【8253】流通系カード大手の『クレディセゾン』の株価をファンダメンタル、テクニカル両面から見通す。

【8253】流通系カード大手の『クレディセゾン』の株価をファンダメンタル、テクニカル両面から見通す。

クレディセゾンは流通系カードでトップシェアを誇るクレジットカード会社です。

近年はベトナムやシンガポールといった海外にも進出しています

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からクレディセゾンの今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:投資対象外

以下の点を総合的に勘案し、クレディセゾンは現状「投資対象外」と分析。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結最終利益は305億円、20年3月期は前期比5.0%減の290億円に減る見通しであり、業績の回復に疑問を感じる。

■ 指標関連:

▷ 予想PERは6.6 倍、予想PBRは0.39倍で割安水準であるが、これは不人気からくる悪い割安感であると判断。

▷ 業績の持ち直し傾向がみられるオリエントコーポレーションやジャックスのほうが、ファンダメンタル的に投資しやすいこと。

■ テクニカル的な判断:

▷ 長期的に雲(上値抵抗)があり、テクニカル的に株価の上昇が難しいこと。

 

流通系カード大手のクレディセゾンとは?

ここでは流通系カード大手のクレディセゾンの業務内容を見ていきたいと思います。

①:カードビジネス

従来型のクレジットカードやプリペイドカードはもちろん、モバイル決済をはじめとしたカードレス決済スキーム構築に取り組んでいます。

 

②:ファイナンスビジネス

クレディセゾンのファイナンスビジネス部門は順調に資産残高を増加させています。

まさにクレディセゾンの成長セクターです。

ファイナンスビジネスの資産残高

クレディセゾンHP

 

ⅰ.リース&レンタル事業

ⅱ.信用保証事業

ⅲ.フラット35

ⅳ.その他ファイナンス商品

 

③:ソリューションビジネス

ソリューションビジネスでは法人マーケットのキャッシュレス化を推進しています。

 

④:コンテンツビジネス

カード会社だからできる本人確認済みの事実データを活用し、最適な情報をタイムリーに提供し、

独自性あるコンテンツを創出しています。

 

⑤:Asiaビジネス

クレディセゾンは「アジアにおいて他にない新たなファイナンスカンパニー」になることに挑戦しています。

 

⑥:資産運用ビジネス

クレディセゾンは現在、主力事業化として資産運用ビジネスを推進中です。

 

見てきたように、クレディセゾンはクレジットカードだけではなく、

次世代に向けたグローバルなファイナンスカンパニーとなるべく邁進中です。

 

クレディセゾンの過去10年の業績推移(PL)

ここではクレディセゾンの過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益EPSBPS
2007/03333,68375,20180,15714,82190.72,448.6
2008/03345,58657,19158,11126,755163.82,564.5
2009/03327,08934,54830,953-55,513-339.861,944.4
2010/03306,85536,17339,10618,680114.42,077.6
2011/03285,71227,37733,76212,82978.62,116.4
2012/03244,00931,86538,5909,45357.92,163.7
2013/03244,40542,31253,21432,770200.62,395.4
2014/03247,57736,33644,42625,569156.62,566.8
2015/03259,07640,16143,68712,62877.32,724.0
2016/03269,91936,59343,80226,163160.22,562.4
2017/03278,94431,21353,06542,253258.72,723.6
2018/03 I52,85038,446235.42,993.7
2019/03 I45,76330,517186.83,004.7
2020/03予I29,000177.6

 

わかりやすく図示すると以下のようになります。

 

クレディセゾンの業績推移

クレディセゾンの売上高ですが、リーマンショックではなく2012年に底打ちしています。

2012年から現在まで微増傾向になることがわかります。

また本業の成績を示す営業利益ですが、こちらはリーマンショックの2009年に底打ちしています。

その後上下を繰り返しつつ、現在は微減傾向であることがわかります。

よってクレディセゾンの業績は今だ不透明感が高いということがわかります。

 

クレディセゾンが5月15日に決算を発表しました、

19年3月期の連結最終利益は305億円、20年3月期は前期比5.0%減の290億円に減る見通しであると公表しています。

なお、クレディセゾンは19年3月期より会計基準を「日本基準→国際会計基準」に移行しています。

 

クレディセゾンのROEとROA

クレディセゾンのROEROAの推移は営業利益同様、009年に底打ちし、その後上下を繰り返していることがわかります。

決算期ROEROA
2007/033.70%0.64%
2008/036.38%1.09%
2009/03-17.47%-2.31%
2010/035.50%0.79%
2011/033.71%0.57%
2012/032.67%0.44%
2013/038.37%1.53%
2014/036.10%1.12%
2015/032.84%0.53%
2016/036.25%1.03%
2017/039.49%1.55%
2018/03 I7.86%1.30%
2019/03 I6.22%0.95%
2020/03予 I5.91%0.90%

 

わかりやすく図示すると以下となります。

 

クレディセゾンのROEとROA

 

