【JR東海】東海旅客鉄道(9022)の株価推移と今後の見通しを予想!堅調な業績と割安なPER水準が魅力的。

【損益計算書の見方】営業利益・経常利益・純利益の違いをわかりやすく解説。

JR東海」と言えば日本の大動脈の一旦を担う東海道新幹線を主要事業として運営している代表的な鉄道企業。

 

信太郎
時価総額でいうとJR東日本よりも大きくて鉄道業種でNo.1の規模を誇っておるぞ!
秀次郎
JR東海は安定的な利益が見込めるディフェンシブ銘柄の代表的な企業ですね!

 

このコンテンツでは日本を代表するインフラ企業であるJR東海(=東海旅客鉄道)のファンダメンタル分析を行い、投資妙味があるのかを紐解いていきます。

 

■投資判断基準:「買い」

▷ 以下の点を総合的に勘案し「買い」と判断。目標株価3万円を数年で突破が見込まれる。

■業績見通し:

▷ 過去10年順調に且つ安定的に業績を伸ばしている。

▷ ROEは12%程度の高水準で安定している。

▷ リニア関連の固定負債は大きいが流動負債は低く安定キャッシュフローで財務基盤も健全。

■ 競合他社との比較:

▷ 競合と比較して配当利回りは低いが成長率、割安度ともに優位性が高い。

■ 株主還元策の動向:

▷ 配当利回りは1%未満であるが成長投資を行っているためポジティブ。

 

安定した売上高と右肩上がりの各利益を詳細に分析

まずは一番重要な収益力について詳しく見ていきましょう。

『売上高』『営業利益』『経常利益』『純利益』の概要

以下はJR東海の過去10年分と2020年3月期の『売上高』『営業利益』『経常利益』『純利益』の推移です。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/03 1,491,269402,487236,654137,144
2008/03 1,559,467434,462276,245159,774
2009/03 1,570,253382,341218,106126,052
2010/03 1,486,632293,474165,22091,764
2011/03 1,503,083349,347228,592133,807
2012/03 1,508,328372,521263,805132,781
2013/03 1,585,319426,142328,099199,971
2014/03 1,652,547494,612404,260255,686
2015/03 1,672,295506,598428,134264,134
2016/03 1,738,409578,677511,455337,440
2017/03 1,756,980619,564563,973392,913
2018/03 1,822,039662,023583,569395,502
2019/03 1,878,137709,775632,653438,715
2020/031,891,000676,000599,000416,000

 

売上高は10年間で緩やかに増えています。

2008年-2009年のリーマンショクや2015年-2016年のチャイナショック機も減少していないのが特筆的ですよね。

 

内需中心で常に需要があるデフェィンシブ銘柄の特徴を体現していると言えますね。

更に営業利益の上昇を主因として、経常利益、当期純利益も増加しています。

 

秀次郎
そう言えば、営業利益、経常利益、当期純利益の違いは何でしたっけ?
信太郎
営業利益は本業の収益、経常利益は全体の収益、純利益は特別損益や法人税を加味した後の最終損益じゃ。

 

▶︎【損益計算書の見方】『営業利益』『経常利益』『純利益』の違いをわかりやすく解説。

 

それでは各種利益について詳しく見ていきましょう。

本業が堅調でコストカットも功を奏し堅調な営業利益

秀次郎
売上高と営業利益が右肩上がりということは本業が堅調ということですね!でも。人口も増えない日本で何故本業が好調なのでしょうか?

 

まずはJR東海は主力の東海道新幹線の運行本数を増やしており、それに伴い乗客も着実に伸ばしています。

以下はJR東海の決算説明資料ですが東海道新幹線の乗客は2008年比で22%上昇し、運行本数も12%上昇しています。

 

JR東海の運行本数と乗客数の推移

JR東海決算説明資料

 

更に2020年春には一番早い新幹線である『のぞみ』を1時間あたり現在の10本から12本に増加させることを述べています。

 

秀次郎
5分に1本のペースですな!日本の運行時間の管理能力は世界一といわれておりますからな。
信太郎
更に売上が右肩上がりなのに低コスト化を推し進めて営業費用が低下していることも一役かっておるの。

