シスコシステムズはルーターなどのコンピューターネットワークの世界最大手企業です。
シスコの名称で世界中で親しまれています。
2009年6月からダウ平均銘柄に組み入れられている巨大企業です。
本日はシスコシステムズの業績と今後の株価の見通しについてお伝えしていきたいと思います。
■投資判断水準:以下のこと踏まえ中長期で80~90ドルで推移
■業績見通し:今後も市場予想を上回る決算に期待
■指標関連:PER20倍で安定
■株主還元:積極的な自社株買い、高配当銘柄
Contents
Ciscoとは?どんな会社?
Ciscoは1984年にスタンフォード大学のコンピュータ管理担当であるボサック氏とその妻によって設立されました。
ボサック氏はその後もスタンフォード大学で仕事を続け、その間に最初の製品を開発しました。
その製品はスタンフォード大学で使用されていたルータを完璧に模したものであり、
それを作り変えたものでしたが、後にこれがCiscoIOSのベースとなるものです。
ボサック氏を含めた数人で初期チームが発足され、1990年にNASDAQに上場、世界的な規模にまで大発展しました。
Ciscoは通信業者や一般企業ぬ向けてルータやスイッチ、ワイヤレスLAN、Web会議アプリケーション、Bビデオ会議端末、IP電話などの音声システム等を製造・提供しています。
ルータは市場支配力が約6割、スイッチが約7割なので、圧倒的な地位を築いています。
最近では成長率の低い従来事業を最適化し優先分野となるセキュリティ、次世代データセンター、クラウドなどへの投資を拡大しています。
Ciscoの業績推移
まずは業績をみていきましょう。
売上の構成は製品が74.4%、サービスが25.6%となっています。
地域別でみると米国が60%、欧州・中東アフリカが25%、残りがアジアになります。
市場支配力はルータが約6割、スイッチが約7割ですのでなかなかその座を脅かすのは困難です。
最近では成長率の低い従来事業を最適化し、優先分野となるセキュリティ、次世代データセンター、クラウドなどへ投資を拡大しています。
Jul-14 | Jul-15 | Jul-16 | Jul-17 | Jul-18 | Jul-19 | |
売上高 | 47,142 | 49,161 | 49,247 | 48,005 | 49,330 | 51,844 |
営業利益 | 9,345 | 10,770 | 12,660 | 11,973 | 12,309 | 14,184 |
税引前当期利益 | 9,715 | 11,201 | 12,920 | 12,287 | 13,039 | |
当期利益 | 7,853 | 8,981 | 10,739 | 9,609 | 110 | 12,539 |
多少の上下はあるものの、この5年で売上高は動きは遅いもののじわじわとあがってきています。
営業利益、当期利益は約1.5倍にもなっています。営業利益率が高い傾向があるので、効率的なビジネスができているといえます。
わかりやすくグラフでみてみましょう。
今後は映像配信などのクラウド分野にも力を入れていくと言われていますが、強力なライバルが多いです。
しかしこの分野で業績を伸ばせれれば、会社としても大きく成長するかと思います。
CiscoのEPSとBPS
1株あたりの純利益(EPS)と純資産(BPS)をみてみましょう。
EPSはじわじわあがってきていますね。
Jul-14 | Jul-15 | Jul-16 | Jul-17 | Jul-18 | Jul-19 | |
EPS | 1.5 | 1.76 | 2.13 | 1.92 | 2.17 | 2.84 |
BPS | 11.09 | 11.74 | 12.64 | 13.27 | 9.36 | 7.89 |
Ciscoの配当金の推移
次に配当をみてみましょう!
Jul-14 | Jul-15 | Jul-16 | Jul-17 | Jul-18 | Jul-19 | |
配当(ドル) | 0.7 | 0.78 | 0.89 | 1.07 | 1.2 | 1.36 |
配当利回り | 2.77% | 2.74% | 2.91% | 3.40% | 2.11% | 2.38% |
以前は配当より成長投資を重視してきました。
しかし、2013年7月期からは配当による還元を強化し、今では高配当銘柄へと変化しました。
しかし現在は株価推移が好調なので、高配当株式とは言えなくなりました。
グラフにしてみましょう。
連続増配8年です。というのも配当を出し始めたのは2011年からで、当時は配当金が0.06でしたのですごいペースで配当金をあげてきているということになります。
増配開始以来、ずっと2桁増配を継続しています。
とくに近年では増配率も10%以上を維持し続けています。
配当性向も40~50%で推移していますのでまだ増配の余力はあると思います。
現在の配当利回りはそれ程高くはありませんが人気の高配当ETFにも上位で組み込まれていますので今後の伸びには期待できそうです。
また増配とともに自社株買いをしており、株主還元には積極的です。
Ciscoの株価推移とPER
Ciscoの過去10年の株価水準を見てみましょう。
この10年で株価は2倍以上になりました。
2013年には16ドルを割る場面もありましたが、一方で最近の株価の動きは非常に堅調な動きになっています。
PERをみてみます。
Jul-14 | Jul-15 | Jul-16 | Jul-17 | Jul-18 | Jul-19 | |
PER(倍) | 16.82 | 16.15 | 14.37 | 16.4 | 26.26 | 20.11 |
PERは15倍から25倍で安定しているといえるでしょう。
Ciscoの考える6Gの未来
Ciscoは6Gの未来を見据えており、6Gの登場が何をもたらすかについて既におおまかな考えをもっているとCTOが語っています。
世界はようやく5Gの登場で騒がれていますが、6Gがピークに達するには15~20年はかかると言っています。
実際は技術革新の発展からみるとまだまだ基礎研究の段階であり、実用化には非常に長い時間がかかるだろうと言われています。
「帯域幅、非常に低いレンテンシ、ネットワークの高密度化、カバレッジ、そして6Gが消費者向け携帯電話だけではなく、企業のモバイルワーカーやIoT、モバイルIoTにも使われるということに関して、6Gの特性と能力がおおよそどのようなものになるのかをある程度把握している」と言っています。
その時間枠でコンピューティングとインテリジェンスがあらゆるものに組み込まれると考えることが可能ちなります。
コストとサイズのフットプリントが効率的で且つ小さくなるのですべてのものにくみこまれる可能性があり、すべてがそのネットワークに接続されるであろうと発言しています。
6G拡張のコストを正当化するためには、周波数帯価格とデバイスコストの改善、新しいキラーアプリとユースケースが必要になり、サイバーセキュリティは6Gで改善されるだろうと述べています。
5Gが到来した今、いずれ6Gになる時代を見据えてCiscoは今後取り組んでいくのではないでしょうか。
まとめ
Ciscoは通信機器のメーカーとしては世界的に有名な会社です。
とくにインターネット接続に用いられるルータやワイヤレス接続関連の機器の販売に力いれております。
特に意識しなくともオフィスや家庭で使用している同社の製品だったという方も少なくはないのではと思います。
これまでは世界的なインターネットの需要の拡大とともに業績が伸びて行くという構図でした。
最近は主力商品のルータなどはやや減速傾向にあるようです。
しかしCiscoが力を入れているデータセンターなどのサービス部門が業績を下支えします。
やはり米国大手の企業ですので、少しづつ業態を変えて、業績を維持していける企業です。
また1993年から約200件もの買収もこなっています。
新しい部門での業績をあげていくことも可能ですので、幅広い事業で安定して収益を稼ぐこともできますので、今後の業績にも期待できるのではないかと思います。
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