【4452】花王の株価上昇理由と今後見通しを予想!安定した業績と国内最長29期増配が魅力的。

【4452】花王の株価上昇理由と今後見通しを予想!安定した業績と国内最長29期増配が魅力的。

日本を代表する企業の一つである「花王」。

洗剤の「アタック」や「マジックリン」、様々な化粧品などロングセラー商品が多くあります。

 

ほとんどの日本人が花王製品を使ったことがあるといっても過言ではありません。

テレビコマーシャルなどの広告も多く、知名度も抜群の企業です。

 

今回はそんな有名企業「花王」の業績をもとに分析してみます。

 

■ 投資判断基準:長期的に「買い」

▷花王は順調に利益を伸ばしており2023年時点では配当込で14,000円程度の株価になると想定される。(2019年9月中旬時点7,700円)

■ 業績:

▷不況期でも黒字を達成する安定した業績で、近年は右肩上がりの業績。

■ REOとROA

▷共に市場平均を大きく上回る水準でトップクラスの収益力の高さ。

株主還元

▷29期連続増配は国内企業トップ。現在も継続中であり自社株買いも積極的。

 

 

花王とは

花王は日用品・生活用品を主力事業とする企業です。

創業は1887年と130年以上の歴史がある大企業で創業当初から石鹸などの家庭用品を製造販売しています。

いわゆるBtoC企業の代表格的存在であり、大企業ばかりの日経225銘柄の中でも特に有名な企業です。

消費者目線で製造された花王製品の多くが一般家庭に広く使用されており、ブランド力の高さがうかがえます。

時価総額は4兆円を超えており(2019年5月時点)名実ともに大企業です。

花王の事業

花王の事業は以下の6つです。

● 化粧品事業

「キュレル」などの化粧品ブランド展開の他、デパートでカウンセリング化粧品の展開なども行っています。

売上高は2,800億円程度です。

 

● スキンケア・ヘアケア事業

「ビオレ」などのスキンケア製品を主力とする事業です。

欧米アジアにも積極的に展開しています。

売上高は3,400億円程度です。

 

● ヒューマンヘルスケア事業

おむつブランドの「メリーズ」を主力とする事業で、国内だけでなくアジアでもブランド力を発揮し、シェアを得ています。

売上高は2,700億円程度です。

 

● ファブリック&ホームケア事業

衣料用洗剤「アタック」や食器用洗剤「キュキュット」など家庭用品を主力とする事業で、花王の最も大きな事業です。

売上高は3,450億円程度となっています。

 

● ケミカル事業

油脂製品、機能材料製品などを主力としている企業で売上の6割近くを海外で売り上げている事業です。

売上高は3,100億円程度となっています。

花王の過去10年の業績推移(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)

過去10年間の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は下記のとおりです。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/03 1,231,808120,858120,17670,527
2008/03 1,318,513116,252114,22366,561
2009/03 1,276,31696,80094,60964,462
2010/03 1,184,38494,03393,57240,506
2011/03 1,186,831104,591103,33646,737
2012/03 1,216,095108,590110,02652,434
2012/12 変1,012,595101,567104,21452,765
2013/12 1,315,217124,656128,05364,764
2014/12 1,401,707133,270138,78479,590
2015/12 I1,474,550167,318166,038105,196
2016/12 I1,457,610185,571183,430126,551
2017/12 I1,489,421204,791204,290147,010
2018/12 I1,508,007207,703207,251153,698
2019/12予 I1,580,000225,000225,000162,000

わかりやすくグラフにして可視化すると以下のようになります。

営業利益、経常利益、純利益ともにここ数年間は右肩上がりになっており業績は順調に推移しています。

花王の過去10年の業績推移(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)

 

2012年に落ち込んでいるように見えます。

しかし、これは決算時期を変更したことによるものです。

3月決算から12月決算に変更したことにより2012年は9カ月の決算となっているからです。

 

通常の決算期間である12カ月より3カ月短い決算期間となっているので当然その分業績は落ち込んでいるように見えます。

実際はその後の業績を見てもわかるように実質の業績は順調に伸びています。

また、2016年より決算書を作成する際の会計基準を国際会計基準であるIFRSに変更しています。

 

