【3401】2期連続減益予想の帝人の株価を徹底予測!!

帝人の株価

帝人は大手繊維メーカーなどを傘下に持つ持ち株会社です。

近年は繊維関係だけではなく、医薬や在宅医療機器、樹脂、電子材料など幅広い分野に進出しています。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から帝人の今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:投資対象外

以下の点を総合的に勘案し、帝人は「投資対象外」と予想。

■ 業績見通し:

▷ 19年3月期の連結経常利益は前の期比11.1%減の602億円、20年3月期も前期比0.4%減の600億円。2期連続減益であること。

■ 指標関連:

▷ 予想PERは8.5 倍、予想PBRも0.85倍で割安水準であるが不人気からくる割安感であること。

■ 他社との比較:

▷ 繊維セクター全体が投資対象外であること

■ テクニカル的な判断:

▷ 2021年まで持ち合いが続く可能性が高く、投資効率が悪いこと。

 

大手繊維メーカーの帝人とは?

大手繊維メーカーでありながら、近年様々な分野に進出している、帝人の事業内容を説明していきます。

①:アラミド繊維

アラミドは自動車や石油・ガス、土木工学、防護にわたる幅広い分野で活用されている素材です。

②:炭素繊維

帝人の鉄の10倍の強度を持ちながら重量は鉄の4分の1である炭素素材は世界トップクラスを誇っています。

③:フィルム・シート

帝人のフィルム・シートは自動車、電子部品など幅広い分野で使用されています。

④:樹脂・難燃剤・添加剤

ポリカーボネート樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂、成形部材製品などが、幅広い分野で使用されています。

⑤:複合成形材料

ガラス繊維や炭素繊維などで樹脂を強化し成形した部品が、自動車などに活用されています。

⑥:繊維・製品

衣料繊維だけでなく産業資材の分野でも、帝人は研究開発から最終製品までの一貫した供給体制によって多彩な製品展開と新市場の創出に取り組んでいます。

⑦:ヘルスケア

医薬品や在宅医療で培った事業基盤を強化・拡大するとともに、介護や未病などの非保険医療の領域へも参入しています。

⑧:IT

ヘルスケアIT分野や、ネットビジネス分野でサービスを提供しています。

⑨:環境・エンジニアリング

環境分野でも特長あるエンジニアリング・ソリューションを提供しています。

 

帝人の過去10年の業績推移(PL)

ここでは帝人の過去10年間の業績推移を見ていきます。

帝人の過去10年の業績推移

上記は帝人の過去10年間の業績の推移です。

売上高は2010年からほぼ横ばいで推移していることがわかります。

比較して本業を表す営業利益は2013年に底打ちしてから、順調に推移していることがわかります。

 

帝人が5月9日に最新の決算を発表しました。

19年3月期の連結経常利益は前の期比11.1%減の602億円、20年3月期も前期比0.4%減の600億円という見通しを公表しています。

また配当に関しては、今期の年間配当は前期の記念配当10円を落とし普通配当60円にするとしています。

帝人の株価のチャート

 

帝人は場中に決算を発表しました。

5月9日は1,801円―1,844円と大きな陰線を引いていることから、市場で決算の内容がネガティブにとらえられたことを示しています。

 

帝人のROEROA

帝人のROEとROAは営業利益と同じような推移をしていることがわかります。

ROEは2009年と2013年にW底を付けて底打ちしてから順調に上昇しています。

帝人のROEとROA

 

2016年から4年連続日本の東証一部の平均値である8%を超えて推移していることから、安定感が出てきているといえます。

またROAもROE同様、2016年から4年連続日本の東証一部の平均値である2%を超えて推移しています。

安定感が出てきているといえるでしょう。

 

帝人の経営計画

帝人の経営計画について見ていきましょう。

 

①:帝人の長期ビジョン

ⅰ 社会の抱える問題の解決に貢献する企業

・環境価値ソリューション

・安心・安全・防災ソリューション

・少子高齢化・健康志向ソリューション

 

ⅱ 外部環境の変化を先取りして変革し続ける企業

ⅲ 常に新しい価値を創出し続ける企業

 

②:中期経営計画2017-2019「ALWAYS EVOLVING」

10年後にはマテリアル事業領域とヘルスケア事業領域を2本の柱とするために、それぞれの事業で成長戦略、発展戦略を着実に実行するとしています。

 

