート

上記は大和ハウス工業の過去10年の株価推移です。長い持ち合いの後、売上高が急増した2012年から、株価も長期上昇トレンドに移行したことがわかります。

 

大和ハウス工業の現状

好業績を背景に長期上昇トレンドを形成している大和ハウス工業ですが、このトレンドはこの先も継続するのでしょうか?

大和ハウス工業のチャート分析

大和ハウス工業(1925)の月足チャート

ⅰ.ダイバージェンスの発生

上記の赤い矢印をご覧ください。MACDでダイバージェンスが発生しています。

ダイバージェンスとはMACDの値が低いにもかかわらず、株価が上昇する現象のことです。一般的に天井サインといわれています。

ⅱ.-3σへの突っ込み

上記の緑色の矢印をご覧ください。ボリンジャーバンドの-3σへ株価が突っ込んでいることがわかります。

一般的にボリンジャーバンドの-3σへ株価が突っ込んだ場合、トレンドが転換するといわれています。

ⅲ.MAの下降

上記の青色の矢印をご覧ください。

ボリンジャーバンドの中心線であるMAが下降に転じていることがわかります。

一般的にボリンジャーバンドのMAの向き=トレンドの向きを表します。このため、長期トレンドが下降に向かっていることがわかります。

テクニカルから見た大和ハウス工業

見てきたように、大和ハウス工業はテクニカル的に見て長期で売りサインが点灯しています。

よって、手出し無用であるということができます。

 

競合他社比較(積水ハウス(1928)・ミサワホーム(1722))

大和ハウス工業(1925)を同業である積水ハウス(1928)ミサワホーム(1722)と比較検討していきます。

大和ハウス工業 積水ハウス ミサワホーム
PER 8.7 8.7 6.5
PBR 1.38 倍 1.03 倍 0.72 倍
配当利回り 3.47% 4.60% - %
ROE 14.88% 10.87% 8.93%
ROA 5.48% 5.33% 1.88%

 

PERとPBRを比較

まずPERですが、日経平均株価のPERが13~14倍です。

これと比較した場合、住宅セクターは大和ハウス工業が8.7倍、積水ハウスも8.7倍、ミサワホームが6.5倍とかなり割安であることがわかります。

次にPBRですが、日経の大型株の平均値が2倍です。

これと比較した場合、大和ハウス工業が1.38倍、積水ハウスも1.03倍、ミサワホームが0.72倍となっています。

PBRで見ても住宅セクターはかなり割安であることがわかります。

 

配当利回りを比較

大和ハウス工業が3.47%、積水ハウスは4.60%と高配当であるといえます。

 

株主優待

1.大和ハウス工業

権利確定月 3月末日
最低投資金額 331,900円
株主優待の内容 ・自社関連施設等で共通で使用できる利用券

100株以上           1枚 (1,000円)

300株以上           3枚 (3,000円)

500株以上           5枚 (5,000円)

1,000株以上       10枚(10,000円)

3,000株以上       30枚(30,000円)

5,000株以上       50枚(50,000円)

・ロボット商品の優待割引制度

メンタルコミットロボット「パロ(R)」を定価より8%割引

会話支援機器「comuoon(R)(コミューン)」を販売価格より10%割引

 

ⅱ.積水ハウス

権利確定月 1月末日
最低投資金額 1,764,000円
株主優待の内容 魚沼産コシヒカリの新米5㎏

 

ⅲミサワホーム

権利確定月 3月末日・9月末日
最低投資金額 99,700円
株主優待の内容 ・工業化住宅

戸建住宅:建物本体価格3%割引

賃貸住宅:建物本体価格1%割引

分譲住宅:建物本体価格3%割引

・在来木造住宅

戸建住宅:工事請負価格2%割引

賃貸住宅:工事請負価格2%割引

分譲住宅:建物本体価格2%割引

リフォーム

工事代金3%割引(100万円以上の工事に限る)

 

株主優待に関して大和ハウス工業と積水ハウスの優待利回りが低すぎることが気になります。

それに対してミサワホームは住宅の建設費用から1~3%と株価を超える利回りで他社を圧倒しています。

 

決算予測を比較

ⅰ.大和ハウス工業

19年3月期の連結経常利益は前の期比4.3%増の3594億円、20年3月期も前期比4.6%増の3760億円への伸びを見込んでいる。

ⅱ.積水ハウス

19年1月期の連結経常利益は前の期比4.2%減の1951億円、20年1月期は前期比6.6%増の2080億円に伸びを見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通し。

ⅲ.ミサワホーム

19年3月期の連結経常利益は前の期比18.8%増の91.1億円。20年3月期の業績見通しは非開示。

競合他社比較総合

優待ではミサワホームが他社を圧倒しています。しかし住宅セクターはPER・PBRから見ても割安感が高いセクターといえます。

大和ハウス工業を購入するなら、出遅れ感の高い積水ハウスを購入したほうが無難であると考えます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から大和ハウス工業の今後の株価推移を分析してきました。

大和ハウス工業はファンダメンタル的には「好調」で買い判断ですが、テクニカル的には天井を打った可能性もあるため、手出し無用との判断になります。

 

■投資判断基準:『手出し無用』

▷ 以下の点を総合的に勘案し、ファンダメンタルでは「買い」、テクニカル的には「売り」の判断であるため「手出し無用」

■ 業績見通し:

▷20年3月期も前期比4.6%増の3760億円への伸びを見込み9期連続の増益。

■ ROEが2018年を天井として下降中

▷東証一部の出遅れセクター

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷予想PERは現状株価で8.7倍と割安。PBRも1.38 倍で割安水準。

■ 他社との比較:

▷今期増配で株主還元も充実

■ 株主還元策の動向:

▷今期1円の増配を実施

 

【日経225企業株価予想】株を分析するならこんなふうに。業界別Nikkei銘柄のファンダメンタル分析一覧!

2019.06.27

 

 




[おすすめネット証券ランキング]

2019年現在で株式投資を始めるにあたり、マネリテ編集部が厳選したネット証券をランキング形式にまとめておりますので参考にしてみてください。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。