【8801】大手不動産の一角『三井不動産』の業績推移とテクニカル面から今後の株価を予想する。

【8801】大手不動産の一角『三井不動産』の業績推移とテクニカル面から今後の株価を予想する。

三井不動産は売上高1位に君臨する日本最大の不動産企業です。

三井住友銀行、三井物産と共に三井グループの御三家であることでも知られています。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から三井不動産の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:長期的に『買い』

以下の点を総合的に勘案し長期的に5,600円(現状2,600円)程度が妥当な水準と予想。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結経常利益は前の期比5.7%増の2541億円、20年3月期は前期比3.2%減の2460億円に減る見通しではあるが、セクター的には業績が好調であるため、修正も期待することができること。

■ 指標関連:

▷ ROE・ROAが直近4年間安定してきていること。

▷ 予想PBRは1.14倍で割安水準。

■ 他社との比較:

▷ 不動産セクター全体の業績が良いこと。

■ 株主還元策の動向:

▷ 今期自社株買いを実施

 

三菱地所と並ぶデベロッパー『三井不動産』とは?

日本最大の不動産会社である三井不動産。

まずは三井不動産の業務内容を紹介していきたいと思います。

①:オフィスビル

日本橋オフィスタワーや霞が関ビルディングなどのオフィスビルを手掛けています。

また東京だけではなく、札幌三井JPビルディング、名古屋三井ビルディング新館、中之島三井ビルディングなど地方都市のオフィスビルも取り扱っています。

 

②:商業施設

ららぽーとや三井アウトレットパークなどの大型商業施設も展開しています。

 

③:ホテル・リゾート

日本各地で三井ガーデンホテルズを展開しています。

 

④:すまいとくらし

三井不動産グループ

三井不動産HP

 

注文住宅の三井ホーム、リフォームなら三井不動産リフォームなど、家探しをワンストップでサポートするサービスを提供しています。

 

⑤:不動産ソリューション

不動産ソリューションでは主に法人向けの不動産サービスを提供しています。

 

⑥:ロジスティクス

物流施設向けのサービスを提供しています。

 

⑦:ベンチャー共創

三井不動産は、2015年末に「31VENTURES Global Innovation Fund1号」を設立し、

ベンチャー企業を中心に投資を実行しています。

 

三井不動産の過去10年の業績推移(PL)

ここでは日本を代表する不動産企業である、三井不動産の過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期利益 EPS BPS
2007/03 1,229,193 161,842 142,324 75,213 76.4 979.3
2008/03 1,360,023 179,282 162,835 87,378 88.8 1,010.2
2009/03 1,418,945 171,547 146,090 83,572 84.9 994.9
2010/03 1,384,806 120,585 93,901 60,084 61.0 1,027.5
2011/03 1,405,269 120,092 96,204 49,909 50.7 1,039.3
2012/03 1,338,102 126,038 102,509 50,129 50.9 1,098.8
2013/03 1,445,644 148,184 123,066 59,451 60.4 1,202.5
2014/03 1,515,252 172,567 144,587 76,843 78.1 1,297.4
2015/03 1,529,036 186,074 163,373 100,185 101.8 1,905.8
2016/03 1,567,969 202,482 182,521 117,722 119.6 1,957.1
2017/03 1,704,416 232,698 219,607 131,815 133.9 2,020.5
2018/03 1,751,114 245,902 240,341 155,874 158.3 2,244.8
2019/03 1,861,195 262,147 254,106 168,661 171.3 2,384.9
2020/03予 2,000,000 267,000 246,000 170,000 172.7

 

わかりやすく図示すると以下となります。

三井不動産の業績

 

三井不動産の業績はまさに右肩上がりの素晴らしい業績であるといえます。

売上高はリーマンショックの影響を受けずに長期的に右肩上がりに推移しています。

比較して、本業を表す営業利益も2011年に底打ちして以降、きれいな右肩上がりに推移しています。

よって三井不動産の業績は「問題なし」であるということができます。

 

三井不動産が5月10日に発表した決算によると、19年3月期の連結経常利益は前の期比5.7%増の2541億円、20年3月期は前期比3.2%減の2460億円に減る見通しであると公表しています。

また配当に関しては、前期の年間配当を40円→44円に増額し今期も44円を継続するとしています。

 

三井不動産のROEとROA

三井不動産のROEとROAは2012年を底にして上向きに推移しています。

決算期 ROE ROA
2007/03 7.82% 2.28%
2008/03 8.81% 2.40%
2009/03 8.55% 2.22%
2010/03 5.95% 1.62%
2011/03 4.89% 1.32%
2012/03 4.64% 1.30%
2013/03 5.03% 1.35%
2014/03 6.03% 1.69%
2015/03 5.35% 1.97%
2016/03 6.12% 2.19%
2017/03 6.64% 2.37%
2018/03 7.07% 2.47%
2019/03 7.20% 2.48%
2020/03予 7.26% 2.50%

 

図示すると以下のようになります。

三井不動産のROEとROA

 

ROEは底打ち後、4.64%~7.20%で推移しています。

しかし日本の東証一部の平均値は8%です。

まだ伸びしろがあるといえます。

またROAですが、底打ち後1.30%~2.48%で推移しています。

直近4年間は日本の東証一部の平均値である2%を超えて推移していることから、安定感が出てきているといえます。

 

三井不動産の長期経営方針「2025 VISION

三井不動産は2025年に向けて長期的な経営方針である『2025 VISION』を策定しています。

 

