「フィボナッチ」はよく株式のトレードで使われる数値です。
しかし、その基礎理論は字面からもわかる通り難しいです。
結果的にフィボナッチでテクニカル分析に挫折してしまう人も多い理論となってしまっています。
しかし、ご安心下さい。
本質を捉えればフィボナッチは何も難しい理論ではなく、エクセルでも計算可能なものなのです。
今回は株式投資初心者に向けて簡単なフィボナッチの使い方をご紹介したいと思います。
とても簡単で、しかも実際に相場に役立つ内容ですので、最後までお付き合いしていただければ幸いです。
尚、テクニカル分析の基礎を始めとした、株式投資で高いリターンを出すべく重要な知識が学べる投資スクールも以下のコンテンツで紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
目次
フィボナッチとは?
まずは簡単に、フィボナッチとは何なのかをご説明していきたいと思います。
もし「難しい、わからない」と思った場合、そこは飛ばしていただいてOKです。
フィボナッチはどんな理論?
フィボナッチ数は、イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが発見した数列です。
フィボナッチは幼少時から数が大好きで、いろいろなものから数の規則性を見つけてばかりいました。
このため、肝心の学校の成績は芳しくなく学校よりも父親と行商に行くことが多かったといわれています。
当時はローマ数字がイタリアでは主流でしたが、フィボナッチは実用的なアラビア数字を好んで勉強したといわれています。
このようにフィボナッチは学校ではなく、リアルな体験から数学に取り組んでいたことがわかります。
そのフィボナッチの学習スタイルはリアルの体験から相場を学ぶ投資家に通じるものがあるといってよいでしょう。
フィボナッチの基礎理論~株式投資編
投資で使うフィボナッチ及び頻出する数値は以下の通りです。
23.6%、38.2%、50%、61.8%、76.4%
実はたったこれだけです。
しかも、100-61.8%=38.2%、100-76.4%=23.6%です。
基本的に61.8%、76.4%を覚えればよいということになります。
フィボナッチと黄金比
黄金比とは人間が自然に美しいと感じる比率のことです。
名刺やカードの縦横比率に使われています。
黄金比はおよそ1:1.618の比率であり、ここにフィボナッチ数である「618」を見ることができます。
よって、フィボナッチ数は人間が意識しなくてもなぜか気になってしまう数値であるということができます。
株価というのは人間の心理によって大きく動きます。
人間が無意識に気にしている数値というのは重要な意味を持ってくるのです。
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フィボナッチと株式投資~チャートを使って投資で活用してみよう〜
ここでは実際に株式投資でフィボナッチ数をどのように使うのかを紹介します。
フィボナッチリトレースメントは50%押しが基本となっています。
それは、50%のラインが最も多くの人々に意識されているためです。
では、それぞれの特徴とともに紹介していきます。
押し目の計算に使う
【STEP1.安値と高値を見つける】
上図はトヨタ自動車の月足チャートです。
ここで赤丸のところからの押し目はいくらになるのか計算してみましょう。
安値は直近の安値です。上図では2,795円になります。
また、高値は直近の高値です。上図では6,760円になります。
【STEP2.高値から安値を引く】
6,760円-2,795円=3,965円
【STEP3.フィボナッチ数を計算する】
下記のようにフィボナッチ数から株価を計算します。実際にトヨタ自動車の押し目は5,205円でした。
よって、38.2%の押し目であったことがわかります*。
フィボナッチ数で押し目の概算は出ますが実際の相場では数値ジャストということはあまりありません。
余裕をもって指値を判断しましょう。
フィボナッチ数 | 株価 |
38.2% | 5,247円 |
50% | 4,777円 |
61.8% | 4,309円 |
76.4% | 3,730円 |
下落値の計算に使う
上図は短期で株価が5倍以上に高騰したアライドテレシスホールディングスの週足チャートです。
こうした銘柄は「そろそろ、下げ止まるだろう」といった、逆張りのチャレンジャーが高値で購入。
失敗しやすいチャートであるといえます。
天井がわかったら、フィボナッチを使って下落値を計算しましょう。
フィボナッチ数 | 株価 |
23.6% | 67.496円 |
