東ソー(4042)の株価や業績推移を過去の傾向から予想!PERから現在はかなり割安な水準。

東ソー(4042)の株価や業績推移を過去の傾向から予想!PERから現在はかなり割安な水準。

このコンテンツでは、化学品やセメントを扱う大手総合化学メーカーである「東ソー」の株価を分析していきます。

東ソーという社名をあまり聞き慣れないという方もいるかもしれません。

 

しかし、実は東京ドーム65個分という、アジア最大級の巨大な生産拠点を有し、技術力に強みを持つ優良企業のひとつです。

ここでは、過去の業績推移や各種株価指標、同業他社との比較などから、今後の株価の見通しについて検討していきます。

 

■ 投資判断:

▷PERは6倍台と非常に割安ななか、ROEの水準は高く魅力的な水準。

▷しかし今後の世界情勢や米中貿易摩擦により慎重に。

▷株価は業界PER平均10倍を基準として2000円程度が妥当か。(2019年9月中旬日時点1470円)

■ 業績見通し:

▷大型案件受注も、足元の原料価格高騰をカバーしきれず増収減益予想。

ROEROA:

▷日本企業の中ではかなり高水準。財務状態も問題なし。

■ PBRPER:

▷PBR、PERともにかなり割安な水準。

■ 競合他社比較:

▷他社と比較しても指標上割安な水準で配当利回りの高さも魅力的。

 

 

東ソーとは?

東ソーは、山口県で設立された総合化学メーカーです。

石油化学事業、クロル・アルカリ事業、機能商品事業の3つのセグメントを持ち、幅広い事業を手掛けています。

石油化学事業

石油化学事業は大きく、オレフィンとポリマーに分かれています。

オレフィンは、パッキンや防水・遮水シート、ホースに使われる素材です。

ポリマーは、ナイロンやプラスチック、ビニールに使われています。

クロル・アルカリ事業

クロル・アルカリ事業では、化学品、ウレタン、セメントの事業があります。

化学品事業では、苛性ソーダ、塩素、水素を生産。

苛性ソーダは紙やパルプ、塩素は塩ビ樹脂などとつながるビニルチェーン、水素は石英素材の製造に使われています。

 

ウレタン事業では、いわゆるポリウレタンを生産しており、断熱材や緩衝材、塗料、接着剤など、多種多様な用途に使われています。

自動車や家電、住宅など、私たちの生活にも馴染みの深い素材です。

 

1953年から生産を開始したセメント事業では、生産した全量を太平洋セメントに販売委託しています。

機能商品事業

機能商品事業では、有機化成品事業、バイオサイエンス事業、高機能材料事業の3つがあります。

有機化成品事業では、エチレンアミンや環境薬剤、臭素や難燃剤を生産しています。

 

バイオサイエンス事業では、免疫診断やグリコヘモグロビン分析、遺伝子検査などの医療分野から、機器や試薬の開発・製造・販売からメンテナンスまで、幅広く展開しています。

 

高機能材料事業では、乾電池などの原料となるマンガン酸化物や、セラミックの原料となるジルコニア、半導体や液晶に使用されるスパッタリングターゲットなどを生産しています。

 

化学製品は、ものを作る材料の原料となるものが多いので、製品自体は聞き慣れないものが多いですが、東ソーの製品は、どれも私たちの暮らしに欠かせないものばかりだということがわかります。

 

また、東ソーは、バブル崩壊直後は赤字が続いたものの、他社より早く事業の選択と集中を行い、汎用品と高付加価値品をバランスよく強化したことで、国内でも指折りの好収益企業となっています。

他社の参入が難しいニッチな分野に強み

東ソーは、総合化学メーカーの中でもニッチな分野への集中投資によって安定的な収益を上げることを得意としている会社です。

例えば、「電解二酸化マンガン」。

これは、EV自動車向けのリチウムイオン電池に使われる正極材の素材のひとつです。

 

この素材は、生産する際に大量のくずが発生し、専用の処理場が必要なため、新規参入が難しく、国内では東ソー一社のみ、世界的に見ても、10社ほどしか生産できる会社はなく、東ソーは世界シェアナンバーワンの企業となっています。

 

このような優れた経営資源を多く持つ東ソーは、投資先としては面白い企業と言えるでしょう。

業績推移

東ソーの業績推移を見て行きます。

東ソーPL

売上高は、大きく変動することなく安定して推移しています。

しかし、リーマンショック以降は事業の取捨選択を進め、営業利益、経常利益、純利益ともにしっかりと伸ばしてきました。

 

2019年3月期以降は増収減益を見込んでいます。

 

要因として、水処理事業を中心に、国内外での大型プロジェクトの受注があったこと、企業の旺盛な設備投資需要などを背景に売上は堅調に推移したものの、原料価格の高騰を転嫁しきれず減益に転じています。

 

化学メーカーは、製品の受注状況だけでなく、為替レートや原材料価格の動向によって売れ行きが大きく左右される傾向があります。

今後も、米中貿易摩擦の激化や世界的な景気減速などの政治・経済情勢には注意が必要です。

 

また、国際会計基準(IFRS)の導入も検討中とのことですので、導入すれば業績予想にもブレが生じる可能性があります。

本質的に業績が変動する訳ではなく会計基準の差異が発生するに過ぎませんが、市場はその本質を見破れる人は多くはおらず、株価には注意が必要です。

株価指標上は割安か?

