【9104】業績回復初動の商船三井の今後の株価見通しを予想する!

商船三井は国内で2位の事業規模を誇る海運会社です。

創業は明治11年と老舗の日本企業でもあります。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から商船三井の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:長期「買い」

以下の点を総合的に勘案し、商船三井は中期「様子見」、長期「買い」と分析。ターゲット値は6,500円(現在2,600円)。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結経常利益は前の期比22.6%増の385億円、20年3月期も前期比29.6%増の500億円に伸びる見通しであること。また3期連続増益中と業績に安定感が出てきていること。

■ 指標関連:

▷ 予想PERは7.1倍、予想PBRは0.54倍で割安水準であること。

▷ 業績の持ち直し傾向がみられる商船三井のほうに投資妙味があるといえる。

■ 株主還元状況:

▷ 前期の年間配当を40円→45円(前の期は11円)に増額し、今期も前期比20円増の65円に増配するとしていること。

■ テクニカル的な判断:

▶︎長期チャートで上値抵抗である雲が薄くなっていること。

 

大手開運企業『商船三井』とは?

ここでは大手海運企業である商船三井の事業内容を紹介していきたいと思います。

①:ドライバルク船サービス

鉄鉱石や石炭、穀物、木材チップ、セメント、肥料、塩など、多種多様な資源を世界各国から世界最大級の船隊で輸送しています。

 

②:油送船サービス

VLCCと呼ばれる大型原油タンカーおよびアフラマックスと呼ばれる中型原油タンカーなどで原油を運んでいます。

また原油だけではなく、軽油やナフサ、ガソリンなどの石油精製品も輸送しています。

 

③:LNG船サービス

クリーンエネルギーとして脚光を浴びているLNG(液化天然ガス)を輸送しています。

商船三井はLNG船の所有・管理・運航において、世界トップクラスのシェアを誇っています。

 

④:海洋事業サービス

船を輸送のためではなく特定の場所に浮かべて活用する「浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)」や「浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)」などの海洋事業サービスも提供しています。

 

⑤:自動車船サービス

自動車船サービスを初めて導入したのが商船三井です。

その後自動車船サービスのパイオニアとして120隻の運航船船隊でサービスを展開しています。

 

⑥:コンテナ船サービス

2018年4月、Ocean Network Express (ONE)がサービスを開始。

Ocean Network Expressは商船三井、日本郵船、川崎汽船の定期コンテナ船事業を統合し設立されました。

 

⑦:ターミナルサービス

国内5か所東京・横浜・名古屋・大阪・神戸でのターミナル運営だけではなく、

海外においても、8ヵ所(米国3ヵ所、ベトナム2ヵ所、タイ2ヵ所、オランダ1ヵ所)でコンテナターミナルを運営しています。

 

⑧:ロジスティクス・サービス

物流事業は、世界27ヵ国、123都市、224拠点にネットワークを展開しています。

 

⑨:客船サービス

 

⑩:フェリー内航サービス

 

⑪:関連事業サービス

曳船(タグボート)、陸運、倉庫、海事コンサルタントなどの海運業関連だけではなく、旅行、ビル賃貸・不動産管理、さらには金融・財務、商事、保険、情報システム・通信、人材派遣、国家石油備蓄事業支援、海図販売など、多彩なサービスメニューを提供しています。

 

⑫:技術開発

見てきたように、商船三井の事業内容は非常に多岐にわたるものであることがわかります。

 

商船三井の過去10年の業績推移(PL)

ここでは商船三井の過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/031,568,435168,073182,488120,940
2008/031,945,696291,284302,219190,321
2009/031,865,802197,211204,510126,987
2010/031,347,96420,93924,23412,722
2011/031,543,660123,400121,62158,277
2012/031,435,220-24,459-24,320-26,009
2013/031,509,194-15,766-28,568-178,846
2014/031,729,45241,09254,98557,393
2015/031,817,06917,24951,33042,356
2016/031,712,2222,32336,267-170,447
2017/031,504,3732,55825,4265,257
2018/031,652,39322,68431,473-47,380
2019/031,234,07737,71838,57426,875
2020/03予1,194,00026,00050,00040,000

 

わかりやすく図解すると以下のようになります。

 

商船三井の業績

商船三井の売上高は1,234,077百万円~1,945,696百万円のレンジで上下しつつ推移しています。

また本業の成績を示す営業利益ですが、2012年に底打ち後徐々に回復傾向になることがわかります。

よって、商船三井の業績は回復の兆しが見えている状態であるといえます。

 

商船三井が4月26日に発表した決算によると、19年3月期の連結経常利益は前の期比22.6%増の385億円、20年3月期も前期比29.6%増の500億円に伸びる見通しであると公表しています。

また配当に関しては、前期の年間配当を40円→45円に増額し、今期も前期比20円増の65円に増配するとしています。

低迷が続く海運セクターですが、商船三井は大幅に配当を増額していること。

および3期連続増益であることから、回復の兆しが顕著であるといってよいでしょう。

 

