【4902】オフィス事業が主力のグローバル企業コニカミノルタの株価水準を分析する!

【4902】オフィス事業が主力のグローバル企業コニカミノルタを分析!

コニカミノルタは複写機などオフィス関連機器が主力の企業です。

皆さんの会社にもコニカミノルタ製品があるのではないでしょうか?

世界に展開するコニカミノルタの従業員数は44,000人を超え、時価総額も5,000億円を超えるグローバルな大企業です。

今回はオフィス機器大手のコニカミノルタを分析します。

 

■ 投資判断基準:デジタル化、IOT化に対応できれば「買い」

以下の点を踏まえ投資判断はデジタル化、IOT化への対応を見極めた上で「買い」

■ 現在の株価:

▷ 2016年6月に安値をつけた後、上昇、下降を繰り返しながら徐々に下値を切り上げています。

▷ 長期のチャート上では、2016年6月安値を起点とするサポートラインを引くことができ現在はサポートラインに近い株価です。

▷ サポートラインに近い株価となっており、サポートラインが機能すれば反発の可能性も。

■ 業績推移:

▷ 停滞した後徐々に持ち直しているが、金融危機前の水準には到達していない。

▷ 多くの企業が赤字となった2009年にも黒字を出しており、業績の底堅さがあります。

■ 指標関連:

▷ ROEは7%代、ROAは3%代と収益力が高いとは言えず同業他社のキャノンと比べても両指数とも低い水準です。

▷ PERは約10倍、PBRは約0.8と割安感が強い状況です。同業他社の中でもPER,PBR共に低い水準となっています。

▷ 現在の配当利回りは3%を超えており配当銘柄としての魅力もあります。

 

コニカミノルタとは?

コニカミノルタは「コニカ」と「ミノルタ」という2つの企業が経営統合して誕生した会社です。

コニカミノルタは1873年に創業し1903年には国内初のブランド付カメラを発売しています。

その後も国産初のカラーフィルムの開発や世界初の連動ストロボ内蔵カメラ、自動焦点カメラを発売しているカメラ製造に関する高い技術を持つ会社でした。

コニカミノルタは現在カメラ事業から撤退していますが、その高い技術力は現在のコニカミノルタでも活用されています。

 

ミノルタもカメラを製造していた会社です。

その技術を生かし1957年にはプラネタリウムを完成させています。

現在でもコニカミノルタはプラネタリウム事業を行っています。

グループ企業のコニカミノルタプラネタリウム株式会社はプラネタリウムの関連機器や映像ソフトを開発する数少ないプラネタリウムメーカーです。

1960年には複写機一号機を完成させ、1990年にはデジタルフルカラー複写機を発売しています。

コニカミノルタの複写機(コピー機)に関する技術はこの頃から培われてきたものです。

 

そして、2003年にコニカとミノルタが経営統合しコニカミノルタホールディングス株式会社が誕生します。

2007年には、カメラ事業から撤退しますが、経営資源を集中することでデジタル印刷システムやインクジェットデジタル印刷機などを開発しています。

2013年には社名を現在のコニカミノルタ株式会社へと変更しました。

2018年に医療分野の新会社であるコニカミノルタプレシジョンメディシンジャパン株式会社を設立し、ヘルスケア分野の進出にも積極的です。

 

コニカミノルタの事業

コニカミノルタの事業セグメントは4つに分かれています。

それぞれの事業内容や業績について確認していきます。

オフィス事業

オフィス事業はコニカミノルタの中核事業です。

複写機能やプリントアウト機能、スキャナー機能などを有する複合機を主にオフィス向けに開発・販売しています。

多種多様な複合機を持ち、顧客のオフィス環境に適した製品の導入を行うことができます。

複合機メーカーとしてはコニカミノルタは世界有数のメーカーです。

 

また、最近では複合機を販売して定期的に更新していくという従来のモデルだけでなく、同社がハイブリット型モデルと呼んでいる、複合機販売を通じてIT環境の一括管理や、セキュリティの強化、コンテンツの最適化管理など企業のIT部門、経理部門、マーケティング部門、総務部門などの問題を解決するサービスに力を入れています。