38.2% | 109.252円 |
50% | 143円 |
61.8% | 176.748円 |
76.4% | 218.504円 |
底値は68円ですから、フィボナッチ数を使えば高値つかみをすることはありません。
うまく逆張りでも株を購入することができることがわかります。
ただし上図のようにフィボナッチ数のポイント付近ではテクニカル・リバウンドが出やすいという難点があります。
このフェイクにかからないようにするために、トレンドラインを一緒に使いましょう。
高値の計算に使う
アライドテレシスホールディングスの週足チャートからフィボナッチ数を使った高値計算をしてみましょう。
【最初の波を観察する】
最初の波の安値は59円、高値は194円、押しは97円になっています。
【計算する】
高値-安値=幅値
194-59=135円
幅値にフィボナッチ数を掛ける
135×61.8%=83.43円
押し目をプラスする。
83.43円+97円=180.43円
フィボナッチ数 | 株価 |
61.8% | 180.43円 |
100% | 232円 |
138.2% | 283.57円 |
161.8% | 315.43円 |
高値は286円でしたので、フィボナッチ数で計算することによって、暴騰銘柄の上値も算出することができることがわかります。
テクニカル・リバウンドの計算に活用する
アライドテレシスホールディングスの週足チャートから、フィボナッチ数を使ったリバウンド値の計算をしてみましょう。
【STEP1.高値と安値をチェックする】
ここでは高値286円、安値が132円になります。
【STEP2.値幅を計算する】
高値-安値=幅値
286-132=154円
【STEP3.幅値にフィボナッチ数を掛ける】
135×61.8%=95.172円
安値をプラスする。
95.172円+132円=227.172円
フィボナッチ数 | 株価 |
38.2% | 190.828円 |
50.0% | 209円 |
61.8% | 227.172円 |
戻り高値は191円でしたので、しっかりとフィボナッチが意識されていることがわかります。
デイトレードで利用する
上図は栄電子の5分足です。
直近安値が571円、高値が710円、押し目が639円であることがわかります。
フィボナッチの計算サイトを使って算出した計算値です。(次の項目で解説)
栄電子の上値は861円(ストップ高)でした。
861円の出来高を見ると、しっかりとデイトレーダーにもフィボナッチが意識されていることがわかります。
このようにフィボナッチは相場の様々な場面で活用することができる大変便利なテクニカルツールであることがわかります。
また、エクスパンションで株価の伸びについても分析することができます。
フィボナッチを活用した値動きの予想
上記ではいくつかのパターンに分けた実際のチャートの紹介を行いました。
ここではフィボナッチが値動きに対してどのような役割を果たしているのかについて解説していきます。
サポートラインやレジスタンスラインになる
その時々のトレンドによってサポートラインやレジスタンスラインの働きをしてくれます。
下落トレンドではサポートライン、上昇トレンドではレジスタンスラインと働きを変え、働きが終わるとトレンドも変わる傾向にあります。
トレンドが終わるタイミングを予測することができる
フィボナッチが50%・61.8%のラインまで戻すとトレンドが終了する可能性が高い傾向にあります。
トレンドの維持が難しくなるタイミングとして、上記のラインがあげられますが、切り替わるか続行か読めない場合には一旦様子を見ることにしましょう。
複数のラインを組み合わせることで、より正確になる
トレンドの切り替わりの判断材料にもなるフィボナッチラインですが、他のトレンドラインとも組み合わせることにより、より詳細に分析することが可能となります。
時間軸が長いほど正確
フィボナッチを分析する際には、長期で見れば見るほど正確に分析することが可能となります。
短期では現れなくとも、長期になればなるほど人間の無意識の判断が現れやすくなるということなのかもしれません。
絶対ではない
フィボナッチは素晴らしい指標となりますが、必ず機能するわけではないということを忘れてはいけません。
あくまでも目安であるため、個別銘柄の分析を怠ってはいけません。
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初心者でも簡単!フィボナッチの使い方~便利な計算サイトを利用する
いくらフィボナッチが便利だといっても、いちいち場中に計算するのは大変ですよね?