帝人の中期経営計画

帝人

 

ⅰ マテリアル事業領域の成長戦略

・航空機・自動車ビジネスへの注力

・社会基盤インフラのニーズ拡大へ対応

 

ⅱ ヘルスケア事業領域の成長戦略

・成長領域の強化

 

ⅲ マテリアル事業領域の発展戦略

・自動車向け複合材料事業

・セパレータ・メンブレン事業

 

ⅳ ヘルスケア事業領域の発展戦略

・製品・サービスのラインナップ多様化

・先端的ヘルスケア事業基盤の構築

 

③:セグメント別分析

帝人のマテリアル事業部の売上高と営業利益

帝人

マテリアル分野では本業の成績である営業利益が2017年の33,627百万円から2018年の23,494百万円に急減していることが気になります。

 

ヘルスケア事業部の売上高と営業利益

帝人

 

一方ヘルスケア分野は横ばいと安定感を監視させます。

しかし中期経営計画に掲げている成長戦略が効果を奏しているようには見えないのが気がかりです。

 

帝人のテクニカル分析

ここでは帝人は買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

帝人の過去10年の株価推移

下記は帝人の過去10年の株価推移です。

帝人の月足チャート

 

一見して、日経平均株価に連動していることがわかります。

しかし、780円から2,603円とおよそ3倍にしか株価が上昇していないことが気がかりです。

一般的に個別銘柄は指数以上のパフォーマンスを上げるからです。

よって投資効率的に帝人への投資はよくなかったという結果になっています。

 

帝人のテクニカル分析

 

ⅰ.2014年雲抜けからの上昇

2014年に薄くなっていた雲(上値抵抗)を抜けて上昇トレンドに入っています。

 

ⅱ.ダイバージェンス発生

2018年に高値2.603円を付けていますが、完全にMACDはダイバージェンスを起こしています。

よって、テクニカル派であれば、この時点で利確、様子見に移行しているものと推測されます。

 

ⅲ.2021年まで様子見

次の変化日は2021年4月です。

ここで2,050円を上回って推移できるかが帝人相場のポイントになります。

よって、帝人は様子見がよいといえます。

 

帝人の競合他社比較

帝人(3401)を同業である東レ(3402)、東洋紡(3101)、ユニチカ(3103)と比較検討していきます。

 

帝人東レ東洋紡ユニチカ
PER8.5 倍14.0 倍6.5 倍8.0 倍
PBR0.85 倍1.15 倍0.62 倍1.63 倍
配当利回り3.29%1.97%3.22%0.00%
ROE10.97%7.02%-0.34%13.81%
ROA4.41%2.85%-0.13%2.63%

 

①:PER

日経平均株価の平均はPER13~14倍であるため、繊維セクター全般のPERが割安であるといえます。

 

②:PBR

日経平均株価の平均PBRの2倍であるため、繊維セクター全般のPBRが割安であるといえます。

 

③:配当利回り

配当利回りは各社ばらばらです。帝人が3.29%で最も高く、ユニチカは配当がありません。

 

④:株主優待

全社、株主優待が設定されていません。

 

⑤:決算予測

ⅰ 帝人

19年3月期の連結経常利益は前の期比11.1%減の602億円、20年3月期も前期比0.4%減の600億円という見通し。

 

ⅱ 東レ

19年3月期の連結経常利益は前の期比11.7%減の1345億円、20年3月期は前期比15.2%増の1550億円に拡大を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通し。

 

ⅲ 東洋紡

19年3月期の連結経常利益は前の期比12.9%減の177億円、20年3月期は前期比1.2%増の180億円に伸びる見通し。

 

ⅳ ユニチカ

19年3月期の連結経常利益は前の期比28.9%減の70.9億円、20年3月期も前期比26.7%減の52億円に減る見通し。

 

2019年は全社減益の見通しです。2020年は東洋紡と東レは一転し増益になると公表しています。ユニチカの底なし沼の業績の悪化が気になるところです。

 

⑥:競合他社比較総合

繊維セクターは割安なことがわかりました。しかしこれは不人気からくる割安さであると考えられます。セクターでの業績の安定感がないため、繊維セクターへの投資は効率が悪いといわざるを得ません。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から帝人の今後の株価推移を分析してきました。

ファンダメンタル的に業績が不安定であり、

テクニカル的にも長期で持合いが予測される帝人は「投資対象外」と判断することができます。




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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。