【6701】NECの株価が上昇している理由とは?『やばい時期』を脱出した『日本電気』の今後を予想する。

日本電気(NEC)」は大手のITサービス企業。

人工知能を活用した画像認識技術を生かした顔認証は成田空港でも採用されています。

 

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から日本電気の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:長期的に『買い』

▷以下の点を総合的に勘案し長期的に6,000円(2019年9月中旬時点4,500円)程度が妥当な水準と予想。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結最終利益は前の期比12.4%減の401億円だが、20年3月期は前期比61.7%増の650億円と大幅に利益が拡大するとの見通しであること。

■ 指標関連:

▷ROE・ROAともに日本の東証一部の平均値以下であるが、逆に言えばそれだけ伸びしろが高いと判断できること。

▷予想PERは16倍と日経平均より若干割高だが、過去平均から考えると割安水準。

■ 競合比較:

▷競合が減益に落ち込む中で3期連続増収と安定感が出てきていること。

■ 株主還元策の動向:

▷ 今期20円の増配を実施。

 

 

日本電気(NEC)の業容を紹介

ここでは日本大手のITサービス企業である、日本電気(略称NEC)の業務内容をご紹介していきます。

 

①:パブリック事業

政府、官公庁、地方公共団体、公共機関などの公官庁向けに、ネットワーク技術やセンサ技術、データ分析技術などとシステムインテグレーション力を活用した、安全・安心で効率的な社会ソリューションを提供しています。

 

②:エンタープライズ事業

製造業、流通・サービス業、金融業などの民需向けにもITソリューションを提供しています。

 

③:ネットワークサービス事業

国内の通信事業者向けに、ネットワーク構築に必要な機器や運用管理のための基盤システム、運用サービスなどを提供しています。

 

④:システムプラットフォーム事業

端末、ネットワーク機器、コンピュータ、ソフトウェアなどのビジネス向け製品だけではなく保守サービスも提供しています。

 

⑤:グローバル事業

生体認証ソリューション、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス、大型蓄電システムなどを海外に向けて提供しています。

 

特に顔認証には力を入れており世界70の国と地域で、1000システム以上の導入実績を誇ります世界Topクラスとなっています。

NECの過去10年の業績推移(PL)

ここでは日本を代表するITサービス企業である、日本電気の過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期売上高(百万)営業利益(百万)経常利益(百万)当期利益(百万)EPSBPS
2007/034,652,64969,97616,3479,12835.14,770.4
2008/034,617,153156,765112,24022,68187.34,562.8
2009/034,215,603-6,201-93,171-296,646-1141.02,474.9
2010/033,583,14850,90549,42911,42844.03,042.7
2011/033,115,42457,82041-12,518-48.12,915.3
2012/033,036,83673,74242,050-110,267-424.52,530.9
2013/033,071,609114,64792,02430,434117.22,736.4
2014/033,043,114106,19369,15233,742129.92,679.7
2015/032,935,517128,084112,11257,302220.63,171.4
2016/03 2,824,83391,41886,55375,923292.32,960.2
2017/03 2,665,03541,83868,05827,310105.13,289.3
2018/03 2,844,44763,85086,94145,870176.63,391.6
2019/03 2,913,44658,46577,99340,195154.83,309.8
2020/03予 2,950,000110,00065,000250.3

 

分かりやすくグラフで可視化すると以下となります。

NECの過去10年の業績推移

上記は日本電気の過去10年間の業績推移です。

日本電気の売上高の推移は芳しくありません。

多くの企業がリーマンショック前後で底打ちしV字回復を遂げている中、やっと2017年に底打ちの兆候が見られているだけの推移になっているからです。

比較して、本業を表す営業利益は2009年に底打ち回復に向かいました。

しかし、営業利益に関しては2015年から再度下降に向かっています。

よって、日本電気の業績は不安定であるといえるでしょう。

 

日本電気が4月26日に発表した決算によると、19年3月期の連結最終利益は前の期比12.4%減の401億円。

しかしながら、20年3月期は前期比61.7%増の650億円になるとの見通しを公表しています。

 

NECの配当水準は安定的だが高いとは言えない水準

また配当に関しては、今期の年間配当は前期比20円増の60円に増配するとしています。

以下の通り配当金は安定して推移しております。

NECの配当金の推移

現在2019年7月時点の株価水準(4400円近辺)で考えると配当利回りは1.3%-1.4%となっています。

日経平均の平均配当利回り2.0%よりは低い水準となっています。

しかし配当性向は25%程度と低くおさえており、成長への投資に重点を置くのであれば妥当な水準であると言えます。

 

日本電気(NEC)のROEとROA

下記は過去10年間の日本電気のROEとROAの推移です。

決算期ROEROA
2007/030.74%0.24%
2008/031.91%0.64%
2009/03-46.15%-9.65%
2010/031.45%0.39%
2011/03-1.65%-0.48%
2012/03-16.78%-4.31%
2013/034.28%1.18%
2014/034.85%1.35%
2015/036.96%2.19%
2016/03 9.88%3.00%
2017/03 3.20%1.02%
2018/03 5.21%1.63%
2019/03 4.68%1.36%
2020/03予 7.56%2.20%
直近5年平均6.11%1.84%