 

低コスト化が順調なJR東海

 

常に経営努力を怠ってないことが分かりますね。

では次に経常利益と純利益について見ていきましょう。

リニアモーター関連費用で押し下げられる『経常利益』『純利益』

 

秀次郎
しかし、何故営業利益に対して経常利益が凹んでいるのでしょうか?
信太郎
リニアモーターカーの借入費用が原因じゃな。

 

JR東海では2027年に品川-名古屋間のリニアモーターの開通(中央新幹線)を目指し急ピッチで開通工事を行なっています。

以下はJR東海のバランスシートの固定負債の欄ですが、3兆円の借入を行なっています。

JR東海の固定負債

JR東海の有価証券報告書

 

結果として借入金に対する利息として全体で800億円の借入利息が発生しており経常利益以降の下押し要因になっています。

JR東海の利息費用

 

秀次郎
実際に建設にかかった費用はまだ損益計算書には落ちないのですか?
信太郎
建設費用はリニアが開通したあとに減価償却費として費用項目に毎年落ちてゆくぞ。

 

未来のための先行投資を行なっているため、経常利益が凹んでいるということになります。

一方、営業外収益の受取配当金や持分法投資損益は増加傾向です。

投資によって得られる収益も増加してきていることが分かりますね。

安定した『ROE』と上昇基調の『ROA』

ROEは効率性を重視する指標としてROEとROAがあります。

▶︎ 【ROE・ROAとは?】自己資本利益率と総資産利益率の計算方法と基準としての目安をわかりやすく解説

 

 

日本企業の平均ROEは10%程度なので平均よりも少し上を維持していますね。

JR東海のROEとROA
決算期ROEROA
2007/03 17.02%2.66%
2008/03 17.14%3.10%
2009/03 12.44%2.41%
2010/03 8.39%1.76%
2011/03 11.08%2.55%
2012/03 10.07%2.55%
2013/03 13.21%3.82%
2014/03 14.58%4.94%
2015/03 13.07%5.06%
2016/03 14.57%6.40%
2017/03 14.59%5.57%
2018/03 12.94%4.44%
2019/03 12.64%4.72%
2020/03予11.98%4.48%

 

 

同業他社であるJR東日本のROEが平均して10%、JR西日本のROEが10%-11%であることを考えると優秀な数値ですね。

 

流動負債は極小で固定負債も安定したキャッシュフローで返済可能

今までは損益計算書について見てきましたが、バランスシートにも踏み込んで見ましょう。

JR東海のバランスシート

決算短信より編集部作成

 

一年以内に返済の必要性がある流動負債は僅か6000億円という規模におさまっており流動資産で十分返済可能です。

確かに、固定負債は5兆円という巨額ですが6割型はリニアのために資金となっています。

 

営業活動から得られるキャッシフローは毎年9000億円近くあるので、将来的に返済することは容易な水準となっています。

リニア開通後に長期負債を返済することで営業外費用の支払利息が減り収益が更に改善されていくことが予想されます。

 

割安感のある株価水準

それでは肝心の株価について掘り下げていきましょう。

JR東海の株価推移

肝心の株価ですが過去10年間で約3.5倍に順調に上昇していることが分かります。

JR東海の株価推移

 

過去10年と過去5年で日経平均と比較しても大幅にオーバーパフォームしています。

 

【過去10年】

リーマンショック以降の動きでは日経平均を大幅にパフォームしていることが分かりますね。

 

【過去5年】

更に直近の5年間を見てみましょう。

流石安定した利益が見込めるディフェンシブ銘柄の代表格ということもあり市場下落局面での影響を抑えられています。

2018年フォの市場下落局面も無傷で乗り切っていますね。

 

EPSの上昇のおかげで割安な株価水準

株価は堅調に推移していることが分かりました。

重要な現在の株価水準について割安なのかを掘り下げていきましょう。

株価 = EPS(1株あたり利益) × PER

で表されます。

まずEPSですがJR東海の1株あたりの利益(=EPS)も純利益の上昇に伴い上昇基調となっています。

▶︎ EPS(Earnings Per Share)とは?株価とPERとの関係を含めてわかりやすく解説。

 

