【3402】業績は堅調な東レの株価が下落している理由とは?今後の予想を含めて解説する。

【3402】業績は堅調な東レの株価が下落している理由とは?今後の予想を含めて解説する。

東レは合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品や情報関連素材を取り扱う大手化学企業です。

社名は旧社名である東洋レーヨンの「東とレ」から付けられました。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から東レの今後の株価推移を分析していきたいと思います。

 

■ 投資判断基準:投資対象外

以下の点を総合的に勘案し、東レは現状「投資対象外」と予想。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結経常利益は前の期比11.7%減の1345億円、20年3月期は前期比15.2%増の1550億円に拡大を見込む。2期ぶりに過去最高益を更新する見通しであるが、セクター全体の業績が悪く、他の競合企業に株価が引っ張られやすい傾向があるため。

■ 指標関連:

▷ 予想PERは14.1 倍で平均並み、予想PBRは1.16倍で割安水準。

▷ 繊維セクター全体が投資対象外であること

■ テクニカル的な判断:

▷ 2021年まで持ち合いが続く可能性が高く、投資効率が悪いこと。

 

化学業界の雄『東レ』はどんな企業?

「素材には、社会を変える力がある。」をスローガンに事業を展開している東レの業務内容をご紹介していきます。

①:繊維

東レは繊維事業分野でナイロン、ポリエステル、アクリルの3大合成繊維すべてを提供しています。

 

②:機能化成品

機能化成品分野では、樹脂・フィルム・ケミカル・電子情報材料の4つの事業を行っています。自動車用各種部材からエレクトロニクス製品部材まで、幅広い分野の製品を提供しています。

 

③:炭素繊維複合材料

東レの炭素繊維複合材料分野は世界№1のシェアを誇っています。

 

④:環境・エンジニアリング

水処理膜や水処理装置をはじめ、建材用素材、エンジニアリング機器等、幅広い事業を行っています。

 

⑤:ライフサイエンス・その他

医薬・医療事業を中心として医療の質の向上、医療現場の負担軽減、健康・長寿への貢献といった社会的ニーズに対応しています。

また、分析・調査・研究等のサービス関連事業も行っています。

 

東レの過去10年の業績推移(PL)

ここでは東レの過去10年間の業績推移を見ていきます。

下記は東レの過去10年間の業績の推移です。売上高は2010年を底として順調に右肩上がりで推移しています。

決算期売上高営業利益経常利益当期利益
2007/031,546,461102,42397,52058,577
2008/031,649,670103,42991,47148,069
2009/031,471,56136,00620,522-16,326
2010/031,359,63140,1079,006-14,158
2011/031,539,693100,08798,88857,925
2012/031,588,604107,721109,84964,218
2013/031,592,27983,43688,24448,477
2014/031,837,778105,253110,64859,608
2015/032,010,734123,481128,57271,021
2016/032,104,430154,480150,17090,132
2017/032,026,470146,893143,73699,418
2018/032,204,858156,464152,30595,915
2019/032,388,848141,469134,51879,373
2020/03予2,530,000160,000155,00093,000

わかりやすく図示すると以下となります。

東レの業績推移

比較して本業を表す営業利益は2009年を底としてV字回復しています。

しかし直近は高止まりしたまま安定感のない業績推移になっているといえます。

しかし、2020年度の業績予測は一転し過去最高益になる見込みです。

よって、東レの業績は好調であると評価することができます。

 

東レが5月14日に発表した決算によると、19年3月期の連結経常利益は前の期比11.7%減の1345億円、20年3月期は前期比15.2%増の1550億円に拡大を見込んでいます。

2期ぶりに過去最高益を更新する見通しであると公表しています。

 

 

東レは場中に決算を発表しました。5月14日は685.2円―730.2円と大きく株価が動きて大きな陽線を付けています。

また決算後に出来高を伴いながら株価が上昇していることから、市場では好決算であると判断されたといってよいでしょう。

 

東レのROEとROA

東レのROEとROAは営業利益と同じような推移をしていることがわかります。

決算期ROEROA
2007/039.02%3.50%
2008/037.49%2.83%
2009/03-3.48%-1.07%
2010/03-3.00%-0.91%
2011/039.78%3.70%
2012/0310.23%4.06%
2013/036.69%2.80%
2014/036.94%2.81%
2015/037.21%3.01%
2016/039.53%3.96%
2017/039.73%4.15%
2018/038.79%3.70%
2019/037.02%2.85%
2020/03予8.22%3.34%

 

東レのROEとROA

ROEは直近9年間6%以上で推移してきているため、安定感があるといえます。

またROAは直近9年間東証一部の平均値である2%を超えて推移し安定感があります。

 

東レの中期並びに長期的な経営計画

東レでは2011年に2020年までの長期経営計画と3期にわたる中期経営計画を公表しています。

中期経営計画

東レ

 