このように企業によっては決算期間の変更や会計基準の変更により決算数値と実質の業績が相違することがありますので注意が必要です。

投資する際には気になった点は数値をうのみにせず、何か会計上の都合などの特殊要因ではないか調べるようにしましょう。

 

花王の業績について、特筆すべきはサブプライムショックやリーマンショックなど世界経済が急激に落ち込んだ2009年、2010年でもしっかりと黒字になっている点です。

 

特に2009年は国内企業トップのトヨタやその他多くの企業でも大幅な赤字となった年であり、大不況期でも利益を出せるというのは花王の強みと言えます。

 

このように不況期でも強い花王は、投資の世界ではディフェンシブ銘柄と呼ばれておりその安定した業績が魅力の一つです。

 

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不況期で売れ行きが大きく落ち込むのは高額な贅沢品などであり、花王の商品のような日常的に必要なる家庭用品はそれほど影響を受けません。

生活する上で必需品である商品が多く、景気が悪いからと言って購入が全くされなくなるということはありません。

花王の業績もディフェンシブ銘柄の特徴を反映しています。

ですので、今後も不況期に強いという花王の特徴は継続していくものと考えられます。

 

投資をする立場としては、リーマンショック時のような大不況期でも黒字を継続しているというのは安心材料です。

花王の過去10年の業績推移(EPS、BPS)

下記は過去10年のEPS、BPSです。

決算期EPS BPS
2007/03 144.91,182.0
2008/03 136.81,200.5
2009/03 132.51,120.5
2010/03 83.21,160.7
2011/03 96.01,086.6
2012/03 107.71,106.0
2012/12 変108.41,197.4
2013/12 133.11,291.9
2014/12 163.51,352.6
2015/12 I216.21,399.3
2016/12 I260.01,397.0
2017/12 I302.11,657.0
2018/12 I315.81,689.8
2019/12予 I332.9

 

当然こちらもマイナスは一度もありません。

花王の過去10年の業績推移(EPS、BPS)

 

EPSは順調に伸びており、2010年には100円を下回っていたEPSは現在300円を上回る水準まで成長しています。

EPSの成長に伴いBPSも順調に成長しています。

特にEPSは海外投資家にも重視されている指標です。

株式の根源的な価値を示す指標であり、そのEPSが3倍以上になっているというのは成長の証です。

 

こちらのデータからも花王が安定的に成長していることがわかります。

単年度のEPSがいくら大きくとも翌年に赤字を出しマイナスになってしまっては意味がありません。

そういった企業は投資家に避けられがちで、株価も思うように上昇しません。

 

株式投資においては安定的に成長しているかという点が重要なポイントとなります。

花王のような安定成長企業は期間投資家にも好まれます。

 

また、EPSの伸びが高い理由として積極的に自社株買いを行っていることも影響しています。

EPS=利益÷株式数ですので、自社株買いにより市場に流通する株式数が減ればその分EPSも上昇するのです。

更に花王は29期連続増配という国内企業トップの増配記録を継続している企業であり、株主還元に積極的なことで知られています。

花王の株主還元。29期連続増配で日本唯一の配当貴族銘柄で更に自社株買の積極的実施!

花王は日本の増配の最長記録を更新している企業として有名です。

1990年から2018年まで実に29年間も配当金を増額しており日本で唯一の配当貴族銘柄となっています。

 

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2019.09.21

 

秀次郎
リーマンショックでも増額しているのはすごいの!
花王の配当金の推移

1995年時点の株価は950円近辺だったので、当時から花王の株価を保有している方は2018年時点の配当利回りは実に12.6%ということになります。

断続的にキャッシュを生み出し続けていることが分かりますね。

長期投資に旨味のある企業であるということが読み取れます。

さらに積極的に自社株買を行なっている点も見逃せません。

花王の自己株買と配当金の事績

自社株買は発行済株式数がすくなるなるのでROEが上昇すると共に、利益が上昇しなくてもEPSが上昇することとなります。

株主還元策として注目される「自社株買い」実施の理由とは?株主に対するメリットと共にわかりやすく解説する。

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花王の過去10年のROEとROA

収益力の高さを測るROEとROAの過去10年のデータです。

決算期ROEROA
2007/03 12.26%5.65%
2008/03 11.39%5.40%
2009/03 11.82%5.76%
2010/03 7.17%3.80%
2011/03 8.84%4.57%
2012/03 9.74%5.29%
2012/12 変12.07%6.83%
2013/12 10.30%5.71%
2014/12 12.09%6.64%
2015/12 I15.45%8.02%
2016/12 I18.61%9.46%
2017/12 I18.23%10.30%
2018/12 I18.69%10.52%
2019/12予 I19.66%10.28%