これにより、従来型モデルでは5~6年に1度の複合機更新時のみであったビジネス機会が

格段に増え、あらゆる部門に拡大していくことが可能です。

更に継続的なサービスを行うことで顧客離れを防ぐこともでき、実際従来型モデルでは6~7割だった契約更新率がハイブリット型モデルでは8~9割に上昇しています。

 

コニカミノルタの中核事業であるオフィス事業の売上高は5,878億円(前期比0.7%増)、営業利益は471億円(前期比5.1%増)です。

前期比増収増益となっています。

売上高はほぼ横ばいですが営業利益は約5%を超える増加となっており、利益率が向上されていることがわかります。

 

・プロフェッショナルプリント事業

プロフェッショナルプリント事業は、商業印刷・産業印刷用の印刷機器やサービスを提供する事業です。

電子写真やインクジェットなどのデジタル印刷システムや、企業の印刷業務を効率化する各種サービスなどを提供しています。

産業印刷分野では、パッケージやラベルなどの印刷デジタル化を支援するサービスが主な事業です。

 

現在の商業印刷市場規模は39兆円、産業印刷規模は52兆円ですが両市場におけるデジタル化率は3%程度と低く、プロフェッショナルプリント事業の成長余地は大きいと同社は見ています。

 

プロフェッショナルプリント事業の売上高は2,277億円(前期比6.3%増)、営業利益は138億円(前期比49.2%増)です。

前期比で増収増益となっており特に営業利益の伸びは著しく収益性が向上しています。

 

ヘルスケア事業

ヘルスケア事業ではX線撮影や画像診断などの医療用画像診断技術に関するデジタル化を中心とした事業です。

医療用デジタル製品の製造・販売や医療ITサービス事業を行っています。

治療法の的確な選択や新薬開発の効率化を支援する蛍光ナノイメージング技術に力を入れており事業化を進めています。

 

ヘルスケア事業の売上高は909億円(前期比5.8%減)、営業利益は23億円(前期比57%減)です。

前期比減収減益となっており、特に営業利益は大幅な減益となっていますが前期は一過性の要因で営業利益が押し上げられていますので、実質の業績は数字ほど落ち込んでいるわけではありません。

 

産業用材料・機器事業

産業用材料・機器事業は、液晶ディスプレイなどに使われているフィルムや有機EL照明などの製造と光・色などを計測する機器、プラネタリウムなどの映像ソリューションを中心とする事業です。

 

スマートフォンの画面に使われているフィルムや、カメラのレンズ、様々な産業で使われている計測機器、プラネタリウムの映像機器などを製造しています。

 

産業用材料・機器事業の売上高は1,167億円(前期比1.3%減)、営業利益は209億円(前期比10.7%減)です。

減収減益となっています。

 

これら4つの事業を展開するコニカミノルタ全体の売上高は1兆591億円(前期比2.7%増)、営業利益は624億円(前期比16%増)です。

 

コニカミノルタの業績推移(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)

コニカミノルタの2007年以降の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は上記のとおりです。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/031,027,630104,00698,09972,542
2008/031,071,568119,606104,22768,829
2009/03947,84356,26045,40315,179
2010/03804,46543,98840,81816,931
2011/03777,95340,02233,15525,896
2012/03767,87940,34634,75820,424
2013/03813,07340,65938,90115,124
2014/03 I935,21439,85937,73628,354
2015/03 I1,002,75865,76265,49140,934
2016/03 I1,031,74060,06958,02931,973
2017/03 I962,55550,13549,34131,542
2018/03 I1,031,25653,84449,12432,248
2019/03 I1,059,12062,44460,13841,705
2020/03予 I1,120,00066,00045,500
コニカミノルタの業績推移

コニカミノルタの2007年以降の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は上記のとおりです。

世界的金融危機による大不況期前の2008年が売上高、営業利益ともに一番高くなっています。

2009年に業績は落ち込みますが、黒字が確保できている点は注目です。

その後業績はなだらかに回復していますが、2008年の水準には到達していません。

 

