割安な中国株式市場の概要(種類・証券取引所)とおすすめ銘柄を紹介!更に取引可能な証券会社を徹底比較。

割安な中国株式市場の概要(種類・証券取引所)とおすすめ銘柄を紹介!更に取引可能な証券会社を徹底比較。

成長しつづけける中国経済の現状と2019年からの見通しについてわかりやすく考察・解説。」では中国経済の現状と今後の見通しについてお伝えしてきました。

 

“中国経済の実態と見通しのポイント“

[懸念点]

  • 中国の労働人口は減少に転じているが緩慢なペース
  • 企業債務は高いが改善傾向にある

[明るい点]

  • 総人口は2030年まで増加する見通し
  • 高付加価値産業への転換は着実に進んでいる
  • 改善余地の高い1人あたりGDP水準
  • 共産党政府の協力なコントロール力

[見通し]

成長率は下落するものの今後も6%程度の他の国であれば十分高成長といわれる水準をキープすることが見通される。

 

今回は中国の株式市場の現状とおすすめの銘柄をお伝えした上で、

中国株を取り扱っているSBI証券、楽天証券、マネックス証券を比較していきたいと思います。

3度の暴落と米中貿易摩擦で軟調な中国株式市場の歩み

3度の暴落と米中貿易摩擦で軟調な中国株式市場の歩み

まず中国の株式市場の2000年以降の値動きについて振り返っていきたいと思います。

以下は中国の代表的な時価総額加重平均である上海総合指数の2000年代前半からの値動きです。

 

【上海総合指数とは?】中国経済の温度計である株価指数を深セン総合指数との比較も含めてわかりやすく紹介する!

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2020年3月27日

 

中国は2000年以降、リーマンショック、チャイナショック、2016年1月年始の暴落と3回の暴落に見舞われています。

 

中国株式市場の歩み

リーマンショックについては中国固有というより米国発端で世界全体の株式が下落しました。

世界金融危機については詳しく「リーマンショックはいつ起きた?世界金融危機が発生した原因とその影響・当時の株価についてわかりやすく解説」で解説していますので参考にしてみてください。

 

しかし、2015年6月の株価の大暴落は中国が発端となって世界的な株安が引き起こされました。

2014年の後半からそもそも中国株は暴騰していました。

しかし、2015年6月に中国中央銀行が突如として『人民元の切り下げ』が発表され市場が不安にかられ大幅に下落していきました。

 

『人民元の切り下げ』というのは中国政府が景気浮揚のために輸出に有利となるためにドルに対して人民元のレートを下げる、

つまり人民元安にもっていく政策です。(日本円でいうと円安に誘導と考えれていただければと思います)

 

人民元安となるとドル建ベースでみると中国株の価値が下落するため世界的に一挙に中国株売りが始まりました。

中国政府がどこまで人民元安に誘導するか不明であることや、既に株価が高騰しているということもあり株価は売りが売りを呼び逆噴射となり急落していきました。

 

いわゆるチャイナショックといわれる大暴落で上海総合指数は1ヶ月の間に最高値5,166から3,507まで30%以上も下落しました。

次に2016年1月4日に再び上海総合指数は3572から3296まで約8%の急落となりました。

 

暴落の原因は前月の2015年12月の中国製造業景況指数(PMI)が10ヶ月連続で減速したことや、人民元が対ドル相場で5年ぶりの安値をつけたことが原因となっています。

 

PMIは、”Purchasing Manager’s Index”の略で、「購買担当者景気指数」とも呼ばれ、製造業やサービス業の購買担当者を対象にアンケート調査や聞き取りなどを行い、新規受注や生産高、受注残、価格、雇用、購買数量などの指数に一定のウエイトを掛けて算出する指数のことをいいます。

(引用:iFinance)

 

PMIは50が好況・不況の基準とされています。

現在は米中の貿易摩擦問題がくすぶっているということもあり下落基調が継続しています。

中国株式市場の概要を解説。A株・B株・H株・レッドチップとは?

中国株式市場の概要を解説。A株・B株・H株・レッドチップとは?

中国株と一言にいっても複雑な仕組みとなっています。

まずA株、B株、H株、レッドチップという四種類の株が存在しています。

 

A株中国国内で上場され人民元建で中国国内投資家専用の株です。
B株上海証券取引所や深セン証券取引所に上場している外貨建株式で国内投資家だけではなく外国人投資家にも門戸が開かれています。上海証券取引所では米ドルで深セン証券取引所で香港ドルで取引されています。
H株中国本土で登記が行われているものの香港取引所に上場している株式です。
レッドチップ中国本土以外で登記されている中国企業で香港証券取引所に上場されています。

 

また証券取引所も上海証券取引所と深圳証券取引所と本土の外の香港証券取引所の三つが存在しています。

香港証券取引所には東京証券取引所の一部に該当するメインボードとマザーズに該当するGEM市場(Growth Enterprise Market)の二つが存在しています。

