「西日本旅客鉄道」は北陸3県・近畿地方・中国地方を中心に鉄道路線網を持つ鉄道会社。
同鉄道は、東日本旅客鉄道に次ぐ事業規模を誇っています。
今回はファンダメンタルとテクニカル両面から、西日本旅客鉄道の今後の株価推移を分析していきます。
■ 投資判断基準:長期投資向きの「買い」判断
▷以下の点を総合的に勘案し、西日本旅客鉄道は長期投資向きの「買い」と予想。
▷ターゲット値は超長期で13,000円(現在8,800円)を予測。
■ 業績見通し:
▷19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の1833億円。
▷20年3月期は前期比0.6%増の1845億円を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通し。
■ 指標関連:
▷ROEとROAも安定感が高い。
▷予想PER 13.8倍、予想PBRは1.51倍でともに割安水準である。
■ 他社との比較:
▷買われすぎの競合と比較して、割安水準で投資効率が良いと判断できる。
■ テクニカル的な判断:
▷長期上昇トレンド継続中。
■ 株主還元動向:
▷株主優待が充実しているため、優待や配当といったインカムゲインを享受しながらの長期投資向きの銘柄。
Contents
【企業情報】西日本旅客鉄道(JR西日本)とは?
西日本旅客鉄道は北陸3県・近畿地方・中国地方を中心に鉄道路線網を持つ鉄道会社です。
ここでは西日本旅客鉄道の事業内容をご紹介していきます。
①:鉄道事業
西日本旅客鉄道では2005年4月25日に発生させた列車事故を忘れることなく、安全の確保こそ最大の使命であると考え、安全憲章を定めています。
また快適に利用できるように、駅や車内でも様々な取り組みを行っています。
②:創造事業
物販飲食・不動産・ショッピングセンター・ホテルなどの事業にも取り組んでいます。
西日本旅客鉄道の過去10年の業績推移(PL)
ここでは日本を代表する鉄道会社である、西日本旅客鉄道の過去10年間の業績推移を見ていきます。
下記は西日本旅客鉄道の過去10年間の業績推移です。

西日本旅客鉄道の売上高は2010年を底としてきれいな右肩上がりに推移していることがわかります。
比較して、本業を表す営業利益も売上高同様、2010年を底としてきれいな右肩上がりに推移しています。
よって、西日本旅客鉄道の業績は良好であることがわかります。
西日本旅客鉄道が4月26日に発表した決算によると、19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の1833億円、20年3月期は前期比0.6%増の1845億円を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しであることを公表しています。
また配当に関しては、今期の年間配当は前期比15円増の190円に増配するとしています。
西日本旅客鉄道のROEとROA
西日本旅客鉄道のROEとROAも業績と同様に2010年からV字回復を果たしています。


ROEは3.71%~10.82%と狭い幅で安定的に推移しています。
加えて2013年以降は日本の東証一部の平均値である8%を超えて推移しているため安定感があるということができます。
またROAもROE同様0.98%~3.60%と狭い幅で安定的に推移しています。
加えて2013年以降は日本の東証一部の平均値である2%を超えて推移しています。
よって、西日本旅客鉄道のROEとROAは安定感のある推移をしていると判断することができます。
西日本旅客鉄道の中期経営計画「JR西日本グループ中期経営計画2022」
JR 西日本は2022年を見据えた『JR西日本グループ中期経営計画2022』を発表しています。
鉄道事業
鉄道事業の基本戦略は以下の4つです。
- 安全性の向上
- CSの向上
- 生産性の向上
- 人材育成と技術による変革
事業戦略については、新幹線、近畿エリア、西日本各エリアの強化となっています。
創造事業
創造事業の基本戦略は以下の4つです。
- 主要事業の深耕
- 新たな市場への進出
- 新たな事業領域への展開
- 成長を支える基礎づくり
具体的には『物販・飲食』、『不動産賃貸・販売』、『ショッピングモール』、『ホテル』の強化となっています。
数値目標
2022年まで営業収益を1.6兆円、ROAを6.3%に、2030年まで営業収益を2兆円に設定。
西日本旅客鉄道のテクニカル分析
ここでは西日本旅客鉄道は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。
西日本旅客鉄道の過去10年の株価推移


