【3382】セブン&アイ・ホールディングスの今後の株価と業績を分析する!既存店売上が上向くかが鍵、短期的には中立。

コンビニ最大手セブン・イレブンを運営する「セブン&アイ・ホールディングス」。

 

主力事業であるコンビニ事業(セブンーイレブン)の伸び悩みが今後どのように推移するのか。

また、苦しい状況が続いているスーパーマーケット事業(イトーヨーカ堂)や百貨店事業(西武、そごう)が上向きに回復してくるかという点に注目していく必要がありそうです。

 

足許では、これらの事業の状況は思わしくありません。

 

加えて、今後の主力事業であるとされていたデジタル戦略のコアである7Payがサービス開始わずかでサービス廃止になってしまうなど、短期的にも中期的にも短期的にも購入判断は中立(ニュートラル)です。

それぞれの点について分析していきます。

 

■ 投資判断基準:短期、中期で『中立』

既存事業の頭打ち、新規事業(デジタル戦略)のコアである7Payの失敗により、現状の株価から大きな上振れは期待できないとし、短期的にも、中長期でも中立。

■ 業績見通し:

▷ 新規出店等で売上高・利益ともに伸びており、2019年3月期は堅調に推移している。しかし、既存店売上の伸びが思わしくなく、先行き不透明。

■ ROEとROAの高さ(効率的に利益を上げられているか):

▷ 概ね7%〜8%で推移しており、スーパー・コンビニ等の小売業としては平均的な水準。

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷ 予想PERは現状株価で15.4倍、PBR1.29倍で、こちらも日本の企業としては平均的な数値であり適正水準。

■ 他社との比較:

▷ 業界他社と比較すると株価指標は同水準であり株価は適正。

配当利回りは他社と比較すると高い水準であるが既存事業は頭打ちであり海外事業のみ伸びているため国内事業の動向が重要。

■ 事業の傾向・特徴:

▷ 国内事業においては、他のコンビニを大幅に上回る日販(60〜70万円程度)を継続。

▷ 店舗数とともに他社を圧倒している状況。2017年に新たに北米のコンビニを買収するなど、海外コンビニ事業も堅調。

 

セブン&アイ・ホールディングスとは?

セブン&アイ・ホールディングスは、ご存知の通りコンビニ最大手セブンーイレブンを運営しています。

その他にもスーパーのイトーヨーカ堂、百貨店のそごう・西武、雑貨のロフト、ファミリーレストランデニーズ等を参加に持つ大手流通グループ。

 

主力は、国内海外のコンビニ事業で、特に国内においては新規に出店をすることで売上高の拡大を継続しています。

直近では、初めて沖縄県に出店したことで話題になりました。

また、近年は、オフラインでの店鋪展開に加え、デジタル戦略を掲げ、7iDやnanacoの会員数を拡大しており、アクティブユーザー数も1,500万人を超えています。

それでは直近10年の業績と株価水準について詳しく見ていきましょう。

過去10年の業績推移(PL)

まずは一番重要な過去10年の『売上高』『営業利益』『経常利益』『純利益』について見ていきます。

『営業利益』『経常利益』『純利益』の違いについて分からないという方は『損益計算書の見方』をご覧ください。

 

既存事業が頭打ちと解説しましたが、全体としては長期的に伸びています。

2019年度は過去最高益を更新し、8年連続での過去最高益更新となっています。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2008/02 5,752,392281,088278,262130,657
2009/02 5,649,948281,865279,30692,336
2010/02 5,111,297226,666226,95044,875
2011/02 5,119,739243,346242,907111,961
2012/02 4,786,344292,060293,171129,837
2013/02 4,991,642295,685295,836138,064
2014/02 5,631,820339,659339,083175,691
2015/02 6,038,948343,331341,484172,979
2016/02 6,045,704352,320350,165160,930
2017/02 5,835,689364,573364,40596,750
2018/02 6,037,815391,657390,746181,150
2019/02 6,791,215411,596406,523203,004
2020/02予 6,741,000420,000414,500210,000

 

セブンイレブンの業績推移

 

しかし、下図の「セブンーイレブン 既存店売上・客数前年比推移」を見ていただくと分かる通り、

特に直近1年ほど、業績の先行指標と言われる既存店の売上や客数が思うように伸びていません。

特に客数が前年割れする状況が続いており、既存店においては、店鋪が需要に対して過度な供給になっていると言えます。

 

この客数の低下を打開する策として、これまで何度か言及しているデジタル戦略が掲げられました。

そのためアプリ等の改良が進められてきました。

しかし、そのコアであったスマホ決済サービス7Payがサービス開始わずかで廃止になったことで、今後どのように国内事業を立て直す戦略を立てるのかが重要です。

 

