通常株式を売買するときには一つの束である単元毎の売買を行います。
1単元の単位は銘柄によって異なるのですが1株であったり100株であったり場合によっては1000株であったりします。
1単元が100株の銘柄であれば100株、200株、300株という単位でしか株式を購入することができません。
しかし、SMBC日興証券は金融ベースで株式を購入できる「キンカブ」というシステムを導入していますので、
本日はキンカブのメリットとデメリットについて紐解いていきたいと思います。
Contents
『キンカブ』の概要とメリットとは?
まずは『キンカブ』のメリットについてお伝えしていきたいと思います。
1万円以上1000円単位で株を購入できる
通常の株式取引は単元単位での取引となるので、
例えば2万円分の株を購入したいなとなったとしても1単元が100株で30万円であれば株を購入することができません。
またよくミニ株という制度をとっている証券会社もありますが、ミニ株というのは単元の10分の1を取引できる制度であり、
先ほどの例でいうと100株の10分の1である10株3万円単位から購入することができる制度です。
確かに細かい単位で購入できるようになりますが、あくまで10分の1単元毎であることには変わりありません。
例えばガソリンスタンドの例で説明しますと、
単元株やミニ株は5Lずつしかガソリンを入れることができませんというガソリンスタンドです。
たとえ3.5Lだけ欲しかったとしても購入することができないのです。
一方、SMBC日興証券の『キンカブ』を利用することにより1Lでも2Lでも自分の好きな金額で株を購入することができるようになります。
「キンカブ」は最低1万円から1,000円単位で株を購入することができます。
つまり、
1万円
1万1,000円
1万2,000円
1万3,000円
1万4,000円
・
・
・
という単位で株を購入することができます。
ただ後ほど重要になってくるのですが、キンカブを用いて購入した株式は通常の株式口座ではなく『キンカブ口座』での別枠管理となります。
東京証券取引所の2300銘柄をカバー
キンカブで取引できる銘柄は非常に多く東証一部又は東証二部の2300銘柄となっています。
現時点での東証一部並びに東証二部の上場数から考えると9割型をカバーしていますね。
東証一部 | 2,128銘柄 |
東証二部 | 493銘柄 |
合計 | 2,621銘柄 |
NISAの非課税枠を余すことなく使用できる
NISAは個人投資家に対して年間120万円、最大で600万円の非課税枠を与える制度です。
NISA口座の中で保有している50万円の株式が80万円に値上がりしたとしても、値上がり分の30万円分については税金が発生しません。
▶︎NISAとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説する
NISAの非課税枠は年間120万円ときまっていますので、
単元単位ではぴったり使いきることはできませんが『キンカブ』を活用することにより120万円ぴったり株を購入することが可能となります。
配当金を受け取ることができる
『キンカブ』口座であってもあくまで配当金は保有している株式ベースで配当がなされるため、しっかりと配当金を受け取ることができます。
『キンカブ』の注意点・デメリットを紐解く
ここまでみてキンカブはメリットばかりの制度のようにも思えますが、デメリットも抱えております。
取引時点での時価で売買できない
『キンカブ』では取引したいときに、その時の株価では取引することができません。
『キンカブ』では取引の際に『VWAP (Volume Weighted Average Price=売買高加重平均価格)』と呼ばれる株価となります。
VWAPは、売買代金を売買株数で割って算出され、その日にその銘柄を購入(売却)した人々の平均買い(売り)単価と解釈できます。キンカブでは発注時間に応じて、前場と後場のVWAPを適用します。引用:SMBC日興証券
つまりたとえばある企業の株をAさんと、Bさんと、Cさんがある日の午前の取引(前場)で購入したとします。
- Aさん:100株を1000円
- Bさん:300株を950円
- Cさん:200株を1100円
するとVWAP=(100株×1,000円+300株×950円+200株×1100円) ÷ 600株 = 1,008円となります。
たしかに株価を気にしなくてもよいという側面もありますが、時価で取引できないというのは欠点でもありますね。
通常のオンライン口座よりも手数料が高い
次に手数料の問題があります。
『キンカブ』の取引では取引手数料というものは徴収されませんが、代わりにFX取引と同様に売買時にスプレッドが徴収されます。
『キンカブ』のスプレッドは以下のように決まっております。
概算注文金額 | スプレッド |
200万円未満 | 2.00% |
200万円以上500万円未満 | 1.50% |
500万円以上 | 1.00% |
つまり例えば購入単価のVWAPが1,000円であったとすると購入できる金額は、
購入単価VWAP1,000円 × (1+0.02(=2%)) = 1,020円ということになります。
通常のネット証券の手数料率は0.1%〜0.2%が一般的であることを考えると、手数料率は非常に高いと言わざるを得ませんね。
手数料率は通常の証券会社との対面取引と変わらないのでネット取引の最大の旨味を捨てることになってしまうのは痛いですね。
単元保有しないと優待を取得できない
優待は商品券や自社商品・サービスを提供する日本独自の株主還元策で40%の企業が優待を実施しています。
優待に関する詳しい情報は「配当よりもお得!?評判の優待株投資の魅力と注意点に迫る!利回り100%の銘柄も存在。」でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
しかし株主優待は多くの企業は単元以上の株式保有を優待獲得の条件としているため、
『キンカブ』で単元未満保有していては優待を獲得することができません。
『キンカブ口座』で単元以上保有している場合は『キンカブ』から通常の株式口座に移管することによって優待を獲得する権利を得ることができます。
まとめ
SMBC日興証券の『キンカブ』を利用することで1万円から1,000円毎に金額をベースとして株を購入することができます。
メリットも大きいのですが以下のようなデメリットもあることは認識しておきましょう。
- 時価で購入できない
- 手数料が割高
- 単元未満では優待の権利獲得が難しい
以上、金額ベースで取引できると話題のSMBC日興証券の『キンカブ』のメリットとデメリットを説明!…の話題でした。
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