通信業界大手KDDI(9433)の株価見通しは?au経済圏の構築で堅調な業績と割安度から予想する。

通信業界大手KDDI(9433)の株価見通しは?au経済圏の構築で堅調な業績と割安度から予想する。

国内携帯端末シェア2位のKDDIは通信業界の大手企業です。

高配当利回り銘柄としても知られており、個人投資家にも人気のある企業ですがその業績はどうなっているのでしょうか?

今後も保有を継続しても問題ないのか、新規での投資判断は買いか売りか、今回は通信業界の雄KDDIについて分析します。

 

■ 投資判断基準:

▷ 短期的・長期的ともに「買い」安定した業績と高配当が株価を支えており、短期的・長期的ともに投資判断は「買い」

■ 現在の株価:

▷ 3月28日に安値をつけた後、上昇トレンドに転じ5月31日に年初来高値をつけています。6月5日現在も高値圏で推移しており、高値更新をうかがう状況です。

短期的にも上昇トレンドとなっており買い妙味有りか

■ 業績:

▷ 前期最高益達成、初の営業利益1兆円を突破。今期予想も増収増益予想となっており最高益を連続更新か。

■ ROEとROA

▷ 近年は安定してROE15%程度,ROA8%程度となっており、どちらも優秀な数値であり収益力は高い。

■ 連続増配銘柄

▷連続増配を続けており、2019年3月期まで17期連続増配を行っている。配当利回りも6月現在で4%程度と高配当銘柄でもある。

配当性向は40%程度とまだ余裕があることから今後も増配を継続できる見通し。

 

KDDIとは?

KDDIは通信が自由化される以前に設立された国際電信電話株式会社(KDD)を前身としています。

通信自由化後に設立された第二電電株式会社(DDI)、日本移動通信株式会社(IDO)を合わせた3社が2000年に合併したことで発足しました。

また、同年の2000年にauも発足しています。

2001年にKDDI株式会社に社名を変更し、auを合併しました。

その後もツーカーの合併や東京電力の光ファイバ事業の合併、J:COMを連結化するなど事業範囲を広げており、総合通信事業者としての地位を確立しています。

KDDIは光ファイバやケーブルテレビ、固定電話などの固定通信事業と、携帯電話などのモバイル事業を両方持つ企業です。

これらのサービスを組み合わせて提供できることが強みです。

KDDIの事業

KDDIの事業セグメントは4つに分かれています。

それぞれの事業内容や業績について確認していきます。

パーソナルセグメント

パーソナルセグメントは国内個人顧客向けの事業であり、

auブランドによるスマートフォン・タブレッド等の販売や通信サービスの提供、

インターネット・電話・TVサービスを行うauひかりブランドのサービス、

その他ケーブルテレビサービスなど、個人向けサービスを幅広く展開している事業です。

売上高は約3兆9000億円、営業利益は約7500億円となっており、KDDIの主力事業となっています。

携帯電話事業は格安スマホが台頭しており影響が懸念されていますが、パーソナルセグメント事業は前期比増収増益となっており業績は堅調です。

ライフデザインセグメント

ライフデザインセグメントはコマース・金融・決済・エンターテインメントなどのサービスを提供する事業です。

政府のキャッシュレス決済への後押しもあり、スマートマネー構想を始動するなど積極的に事業展開をしています。

auWALLETサービスやauPAYなどのスマホ決済サービスの他、

会員向けサービスであるauスマートプレミアムでは様々な特典を提供することで順調に会員を増やしています。

ライフデザインセグメントの売上高は約5800億円、営業利益は1100億円となっており利益率の高い事業です。

ビジネスセグメント

ビジネスセグメントは企業向けサービスであり、大企業から中小企業まで幅広い企業を対象としています。

事業内容は、スマートフォンやタブレットなどの端末提供や、ネットワーク・アプリケーション・クラウド型サービスの提供などです。

現在では様々な機器がインターネットで繋がっており、ビジネスセグメントはそうした企業のニーズに応えるべくドローンの飛行制御システムや企画開発手法の導入支援など新しい取り組みも次々と行っています。

ビジネスセグメントの売上高は約8000億円、営業利益は1000億円です。

 

グローバルセグメント

グローバルセグメントはミャンマーやモンゴルなどの海外でのコンシューマビジネスやデータセンター・ネットワーク・IoTなどのICTを提供する事業です。

モンゴルでの通信事業では、チャージ型プリペイドカードを販売し、ゲーム・音楽・ビデオの使い放題パッケージを追加するなど海外の需要も取り込んでいます。

グローバルセグメントの売上高は約2000億円、営業利益は約340億円です。

 

KDDIの過去10年の業績推移(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)

KDDIの過去10年間の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は下記のとおりです。

 

全ての指標において、ほぼきれいな右肩上がりとなっており業績が安定して成長していることがわかります。

特に利益は10年前の3倍程度まで成長しており大企業としてはかなり高い成長率です。

 

携帯電話事業は顧客の奪い合いが激化していますが、KDDIの業績を見る限り、競争により業績への悪影響は少ないと言えます。

むしろ、新規事業などが順調に伸びておりそのことが好調な業績につながっていると考えられます。

 

スマートフォンなどの携帯電話は国内では既にかなり普及しており、通信業は一見成熟企業であり成長余地はあまり無いように思われます。

しかし実際に過去10年のKDDIの業績を見ると順調に成長していることがわかります。

 