 

グラフにして可視化すると以下の通りです。

NECのROEとROA

一見して、大きな幅で推移していることがわかります。

また推移の仕方も上下に激しく動きながら推移していることから、安定感がないということもわかります。

直近の5年のROEは5%-7%で5年平均ROEは6.11%となっています。

過去10年間で日本の東証一部の平均値である8%を超えたのが2016年のみと低い数値で推移しています。

流石に経営陣もROEの低さには懸念を示しており2021年3月期のROEを10%台に引き上げることを目標としています。

今後に期待したい所ですね。

 

直近5年のROAも1.00%~3.00%で5年平均ROEは1.84% となっています。

ROAも日本の東証一部の平均値である2%を超えたのは2015・2016年だけであることから物足りなさは否めません。

 

日本電気の中期経営計画「2020中期経営計画」

ここでは日本電気の中期経営計画「2020中期経営計画」を分析していきたいと思います。

NECの中期経営方針

成長軌道に回帰するために必要な投資を実現するために、固定費の削減を含む抜本的な収益構造改革に踏み切ること。

NECの中期経営計画

2018年の時点で人件費や経費の削減を中心課題に掲げるあたり、日本電気の経営手腕に不安を感じざるを得ません。

NECの中期経営計画の数値目標(億円)

2016年度実績2020年度目標2019年実績
売上収益26,65030,00029,134
営業利益4181,500584
当期利益273900401
ROE3%10%4.68%

 

現状から数値目標に関しては、ほぼ達成が難しい状況であると判断することができます。

日本電気経営陣の経営手腕に不安を感じる結果になりそうです。

日本電気の経営陣に関しては2019年4月26日付で「代表取締役の異動(退任)に関するお知らせ」が公表されています。

今後の新経営陣の手腕に注目していきたいところです。

日本電気のテクニカル分析

ここでは日本電気は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

日本電気の過去10年の株価推移

下記は日本電気の10年間の株価推移です。

迷走する業績に連動することなく、日経平均株価に連動して推移していることがわかります。

NECの過去10年の月足チャート

 

日本電気のテクニカル分析

NECのテクニカル分析

結論から申しますと、日本電気はテクニカル的に強い買いサインが点灯しています。

長期にわたる分厚い雲を抜け、持合いに移行した後、変化日で雲の上に顔を出しています。

よって、テクニカル的には長期相場の「初動」であり、強い買いサインが点灯したばかりであるといえます。

テクニカルから見た日本電気

テクニカル的に長期相場の初動で「買い」判断です。

2015年に付けた4,200円を超えた場合、三尊天井否定のさらに強い買いサインが点灯します。

4,200円を超えた場合のターゲット値は6,000円付近であると考えます。

 

ファンダメンタルという観点から株価を予想

先ほどはテクニカルからみた株価を予想してきました。

ではファンダメンタルという側面でも分析していきましょう。

2020年3月期の予想EPSを元に過去5年平均のROEと好調時の8%が継続した場合のEPS推移が以下です。

EPS
ROE6%ROE8%
2020予想250.30250.30
2021265.32270.32
2022281.24291.95
2023298.11315.31
2024316.00340.53
2025334.96367.77

 

株価はご存知の通り『EPS×PER』で導かれます。

過去3年間のNECのPERの推移を見ていきましょう。

 

NECの過去3年の株価推移

過去3年の平均PERは26.1倍、最大は41.4倍となります。

現在のPERは16倍近辺で過去平均からも割安水準なので平均までPERが上昇すると仮定します、

すると株価は以下の通りに想定されます。

株価
ROE6%
EPS
PER26倍
株価
ROE8%
EPS
PER26倍
株価
2020250.306508250.306508
2021265.326898270.327028
2022281.247312291.957591
2023298.117751315.318198
2024316.008216340.538854
2025334.968709367.779562

 

2020年時点でテクニカル同様6000円台を狙うことも水準となっています。

テクニカル的にもファンダメンタル的にも現状4500円水準からのアップサイドを狙うことができるでしょう。

 

コラム:お金の学校で株式投資を勉強しよう!

皆さんの中には雰囲気で株式投資を行なっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筆者の両親や祖父母も証券会社の言われるまま、なんとなく株の売買を行い大きな資産を失ってしまっています。

株式投資はパチンコや宝くじのようなギャンブルと異なりしっかり理論が存在しています。

勉強すればするだけ成果がでるのが株式投資の醍醐味といっても過言ではないでしょう。

 

まだ初心者の方はいきなり株の取引を始めるのではなく、しっかりと体系的な知識を身につけてから相場に臨むべきです。

といっても中々自分で勉強を始めて継続するのは難しいのではないでしょうか。

そのような方におすすめなのが『お金の学校』です。

株式投資で成功している投資家や海外の著名投資家から基礎は勿論、実際の銘柄選択手法まで学びとることができます。

私が受講しているグローバルファイナンシャルスクール(=GFS)は日本一の講義時間と質を誇っている『お金の学校』となっており、

皆さんにもおすすめできる内容となっていますので、以下も参考にしてみてください!

