バスケット取引とは?仕組みと相場に及ぼす影響を知って惑わされないように注意しよう!

バスケット取引とは?仕組みと相場に及ぼす影響を知って惑わされないように注意しよう!

みなさんは「バスケット取引」という言葉をご存知でしょうか?

個人投資家からしたら縁が遠い言葉かもしれませんが株式投資をしているのであれば知っておいて頂きたい大事な言葉です。

 

バスケット取引は我々が取引をする株式市場に大きな影響を与えうるものだからです。

本記事ではバスケット取引について詳しく説明していきたいと思います。

 

バスケット取引とは?

「バスケット取引」とは複数の銘柄をまとめてバスケット(=かご)のなかに入れて1つの金融商品とみなしておこなう売買取引のことをいいます。

 

秀次郎
スポーツのバスケットもカゴにボールを入れるというのが語源ですからの!
信太郎
『バスケット取引』は『パッケージ取引』と呼ばれることもあるぞ!

 

バスケット取引の定義は以下の2つです。

 

  • 15銘柄以上がまとめられていること
  • 1億円以上の大口の取引であること

 

バスケット取引をおこなうのは主に大口の投資家(金融機関や保険会社などに属する機関投資家)であることが殆どです。

 

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注意点として、バスケット取引がおこなわれるときには通常規模の株式売買よりも手数料が多くとられます。

 

たとえば買い注文を出すときには手数料分が上乗せされたうえで約定されます。

反対に売り注文を出すときには手数料分が割引されたうえで約定されます。

 

また、一般的に株式売買をおこなえるのは東京証券取引所であれば以下の立会時間の時間帯のみとなっています。

 

  • 前場:午前9時から午前11時30分
  • 後場:午後0時30分から午後3時

 

ただしバスケット取引の場合は特別です。

立会外取引(立会時間以外におこなわれる取引)や店頭市場(取引所を通さずに証券会社などでおこなう取引)が利用できます。

 

信太郎
つまり、普段個人投資家らが利用する一般の取引市場が閉まっていてもバスケット取引をすることが可能ということなんじゃ!

 

よく、前引け後(前場がおわったあとの場が始まるまでの間の時間)にバスケット取引が約定されて、

後場にそれを受けた証券会社の売買部門が市場で執行するというパターンです。

 

この場合は、昼休みにバスケット取引がおこなわれていることから「昼の立会外バスケット取引」と言われることもあります。

 

なぜバスケット取引は立会外取引になるのか?

では、なぜバスケット取引は立会外取引として扱われるのでしょうか?

これには、通常の立会取引で大口の注文が通ると相場への影響が非常に大きいからという理由があります。

 

秀次郎
似たような事例として個人でも参加できる『立会外分売』もありますな!

 

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2019年10月8日

 

よって、できるだけ立会外取引を利用して安定した価格で売買を成立させる必要があるのです。

 

東京証券取引所での立会外取引の場合は「ToSTNeT(トスネット)」という電子取引でおこなわれます。

午前8時20分から午前9時まで、午前11時から午後0時30分まで、午後3時から午後4時30分までの時間帯の売買ができます。

 

バスケット取引はハードルが高いのか

上記でも少し触れましたが、バスケット取引は銘柄数も取引金額も大きく個人投資家では大抵おこなうことが不可能な取引です。

 

そのためバスケット取引をおこなうのは機関投資家などの大口の投資家です。

インデックス運用・ポートフォリオの銘柄入れ替え・裁定取引・売買執行の効率化・コスト削減などを目的としている場合がほとんどといえます。

 

信太郎
「個人投資家だからバスケット取引はできない」といったルールはないが資金力から見ても限界があるということじゃ!

 

また、証券会社を通して株式を売買するときには手数料が発生しますよね。

手数料もバスケット取引の場合は通常の取引よりも高めに設定されています。

 

よって、バスケット取引は非常にハードルの高い取引方法なのです。

 

バスケット取引をおこなうメリットとは?

 

秀次郎
ところで何故バスケット取引を行うのですか?手数料が高くてデメリットだと思うのですが。

 

バスケット取引は、これまでも見てきたように大量の株を売買することから相場への影響が大きくなっています。

それを自分たちだけで処理することは大変で多くの労力が必要です。

 

その処理にかかる手数料を上乗せして証券会社に委託をし代わりに売買してもらって成立するのがバスケット取引となっています。

証券会社はその手数料が利益となり、機関投資家からしたら売買に必要な手間を省くことができます。

 

つまりバスケット取引は、機関投資家・証券会社両方にメリットが発生しているということです。

 

バスケット取引が相場に及ぼす影響と注意点

バスケット取引は通常の立会取引で大口の注文が通ると相場への影響が非常に大きくなります。

その為、敢えて立会外取引としておこなわれることがほとんどです。

 

数億円規模のお金が動くわけですから相場への影響が大きいことは想像がつきますよね。

立会外取引としてバスケット取引がおこなわれた場合には市場が再度開いたあとの株価の動きに翻弄されることのないよう注意する必要があります。

 

というのも、バスケット取引による株価の上下動は、企業そのものの価値の上下動を表しているわけではないからです。

もし大口の投資家が以下のような理由でバスケット取引をおこなったとしたら、どうでしょうか?

 

  • 不動産を購入するために現金化する必要があった
  • 保有している株式を、リスクの高いものから安全性の高いものに移行する必要があった

 

秀次郎
これらの場合には、企業の価値はまったく関係ないですよね!
信太郎
本来の株価と現在の株価に乖離が発生するんじゃ!つまりトレードのチャンスじゃな!

 

よって、バスケット取引は株価の変動を招きやすいです。

企業価値とは無関係に取引がおこなわれている場合がほとんどなのです。

 

もし上記で紹介したような理由でバスケット取引がおこなわれ大きく株価が変動したとしてもまたすぐ元の水準に戻る場合が多いのです。

 

信太郎
しかしの、やっかいなことに個人投資家がバスケット取引が行われたことを知る術はないんじゃ。
秀次郎
では、どうすれば良いんじゃ。。
信太郎
業績やニュースが出てないのに立会外で大きく価格が動いた場合には狼狽せずにトレードせよというこよじゃ!

 

 

まとめ

本記事ではバスケット取引の意味やメリット、相場に与える影響について説明してきました。

 

バスケット取引は非常に規模が大きいので一見個人投資家にとっては関係がないことかと思いがちです。

しかし株式市場で取引をしている以上バスケット取引が市場に与える影響というのを知っておいて損はないでしょう。

 

もしバスケット取引がおこなわれた後に株価が急上昇もしくは急落した場合には、

鵜呑みにして売買をおこなうのではなく、この株価変動がなぜ起こったものなのかを考えることが大切です。

以上、『バスケット取引とは?仕組みと相場に及ぼす影響を知って惑わされないように注意しよう!…』でした!

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。