秀次郎
なぜKDDIの業績は堅調なのですか?
信太郎
KDDIの成長を支えているのはau経済圏の拡大なんじゃ。

 

auは固定通信サービスとモバイル通信サービスをともに扱っている総合通信事業者です。

しかしモバイル通信サービスの顧客を固定通信サービスに取り込み、更に別サービスの顧客にもなってもらうとう戦略をとっています。

一人のユーザーに様々なサービスを活用してもらうことで業績を拡大させてきたいのです。

これがau経済圏です。

具体的には、固定電話と携帯電話をセットにすることがお得な料金設定にします。

ケーブルテレビやインターネット通信サービス、更にはauでんきなどのエネルギー分野までKDDIのサービスでまとめればまとめるほど、得になるというサービス展開を行っています。

各サービスにポイントを付与することでさらにお得感を増すことができau経済圏は順調に拡大しています。

また、一度多種多様なサービスをKDDIにまとめてしまうと、なかなかau経済圏から抜けることは難しくなります。

KDDIからすれば長期顧客を取り込めるのでセット販売による値引きやポイント付与を積極的に行っても十分なメリットがあるのです。

秀次郎
楽天経済圏と同じですね!

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2019.03.14

 

KDDIはau経済圏を拡大することで成長をとげており、高い利益率をほこる企業でもあります。

 

KDDIの過去10年の業績推移(EPS、BPS)

以下はKDDIの過去10年間のEPSとBPSです。

KDDIのEPSとBPS

 

EPS,BPSともに順調に成長していますが、特に2014年からの成長には目を見張るものがあります。

au経済圏が本格的に機能し始めたことでKDDIの成長が加速したことによるものです。

その結果10年でEPSは3倍超、BPSも約2.7倍に成長しています。

この成長力を見る限り長期投資にふさわしい銘柄の一つです。

 

KDDIの過去10年のROEとROA

以下はKDDIの過去10年のROEとROAです。

KDDIのROEとROA

 

ROEは低い時でも、高収益の目安とされる10%を超えており、同様にROAも10年間を通じて高い水準を維持しています。

特にここ数年はROEが約15%、ROAは約8%で推移しておりKDDIの収益力の高さが示されています。

KDDIのPERとPBRの推移

KDDIのPER及びPBRは下記のとおりです。

【KDDIのPER】

KDDIのPER推移

 

【KDDIのPBR】

KDDIのPBR推移

 

KDDIのPER及びPBRは上記のとおりです。

PER、PBRともに下落基調にあり、過去3年間の低値に近い水準となっています。

業績が順調に伸びていることを踏まえて考えれば割安感が増していると言えます。

 

通信業界1位のNTTドコモのPERが現在14倍を超えていますので、それと比べても割安です。

市場平均よりも低いPERとなっていますので、KDDIの割安感は高い状況となっています。

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KDDIの配当利回り

KDDIの配当利回りの推移です。

KDDIの配当利回り

 

KDDIは連続増配銘柄であり、17期連続で毎年配当を増額しています。

それを反映して配当利回りも徐々に高くなっており、株価の下落場面では配当利回りが4%を超える場面も出始めました。

6月5日現在の配当利回りも4%近い水準となっており、高配当銘柄としも魅力がある銘柄です。

高配当銘柄は成長が停滞している成熟企業に多いです。

しかし、前述の通りKDDIはここ数年で大きく業績を伸ばしており配当と株価値上がり益の両方を狙える銘柄となっています。

 

また、株主優待も行っており全国のグルメ品から好きなものを選ぶことができるカタログギフトは個人投資家に人気が高い株主優待です。

配当利回りの高さと人気の株主優待が、市場が暴落した時でも株価下落の歯止めとして作用することも期待できます。

 

まとめ

KDDIの株価は2019年6月5日現在2,729円となっています。

PERは10倍程度、PBRは1.5倍程度の水準で、PERは市場平均及び同業他社と比べても割安です。

 

業績については、au経済圏の拡大が順調に進んでおり、利益が成長しています。

ROE,ROAともに高い水準で安定しており収益力が高い企業です。

 

株主還元も積極的に行っており、17期連続増配銘柄であり現在の配当利回りは約4%と高配当銘柄でもあります。

また、個人投資家に人気の株主優待制度も導入しています。

 

これらの状況を踏まえ投資判断は「買い」とします。

長期的には、配当と値上がり益両方を狙える銘柄であり、長期保有をお勧めできる銘柄です。

短期的にも年初来高値をうかがう株価水準であり、上昇トレンドとなっていますので魅力があります。

 

 

■ 投資判断基準:

▷ 短期的・長期的ともに「買い」安定した業績と高配当が株価を支えており、短期的・長期的ともに投資判断は「買い」

■ 現在の株価:

▷ 3月28日に安値をつけた後、上昇トレンドに転じ5月31日に年初来高値をつけています。6月5日現在も高値圏で推移しており、高値更新をうかがう状況です。

短期的にも上昇トレンドとなっており買い妙味有りか

■ 業績:

▷ 前期最高益達成、初の営業利益1兆円を突破。今期予想も増収増益予想となっており最高益を連続更新か。

■ ROEとROA

▷ 近年は安定してROE15%程度,ROA8%程度となっており、どちらも優秀な数値であり収益力は高い。

■ 連続増配銘柄

▷連続増配を続けており、2019年3月期まで17期連続増配を行っている。配当利回りも6月現在で4%程度と高配当銘柄でもある。

配当性向は40%程度とまだ余裕があることから今後も増配を継続できる見通し。

 

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