①:長期経営計画「AP-Growth TORAY 2020」

成長分野と成長国・地域での事業拡大を柱とする成長戦略。

 

②:3段階の中期経営計画~改革と攻めの経営

ⅰ.プロジェクトAP-G 2013

ⅱ.プロジェクトAP-G 2016

・グリーンイノベーション事業

・ライフイノベーション事業

・成長国・地域ではアジア、新興国、米州の事業拡大

ⅲ.プロジェクトAP-G 2019

・2020 年以降の持続的な成長と企業価値向上を担う新しい収益源を創出する取り組みを強化

 

東レのテクニカル分析-株価下落の理由は競合他社に引きづられているから-

ここでは東レは買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

東レの過去10年の株価推移

下記は東レの過去10年の株価推移です。

一見して、日経平均株価に連動していることがわかります。

東レの月足チャート

 

しかし、直近は以下の通り日経平均を大きくアンダーパフォームしていることが分かりますね。

 

東レの株価vs日経平均

ヤフーファイナンス

 

セクター全体として軟調な株価推移

東レ(3402)と同じセクターであるユニチカ(3103)東洋紡(3101)帝人(3401)の株価を比較してご覧ください。

セクター全体として株価は軟調に推移しており、東レは引きずられる形となってしまっています。

東レの競合他社との株価推移

東レ単体の要因で下げているわけではなく、セクター全体間の中で下落していると見ることができるでしょう。

東レのテクニカル分析

東レのテクニカル分析

 

ⅰ.2014年雲抜けからの上昇

2014年に変化日からきれいに雲(上値抵抗)を抜けて上昇トレンドに入っています。

 

ⅱ.ダイバージェンス発生

2017年に高値1,208円を付けていますが、完全にMACDはダイバージェンスを起こしています。

よって、テクニカル派であれば、この時点で利確、様子見に移行しているものと推測されます。

 

ⅲ.2021年まで様子見

次の変化日は2021年1月です。ここで960円を上回って推移できるかが東レ相場のポイントになります。

よって、東レは様子見がよいといえます。

 

見てきたように東レはテクニカルで攻略しやすい銘柄であるといえます。

売買する際にはしっかりとテクニカルを活用していきましょう。

 

東レの競合他社比較

東レ(3402)を同業であるユニチカ(3103)、東洋紡(3101)、帝人(3401)と比較検討していきます。

東レユニチカ東洋紡帝人
PER14.1 倍7.9 倍6.5 倍8.5 倍
PBR1.16 倍1.62 倍0.63 倍0.85 倍
配当利回り1.95%0.00%3.21%3.30%
ROE7.02%13.81%-0.34%10.97%
ROA2.85%2.63%-0.13%4.41%

 

①:PER

日経平均株価の平均はPER13~14倍であるため、繊維セクター全般のPERが割安であるといえます。

この中でも東レは14.1倍と若干PERが高いと判断することができます。

これは5月に公表した決算が好感され、投資家に物色されていることから起こった現象であるといえます。

 

②:PBR

日経平均株価の平均PBRの2倍であるため、繊維セクター全般のPBRが割安であるといえます。

 

③:配当利回り

配当利回りは各社ばらばらです。

帝人が3.29%で最も高く、ユニチカは配当がありません。

 

④:株主優待

全社、株主優待が設定されていません。

 

⑤:決算予測

ⅰ.東レ

19年3月期の連結経常利益は前の期比11.7%減の1345億円、20年3月期は前期比15.2%増の1550億円に拡大を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通し。

 

ⅱ.ユニチカ

19年3月期の連結経常利益は前の期比28.9%減の70.9億円、20年3月期も前期比26.7%減の52億円に減る見通し。

 

ⅲ.東洋紡

19年3月期の連結経常利益は前の期比12.9%減の177億円、20年3月期は前期比1.2%増の180億円に伸びる見通し。

 

ⅳ.帝人

19年3月期の連結経常利益は前の期比11.1%減の602億円、20年3月期も前期比0.4%減の600億円という見通し。

 

2019年は全社減益の見通しです。

2020年は東洋紡と東レは一転し増益になると公表しています。

特に2期ぶりに過去最高益を更新する東レの業績に注目したいところです。

 

⑥:競合他社比較総合

繊維セクターは割安なことがわかりました。

その中でも東レは一番割高になっています。

これは東レの人気の高さからくる割高さであると考えられます。

よって、繊維セクターで投資する場合は業績と人気から東レがよいということになります。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面から東レの今後の株価推移を分析してきました。

ファンダメンタル的に業績が持ち直し傾向であるため「買い」で入りたい銘柄ですが、

テクニカル的に長期で持合いが予測されるため、東レは現状「投資対象外」と判断することができます。




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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。