お得に地方の名産品がもらえることで、大人気のふるさと納税。
そもそもは、都市部に集中する税収を地方にも還元するためにスタートしたこの制度。
2018年の利用率は約2割といわれ、徐々に日本で普及しつつある制度に成長してきました。
しかし、利用者が増えるにつれて、自治体間の寄付金集めの競争が激化し、お礼の品はどんどん豪華になっていきました。
元々は地域の名産品が中心でしたが、2018年、還元率40%のAmazonギフト券まで登場。
加熱するふるさと納税の競争に待ったをかけるべく、国が動き出したのが昨年秋。
総務省がふるさと納税の規制強化に踏み切り、2019年6月よりふるさと納税の規制が強化され、今まで自治体ごとに自由に設定していた返礼品に対するルールが明確化されることになったのです。
今回のコンテンツでは、ふるさと納税の還元率の基本について触れながら、2019年6月以降の規制について詳しく解説していきます。
目次
Contents
そもそもふるさと納税の還元率とは?
ふるさと納税関連のニュースなどでもよく耳にする「還元率」。
「還元率」は寄付に対するお礼の品の金額の割合で、目安は3〜4割ほど。
5割以上になると、かなりお得な案件として、人気は高まり申し込みが殺到するレベルです。
また、金券の場合は還元率が4割でも換金可能なため、人気が集まる傾向にあります。
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ふるさと納税の規制はいつからどう始まる?
2019年6月より、改正地方税法が適用されます。
基準を満たしていない自治体は寄付控除の対象から外れる、というものです。
つまり、2019年6月1日以降は、今までのようにお得な案件(次の項目に記載)がふるさと納税から消えることになります。
ではどんな基準で寄付控除対象になるのでしょうか。
変更点は以下の通りです。
地方税法等の一部を改正する法律の成立により、6月1日以降、ふるさと納税に係る指定制度が創設されます。
具体的には、総務大臣が以下の基準に適合した地方団体をふるさと納税(特例控除)の対象として指定する仕組みです。
- 寄附金の募集を適正に実施する地方団体
- (①の地方団体で)返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす地方団体
- 返礼品の返礼割合を3割以下とすること
- 返礼品を地場産品とすること
この改正は、6月1日以後に支出された寄附金について適用となりますので、指定対象外の団体に対して同日以後に支出された寄附金については、特例控除の対象外となりますのでご注意ください。
(引用:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」)
簡単に要点を抜き出すと以下の通りです。
■ 変更点:
- 還元率は3割以下を厳守
返礼品の金額が、寄付金の30%未満であることを遵守することが求められます。
例えば、高還元だったお米を1kg400円と仮定すると、2018年は1万円で20kgでしたが、2019年6月以降は27,000円以上の寄付返礼品となります。
- 返礼品は地産品のみ
Amazonギフト券やピーチの飛行機に乗れるポイントなど、特に金券はふるさと納税の返礼品にはできなくなります。
名産品がある自治体には有利ですが、小さな町や村でこれといった名産品がない場合は、ふるさと納税の制度が利用できなくなる可能性もあります。
そうすると、今あるラインナップよりもかなり種類が減ってしまう可能性が高まります。
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〜コラム〜今までお得すぎたふるさと納税。還元率が高かった返礼品を振り返る
上記でお米やAmazonギフト券の話をしましたが、2018年にお得と言われたふるさと納税の還元率をここで一旦振り返ってみましょう。
◾️米20kg 還元率80%
茨城県境町(1万円の寄付で8,000円相当の返礼金)
1kg400円だとして、20kgのたっぷり白米を返礼品にした境町は、年間通して人気の寄付先でした。
◾️日本旅行ギフトカード1万円分 還元率50%
和歌山県高野町(2万円の寄付で1万円の返礼品)
金券でこれほど還元率が高く、旅行に使えるということで、大人気だった高野町。
旅行好きなら必ずチェックしている寄付先でした。
◾️ピーチポイント5000円分 還元率50%
大阪府泉佐野市(1万円の寄付で5千円の返戻金)
とにかく需要と供給を満たして、日本一寄付金を集めた泉佐野市。
中でも人気だったのは、LCCのピーチエアで使えるポイントでした。
◾️Amazonギフトカード4000円分 還元率40%
静岡県小山町(1万円の寄付で4千円の返礼品)
規制を推し進めるきっかけにもなるほど、2018年に寄付金を集め絶大な人気を誇った小山町のAmazonギフトカード。
なんでも買えるAmazonで使えるので、納税者としては喜んで寄付したはず。
特に人気だった返礼品は高還元で、今はもう残念ながら受け付けていません。