信太郎
利益が上昇してても発行済株式数が大幅に上昇すればEPSは変わらんからの。JR東海は発行済株式数もそこまで変わっていないことがわかるな。

 

JR東海のEPSとBPS
決算期EPS
2007/03 699.9
2008/03 815.4
2009/03 643.3
2010/03 468.3
2011/03 682.9
2012/03 677.6
2013/03 1020.5
2014/03 1304.9
2015/03 1348
2016/03 1722.1
2017/03 2005.2
2018/03 2018.4
2019/03 2238.9
2020/03予 2123

 

株価自体は上昇基調となっています。

しかしEPSが上昇しているのですJR東海の株価はPER11倍と若干の割安水準になっています。

 

JR東海の株価とPERの推移

 

過去の2007年〜2019年のEPSの年平均成長率は12.94%となっています。

バフェットと並んで投資の神様として扱われている『ピーターリンチ』によると以下の基準を満たす銘柄が魅力的としています。

 

『EPSの成長率』>『PER』

 

JR東海のEPS成長率 12.94%  >  現在のPER11.3倍、なので十分バーゲンセールの状態であるということができるでしょう。

 

同業他社との割安度比較

銘柄分析を行う際は同業他社とのPERの比較を欠かすことはできません。

信太郎
業界平均のPERが高い業界と低い業界があるからの。IT系は高い傾向にあるぞ。

 

以下は同業他社といえるJR東日本とJR西日本とのPERとPBRの比較です。

 

2019年4月27日JR東海JR東日本JR西日本
PER11.3倍13.3倍13.4倍
PBR1.35倍1.30倍1.47倍

 

最も収益力が高いJR東海が最も割安なPER水準となっているので魅力は高いですね。

 

【鉄道・バス株見通し】JR東日本をはじめとした個別株式銘柄を分析&株価予想!

2019.09.14

 

株価予想:中期的に3万円は堅い

先ほどみてきたようにEPSは順調に右肩上がりとなっています。

過去平均の成長率は以下となっています。

 

過去5年平均成長率:9.5%

過去10年平均成長率:16.3%

 

2020年の予想EPSをベースに今後のEPSを成長率毎に予測すると以下の通りとなります。

予想EPS5%成長5年平均
9.5%成長
10年平均
16.3%成長
2020年3月2,123.02,123.02,123.0
2021年3月2,229.22,324.72,469.0
2022年3月2,340.62,545.52,871.5
2023年3月2,457.62,787.43,339.6
2024年3月2,580.53,052.23,883.9
2025年3月2,709.53,342.14,517.0

 

上記のEPSを元に過去平均PER11倍で算定した株価予想は以下となります。

 

予想株価
(PER11倍)
5%成長5年平均
9.5%成長
10年平均
16.3%成長
2020年3月23,35323,35323,353
2021年3月24,52125,57227,160
2022年3月25,74728,00131,587
2023年3月27,03430,66136,735
2024年3月28,38633,57442,723
2025年3月29,80536,76349,687

 

中期的にみると3万円を超えて4万円近い水準になることが見込めるでしょう。

 

まとめ

JR東海は東海道新幹線の運行本数並びに乗客を順調に増やしており本業の利益である営業利益の増加を主因に順調に純利益を伸ばしていることがわかりました。

またバランスシートも流動負債が小さく資金繰りは問題ない状況となっています。

 

現在、リニアの開通に向けて3兆円規模の借入を行なっていますが、これは毎年安定して1兆円程度のキャッシュが生み出されるので問題ない水準といえます。

 

株価は過去10年で大きく上昇しているものの、EPSの増加に伴ったもので、PERは11倍台と同業他社に対しても割安な水準で放置されています。

 

EPSの2007年からの年平均成長率は13%近く現在の株価水準は投資妙味のある水準であると言えます。

 

以上、【JR東海】東海旅客鉄道(9022)の株価推移と今後の見通しを分析!堅調な業績と割安なPER水準が魅力的。…の話題でした。




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