コニカミノルタの業績推移(EPS、BPS)

コニカミノルタの2007年以降のEPSとBPSです。

決算期EPSBPS
2007/03146.7746
2008/03139.2845.6
2009/0330.7835.2
2010/0334.2848.9
2011/0352.4864.8
2012/0341.3877.2
2013/0330.6939.9
2014/03 I57.3994.8
2015/03 I82.81,083.50
2016/03 I64.71,039.70
2017/03 I63.81,060.00
2018/03 I65.21,060.40
2019/03 I84.31,123.40
2020/03予 I92

 

コニカミノルタのEPSとBPSの推移

 

EPSは2009年に落ち込み、その後波はありますが回復基調にあります。

BPSはおおよそ右肩上がりになっており株主資本が順調に増加していることがわかります。

 

コニカミノルタの業績推移(ROEとROA)

下記はコニカミノルタの2007年以降のROEとROAです。

業績が最も好調だった2007年~2008年が高くなっていることがわかります。

決算期ROEROA
2007/0319.66%7.63%
2008/0316.45%7.09%
2009/033.67%1.65%
2010/034.03%1.96%
2011/036.05%3.06%
2012/034.71%2.26%
2013/033.25%1.61%
2014/03 I5.76%2.86%
2015/03 I7.64%4.09%
2016/03 I6.22%3.27%
2017/03 I6.02%3.14%
2018/03 I6.15%2.68%
2019/03 I7.51%3.42%
2020/03予 I8.19%3.73%
コニカミノルタのROEとROAの推移

長期的に見れば、ROE、ROA共に少しずつ上昇しており、現在はROE7.5%程度、ROAは3.4%程度です。

同業他社と比べ特に優れているということはありません。

 

海外投資家は収益性を重視しています。

特にROE、ROAを投資判断の材料としますのでこの辺りが割安で放置されている理由かも知れません。

 

コニカミノルタのPERとPBRの推移

現在コニカミノルタの株価推移は以下の通りとなっています。

コニカミノルタの株価推移

それでは現在の株価が割安なのかどうかをPERとPBRをもとに見て行きましょう。

コニカミノルタのPER及びPBRの過去3年間の推移は下記のとおりです。

【コニカミノルタのPER】

コニカミノルタの予想PER推移

 

【コニカミノルタのPBR】

コニカミノルタのPBRの推移

 

PER、PBRともに過去3年間の中で低い水準となっています。

PERは過去平均値と比べ3割程度低い水準となっており業績は回復基調にあり今期予想も増収増益であることから割安です。

 

PBRについても割安の目安である1倍を下回っております。

過去の推移を見ても上場余地がありますので、PER,PBRを使った分析では投資妙味があると言えます。

 

コニカミノルタの配当利回り

コニカミノルタの過去3年間の配当利回りの推移です。

コニカミノルタの予想配当利回りの推移

株価の変動と共に反対方向に上下しており、現在は過去平均値近くの約3%となっています。

株価の動きときれいに反対方向に動いていることから安定した配当を続けていることがわかります。

実際、2016年以降は年間30円の配当を続けています。

 

まとめ-コニカミノルタの投資判断-

コニカミノルタの株価は2019年6月18日現在1,014円となっています。

PER,PBRともに割安な水準です。

業績についても、徐々に回復基調にあり今期も増収増益予想となっています。

安定した配当も魅力で現在の配当利回りは約3%です。

 

今後、オフィス機器業界や印刷関連業界などはデジタル化が加速していくと考えられます。

コニカミノルタもデジタル化分野には力を入れており、この分野が収益に結び付けばROE、ROAも改善し海外投資家にも注目されるようになるかも知れません。

 

これらの状況を踏まえ投資判断は、デジタル化の事業進捗を見極めた上で「買い」とします。

コニカミノルタが進めているハイブリット型モデルの実績が増加していけば業績の安定性は高まり、デジタル化分野でシェアを取れれば業績成長は一段と加速する可能性があります。

コニカミノルタは今後の動きに注目したい企業の一つです。




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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。