■セブンーイレブン 既存店売上・客数前年比推移

セブン&アイの既存店売上と客数の前年度比

セブン&アイ

 

収益同様に、一株あたり利益(EPS)も堅調です。

こちらも、2019年度は過去最高となっています。

今後の見通しについては、収益と同様に既存店の収益状況を今後どのように改善していくかが重要になります。

 

PER・PBR水準で判断すると株価は適正水準

次に株価水準について見ていきましょう。

まずは、PER(=株価÷一株あたり利益:EPS)ですが、以下の過去3年間グラフの通り、現状でも15倍程度であり平均的な水準です。

PERの過去3年推移

 

同じく、PBRも1.2倍であり、こちらで見てみても適正な株価水準と言えます。

PBRの過去3年推移

 

配当利回りについては、競合他社と比較すると2%台中盤であり、低くはない水準です。

コンビニ・スーパー等の小売業を一定持っておきたいというニーズがあるのであれば、長期的に保有することを前提に持っておくということも選択の1つかもしれません。

 

配当利回りの過去3年推移

 

以上の通り、株価指標を見る限りは、現在の株価水準はかなり適正な価格だと言えるでしょう。

これまで述べてきた通り、国内事業の今後の拡大戦略が明るいか否かで株価の動きは変わってくると思われるため、

長期的な戦略を見ながら、足許の株価水準を注視しくのが良いでしょう。

現在の水準では、買い・売りどちらも推奨しにくく、中立(ニュートラル)という判断にならざるを得ないと思います。

 

セブン&アイ・ホールディングスの配当利回りは競合比高め

ここまでもいくつか比較してきましたが、セブン&アイホールディングスとユニー・ファミリーマートホールディングス、ローソンをいくつかの指標で比較しておきましょう。

時価総額は、セブン&アイホールディングスがNo.1で、約3兆円と頭一つ抜けています。

 

 セブン&アイユニー・ファミマローソン
株価3,666.0 円2,616.0 円5,070.0 円
予想PER15.4 倍26.5 倍28.2 倍
PBR1.29 倍2.33 倍1.83 倍
予想配当利回2.59%1.53%2.96%
ROE8.05%7.98%9.25%
ROA3.50%3.31%1.91%
自己資本比率43.50%41.50%20.60%

 

表を見ると分かる通り、ほとんどの指標で同じような水準感の物が多いです。

その中で、配当利回りについては、セブン&アイ・ホールディングスが少し高めであるため、小売株の保有を検討されている方は、1つの基準にするのは良いでしょう。

まとめ

セブン&アイ・ホールディングスは、国内コンビニ事業では他社を寄せ付けない規模と伸びを続けてきました。

海外コンビニ事業も拡大していますし、今後も業績が伸び、株価が上がっていくことを当然期待できるでしょう。

 

一方で直近の数値を見ていくと、必ずしも未来が明るいということでも無いため、しっかりと見極めが必要な状況だと思います。

 

デジタル戦略など、今後の長期的なグループ戦略について、今後どういう方向性があるのか、決算発表等を見ながら判断していくのが良いと考えます。

 

 

■ 投資判断基準:短期、中期で『中立』

既存事業の頭打ち、新規事業(デジタル戦略)のコアである7Payの失敗により、現状の株価から大きな上振れは期待できないとし、短期的にも、中長期でも中立。

■ 業績見通し:

▷ 新規出店等で売上高・利益ともに伸びており、2019年3月期は堅調に推移している。しかし、既存店売上の伸びが思わしくなく、先行き不透明。

■ ROEとROAの高さ(効率的に利益を上げられているか):

▷ 概ね7%〜8%で推移しており、スーパー・コンビニ等の小売業としては平均的な水準。

■ PERとPBRの低さ(割安かどうか):

▷ 予想PERは現状株価で15.4倍、PBR1.29倍で、こちらも日本の企業としては平均的な数値であり適正水準。

■ 他社との比較:

▷ 業界他社と比較すると株価指標は同水準であり株価は適正。

配当利回りは他社と比較すると高い水準であるが既存事業は頭打ちであり海外事業のみ伸びているため国内事業の動向が重要。

■ 事業の傾向・特徴:

▷ 国内事業においては、他のコンビニを大幅に上回る日販(60〜70万円程度)を継続。

▷ 店舗数とともに他社を圧倒している状況。2017年に新たに北米のコンビニを買収するなど、海外コンビニ事業も堅調。

 

 

以上、【3382】セブン&アイ・ホールディングスの今後の株価と業績を分析する!既存店売上が上向くかが鍵、短期的には中立。…でした。

 

 

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2019.09.16



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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。