マネリテ編集部の私は東京大学在学時に経済学部で金融について勉強しました。
大学時代、当時金融ゼミで金融の『いろは』を学びながら、
実践が重要と考え株式投資を開始してきました。
卒業後も株式投資を継続する傍ら、勉強を続け証券アナリストの2次試験に2016年に合格しました。
証券アナリストになるには3年間の実務経験が必要ということもあり2019年に晴れて正式に証券アナリスト(CMA)を取得しました。
本日は証券アナリストとはどのような資格なのか?
ファイナンシャルプランナーとは何が違うのか?
試験の難易度と要求される実務経験とは何なのか?
という点についてお伝えしていきたいと思います。
Contents
証券アナリスト(CMA)とは?
まずは証券アナリストとはどのような資格なのかを証券アナリスト協会の記述を元に見ていきましょう。
証券アナリスト協会は日本における証券アナリストの育成と社会的地位の向上を目指し幅広い活動を続けている1962年に発足した団体です。
証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです。
近年、資本市場の発達と高度化に伴って、証券アナリストの所属する業務が大きく広がるとともに、一層専門化が進んでいます。例えば、証券会社や資産運用会社などで産業・企業調査を基に、個別証券の分析・評価を行うのが、リサーチ・アナリスト(狭義の証券アナリスト)です。
一方、資産運用会社や銀行・保険会社などの機関投資家には、様々な投資目的に適合した証券を組み合わせて、総合的な資産運用に携わるポートフォリオ・マネジャー(ファンド・マネジャー)という専門職がいます。このほか、投資ストラテジスト、投資アドバイザー、マーケット・アナリストなどと呼ばれる職種の方がいます。証券アナリストは、こうした一連の投資の意思決定過程に参画するプロフェッショナルを総称するものとなっています。
(引用:証券アナリスト)
証券アナリストが活躍している分野としては幅広く、所謂金融のプロだけに留まりません。
事業会社のコーポレートスタッフとしての自社企業の株式価値の最大化に資する活動のプロとしても活躍の場があります。
- 証券会社等の金融機関での株式アナリスト
- 資産運用会社におけるファンドマネージャー
- 金融商品の企画・営業
- 機関投資家等でのポートフォリオ管理業務
- 事業会社での財務管理業務・IR
証券アナリスト(CMA)とファイナンシャルプランナー(FP)との違いは?
巷でよく聞く資格にファイナンシャルプランナー(FP)があると思います。
証券アナリストは株式投資を中心として証券分析・運用・商品組成・管理・販売のスペシャリストです。
ファイナンシャルプランナーはライフプランの設計と実行を支援する専門家です。
以下日本FPの記載をみてみましょう。
FPとは、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家です。
個々人や家族のライフプラン(人生設計)に基づく将来の収支の見通しを立て、最適な資産設計・資金計画を提案、アドバイスを行い、その実行をサポートします。そのため、FPはお金の面から家計の改善を図る「家計のホームドクター®」とも呼ばれています。
FPは職業の名称で誰でも名乗ることができます。ただし、「くらしとお金」に関するアドバイスは多岐にわたるため、FPには年金や保険、資産運用、税制、住宅ローン、相続など、幅広い専門知識が求められます。
(引用:日本FP協会)
ファイナンシャルプランナーは幅広い分野を網羅しているのですが、一つ一つの分野に対する専門性は高くなく、一般的な知識に留まっています。
つまり、証券アナリストは資産運用や金融商品分析を深く掘り下げますが、FPは広く浅く網羅という違いがあります。
次項で説明しますが、難易度は圧倒的に証券アナリストの方が難しいです。
証券アナリストの高い難易度:1次試験と筆記式の2次試験更に3年の実務経験を要求
資格の学校TACの評価に基づくと先ほど紹介したファイナンシャルプランナーの難易度は★★〜★★★★で学習期間は2ヶ月〜1年となっています。
一方、証券アナリストは難易度は★★★★で学習期間は2年〜4年と難易度並びに取得までの期間でファイナンシャルプランナーを凌駕しています。
試験も第1次レベルで経済・財務分析・証券分析と3科目あり、2次試験は筆記試験となります。
2次試験は1日ぶっ通しの420分(7時間)となっています。
東大の入学試験も2日間で合計500分だったので、1日で420分の試験は相当に体力と精神力が削られる試験でした。
試験内容は筆記で数学的問題も数多く出題されるので、FPの試験に比べて難易度は遥かに高いです。
更に試験が合格しても証券アナリストになれるわけではありません。
証券アナリストになるためには以下の業務のいずれかを合計で3年以上経験することで晴れて証券アナリスト資格を取得することができます。
- 金融機関等における資産運用・証券投資相談業務(個人顧客、法人顧客とも含む)
- 金融機関等におけるリサーチレポートの作成
- 証券、債券、株式、不動産への投資業務
- 債券、株式等発行による資金調達業務
- 法人向け投融資、ならびに与信審査
- 金融機関等における金融関連商品のITシステム開発
- 経済、産業、金融に関する調査・分析業務
- 事業会社における財務管理・分析・企画業務
- IR業務
- 監査法人における監査業務
(引用:証券アナリスト協会)
私は事業会社で経済、産業、金融の社内向け分析業務を2年間経験したので資格取得要件を得ることができました。
特に後者の経済、産業、金融分析を通じた経験は、当サイト『マネリテ!』の執筆に大きな糧となっています。
まとめ
証券アナリストは株式等の証券分析・投資価値評価を行う専門性の高い資格です。
証券会社のアナリストに留まらず、資産運用のファンドマネージャーとして活躍する人や、
事業会社において自社の企業価値の最大化を目指す人まで幅広く活躍しています。
ファイナンシャルプランナー(以下FP)は証券分析のみではなく税務やローンといったライフプラン全般に幅広くカバーしています。
しかしFPはそれぞれの専門性は高くありません。
証券アナリストは証券や金融商品の分析に関しては深い専門性を有しておりFPとはカバーしている範囲と深さがFPと異なります。
資格としての難易度も証券アナリストの方が難易度が高く、3年以上の実務経験も必要とします。
マネリテ編集部は証券アナリストとしてのプライドと矜持を持って今後も『マネリテ!』を執筆し皆さんの役にたつ情報を提供していきたいと思います。
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