各証券取引所と上場している株の種類並びに資本関係を一覧にまとめました。

香港証券取引所上海証券取引所深圳証券取引所
メインボードGEMABA
 H株レッドチップ香港株
資本中国香港等中国中国
本社所在地中国香港中国中国
日本人取引×
取引通貨香港ドル人民元USドル人民元

(引用:マネックス証券)

 

また各証券取引所に上場されている銘柄数は以下のようになっており、時価総額は三つ巴の状態となっています。

香港証券取引所上海証券取引所深圳証券取引所
メインボードGEMA株B株A株B株
上場企業数1,9263891,443512,12448
H株24324
レッドチップ1595

(引用:東洋証券)

香港取引所のメインボードとGEMに上場されている中国株は後ほど紹介する日本の主要なネット証券会社3社でも取引することが可能です。

[主要ネット証券会社3社]

  • SBI証券
  • 楽天証券(上海A株も取引可能)
  • マネックス証券

 

実態に対して割安な中国株式市場

実態に対して割安な中国株式市場

中国株は約20年の間で3度の暴落を経験して直近は貿易摩擦懸念で株価が下落しています。

一方中国経済は着実に成長してきているため1株あたり利益(EPS)は上昇の一途を辿っています。

中国企業のEPSと株価(引用:三井住友アセット)

 

利益が成長しているのに株価が軟調ということで当然割安度を示すPERは以下のように大幅に低下して、

上海総合指数で10倍を割り込みH株にいたっては6倍台というレベルになっています。

 

上海総合指数とH株のPER

 

割安であると言われている日本株ですらPERは12倍台ということもあり、

流石に10倍をきっている中国株は実態に対して割安に評価されており仕込み時とも捉えることができます。

個別株は難しいという方は筆者が投資しているファンドについて詳しくまとめているサイトがあったので参考にご覧ください。

【オリエント・マネジメント】「ゼロコロナ」政策を大幅緩和し評判の中国株に投資をするヘッジファンド「Orient Management」の魅力をわかりやすく評価!

 

おすすめの中国株銘柄

おすすめできる中国企業として成長著しいITセクターからは『テンセント』、

インフラセクターから『中国鉄建』を紹介したいと思います。

時価総額最大の39兆円!テンセント

まずは香港証券取引所に上場しており中国株の中で最大の時価総額39兆円を誇るテンセントです。

ソフトバンクですら9兆円なのでいかに巨大企業であるかがわかると思います。

 

【TCTZF】テンセントの株価推移を予想!力強い成長を見せる中国テックジャイアントの今後を見通す。

【TCTZF】テンセントの株価推移を予想!力強い成長を見せる中国テックジャイアントの今後を見通す。

2019年11月27日

 

テンセントはゲームとメッセンジャーの提供企業です。

ゲームの売上高ではソニーやマイクロソフトを上回って世界トップとなっており、運営する複数のメッセンジャーの月間ユーザー数は11億人に登っています。(ちなみにFacebook Messengerで6億人、我々に馴染みが深いLineでも2億人)

 

『WeChat Pay』で有名なWeChatについては日本でも利用している方は少ないと思いますが、聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。

その他にもQQやQZoneというメッセンジャーを運営しており以下のようにユーザー数は増加の一途を辿っています。

 

テンセントのメッセンジャーアプリのユーザー数

なんといっても人口大国の中国の強みをフルでいかせていますよね。

国内で覇権をとることができれば圧倒的な利益を稼ぎ出すことができます。

 

楽天証券のデータなのですが売上高・営業利益・純利益・EPS共に過去5年間順調に成長してきています。

テンセントの業績推移

中国国内市場の開拓余地もまだまだ残されており、今後が期待される中国巨大IT企業です。

 

一帯一路政策の中核を担う中国鉄建

中国鉄建は主に工事請負事業に従事する中国企業で請け負う建設業の種類は以下のように多岐にわたります。

[建設業の種類]

  • 鉄道
  • 高速鉄道
  • 都市路線
  • 水力発電プロジェクト
  • トンネル・橋
  • 空港・海港

また国内だけでなく、国外でも受注しており中国の一帯一路政策を支える中核企業となっています。

売上高ベースでは世界最大規模で以下のように売上・営業利益・当期純利益・EPSともに毎年成長しています。

中国鉄建の業績推移

またPERが7倍台と圧倒的に割安なのも魅力的な点ですね。

中国は国内だけでもまだまだインフラ開発が未熟な状態なので、今後も利益拡大が見込まれる有望巨大企業です。

 

中国株を取引できる証券会社を比較

それでは中国株を取り扱っている楽天証券、SBI証券、マネックス証券をそれぞれ見ていきましょう

上海A株も取り扱っている楽天証券

楽天証券はSBI証券とならんで外国株の取扱が多い証券会社で当然中国株も取り扱っております。

楽天証券の取扱銘柄は本校証券取引所と上海取引所上場A株となっています。

  • 香港証券取引所:681銘柄
  • 上海A株:235銘柄

 

取扱銘柄は合計で916銘柄と他の二社に対して少ないですが、

上海証券取引所上場のA株(以下上海A株)を取引できるのは楽天証券だけです。

 