こんなにお得だったふるさと納税。
雑誌で特集が組まれ、利用者数も倍増していました。
でも規制が厳しくなったらしないほうがいいのかな…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
たしかに、上記のような高還元なふるさと納税はなくなってしまいます。
しかし、そもそも制度を利用しなければお礼の品はもらえません。
税金を自分が住んでいる町に支払うのか、それとも応援したい自治体に支払ってお礼の品をもらうのかという基本は変わりません。
「しない」よりは「する」ほうが、お得であることには変わりません。
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今すぐすべき!ふるさと納税4つのこと
2019年6月以降、ふるさと納税のお得度が下がってしまうことは間違いありません。
もしまだ寄付していないなら、できるだけ早くいい条件のふるさと納税先を見つけたほうがお得度は高めです。
今すぐすべき4つのステップをご紹介します。
寄付金額をシミュレーションする
まずは、2019年度の控除上限額を計算しましょう。今年度の年収から寄付上限額を把握するのが、ふるさと納税の第一歩です。
▼控除金額のシミュレーションはこちら
https://www.furusato-tax.jp/about/simulation?header_guide
各サイトをチェックする
「2019年のふるさと納税おすすめサイト4選。特徴とおすすめの理由を徹底解説!」でも紹介しましたが、ふるさと納税は、利用するサイトによってお得度が変わってきます。
それぞれポイント還元やamazonギフト券での還元など、独自のサービスを用意しており、それらも6月以降どのように変化するかまだわかりません。
お得な今のうちに、一番お得な方法で寄付を済ませるのが賢い選択かもしれません。
ここでもオススメのふるさと納税サイトを紹介します。
■ サイト別の還元キャンペーン:
4月30日まで、寄付金額の3%分のamazonギフト券を還元している「ふるさあとプレミアム」。
キャンペーン終了時期を4月中と明示しているので、規制強化後は、お得なキャンペーンをやるのは期待薄です。利用するなら今がお得かも。
[ふるなび]
最大でamazonギフト券4%が還元される「ふるなび」。
こちらのキャンペーン終了期間は明示されていませんが、規制強化の中、どのように変更されるのか、むしろ強気にこのキャンペーンが継続されるのかは不明です。
[楽天ふるさと納税]
ほかサイトとは異なり、自社で使える楽天ポイントで還元している「楽天ふるさと納税」。
楽天の他サービスを利用しているとポイント還元率が高まるSPU(スーパーポイントアッププログラム)や不定期開催でたくさんのショップを河合回るほどポイントの還元率がアップして最大10倍になるお買い物マラソンなど、
独自のキャンペーンとポイント還元で今じわじわと人気が高まっているふるさと納税サイトです。
また、他サービスで溜まった楽天ポイントでふるさと納税ができる(=ポイントで税金が払える)という点でもほかのサイトとは一線を画しています。
欲しい返礼品を見つける
どのサイトでふるさと納税するか決めたら、欲しいものをセレクトしましょう。
できるだけ高還元&自分に本当に必要なものを選びます。
大して欲しくないものを駆け込みで選んでも、実際には必要ないものだったら意味がありません。
もし今すぐ欲しいものがないなら、保存できていつでも使えるものを選びましょう。
期限間近、オススメの返礼品
◾️寄付金額:1.5万円
黒毛和牛小間切れ切落し2.2kg+amazonギフト券20%分(3000円分)
老舗のお肉屋さんの衝撃的なデカ盛り肉の切り落としは、泉佐野市の人気のふるさと納税です。
https://furusato-izumisano.jp/campaign/items/detail.php?id=93b394fdba552e91f903f71daa3119d1
◾️寄付金額:1.35万円
リンガーハットグループ共通商品券8枚(4000円分)
リンガーハットや浜勝で使えるお食事券です。今後は金券の返礼品は禁止されるので、駆け込みで申し込む最後のチャンスです。
6月以降のふるさと納税の動向がわからないので、可能であれば5月中に寄付は済ませたほうが賢明でしょう。
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まとめ
規制が入ってしまって、種類が減って、内容も縮小してしまうふるさと納税。
種類豊富でお得なふるさと納税が楽しめるのは今しかありません。
今を逃すと、お得度が下がってしまうので、やらなきゃ損です。
ちょっと面倒で今までやったことなかった、なんてあなたもこの機会にぜひ挑戦してみてください。
以上、【ふるさと納税の還元率】2019年6月の改正で規制強化・自治体見直しが実施される前にやるべきこと。…でした。
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