上記は西日本旅客鉄道の過去10年間の株価推移です。見事な長期上昇波動を形成しています。
西日本旅客鉄道のテクニカル分析


移動平均線の向きや角度から、今後上昇第2波が起こると予測されます。
まさに、王道の長期上昇波動で文句なしのテクニカルといえます。
長期上昇波動継続中により「買い」判断です。素晴らしいチャートを形成しています。
西日本旅客鉄道の競合他社比較
西日本旅客鉄道(9021)を同業である小田急電鉄(9007)、京王電鉄(9008)、東日本旅客鉄道(9020)、東海旅客鉄道(9022)と比較検討していきます。
西日本旅客鉄道 | 小田急電鉄 | 京王電鉄 | 東日本旅客鉄道 | 東海旅客鉄道 | |
PER | 13.8 倍 | 29.3 倍 | 31.0 倍 | 13.1 倍 | 10.7 倍 |
PBR | 1.51 倍 | 2.53 倍 | 2.40 倍 | 1.28 倍 | 1.28 倍 |
配当利回り | 2.24% | 0.82% | 0.73% | 1.60% | 0.66% |
ROE | 9.52% | 8.49% | 7.40% | 9.63% | 12.64% |
ROA | 3.17% | 2.47% | 3.06% | 3.53% | 4.72% |
株主優待を比較
【ⅰ.西日本旅客鉄道】
自社営業路線内の運賃・料金割引券(1枚5割引き)
100株以上 | 100株ごとに1枚 |
1,000株以上 | 10枚+1,000株超過分200株ごとに1枚 |
10,000株以上 | 55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚 |
20,000株以上 | 100枚 |
【ⅱ.小田急電鉄】
a 電車全線優待乗車証(回数券式、1枚1乗車有効)
b 電車全線優待乗車証(定期券式)
c 電車全線および小田急バス全線共通優待乗車証(定期券式)
500株以上 | a 4枚 |
1,500株以上 | a 10枚 |
2,500株以上 | a 20枚 |
3,500株以上 | a 30枚 |
5,000株以上 | a 40枚 |
10,000株以上 | a 80枚 |
15,000株以上 | b 1枚 or a 110枚 |
30,000株以上 | c 1枚+a 30枚、b 1枚+a 60枚、a 140枚 |
d 500株以上の保有で小田急グループ関連施設の各種割引券
e 15,000株以上の保有でゴルフ施設割引券、自社カレンダー
【ⅲ京王電鉄】
株主優待乗車証(a 電車全線優待乗車券or b 高速バス優待券の選択式)
100株以上 | a 2枚 |
200株以上 | 200株ごとにa 4枚 |
1,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 2枚 |
2,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 3枚 |
2,400株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 4枚 |
3,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 5枚 |
3,400株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 6枚 |
4,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 7枚 |
4,400株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 8枚 |
5,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 9枚 |
5,400株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 10枚 |
6,000株以上 | 200株ごとにa 4枚、b 11枚 |
6,000株以上 | a 30枚 + 電車全線優待パス 1枚、b 20枚 |
11,400株以上 | a 40枚 + 電車全線優待パス 1枚、b 30枚 |
c京王百貨店:お買物金額(税込3,240円以上)10%割引
d京王プラザホテルチェーン:宿泊正規料金20%割引、飲食代10%割引(税込2,160円以上)
e京王観光:キングツアー5%割引、その他のパッケージツアー3%割引
f京王ストア:お買物50円割引(税込1,000円以上)
g京王プレッソイン:シングルルーム宿泊正規料金50%割引
h京王プレッソイン:シングルルーム宿泊正規料金50%割引
i京王百草園, 京王フローラルガーデンアンジェ
j京王グループカレンダー引換券
【ⅳ.東日本旅客鉄道】
自社営業路線内の運賃・料金割引券(1枚2割引き)
100株以上 | 100株ごとに1枚 |
1,000株以上 | 10枚+1,000株超過分200株ごとに1枚 |
10,000株以上 | 55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚 |
20,000株以上 | 100枚 |
50,000株以上 | 250枚 |
100,000株以上 | 500枚 |
【ⅴ東海旅客鉄道】
自社営業路線内の運賃・料金割引券(1枚1割引き)
100株以上 | 100株ごとに1枚 |
1,000株以上 | 10枚+1,000株超過分200株ごとに1枚 |
10,000株以上 | 55枚+10,000株超過分300株ごとに1枚 |
20,000株以上 | 100枚 |
50,000株以上 | 250枚 |
100,000株以上 | 500枚 |
各社の決算予測
【ⅰ.西日本旅客鉄道】
19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の1833億円、20年3月期は前期比0.6%増の1845億円を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通し。
【ⅱ小田急電鉄】
19年3月期の連結経常利益は前の期比3.8%増の496億円、20年3月期は前期比0.6%減の494億円との見通し。
【ⅲ京王電鉄】
19年3月期の連結経常利益は前の期比9.9%増の392億円、20年3月期も前期比6.7%増の419億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通し。
【ⅳ東日本旅客鉄道】
19年3月期の連結経常利益は前の期比0.7%増の4432億円、20年3月期は前期比0.6%増の4460億円を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通し。
【ⅴ東海旅客鉄道】
19年3月期の連結経常利益は前の期比8.4%増の6326億円、20年3月期は前期比5.3%減の5990億円に減る見通し。
競合比較総合
旧国鉄系が割安で長期投資向け。優待を考慮し、自分のお住いの地区の旧国鉄系の鉄道会社に長期投資がおすすめ。
まとめ
西日本旅客鉄道はテクニカル的には長期上昇波動を継続中、ファンダメンタル的にも長期で安定した業績が期待できます。
よって、西日本旅客鉄道はインカムゲインを目的とした長期投資向けの銘柄といえます。
■ 投資判断基準:長期投資向きの「買い」判断
▷以下の点を総合的に勘案し、西日本旅客鉄道は長期投資向きの「買い」と予想。
▷ターゲット値は超長期で13,000円(現在8,800円)を予測。
■ 業績見通し:
▷19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の1833億円。
▷20年3月期は前期比0.6%増の1845億円を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通し。
■ 指標関連:
▷ROEとROAも安定感が高い。
▷予想PER 13.8倍、予想PBRは1.51倍でともに割安水準である。
■ 他社との比較:
▷買われすぎの競合と比較して、割安水準で投資効率が良いと判断できる。
■ テクニカル的な判断:
▷長期上昇トレンド継続中。
■ 株主還元動向:
▷株主優待が充実しているため、優待や配当といったインカムゲインを享受しながらの長期投資向きの銘柄。
以上、【9201】鉄道系の中で高配当の西日本旅客鉄道(JR西日本)の今後の株価推移を予想!…でした。
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