わかりやすくグラフとして可視化すると以下となります。

花王の過去10年のROEとROA

こちらを見ても2009年から2010年の世界的な金融危機があった時こそ下落しています。

しかし、その後は順調に右肩上がりとなっています。

 

数値もROEが20%近く、ROAが10%を超えるという高い水準であり、国内企業ではトップレベルです。

ROEは10%以上、ROAは5%以上が優秀とされる目安ですのでこの水準を両方大きく上回っている花王は収益性のかなり高い企業と言えます。

国内企業より収益力の高い欧米企業と比べても優秀な部類になる水準となっており、大企業ながら効率的な経営が行われていることがわかります。

花王の投資判断 

花王の株価は2019年5月22日現在8,735円となっています。

PERは26倍程度、PBRは5倍程度の水準です。

 

PER、PBR共に市場平均よりは高い水準ですが、花王のような不況期にも強いディフェンシブ銘柄は投資家の評価が高くPER、PBR共に高くなる傾向があります。

以下は参考まで花王の競合他社である花王、ライオン、ユニ・チャームのPER、PBR、ROE、ROAの比較指標です。

花王ライオンユニ・チャーム
PER26.829.531.7
PBR5.273.214.49
ROE18.69%13.40%13.90%
ROA10.52%7.21%7.71%

 

競合他社水準ではまだまだPER上は安く、ROEの高さから考えるとまだまだ上昇余地は高いと考えられます。

 

その点を踏まえれば割高でも割安でも無いという水準となっています。

 

前述のとおり花王は安定的に成長しており、更に29期連続増配という株主還元に積極的な企業でもあります。

従い、長期的な投資判断は「買い」です。

短期的にも、ここ半年で下値を切り上げてきており、2018年に付けた高値9,387円をうかがう水準まできています。

 

ただし、米中貿易問題によりここ最近の市場の大きな変動の影響を花王も受けております。

5月の値幅は8,400円~9,000円と値動きが荒くなっており注意が必要です。

短期的な勝負をするのであれば米中問題が落ち着いてからの方が良いでしょう。

 

安定成長しているディフェンシブ銘柄であり、増配も続ける花王は投資の主力銘柄としてもお勧めです。

しかし、PERなどが他のディフェンシブ銘柄と比べ著しく高くなった場合や成長に陰りが見えた場合などは売却の検討が必要です。

花王の株価の見通し

それでは花王の株価の見通しについて見ていきましょう。(2019年5月24日時点8,916円)

ROEは20%、さらに会社が発表している配当性向40%を元に算出しました。

EPS
(ROE20%)
BPS配当
(配当性向40%)
2018/12 315.801689.80120
2019/12 332.901889.54133
2020/12 377.912116.28151
2021/12 423.262370.24169
2022/12 474.052654.67190
2023/12 530.932973.23212

 

上記のEPSの仮定をもとにPERを20倍、現在の25倍、同業他社水準の30倍で算出し、配当を足し合わせた金額が以下となります。

株価+配当金
PER20PER25PER30
2019/12 6791845610120
2020/12 7822971211601
2021/12 88981101413131
2022/12 101041247414844
2023/12 114541410816763

 

長期的にみると手堅く利益を狙えることができるでしょう。

平均的な見通しとしては5年後時点で12000-16000円のレンジに落ち着くと予想されます。

まとめ

 

■ 投資判断基準:長期的に「買い」

▷花王は順調に利益を伸ばしており2023年時点では配当込で14,000円程度の株価になると想定される。(2019年9月中旬時点7,700円)

■ 業績:

▷不況期でも黒字を達成する安定した業績で、近年は右肩上がりの業績。

■ REOとROA

▷共に市場平均を大きく上回る水準でトップクラスの収益力の高さ。

株主還元

▷29期連続増配は国内企業トップ。現在も継続中であり自社株買いも積極的。

 

 

 

以上、【4452】花王の株価上昇理由と今後見通しを予想!安定した業績と国内最長29期増配が魅力的。…でした。

 

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