商船三井のROEとROA

商船三井のROEとROAは営業利益同様、2013年と2016年に大きく落ち込んでいることがわかります。

決算期ROEROA
2007/0319.46%7.37%
2008/0325.35%10.01%
2009/0320.37%7.03%
2010/031.93%0.68%
2011/038.81%3.12%
2012/03-4.07%-1.34%
2013/03-33.40%-8.26%
2014/038.45%2.43%
2015/035.41%1.61%
2016/03-31.51%-7.68%
2017/030.92%0.24%
2018/03-9.27%-2.13%
2019/035.12%1.26%
2020/03予7.62%1.87%

 

わかりやすく図示すると以下の通りとなります。

商船三井のROEとROAの推移

 

ROEは- -33.40%~25.35%と大きな幅で推移しているため、不安定であるということができます。

またROAも-8.26%~10.01%とROE同様に不安定であるということができます。

 

商船三井の経営計画「ローリングプラン」

商船三井では2017年からの10年計画「ローリングプラン」を策定しています。ここではその経営計画を分析していきたいと思います。

①:商船三井グループが10年後目指す姿

「相対的競争力No.1事業の集合体」

 

②:経営計画の3本柱

  • 海洋事業を中心に強み分野への経営資源の重点投入
  • 顧客目線にたったストレスフリーなサービスの提供
  • 環境戦略の推進とエミッションフリー事業のコア事業

 

③:重点目標

  • 海技力を活かしたサービス提供
  • ICT
  • 技術開発
  • 環境・エミッションフリー
  • 働き方改革

 

④:数値目標

  • 経常利益 1,500~2,000億円
  • ギアリングレシオ 1.0倍

 

商船三井の経営計画は事業内容と合わせて考慮すると、経営計画に沿って事業を展開していることがわかります。

しかし、経常利益のどんぶり勘定さは否めません。

リーマンショック前へのV字回復ができるのか、見守っていきたいところです。

 

商船三井のファンダメンタル分析総合

ファンダメンタル的に商船三井は業績回復の兆しが見える、回復初期であるといえます。

投資的な視点から、最も投資妙味のある場面であるということができます。

よってファンダメンタル的には商船三井は「買い」であると判断することができます。

(ただしリスクが高い場面だと認識してください)

 

商船三井のテクニカル分析

ここでは商船三井は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

商船三井の過去10年の株価推移

商船三井の過去10年の月足チャート

 

上図は日本郵船の過去10年間の株価推移です。

日経平均株価の影響を受けることなく、独自の株価を形成しています。

商船三井のテクニカル分析

商船三井のテクニカル分析

2017年までは雲(上値抵抗)が厚いため、株価が上昇することができなかったことがわかります。

しかし、現在は雲が薄く、なんらかのネタ一発で上抜けできる位置に来ていることがわかります。

商船三井のテクニカルチャート

 

商船三井の中期は現在上値抵抗の最終段階に位置しています。

この雲が薄くなるか、消えるかすると、商船三井は株価が上に抜けやすくなります。

 

テクニカルから見た商船三井

中期チャートで買い場を見つけつつ、長期で購入したいチャートです。

ですからテクニカル的には中期「様子見」、長期「買い」の判断になります。

 

商船三井の競合他社比較

商船三井(9104)を同業である川崎汽船(9107)、日本郵船(9101)と比較検討していきます。

 

商船三井川崎汽船日本郵船
PER7.1 倍10.3 倍10.6 倍
PBR0.54 倍1.09 倍0.56 倍
配当利回り2.74%- %2.46%
ROE5.12%-107.35%-9.13%
ROA1.26%-11.69%-2.22%

 

①:PER

日経平均株価の平均PERは13~14倍です。

よって海運セクターは割安であるといえます。

 

②:PBR

日経平均株価の平均PBRは2倍です。

よって海運セクターは割安であるといえます。

 

③:配当利回り

日本郵船が2.42%、商船三井が2.67%、です。

 

④:株主優待

ⅰ.商船三井

客船「にっぽん丸」クルーズ優待券(1割引)

100株以上2枚
500株以上4枚
1,000株以上6枚

 

ⅱ.日本郵船

飛鳥クルーズ料金10%割引優待券

100株以上3枚
500株以上6枚
1,000株以上10枚

 

⑤:決算予測

ⅰ.商船三井

19年3月期の連結経常利益は前の期比22.6%増の385億円、20年3月期も前期比29.6%増の500億円に伸びる見通し。

 

ⅱ.川崎汽船

19年3月期の連結最終損益は1111億円の赤字、20年3月期は110億円の黒字にV字回復する見通し。

 

ⅲ.日本郵船

19年3月期の連結経常損益は20.5億円の赤字に転落、20年3月期は370億円の黒字に急浮上する見通し。

 

⑥:競合他社比較総合

不透明感漂う不人気セクター海運。

その中でも割安感や業績の安定感が高い商船三井が一歩リードしているといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から商船三井の今後の株価推移を分析してきました。

商船三井はファンダメンタル的にもテクニカル的にも長期で買ってみたい銘柄であります。

リスクを考慮しながら、買い下がりを視野に少しずつ集めてみてもよいかもしれません。




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