【7751】高配当のキヤノン(CANON)の株価は割安なのか?今後の株価推移を徹底分析する!

【7751】高配当のキヤノン(CANON)の株価は割安?今後の株価推移を徹底分析する!

キヤノン株式会社」(以下:キヤノン)は大手電子機器メーカーであり世界でも知名度は高いです。

特に日本ではなく欧米を中心としたビジネスを展開しており近年は個人向けだけでなく法人向けの製品にも力を入れています。

 

同社の有名な製品であればカメラを思い浮かべると思います。

しかし、スマートフォンの高性能なカメラ内蔵によりどの会社もカメラ事業は縮小しています。

 

キャノンもそのうちの1社であり、さらなる発展にはビジネスの軌道修正が欠かせません。

今回はキヤノンの投資有効性について解説していきます。

 

■ 投資判断基準:「売り」

▷以下の点を総合的に勘案し売り推奨。

■ 業績見通し:

▷2019年末までの業績は悪化見通しです。中国・欧州の景気減速に加え。カメラ事業の縮小などが主因となっている。

▷しかし、主要地域のマクロ経済環境が回復基調に乗れば新規事業の成長も後押しし、好調な業績になると予想。

■ ROEとROAの高さ(効率的に利益を上げられているか):

▷同業他社と比較してもかなり効率的。

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷割高。

■ 他者との比較:

▷同社は独自技術の開発に特化していることや、組立の内製化のために研究開発を多く行っているため短期的には各指標が落ち込むものの、来年以降さらなる成長が見込まれる。

■ 株主還元策の動向:

▷配当利回りはかなり高く、配当目的の投資は有効。

 

 

キャノン(7751)とはどんな会社?

1933年11月吉田五郎により「精機光学研究所」が設立されたのがキャノンの起源です。

1942年に初代社長御手洗毅が就任し、現在に至ります。

現在の社長は御手洗富士夫氏で時価総額は、約4兆1760億円(2019年5月13日現在)です。

キャノンは当初個人向けカメラを開発していて、その後テレビ用カメラや複合機、レーザプリンターを開発していきました。

2018年度推計によると、複合機(18%)、インクジェットプリンター(28%)、半導体露光装置(32%)、FPD露光装置(49%)は世界シェア2位で、デジタルカメラ(39%)、レーザプリンター(47%)は世界シェア1位です。

同社の特徴は光学技術にあり2018年米国特許登録件数では3位でした(日本企業では最多件数です)。

 

キャノンの米国特許登録件数の順位の推移

 

キャノンは世界初・業界初の独自技術にこだわる会社です。

クオリティの高いテクノロジー重視の製品開発を行っているといえるでしょう。

 

キャノンの業績推移

まずは過去13年の『売上高』と『営業利益』『経常利益』『当期純利益』について見ていきます。

 

キャノンの過去の業績推移

図1

 

図1より、業績はすべて横ばい傾向が続いていました。

2016年から5カ年計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」をスタートさせて、新規事業の成長に加えて生産性の向上を目指していますが上昇傾向はみられません。

 

2019年の業績見通しは下方修正され主因として中国・欧州の景気減速やカメラ市場の縮小など同社が当初見込んでいた以上に事業環境が悪化しているようです。

ただ、具体的に見ると複合機やレーザプリンター、半導体露光装置(メモリは除く)、メディカル事業、ネットワークスカメラ事業では増収増益を見込んでいます。

 

キャノンの売上高営業利益率の推移

図1-1

 

図1-1より、2016年の5カ年計画策定から2018年までは生産性の向上が達成されています。

しかし、2019年(予想)には不達に終わりそうです。

ただ、今後組み立ての自動化のために設備と主要部品の内製化を進めるとのことで今後の生産効率は上がるでしょう。

 

キャノンの経営状態を効率的指標から分析

ここではROAとROEについて見ていきましょう。

ROAとROEは経営効率を見る指標でROAが5%以上、ROEが10%以上あれば効率的であると考えられています。

 

カシオの過去平均ROEと現在までの推移を比較

現在のキヤノンのROAが、同社における過去(直近7年分)のROA平均とどのぐらい乖離しているのかを見ていきます。

キャノンのROEの過去比較

図2

 

図2より経営効率は今まで通り(平均的)となっています。

直近のROAの落ち込み幅は20.9%で同時期の当期純利益の同数値が18.9%であるため、直近の経営効率低下は当期純利益によるものでしょう。

次は、同業他社とのROAを見ていきます。

同業他社はすべて3月期決算ですが、簡易化のためここでは以下のように比較します。
(例:2019年3月期と2018年12月期をほぼ同時期として見る)

 

カシオの競合他社とのROA推移の比較

図2-1-1

 