そこで、計算要らずの一発入力でフィボナッチが算出することができる便利なサイトをご紹介したいと思います。
計算サイトは数多く存在しますが。
今回はテクニカル分析には欠かすことのできない便利な投資サイトである「インベスティングドットコム*」を例にして説明していきたいと思います。
*参考:インベスティングドットコム
テクニカル分析にカーソルを合わせる
トップページの上にある「テクニカル分析」にカーソルを合わせると、「フィボナッチ計算機」が表示されます。
「フィボナッチ計算機」をクリックします。
高値と安値を入力する
高値・安値・押し目を入力し「計算する」をクリックするとフィボナッチが自動的に計算されます。
一発入力で簡単に計算することができますので、ぜひフィボナッチを投資に役立ててください。
フィボナッチラインとその引き方
株価の値動きを予想するのに使われるフィボナッチですが、チャート上にフィボナッチを表示することによって、より分かりやすくすることができます。
その際に使用されるのがフィボナッチラインであり、株価の値幅によって設定され、反発や反落の目安とすることができます。
フィボナッチラインを引く際には、銘柄の高値と安値を決める必要がありますが、どこにポジションをとるのかによって大きく変動してしまうため、非常に重要なポイントです。
チャートのひげでポジションをとるのか、実体でポジションをとるのかを自身で決めて、ラインを引くようにしましょう。
また、無料株価チャートツールでフィボナッチ分析できる以下のようなサイトもあるため、フィボナッチラインを引く際には使用してみてください。
また、SBI証券をはじめとする、様々な証券会社のアプリでも確認することができます。
株式投資でもfxでも非常に重要になるため、確認をおすすめします。
フィボナッチをさらに細かく学びたい方のために
フィボナッチをさらに細かく学びたい方のために、フィボナッチの応用方法を知るための本3選をご紹介します。
1:フィボナッチトレーディング
テクニカルアナリストの筆者がフィボナッチラインの応用方法について執筆している書籍です。
チャートや図を用いて詳細に解説しており、フィボナッチの知識厚情に役立ちます。
2:フィボナッチブレイクアウト売買法
売買のタイミングを見極めるために必要なことについて書かれている書籍です。
高勝率のトレーディングチャンスは必見の内容です。
3:フィボナッチ逆張り売買法
トレードのパターンを分析することによって、売買を見極めることについて書かれた書籍です。
5分足から売買可能方法について解説されています。
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まとめ
今回は投資家向けの簡単なフィボナッチの使い方をご紹介してきました。
難しそうなフィボナッチですが、実際は簡単に相場で活用することができることがお分かりいただけたと思います。
誰しもが本能で意識してしまうフィボナッチ数列。投資の世界でもそれは例外ではありません。
フィボナッチ数列を活用して、相場での利益の向上を目指しましょう。
尚、今回のようなフィボナッチ数列などの活用は「株価」を読むテクニカル分析の分類に入ります。
テクニカル分析で短期トレードをしていくことも、投資の選択肢としては大いにアリです。
しかし、もしテクニカル分析がご自身の投資と相性が合わない(不向き)。
または、小型株や米国グロース株など、ファンダメンタルズ領域での長期リターンを求めたい場合など。
株式投資で勝っていくには、相場と向き合いながらも継続的な学習が必要です。
以下のコンテンツでは、総合的に、効率よく株式投資で勝てる法則を学ぶ方法を紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
以上、フィボナッチを株取引に活用しよう!投資の勝率をあげるフィボナッチの使い方とは?…でした。
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