①:基本ストラテジー

  • 街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現
  • テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション
  • グローバルカンパニーへの進化

 

②:3つの重点課題

  • 街づくりの一層の進化
  • リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新
  • 海外事業の飛躍的な成長

 

③:数値目標

  • 連結営業利益(海外事業利益比率) 3,500億円程度(30%)
  • ROA 5%程度

 

営業利益の伸び率から逆算すると、達成可能な数値であるといえます。

またROAの推移から5%という数値も達成可能な数値です。

このままの成長を続けていくことができれば、三井不動産はさらに好業績企業になっていくことができるといえます。

 

三井不動産のテクニカル分析

ここでは三井不動産は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

三井不動産の過去10年の株価推移

下図は三井不動産の過去10年間の株価推移です。

日経平均株価とも業績とも比例しない独特な株価を形成していることがわかります。

三井不動産の過去10年の月足チャート

 

三井不動産のテクニカル分析

三井不動産のテクニカル分析

 

<<ⅰ.レンジブレイクからの上昇期>>

アベノミクスの導入をきっかけにレンジブレイクした株価は勢いよく上昇しました。

特にアベノミクスではリートの買い入れが公表されたため、不動産は「国策」関連として買われ株価が上昇しました。

 

<<ⅱ.高値での持合い>>

2,854円―3,879円の高値圏で2年以上も持合いを続けました。

 

<<ⅲ.新レンジでの持合い>>

株価が下にブレイクしたにもかかわらず、値持ちよく、新レンジを形成しています。

 

テクニカルから見た三井不動産

三井不動産はレンジ相場が長いため、きっかけ待ちであると考えられます。

2020年はオリンピックイヤーです。

従来から「不動産はオリンピックまで」といわれているため、なかなか手が出しにくい時期であると考えられます。

よって現在は「様子見」が無難であるといえます。

レンジブレイク後に購入したほうが、投資効率的にもよいからです。

 

三井不動産の競合他社比較

三井不動産(8801)を同業である東急不動産ホールディングス(3289)、東京建物(8804)、住友不動産(8830)、三菱地所(8802)と比較検討していきます。

▷ 【8802】好業績と裏腹に株価が低迷する三菱地所が『買い』である理由を徹底解説!

 

三井不動産 東急不動産H 東京建物 住友不動産 三菱地所
PER 15.8 倍 11.3 倍 8.9 倍 13.9 倍 20.6 倍
PBR 1.14 倍 0.79 倍 0.70 倍 1.61 倍 1.59 倍
配当利回り 1.61% 2.61% 3.26% 0.78% 1.53%
ROE 7.20% 6.67% 7.84% 10.83% 7.60%
ROA 2.48% 1.56% 1.88% 2.55% 2.33%

 

①:PER

日経平均株価の平均PERは13~14倍です。

よって三井不動産と三菱地所は買われすぎ、住友不動産は平均並み、東急不動産と東京建物は割安とセクターでばらつきがあるといえます。

 

②:PBR

東京建物の0.70 倍~住友不動産の1.61 倍と日経平均株価の平均PBRの2倍以下になっているため、

不動産セクターは割安であるといえます。

 

③:配当利回り

配当利回りは住友不動産の0.78%~東京建物の3.26%とセクターでばらつきがあります。

 

④:株主優待

株主優待がある企業は東急不動産ホールディングスのみです。株主優待の内容は、下記になります。

ⅰ.宿泊優待券

ⅱ.宿泊優待共通券

ⅲ.スポーツ優待共通券

ⅳ.買物優待カード(東急ハンズ割引)※3月末のみ

宿泊優待券 宿泊優待共通券 スポーツ優待共通券 買物優待カード
100株以上 1枚 2枚 2枚 なし
500株以上 2枚 4枚 4枚 1枚(5%割引カード)
1,000株以上 4枚 6枚 6枚 1枚(5%割引カード)
5,000株以上 8枚 12枚 12枚 1枚(10%割引カード)

 

ⅴ.カタログギフト(3月末に3年以上継続保有)

500株以上 2,000円相当
1,000株以上 5,000円相当
5,000株以上 10,000円相当

 

④:決算予測

ⅰ.三井不動産

19年3月期の連結経常利益は前の期比5.7%増の2541億円、20年3月期は前期比3.2%減の2460億円に減る見通し。

 

ⅱ.東急不動産ホールディングス

19年3月期の連結経常利益は前の期比3.0%増、20年3月期は前期比0.4%増の710億円の見通し。

 

ⅲ.東京建物

18年12月期の連結経常利益は前の期比6.6%増の420億円、19年12月期も前期比2.3%増の430億円に伸びる見通し。

 

ⅳ.住友不動産

19年3月期の連結経常利益は前の期比9.3%増の2042億円、20年3月期も前期比7.7%増の2200億円に伸びる見通し。

 

ⅴ.三菱地所

19年3月期の連結経常利益は前の期比8.4%増の2065億円、20年3月期は前期比0.2%増の2070億円の見通し。

 

2020年に減益予測であるのは三井不動産のみです。

よってセクター的に業績は好調をキープしているといえます。

 

⑤:競合他社比較総合

好業績の不動産セクター。

その中でも株主優待が充実しており、配当も2.61%、割安水準の東急不動産ホールディングスに投資妙味があるといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から三井不動産の今後の株価推移を分析してきました。

三井不動産はファンダメンタルからは「買い」、テクニカルでは「様子見」です




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