図3-1-1より、同社の平均からすると経営効率は「普通」でしたが、同業他社と比較すると高水準にあることが分かります。

結論として、ROAから見る経営効率は「やや効率的」です。

5カ年計画によるさらなる生産性向上でROAは今後高まる見込みです。

 

現在のROEと過去平均ROEとの比較

現在(2019年6月初め時点)のキヤノンのROEが、同社における過去(直近7年分)のROE平均とどのぐらい乖離しているのかを見ていきます。

※ROEは「自己資本からどれだけ効率的に当期純利益を生み出したか」という指標です。

 

現在のROEと過去平均ROEとの比較

図2-2

 

図2-2より、修正ROEの水準も今まで通り(平均的)となります。

ROAと同様に直近の落ち込みは当期純利益の落ち込みによるものになります。

では次は、同業他社の修正ROEを見ていきます。

図2-2-1

同業他社とのROE比較

 

図2-2-1より、同業他社と比較すると圧倒的に修正ROEは高く、高水準が長期で維持されています。

結論として、修正ROEから見る経営効率は「良好」です。

 

キャノンは割安なのか?(PERとPBR)

株式投資をするときの鉄則は「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」ということです。

実際その銘柄が高いのか安いのか判断していく必要があります。

ここではPERとPBRに着目して検討していきたいと思います。

現在のPERと同社の過去PER平均との比較

まず現在のキヤノンのPERが、同社における過去(直近9年分)のPER平均とどのぐらい乖離しているのかを見ていきます。

現在のPERと同社の過去PER平均との比較

図3-1

 

図3-1より予想ベースでは2020年にはPERがかなり高水準にあります。

その主因が2019年5月10日から7月31日の自社株買いにあり、株主還元されていますが買い時ではありません。

 

同業他社とのPER比較

次に同業他社とキヤノンのPERを比較していきます。

同業他社とのPER比較

図3-2

 

図3-2より、同業他社と比較するとPERは平均的な水準にあり特に割安という感じではありません。

結論として、PERから見る同銘柄の相場観は「割高」です。

 

現在のPBRと同社の過去PBR平均との比較

まず現在のキャノンのPBRが、同社における過去(直近9年分)のPBR平均とどのぐらい乖離しているのかを見ていきます。

現在のPBRと同社の過去PBR平均との比較

図3-3

 

図3-3より、直近のPBRの落ち込みは同時期の株価の下落と純資産の小幅な増加にあります。

2019年3月にはかなり割安水準にあります。

しかし、2019年中ごろに自社株買いが実施されるので平均的な水準までPBRは上がるでしょう。

 

同業他社とのPBR比較

次に同業他社とキヤノンのPBRを比較していきます。

同業他社とのPBRの推移を比較

図3-4

 

図3-4より、同業他社4社の中では最も割安水準にありますが、ほとんど変わりません。

結論として、PBRから見る相場観は「中立」です。

 

キャノンの株主還元をみる

ここでは配当金について考えていきます。

同業他社配当利回り比較

まずキャノンの配当利回りは同業他社の中でどのくらいの位置づけなのでしょうか。

同業他社との配当利回りの推移の比較

図4-1

 

図4-1より、直近の配当利回りは同業他社と比較するとかなり高く配当性向も70%あるので積極的に配当政策は行われています。

 

過去の配当利回り平均との比較

キヤノンの配当利回りは同社の過去平均と比べてどの水準なのでしょうか。

キャノンの過去の配当利回り平均との比較

図4-2

 

図4-2より、同社の今までの水準から見てもかなり配当利回りは高くなります。

年2回配当が行われるという点から見ても、配当目的の投資は有効だといえます。

 

まとめ

配当利回りが高いものの業績の不透明性は高く株価的にも割安とは言えないことから当面は購入を見送ったほうが賢明といえるでしょう。

 

■ 投資判断基準:「売り」

▷以下の点を総合的に勘案し売り推奨。

■ 業績見通し:

▷2019年末までの業績は悪化見通しです。中国・欧州の景気減速に加え。カメラ事業の縮小などが主因となっている。

▷しかし、主要地域のマクロ経済環境が回復基調に乗れば新規事業の成長も後押しし、好調な業績になると予想。

■ ROEとROAの高さ(効率的に利益を上げられているか):

▷同業他社と比較してもかなり効率的。

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷割高。

■ 他者との比較:

▷同社は独自技術の開発に特化していることや、組立の内製化のために研究開発を多く行っているため短期的には各指標が落ち込むものの、来年以降さらなる成長が見込まれる。

■ 株主還元策の動向:

▷配当利回りはかなり高く、配当目的の投資は有効。

 

 

 

以上、【7751】高配当のキヤノン(CANON)の株価は割安なのか?今後の株価推移を徹底分析する!…でした。

 

 

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2019.09.13

 




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