近年話題の「ふるさと納税」。
テレビでも話題になり、取り組む人が年々増えています。
例えば、2018年のふるさと納税ランキングの上位にあがった返礼品として、次のようなものがありました。
- いくら醤油漬100g×6パック:北海道八雲町 寄付金額17,000円
- 佐賀牛切り落とし1kg(500gx2P):佐賀県嬉野市 寄付金額18,000円
- 特盛り九州産豚切落し(4kg):福岡県上毛町 寄付金額10,000円
しかし、聞いたことはあっても、制度の詳細を知っている方は少ないかもしれません。
今回は、そんなふるさと納税について、概要と活用するメリット、デメリットをわかりやすく紐解いていきます。
目次
Contents
ふるさと納税とは
ふるさと納税は「寄付制度」の一種です。
「納税」という言葉から税金を納めるイメージがありますが、実際は納税ではなく「寄付」の扱いとなります。
各自治体が実施しているふるさと納税の金額に従って寄付を行うことで、所得税、住民税の控除、還付を受けることができます。
ふるさと納税を行うことで、自治体がお礼の品を貰うことができます。
貰える品は自治体によって様々です。
一例を紹介すると、以下が挙げられます。
この他にも、各自治体が地域の特産物や伝統工芸品をお礼の品として提供していますので、気になる品を探してみてください。
実際に寄付をして返戻金をもらうことで、お得かそうでないかがわかるでしょう。
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ふるさと納税のメリット
ふるさと納税のメリットには、どのようなものがあるのかを見てみましょう。
◾️ ふるさと納税のメリット:
- 所得税、住民税において還付、控除が受けられる
- 自治体からお礼の品がもらえる
所得税、住民税において還付、控除が受けられる
「ふるさと納税」制度の利用によって、所得税、住民税において還付、控除が受けられることです。
ふるさと納税は「寄付」であるため、税制上の「節約」効果を持っているのです。
ただし、還付額は家族構成や所得によって異なり、条件によっては控除されない場合もありますからご注意ください。
また、ふるさと納税で控除される額には、上限があります。
上限額は年収や家族構成によって異なりますので、こちらも事前に確認しておきましょう。
なお、確定申告時に還付されるのは所得税だけですので、ご注意ください。
インターネット上のふるさと納税のサイトで、控除上限額のシミュレーションが簡単にできます。
自治体からお礼の品がもらえる
ふるさと納税の醍醐味が、寄付した自治体から「お礼の品」がもらえる点です。
お礼の品は自治体によって様々で、お肉や果物、家具、お酒、工芸品など種類が豊富です。
中には高級黒毛和牛など普段の生活では中々手が出しづらい高級品をお礼の品として用意している自治体もあります。
(ふるさと納税は「寄付」という制度であるため、お礼の品に「金品」が含まれることはありません)
お礼の品の種類は随時更新されていきます。
同じ自治体でも時期によってお礼の品が変わることもありますので、こまめにチェックしてみてください。
また、品数が限られているものもあるので、人気があるとすぐに無くなってしまうこともあります。
注意点として、自治体によっては「発送先」が制限されているケースが挙げられます。
沖縄や離島など発送料が高額になる、または発送から到着までに時間がかかる場合は、品質やコスト面から発送が制限されてしまうのです。
あらかじめ、寄付先の自治体で発送に関する情報を確認するようにしてください。
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ふるさと納税のデメリット
ふるさと納税にはメリットが多いですが、当然デメリットもあります。
実は、ふるさと納税で痛い目にあっている人もいるかもしれません。
ここでは、ふるさと納税によるデメリットを確認していきましょう。
ふるさと納税は「節税」ではない
ふるさと納税は「節税効果がある」と言われることが多いのですが、実際は「節税」ではありません。
ふるさと納税では先に「寄付」を行って、その寄付額によって税金計算の際に「控除」が行われるのみであって、税金が安くなっているわけではないのです。
とはいえ、税金を払うと何も返ってきませんが、寄付を行い返礼品が返ってきますので、その返礼品を現金換算すると節税しているのと同じ効果は得られますね。
寄付金とお礼の品が釣り合わない
お礼の品は自治体によって様々ですが、中には寄付額とお礼の品が釣り合わないこともあります。
その自治体を応援するという気持ちであれば問題ありませんが、お礼の品目当ての場合は寄付額と品物の価値をしっかり比較しなくてはなりません。
デパートや通販で購入する方がお得であることも多いので、ふるさと納税の品だからといってすべてがお得ではないことを認識しておきましょう。
