【日本たばこ産業】JT(2914)の業績推移と株価を分析!国内トップクラスの高配当銘柄の今後を予想する。

【日本たばこ産業】JT(2914)の業績推移と株価を分析!国内トップクラスの高配当銘柄の今後を予想する。

日本国内のたばこ製造を独占している企業がJTです。

家三郎
近年、喫煙による健康への影響などの問題から、喫煙はネガティブに捉えられることが多いのぉ。

 

その結果、実際に喫煙者数、喫煙率が低下の一途を辿っています。

 

そういった状況でたばこ銘柄であるJTの業績はどうなっているのでしょうか?

JT株は「買い」なのでしょうか?それとも「売り」なのでしょうか?

 

今回は「JT」の業績をもとに分析してみます。

 

■ 投資判断基準:短期的に「保留」長期的には加熱式たばこなどの進捗によっては「買い」

以下の点を踏まえ短期的には株価は定まらないが、長期的には株価が上昇する可能性が高いと判断。

配当利回りは6%と高いため、下落耐性は高い。

■ 現在の株価:

▷低値圏で停滞しているが、配当利回りが6%程度ありこれ以上の大幅下落の可能性は低いか。

■ 業績:

▷国内たばこ販売の低下により近年は下降気味だが、海外事業が成長。

■ ROEとROA:

▷ROEは15%程度、ROAは7%程度と優秀。

■ 加熱式たばこ、海外事業:

▷開発、販売の遅れていた加熱式たばこを積極的に展開、シェアを獲得できれば再成長へ、海外事業展開も積極的。

目次

JT(日本だばこ産業)とは  

JTは国内たばこを独占的に販売するために政府が設立した日本専売局、日本専売公社が基となっております。

 

1985年に日本たばこ産業株式会社が設立。

1994年には政府が保有していた同社株を市場にて売り出したことで、現在のような株主が多岐にわたる上場企業へと至りました。

 

現在でも国内のたばこ製造を独占しているメーカーであり、時価総額5兆円に届く大企業です。

 

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JTの事業

JTの事業セグメントは「国内たばこ事業」、「海外たばこ事業」、「医薬事業」、「加工食品事業」の4つです。

 

JTはたばこのイメージが強いです。

実は、たばこ事業の他にも医薬品の開発・製造・販売を行う医薬事業や冷凍食品や加工食品、調味料などの製造・販売を行う加工食品事業があります。

 

ただし、医薬事業と加工食品事業を合わせても売り上げの1割を少し超える程度の規模です。

たばこ事業が主力であることに間違いはありません。

 

主力のたばこ事業は海外事業が国内事業の2倍以上の売り上げとなっています。

 

国内たばこメーカーのイメージがあるJTですが、実際は海外でのたばこ販売の方がかなり多く、売上全体の50%以上が海外売上です。

 

海外でもシェアを獲得しているJTのたばこ事業は世界3位の規模となっており、ロシアや台湾でもシェアは1位。

イギリスやイタリアなどの欧州でも高いシェアを獲得しています。

 

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JTの過去10年の業績推移(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)

JTの過去10年間の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は下記の通りです。

JT PL

 

営業利益、経常利益、純利益ともにここ数年間は少しずつ落ち込んでおり、たばこ販売の苦戦が影響しています。

 

2014年に落ち込んでいるように見えます。

しかし、これは決算時期を変更したことによるものです。

決算月が3月決算から12月決算に変更したことにより2014年は4月~12月の9カ月の決算となっている為です。

 

他の年に比べて3カ月短い決算となっていますので、業績が大幅に落ち込んでいるように見えます。

しかし、実質の業績が大きく落ち込んだわけではありません。

 

また、2011年3月期より売上高が大幅に減少しているのは、会計基準を国際基準のIFRSに変更したためです。

JTの主力商品であるたばこは価格のかなりの部分を税金が占めます。

 

日本の会計基準では、たばこ税も含めた販売価格が売上に計上されていましたが、IFRS基準ではたばこ税は売上には含めません。

ですので、実際の顧客への売上高は同程度でも売上高としては大幅に落ち込んでいるように見えるのです。

 

たばこ事業の特徴として安定性が高いという点があります。

というのは、たばこにはニコチンが含まれており依存性があるからです。

 

ニコチンによる依存性があるため、いわゆるヘビースモーカーと呼ばれる人達全員が急にたばこを辞めるという可能性は低いと考えられます。

依存性がある故に、たばこ税の増税などにより価格が上昇してもたばこは売れ続けます。

 

実際、たばこの価格弾力性(価格が上昇した際の需要の落ち込みを測る指標)は低く、数値的には生活必需品などと同レベルの数値です。

価格弾力性が1以下の場合は理論上販売価格を上げた方が、売上は高くなります。

 

通常、価格弾力性が1以下の商品と言うと、食料品などの価格が高くなっても買わざるを得ない生活必需品などが該当します。

しかし、たばこも価格弾力性が1を下回っており、安定した販売が期待できる商品と言えます。

 

このようにたばこ事業は安定性が高い事業であり、たばこ事業を主力とするJTも10年間赤字は一度もありません。

サブプライムローン、リーマンショック、東日本大震災などがあったにも関わらず、業績に大きなダメージが無かったことがわかります。

 

景気に影響されないディフェンシブ銘柄の特徴を備えていると言えますね。

ディフェンシブ銘柄(景気鈍感株)とは?投資するメリット・デメリットから「おすすめ銘柄」まで徹底解説。

2019.04.27

 