上海A株は海外からの投資規制があり世界の株式相場の影響を相対的に受けにくいというということと、

中国政府の政策の影響を受けやすいという特徴があります。

また手数料については円建約定金額に応じて以下のように設定されています。

 

  • 10万円までの手数料は500円(下限)
  • 10万円以上約定金額円建0.5%
  • 100万円以上は一律5,000円(上限)

 

約定代金が10万円までであれば500円という最安値で取引することができます。

また取引金額が大きくなればなるほど、上限値も他の2社に比べて小さく設定されているのでお得に取引することができます。

楽天証券は中国株取引にデモ取引口座も準備しておりますので、

デモ口座で練習してから実際の資金を投入して取引を行えることも魅力の一つとなっています。

▶︎楽天証券のおすすめポイントを紐解く!お得な特典が満載と評判の総合ネット証券のメリットから口座解説方法まで徹底解説。

 

また個人的に楽天証券の銘柄画面は充実していて重宝しており、

先ほどの中国鉄建の例のように過去5年の以下の指標を一目で確認でき銘柄選択の上で重宝します。

 

  • 売上高推移
  • 営業利益
  • 純利益
  • EPS
  • PER

 

楽天証券の銘柄説明

中国株投資情報『サーチナ』を見れるSBI証券

SBI証券は外国株を取り扱っている国数が9カ国と最大となっているので外国株を積極的に取引したいのであれば開設は必須な証券会社です。

▶︎【人気No.1】SBI証券の特徴とメリットに迫る!評判のネット証券の特徴から口座開設方法まで徹底解説。

 

SBI証券は中国の情報サイト『サーチナ』を企業統合しているということもあり、

中国株投資情報を掲載している『SBIサーチナ』を無料でみることができます。

 

取扱銘柄は香港証券取引所上場の1,396銘柄となっており、香港証券取引所の約5割の銘柄をカバーしています。

手数料形態は香港ドル建(約1HKD=14円)で、以下の通り約13万円以上、192万円未満の取引であれば楽天証券よりお得に取引することができます。

 

  • 最低手数料:47香港ドル(約660円)
  • 約定金額香港ドル建:0.26%
  • 最大手数料:470香港ドル(約650円)

 

手数料最安・取扱銘柄最大のマネックス証券

マネックス証券は外国株の取扱国数は多くないのですが米国と中国に特化しており、

中国株は香港証券取引所銘柄のみですが取扱銘柄数は2,058銘柄とSBI証券の1.5倍の水準となっています。

また手数料形態も以下のようにSBI証券をわずかに下回る最低水準の手数料を提供しています。

 

  • 最低手数料:45香港ドル(約630円)
  • 約定金額香港ドル建:0.25% (最安)
  • 最大手数料:450香港ドル(約6300円)

更にマネックス証券だけ唯一指値に加えて成り行き注文が出せるという執行条件の強みもあります。

またマネックス証券では中国株関連のアナリストにより発行されているレポートを読むことができるという点も魅力の一つです。

まとめ

中国株は3度の暴落を経験して現在も米国との貿易摩擦がくすぶっていることもあり実態に比べて割安な状態で放置されており仕込むチャンスとみることができます。

銘柄としては巨大な国内市場の需要を取り込むことで利益を拡大していくことが可能なテンセントや中国鉄建のような企業がうようよ存在しており、基本的に利益は右肩上がりになっています。

中国株を取引できる証券会社は楽天証券、SBI証券、マネックス証券の三つでで取扱銘柄数と手数料をまとめると以下のようになります。

 

【中国株取扱銘柄数】

香港証券取引所上海A株
楽天証券681銘柄235銘柄
SBI証券1396銘柄取扱なし
マネックス証券2,058銘柄取扱なし

【中国株取引手数料】

楽天証券SBI証券マネックス証券
取引手数料約定金額円建の0.5%約定金額香港ドル建の
0.26%
約定金額香港ドル建の
0.25%
最低手数料500円
約定金額10万円まで提供
47香港ドル(約660円)45香港ドル(約630円)
最大手数料5000円
約定金額100万円以上
470香港ドル(約6600円)450香港ドル(約6300円)

 

正直今回紹介した証券会社は中国株だけでなく各々様々な分野で強みがあり、

取り敢えず無料ですし全て開設しておいて損は絶対にない証券会社ですが、今回の内容をまとめると以下のようになります。

 

中国株A株取引をしたい、又は10万円までの少額や大きな取引をたい場合:

▶︎ 楽天証券

中国株のみならず様々な外国株も取引したい、SBIサーチナの情報をみたい場合:

▶︎ SBI証券

米国株・中国株を中心に取引したい。最安の手数料で取引したい場合:

▶︎ マネックス証券

 

以上、割安な中国株式市場の概要(種類・証券取引所)とおすすめ銘柄を紹介!更に取引可能な証券会社を徹底比較。….でした。

 

 

【外国株】米国・新興国株式は今後も投資対象としてメリットだらけ?高配当銘柄も存在する市場を掴め!

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2019年10月3日

 

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。