ROEROA

ROEやROAは、会社の資本を使ってどれだけ効率よく利益を上げたかを表す指標です。

ROEは、株主資本に対する収益性を、ROAは、企業の総資産全体に対する収益性を表しており、日本の企業はROEが8%程度、ROAが2%程度の会社が多くなっています。

 

東ソーのROEは、リーマンショック直後には大きく下がっているものの、直近では13~18%程度で推移しており、他の国内企業と比較するとかなり高い水準にあります。

東ソーROEROA

 

ROEが高い企業の中には、負債を増やすことでROEを高めているという企業もあり、注意が必要です。

 

しかし、東ソーは自己資本比率も60%を超えています。

また、ROAについても、2015年以降は5~10%と、高い水準にあり、健全で経営効率がよいと判断できます。  

PBRPER

PBRとPERは、一般的に株価の水準が割安か割高かを示す指標です。

PBRとは、その会社の純資産に対して今の株価が何倍かを表しています。

PBRが1倍であれば、株価と会社の資産が同じ値段になっている状態です。

 

つまり、PBRが1倍を割っていると、株価がその会社の資産に比べて安く評価されている(=割安)であり、1倍を超えていると株価が会社の資産に比べ高く評価されていると言えます。

 

東ソーのPBRは、2019年5月末時点で0.8倍程度となっており、指標上はかなり割安な水準となっています。

 

PBRが低い会社でも、赤字が続き、資産が減っていくことが明らかな企業には注意が必要です。

 

ただし、東ソーの場合は、財務状態も健全であり、材料価格や為替レートなどが原因で現役には転じているものの、受注状況は堅調で、売上も微増ながら伸びています。

 

また、1株あたりの純資産を示すBPSも増加する予想なので、単純に現在の株価水準を割安と判断できそうです。

 

一方PERは、今の株価が「一株当たり純利益(EPS)」の何倍かを示しており、日本企業は15倍程度の会社が多くなっています。

ただし、PERは業種によって平均値が異なり、日本企業全ての平均ではなく、同業他社との比較で割安かどうかを判断していくことが大切です。

 

東ソーのPERは、2019年5月末時点で6.7倍程度、過去3年間の平均は約8.8倍となっています。

後ほど他社との比較をしていきますが、PERに関しては、日東電工が12倍台、日産化学も23倍台となっております。

他社に比べてかなり割安に評価されていることがわかります。

 

 

株価はEPS(一株当たり利益)×PERです。東ソーの株価は、2019年5月末時点で1390円台となっています。

2020年3月期のEPS予想が231円となっているので、仮に過去3年間の平均PERである8.8倍を掛けたとします。

 

すると、231円×8.8倍 = 2032.8円となります。

現在のPERである6.7倍で計算しても1547.7倍となります。

従い、現在の株価は、業績予想を加味すると割安な水準と言えそうです。

同業他社との比較

次に、様々な指標について、競合他社と比較してみましょう。

今回比較する会社は、日東電工、日産化学、三井化学の三社です。

 

ROEやROAについては、業界全体としてやや高めな傾向にあり、特別高いということはありません。

しかし、PBRやPERについては、他社と比べても割安な水準にあり、配当利回りも高く、魅力的な投資先と言えそうです。

 東ソー日東電工日産化学三井化学
株価1,406.0 円4,918.0 円4,725.0 円2,398.0 円
売買単位100 株100 株100 株100 株
時価総額4,571 億円7,808 億円6,993 億円4,904 億円
市場東証1部東証1部東証1部東証1部
決算期2020/032020/032020/032020/03
会計基準日本IFRS日本日本
株主優待なしなしなしなし
予想PER6.8 倍12.4 倍23.1 倍6.2 倍
PBR0.84 倍1.10 倍3.87 倍0.85 倍
予想配当利回り3.98%4.07%1.86%4.17%
実績配当利回り3.98%3.66%1.74%4.17%
ROE14.45%9.50%16.29%13.79%
ROA8.90%7.29%11.89%5.07%
自己資本比率61.60%76.70%73.00%36.80%

 

今後の株価見通しのまとめ

BtoBの製品がほとんどのため、もしかすると作っているものがあまりよくわからない、投資対象としては地味だと感じる方も多いかもしれません。

しかし、作っているものはどれも私たちの生活に欠かせないものばかりのため、売上も比較的安定しています。

他社に先駆けた事業の選択と集中を重ね、ニッチ戦略で安定した好収益を上げている東ソーは、現在株価の水準としては圧倒的に割安であり、中長期的には買いでしょう。

但し、足元の海外情勢などの影響から、株価や業績が大きくぶれる可能性があります。

各種指標やチャートなどをしっかり見ながら投資するようにしましょう。

 

■ 投資判断:

▷PERは6倍台と非常に割安ななか、ROEの水準は高く魅力的な水準。しかし今後の世界情勢や米中貿易摩擦により慎重に。
株価は業界PER平均10倍を基準として2000円程度が妥当か。(2019年9月中旬日時点1470円)

■ 業績見通し:

▷大型案件受注も、足元の原料価格高騰をカバーしきれず増収減益予想。

ROEROA:

▷日本企業の中ではかなり高水準。財務状態も問題なし。

■ PBRPER:

▷PBR、PERともにかなり割安な水準。

■ 競合他社比較:

▷他社と比較しても指標上割安な水準で配当利回りの高さも魅力的。

 

 

以上、東ソー(4042)の株価や業績推移を過去の傾向から予想!PERから現在はかなり割安な水準。…でした。

 

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。