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JTの過去10年の業績推移(EPS、BPS)

JTの過去10年間のEPSとBPSです。

EPSは2015年をピークに漸減しています。

EPS

 

主力のたばこ事業で紙巻たばこの販売が落ち込んでいることと、新製品の加熱式たばこでの出遅れなどが原因です。

今後加熱式たばこでシェアを取れるかどうかがJTの将来の業績が変わってきます。

 

BPSは赤字の無い安定した業績を反映するように徐々に上昇しています。

この先も積み上がっていくことが予想されます。

 

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JTの過去10年のROEとROA

上記はJTの過去10年のEPS、BPSです。

10年間という長いスパンですので、世界的な金融危機など不況期もありましたが、全ての年でプラス圏となっています。

 

ROE、ROAと共に近年は下がっており、業績で確認した利益と同様たばこの販売苦戦が響いているのが原因です。

下がっていると言っても、ROEは15%程度を維持しており十分に高い水準となっています。

 

投資家から見れば投資資本に対して、利回り年率15%の業績ですので魅力的です。

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2018.12.20

 

また、ROAも5%を大きく超え7%近い水準であり、JTの収益力の高さがうかがえます。

 

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JTのPERとPBRの推移

JTのPER及びPBRは下記のとおりです。

一目でわかるように共に下落基調となっており、その原因は株価の下落です。

JTの予想PER jtpbr

 

成長が期待できなくなったと判断された株は低PER低PBRの状態が常になることがあります。

しかし、今後JTが再成長できれば、現在の株価水準はPERを見る限り割安と言えます。

 

PERは既に市場平均より低く今後更なる大幅な下落の可能性は低いと考えられます。

 

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JTの投資判断

JTの株価は2019年5月30日現在2,500円となっています。

PERは12倍程度、PBRは1.7倍程度の水準です。

 

PERが市場平均より低く割安とされる水準ですが、たばこの販売の落ち込みにより成長期待が薄まっているからだと考えられます。

確かに、国内喫煙者は年々減っており今後国内の喫煙者が増えていくとは考えにくい状況です。

 

ですが、業績推移の分析部分でも述べたようにJTのたばこ事業は海外事業の方が2倍程度規模は大きく、世界全体では人口は増え続けています。

実際に、以下のように現時点で国内事業に対して海外事業の規模の方が大きくなっています。

 

以下は2018年1-12月期の国内タバコ事業の規模です。

営業利益は2090億円となっています。

JTの国内タバコ事業の規模

JTの決算説明資料

 

一方海外たばこ事業は営業利益は3,845億円と国内の約2倍の規模となっています。

JTの海外たばこ事業の収益

JTの決算資料

 

JTは海外たばこ事業の展開に力を入れており今後海外たばこ事業が占める部分は更に大きくなっていくでしょう。

 

更に苦戦していた加熱式たばこ事業分野でも新製品である「プルーム・テック・プラス」と「プルームS」を今年都市圏で販売しており、9月には全国販売する予定です。

 

加熱式たばこ市場は急拡大しており、現在アイコスがシェアを握っていますが、新製品の投入で巻き返しをはかっています。

 

このような状況を見極めた上で、長期的には「買い」となる可能性が十分にあります。

また、JTは高配当銘柄としても知られており現在の株価水準だと配当利回りは6%を超える高配当銘柄です。

 

短期的にも極端に下がった局面では配当狙いの買いが入りますので、国内たばこ事業が落ち込んでいるからと言って安易に売りで入ると、思わぬ反発となる可能性もあり短期的には様子見をすべきでしょう。

 

国内たばこ事業の落ち込みを海外たばこ事業の成長でカバーできる見込みが立つか、加熱式たばこ市場でシェアを取れる見込みが立った段階での長期的な買いを本戦略として投資を検討していくのが妥当だと考えられます。

 

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まとめ

■ 今回の総括:

 

  • JTは安定性の高いたばこ事業を主力とする国内唯一のたばこ製造販売を行う上場企業。
  • 過去10年間赤字無し。近年は国内の喫煙者の減少に伴いたばこ販売で苦戦。加熱式たばこ「プルームテック」の新商品で巻き返しをはかる。
  • たばこ事業は海外が国内の2倍の規模となっており、企業戦略も海外重視の方向。

 

上記理由からJTの株価は現在下落基調ですが、今後十分に上昇する可能性があると言えます。

ただし、加熱式たばこの新商品や海外事業の進捗などには見極めが必要です。

 

■ 投資判断基準:短期的に「保留」長期的には加熱式たばこなどの進捗によっては「買い」

以下の点を踏まえ短期的には株価は定まらないが、長期的には株価が上昇する可能性が高いと判断。

配当利回りは6%と高いため、下落耐性は高い。

■ 現在の株価:

▷低値圏で停滞しているが、配当利回りが6%程度ありこれ以上の大幅下落の可能性は低いか。

■ 業績:

▷国内たばこ販売の低下により近年は下降気味だが、海外事業が成長。

■ ROEとROA:

▷ROEは15%程度、ROAは7%程度と優秀。

■ 加熱式たばこ、海外事業:

▷開発、販売の遅れていた加熱式たばこを積極的に展開、シェアを獲得できれば再成長へ、海外事業展開も積極的。

 

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以上、【日本たばこ産業】JT(2914)の業績推移と株価を分析!国内トップクラスの高配当銘柄の今後を予想する。…でした。

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。