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控除・還付を受ける方法「確定申告」と「ワンストップ特例制度」
控除、還付を受ける方法は「確定申告」と「ワンストップ特例制度」に分かれています。
確定申告
「確定申告」とは、1年間(1月1日~12月31日)に手元に入った所得と納める税金を計算して、税務署に届け出る制度です。
確定申告によって、納め過ぎた税金が戻ってきたり、不足している税金を納めたりすることがあります。
確定申告は、もともと自営業者や不動産で収入を得ている人などが対象となっています。
サラリーマンや公務員の方は、基本的に所属先が年末調整を行ってくれるため、通常は確定申告を行う必要はありません。
ただし、所得額が2,000万円を超える場合や、医療費控除や寄付金控除を受ける場合はサラリーマンや公務員も確定申告をする必要があります。
ふるさと納税は「寄付金控除」に相当するので、確定申告が必要になるのです。
確定申告は年に1度、3月に行われます。
税務署に「寄付金額受領証明書」を確定申告書類と一緒に提出します。
寄付金受領証明書は、ふるさと納税を行った自治体から後に送られてくる寄付の証明書です。
確定申告によって、所得税と住民税からの控除、還付を受けることができます。
確定申告の期限は例年「3月中旬」となっています。
期限までに余裕をもって申告できるよう、ふるさと納税の利用は計画的に行うようにしましょう。
ワンストップ特例制度
次に、「ワンストップ特例制度」です。
「ワンストップ特例制度」とは、年間の寄付先が5自治体までであれば、確定申告をせずに寄付金控除が受けられる制度です。
同じ自治体に複数回寄付をしても、「1自治体」の扱いとなります。
ふるさと納税利用後、申請書を寄付した自治体に送れば、住民税から所定の額が控除されます。
注意点としては、自営業者の方やその他の控除(医療費控除など)を申請する方は、ワンストップ特例制度の利用ができません。
これらの方はふるさと納税の有無にかかわらず確定申告をする必要があるため、確定申告の際にふるさと納税による控除を申請することになっています。
また、ワンストップ特例制度と確定申告の併用はできませんので注意してください。
もし、ワンストップ特例制度利用後に確定申告の必要が生じたら、ワンストップ特例制度で申請した控除分をすべて確定申告にて申請する必要があります。
確定申告で控除申請をした後に、変更した旨を自治体へ連絡する必要はありません(確定申告の内容が優先されるので、重複して控除されないしくみになっています)。
ワンストップ特例制度の申請期限は、例年「1月中旬」となっています。
確定申告の期限よりも早めに設定されているので期限を間違えないよう注意してください。
*ワンストップ特例制度の申請書を提出する際に、「マイナンバーカード」のコピーが必要になります。
マイナンバーカードを持っていない方は、「通知カード」と「身分証」のコピーでも代用可能です。
ただ、マイナンバーカードも通知カードも持っていない場合は、マイナンバーカードを申請するか、「個人番号が記載された住民票の写し」を用意する必要があります。
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ふるさと納税の失敗談
メリットの多いふるさと納税ですが、しっかりとシステムを確認しなければ、かえって損をしてしまうことになります。
ここでは、ふるさと納税を実際に行ったことがある人の失敗談を見てみましょう。
扶養家族の名義だと税金が還付されなかった
ふるさと納税で税金の還付を受けられるのは、税金を納めている人だけです。
ですから、扶養家族である主婦などの名義でふるさと納税を申請しても、還付を受けられません。
そのためこの場合、結局税金を還付してもらえるという旨味を得ることはできないのです。
人気商品がもらえなかった
ふるさと納税の返礼品として、高級和牛や高級フルーツなどはかなり人気が高い商品です。
このような人気が高い返礼品目当てにふるさと納税をする人が殺到すると、返礼品が不足してもらえないということもありえます。
この場合、同程度の価値の返礼品が届くのですが、もともと目当てにしていた高級食材が届かないとがっかりしてしまいますね。
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まとめ
ふるさと納税は、自治体への寄付によってお礼の品がもらえたり、所得税・住民税の控除がなされたり、メリットが多くあります。
普段の生活では中々手にしづらい品物もお礼として提供されるケースもあります。
品物の情報など、詳細な情報は各自治体のホームページでも公開されているので、利用する前に必ず確認するようにしてください。
以上、近年話題の「ふるさと納税」とは?概要と取り組むメリット・デメリットを解説!…でした。