営業利益と異なる点は、上下しつつ、数値が向上してきている点です。

このため、ROEとROAに関しては順調に回復してきているといえます。

ROEに関しては、ここ4年間6%以上で推移しており、落ち着きを取り戻しつつあります。

またROAに関しても、直近4年間は0.9%以上で推移しています。

しかし、ROEの東証一部の平均値は8%、ROAの東証一部の平均値は2%であることから、

いまだに上振れ余地を残した状態であるといえます。

 

クレディセゾンの中期経営計画「Neo Finance Company in Asia」

クレディセゾンでは決算と同時に中期経営計画「Neo Finance Company in Asia」を策定しています。

クレディセゾンの中期経営計画

クレディセゾン

 

①:数値目標

2019年度は、システム関連費用の増加やICカード前倒し更新費用の増加により減益を見込んでいます。このため中期経営計画では2019年を底に再度成長していく戦略をとっています。

具体的には、連結経常利益を2019年425億円から2021年には600億円まで拡大していく見込みです。

 

②:中期経営計画における重点ポイント

ⅰ.ショッピング取扱高の拡大(2021年度6.4兆円目標)

ⅱ.キャッシングビジネスの拡大

ⅲ.提携先とのリレーション強化と新規アライアンス強化

ⅳ.進出国事業における「種まき」から「収穫」期への移行

 

連結経常利益を175億円増加させるために、海外事業の収益がポイントになります。

こちらの具体的数値が示されていないのは少々不安要素であると考えます。

 

クレディセゾンのファンダメンタル分析総合

リーマンショックからの業績の回復がもたついています。

また、改善しつつある業績ですが、中期経営計画を見る限り、

海外の業績がどのくらい伸びるのかといったことが示されていないことが懸念事項です。

また金融セクター全体がマイナス金利政策の影響で不透明であることを併せ考えると、

ファンダメンタル的には「様子見」という判断になります。

 

クレディセゾンのテクニカル分析

ここではクレディセゾンは買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

クレディセゾンの過去10年の株価推移

クレディセゾンの月足チャート

上図はクレディセゾンの過去10年間の株価推移です。

日経平均株価とも業績とも連動しない独特の動きを形成しているといえます。

 

クレディセゾンのテクニカル分析

クレディセゾンのテクニカルチャート

 

ⅰ.2013年Wトップを付ける

2013年にWトップ(天井サイン)を付け、2,996円から1,753円まで下落。

その後いったん戻しに入りましたが、高値を更新することができず、上値の重たさが目立つ展開になっています。

 

ⅱ.幅がある下落トレンド入り

その後900円近い幅のある下落トレンド入りをしています。

 

ⅲ.レンジブレイクで下落速度加速

トレンドラインを下にブレイクし、さらに下落速度が加速する展開になっていることがわかります。

 

テクニカルから見たクレディセゾン

下落トレンドから抜け出せないクレディセゾンは投資対象外です。

目先直近安値の907円が意識される展開になると考えられますが、そこで底が割れてしまうと、底なし沼に落ちてしまうため、

リスクが高く買える銘柄ではありません。

 

クレディセゾンの競合他社比較

クレディセゾン(8253)を同業であるオリエントコーポレーション(8585)、ジャックス(8584)と比較検討していきます。

クレディセゾンオリコシャックス
PER6.6倍10.47 倍7.7倍
PBR0.39倍1.07 倍0.51倍
配当利回り3.85%2.34%3.99%
ROE6.22%11.21%6.02%
ROA0.95%0.52%0.2%

 

①:PER

日経平均株価の平均PERは13~14倍です。

よってカードセクターはセクターで割安水準であるといえます。

 

②:PBR

日経平均株価の平均PBRは2倍です。

カードセクターはセクター的に割安であるといえます。

 

③:配当利回り

オリエントコーポレーションがPER・PBRから見て、他企業より買われている結果、配当は他企業よりも低い設定になっています。

クレディセゾンは3.85%、シャックスは3.99%と配当が高く設定されています。

 

④:株主優待

全社株主優待を設定していません。

 

⑤:決算予測

ⅰ クレディセゾン

19年3月期の連結最終利益は305億円、20年3月期は前期比5.0%減の290億円に減る見通し。

 

ⅱ オリエントコーポレーション

19年3月期の連結経常利益は前の期比27.0%減の219億円、20年3月期は前期比13.8%増の250億円に伸びる見通し。

 

ⅲ ジャックス

19年3月期の連結経常利益は前の期比13.5%増の144億円、20年3月期も前期比6.6%増の154億円に伸びる見通し。

 

カードセクターはクレディセゾン以外は業績が上向きになっています。特にジャックスは10円の増配も発表しており、現在も株価は年高を更新し好調に推移しています。

 

⑥:競合他社比較総合

業績が上向き気味でありかつ割安なオリエントコーポレーションに投資妙味があります。

オリエントコーポレーションは低位株でもあり、低位株としても物色されやすいため、

株価の上昇にも期待が持てる銘柄であるといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からクレディセゾンの今後の株価推移を分析してきました。

クレディセゾンはファンダメンタル的にもテクニカル的にも買う理由が見当たりません。

よって、「投資対象外」と判断することができます。

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。