木村工機(6231)の上場日は3/13(金)で、上場市場は東証二部となります。
主幹事はみずほ証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は2月26日(水)~3月3日(火)となっています。
今回は木村工機の目論見書をもとに事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、木村工機の気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
木村工機のIPOスケジュール
木村工機の主幹事は国内大手5社の一角、みずほ証券です。
上場規模は、想定時価総額90.1億円、吸収金額9.4億円程度と、東証2部ではやや小型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 2月26日(水)~3月3日(火) |
市場 | 東証2部 |
公募価格決定 | 3月4日(水) |
購入申し込み期間 | 3月5日(木)~3月10日(火) |
上場予定 | 3月13日(金) |
当選株式数 | 公募249,000株、売り出し100,000株、オーバーアロットメント51,000株 |
想定価格 | 2,340円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
みずほ証券が主幹事
それでは、木村工機の引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
みずほ証券 | 314,300 | 90.06% |
SMBC日興証券 | 24,400 | 6.99% |
SBI証券 | 6,900 | 1.98% |
マネックス証券 | 3,400 | 0.97% |
木村工機の事業内容
木村工機の基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 木村工機株式会社 |
コード番号 | 6231(東証2部) |
設立 | 1945年8月 |
資本金 | 470,000,000円 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区上町A番23号 |
代表者 | 代表取締役社長 木村 惠一 |
従業員数 | 370人 |
事業内容 | 空調システム機器の開発・製造・販売 |
木村工機の事業内容
木村工機は、70年以上にわたって、空調関連機器の製造、販売及び関連工事等、空調機器製造販売事業に従事する企業です。
同社は、は工場などの「産業分野」、オフィスビルやショッピングセンターなどの「商業分野」、病院や学校などの「保健分野」の3つに選別。
分野別最適空調の実現を目指し、製品供給しています。
代表的な製品は平成25年度省エネ大賞ビジネスモデル部門の省エネルギーセンター会長賞を受賞した空調システム「みずエクセル」が有名です。
同社の主力製品は以下のとおりです。
- エアハンドリングユニット:冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、水や冷媒ガスを熱媒体として空気の冷却・加熱を行う装置
- ファンコイルユニット:冷却・加熱を行うために必要な熱源装置を別途設け、冷水・温水・蒸気などを用いて冷暖房を行う装置。主に室内側に装置を設置し、個別空調が必要とされる建物の熱負荷処理に用いられている
- 工場用ゾーン空調機:工場、ホールなどの比較的大空間を空調する機器のことであり、局所的な空調を目的とするスポット空調ではなく作業エリア全体をゾーン単位で冷暖房を行う機器
東証マザーズに比べて人気の低い傾向にある東証2部上場案件。
東証2部の中では小規模上場で、且つ上位株主のロックアップが厳格に設定されています。
故に、上場時の売り圧力は小さいと考えられ、需給面の不安は小さいです。
空調システムを開発している企業ですので、最近の新型ウィルス対策の連想として見られれば、
マスク関連銘柄として注目される可能性もあります。
木村工機の上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
木村工機は上場することにより手数料を引いた手取り金額で9.40憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- 2021年3月期以降の空調機器製造関連事業の機械装置更新投資(一部機能改善)に充当予定
木村工機は調達した資金を自社の発展のために用いる計画であった様子です。電機機械業界も、グローバルでの競争激化が進んでいるため、積極的な設備投資を行う必要は十分にあると言えます。
木村工機の売上高と利益推移
本項目では、木村工機の業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2015年3月期 | 7,071,142 |
2016年3月期 | 8,087,635 |
2017年3月期 | 8,694,161 |
2018年3月期 | 9,535,961 |
2019年3月期 | 11,082,990 |
2019年12月 | 8,529,463 |
上記のとおり、同社の売上高は堅調に上昇していることがわかります。
2020年3月期は、2019年12月までの数値を4/3倍すると11,372,617千円程度の売り上げが見込まれます。
前年比若干のプラスとなりそうです。
経常利益も右肩上がりに成長
経常利益(千円) | |
2015年3月期 | 405,939 |
2016年3月期 | 610,489 |
2017年3月期 | 688,342 |
2018年3月期 | 965,721 |
2019年3月期 | 1,478,298 |
2019年12月 | 1,331,122 |
経常利益も、売上高同様安定的に推移しています。特に2019年3月期は前年比1.5倍以上の経常利益が計上されました。
2020年3月期は、このままのペースで推移すれば、1,774,829千円程度となることが見込まれます。
前年比20%程度の成長となる想定です。
売上高は前年比微増の見込みであるため、利益率が大幅に改善していると考えられ、プラス材料と言えます。
EPSも成長基調
EPS(円) | |
2015年3月期 | 28.83 |
2016年3月期 | 31.95 |
2017年3月期 | 89.83 |
2018年3月期 | 219.08 |
2019年3月期 | 288.87 |
2019年12月 | 262.09 |
EPSは、2017年以降2019年3月期まで大きな伸びを見せています。
2020年3月期も、このままのペースで推移すれば前年比プラスの見込みです。
木村工機の上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
(株)KIMURA | 11.74% | 180日間 |
大阪中小企業投資育成(株) | 8.39% | 180日間 |
木村 惠一(社長) | 5.28% | 180日間 |
大河内 英枝 | 4.70% | 180日間 |
(株)みずほ銀行 | 4.61% | 180日間 |
日本生命保険相互会社 | 4.47% | 180日間 |
(株)三井住友銀行 | 3.91% | 180日間 |
第一生命保険(株) | 3.36% | 180日間 |
木村 晃 | 3.19% | 180日間 |
三菱電機(株) | 2.80% | 180日間 |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていません。
上場時の売り圧力が小さく、上場規模も小さいため需給面の不安は小さいです。
木村工機の初値予想
ここでは編集部独自の木村工機の初値予想を公開していきたいと思います。
木村工機の総合評価
【木村工機購入のメリット】
- 業績は好調且つ成長が持続している
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい
- 新型ウイルス関連銘柄として注目される可能性がある
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていない
【木村工機購入のデメリット】
- 小型株のため株価が乱高下しやすい
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
- 業種が不人気である
- 同日にリグアとフォースタートアップスの上場が控えており、相対的に注目度が低い
- 企業として成熟しているとみられ、成長性に疑念を抱かれる可能性がある
木村工機の初値予想は3,069円
木村工機のEPSは2018年3月末時点で219.08、2019年3月末時点で288.87、2019年12月末時点で262.09でした。
木村工機の競合として考えられる上場企業として以下が考えられます。
- 空調関連事業に従事する企業であるダイキン工業
- 高砂熱学工業
- 日本空調サービス等
競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
ダイキン工業 | 23.19 |
高砂熱学工業 | 10.36 |
日本空調サービス | 15.46 |
三機サービス | 14.96 |
ヤマト | 8.59 |
新日本空調 | 12.67 |
藤田エンジニアリング | 5.48 |
木村工機の直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合7社の平均値である12.96倍を用いることとします。
EPSは、同社の2017年3月期から2020年3月期までの平均値である236.81を用いることとします。
2020年3月期の想定EPSは、2019年12月末日時点のEPSである262.09を4/3倍した349.45を用います。
以上より、想定初値は、PER12.96倍×EPS236.81=3,069円程度となります。
まとめ
3月13日上場の木村工機ですが、業績や利益水準も安定的に推移しており、持続的に成長を続けている点で評価できます。
一方、3月13日はリグアとフォースタートアップスとの3社同時上場となっています。
その中で同社は最も地味な業種であると捉えられていますので、値動きが小幅になる可能性がある点に留意が必要です。
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