 

 

NECの競合である電気業界の競合他社比較

日本電気(6701)を同業であるセイコーエプソン(6724)、カシオ計算機(6952)、キヤノン(7751)、パナソニック(6752)ソニー(6758)と比較検討していきます。

日本電気セイコーエプソンカシオ計算機キヤノンパナソニックソニー
PER16.1 倍12.5 倍13.3 倍16.6 倍10.1 倍13.2 倍
PBR1.22 倍1.04 倍1.41 倍1.20 倍1.05 倍1.76 倍
配当利回り1.49%3.88%- %- %- %- %
ROE4.68%9.94%10.46%8.94%14.85%24.46%
ROA1.36%5.17%6.19%5.16%4.72%4.37%

 

①:PER

セクターのPERがパナソニックの10.1 倍からキヤノンの16.6 倍と日経平均株価の平均PER13~14倍の±2であることから、

セクター的には平均値並みであるということができます。

 

②:PBR

セクターのPBRがセイコーエプソンの1.04 倍からソニーの1.76 倍と日経平均株価の平均PBRの2倍以下になっています。

よって、セクター的にPBRは割安であるということができます。

 

③:配当利回り

配当は未公開or無配当の企業がカシオ計算機、キヤノン、パナソニック、ソニーと多数派になっています。

それは業績が急激に悪化していることや為替の推移が読みにくい展開になっていることから生じていると考えられます。

公表している企業は日本電気が1.49%、セイコーエプソンが3.88%ですので、

他企業もおおむね1~4%あたりであると推測されます。

 

④:株主優待

株主優待がある企業はソニーのみです。

株主優待の内容は、100株以上の保有でソニーストアオンライン、ソニーストアの各店舗、ソニーショップで利用できるAV商品15%割引、VAIO本体3%割引の割引券です。

 

⑤:決算予測

ⅰ.日本電気

20年3月期の連結経常利益は前期比61.7%増の650億円への伸びを見込んでいる。

 

ⅱ.セイコーエプソン

20年3月期の連結経常利益は前期比18.1%減の590億円に減る見通し。

 

ⅲ.カシオ計算機

20年3月期の連結経常利益は前期比3.7%増の310億円への伸びを見込んでいる。

 

ⅳ.キヤノン

19年の連結税引き前利益を従来予想の3475億円→2950億円(前期は3628億円)に15.1%下方修正。減益率が4.2%減→18.7%減に拡大する見通し。

 

ⅴ.パナソニック

20年3月期の連結経常利益は前期比30.4%減の2900億円に落ち込む見通し。

 

ⅵ.ソニー

20年3月期の連結経常利益は前期比23.9%減の7700億円に減る見通し。

 

⑥:競合他社比較総合

下方修正や大幅減益が多いセクターの中で、日本電気の「前期比61.7%増」の数値がひときわ際立っています。

PER的には割高ですが、購入するなら、現在人気化している日本電気が投資効率的によいといえるでしょう。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から日本電気の今後の株価推移を分析してきました。

日本電気はテクニカルから見て、相場初動のため強い「買い」判断です。

 

ファンダメンタル的には若干弱い側面もありますすが回復基調ではあります。

2020年の「前期比61.7%増」を達成できることができれば長い混迷から脱出した感が高くなり買い安心感につながるといえます。

 

よって、総合的に日本電気は「買い」判断です。

 

 

■ 投資判断基準:長期的に『買い』

▷以下の点を総合的に勘案し長期的に6,000円(2019年9月中旬時点4,500円)程度が妥当な水準と予想。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結最終利益は前の期比12.4%減の401億円だが、20年3月期は前期比61.7%増の650億円と大幅に利益が拡大するとの見通しであること。

■ 指標関連:

▷ROE・ROAともに日本の東証一部の平均値以下であるが、逆に言えばそれだけ伸びしろが高いと判断できること。

▷予想PERは16倍と日経平均より若干割高だが、過去平均から考えると割安水準。

■ 競合比較:

▷競合が減益に落ち込む中で3期連続増収と安定感が出てきていること。

■ 株主還元策の動向:

▷ 今期20円の増配を実施。

 

 

 

以上、【6701】NECの株価が上昇している理由とは?『やばい時期』を脱出した『日本電気』の今後を予想する。…でした。

 

 

【電機機器・電子部品株見通し】ソニー・パナソニックをはじめとした個別株式銘柄を分析&株価予想!

2019.09.13



[おすすめネット証券ランキング]

2019年現在で株式投資を始めるにあたり、マネリテ編集部が厳選したネット証券をランキング形式にまとめておりますので参考にしてみてください。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。