【PFE】世界最大の製薬会社『ファイザー』の株価を業績から予想!高配当利回りが魅力的。

ファイザーの株価

世界的に景気に陰りが見えてきた今、製薬会社などのいわゆるディフェンシブ銘柄に注目しているという方も多いかもしれません。

ファイザーは世界最大級の売上高を誇る巨大製薬会社です。

 

ファイザーは不況時でも業績が安定していて、株主還元にも積極的なことで知られています。

本日はファイザーの株価について分析していきます。

 

■ 投資判断:買い

モルガン・スタンレーの投資判断引き下げの影響から株価が大幅安のまま戻らず。

しかし、長期的に薬品需要は増加し、その恩恵を受けることが出来れば業績・株価も成長するでしょう。

■ 業績推移:

▷ 売上・利益ともに安定的。

■ 株価指標:

▷ PERは19倍ほど。過去数年は25倍ほどで推移してきたので、やや割安な水準。

▷ 配当利回りも4%を超え、かなり魅力的。

目次

ファイザーとは?

ファイザーは、1849年にニューヨークで創業した製薬会社です。

スイスのロシュやノバルティスと売上高の世界一を競い続けている巨大企業です。

 

一般向けの商品はほとんどなく、病院で処方されるような薬品がメインの会社です。

名前を聞いたことがないという方もいるかもしれません。

しかし、世界トップシェアの薬品も多く持ち、実はかなりの方が一度はファイザーの製品を使ったことがあると思います。

 

1982年に抗炎症剤のフェルデンの年間売上が10億ドルを突破し、ブロックバスターとなったのをきっかけに巨大企業への礎を築いてきたファイザー。

その後も数々のブロックバスター製品を生み出してきました。

 

  • 鎮痛
  • 脳・神経系
  • がん
  • 感染症
  • 成長障害
  • 循環器系疾患
  • 泌尿器系疾患
  • 精神神経系疾患
  • 男性疾患
  • 感覚器系疾患
  • 運動器系疾患
  • 内分泌系疾患
  • 血液系疾患
  • ニコチン依存症
  • 消化器系疾患

 

など、幅広い分野の薬剤を販売しています。

 

主力商品としては、コレステロールを抑えるリピトール、緑内障治療薬のキサラタン、高血圧治療薬のノルバスクなどがありました。

しかし、特許切れや後発薬の登場による競争激化、薬価引き下げなどにより減収となっています。

 

主力製品の世代交代も順調に進んでおり、新たな主力製品として期待される薬品も複数あります。

代表的なものでは、神経因性鎮痛治療薬のリリカ、抗リウマチ薬のエンプレル、抗ガン薬のスーテントなどがあります。

 

他にも、抗リウマチ薬や慢性骨髄性白血病治療薬、肺がん治療薬などの開発も進んでいます。

 

 

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M&Aで巨大製薬グループを形成

製薬会社は、主力商品の特許が切れると売上や利益が一気にしぼんでしまうという特徴があります。

そのため、特許切れを補う新商品の研究開発が必要になります。

しかし、薬品の研究開発はかなりの時間や費用が掛かります。

 

そこでファイザーでは、自社での研究開発より高いコストパフォーマンスが得られる、M&Aによって事業を拡大しています。

すでに有望は製品を研究しているベンチャー企業などを会社ごと買収することで、自社の研究開発費を削減でき、商品化の確立も高まるのです。

 

実際に、ファイザーの商品のうち7割ほどがM&Aなどによる外部での開発製品となっています。

なお、ファイザーも研究開発に毎年9,000億円近くをかけています。

しかし、ファイザー本体からの新製品はバイアグラ以降出ていません。

 

 

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後発薬事業を分社。新薬に集中する戦略を発表!

今年7月に、後発薬事業を分社化して、後発医薬品大手のマイランと統合させることを発表しました。

米国では、後発薬に対する値下げ圧力の高まりなどから事業環境が厳しくなっております。

2020年中に手続きを完了させ、今後は新薬とワクチン事業に集中するということです。

 

これにより、2023年までに年間10億ドルのコスト削減が見込まれます。

研究開発費用を捻出し、より革新的な医薬品事業に焦点を絞っていくようです。

 

相次ぐ主力商品の特許切れなど、事業環境は厳しいですが、この戦略が吉と出るか凶と出るか見ものですね。

 

 

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ファイザーの業績推移

製薬会社の業績は、あまり景気に左右されず、比較的安定しているのが特徴です。

特にジョンソン&ジョンソンのような一般向け消費財を扱わず、病院で処方される医薬品を主に販売しています。

 

売上高もほとんど変化がありません。

ここ6年間の推移を見ても、売上・利益ともにおおむね安定しているのがわかります。

 

Dec-14Dec-15Dec-16Dec-17Dec-18Dec-19
売上高49,605.0048,851.0052,824.0052,546.0053,647.0053,281.55
営業利益12,726.0010,329.009,004.0012,989.0012,215.00
税引前当期利益12238896483511230511885
当期利益9,135.006,960.007,214.0021,309.0011,153.0012,190.58

 

ファイザーの業績推移

 

ただし、主力薬品の特許切れや大規模な自主回収、M&Aなどで業績がぶれることがあるので注意しましょう。

 

 

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PERは過去平均から考えると割安水準に

ファイザーのPERは、過去6年間で平均すると25倍前後です。

現在は20倍を割り込む水準となっており、やや割安であると判断できます。

 

Dec-14Dec-15Dec-16Dec-17Dec-18Dec-19
PER(倍)21.7628.727.4818.1624.2217.88
ファイザーのPERの推移

直近の株価が下落しているのは株価自体が下落していることに影響しています。

ファイザーの株価推移

 

また、株価はEPS×PERで表されます。

ファイザーの今期のEPSは2.39ドルです。仮に株価がPER20倍ほどの水準に戻るとすれば、47.8ドルとなります。

 

現在の株価は35ドル近辺なので、12ドルほどの上昇余地があるということになります。

 

Dec-14Dec-15Dec-16Dec-17Dec-18Dec-19
EPS1.431.121.181.991.762.39
BPS11.3310.489.8111.9311.099.46

 

ファイザーのEPS

 

 

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ファイザーの足元の配当利回りは4%を超える水準

ファイザーは配当利回りも魅力的です。配当利回りは、投資額に対する年間配当金額の割合を示しています。

配当金目当ての長期投資として株を保有する方も多いと思います。

 

ファイザーの足元の配当利回りは4%を超えています。

ファイザーの過去の配当利回りの平均的水準と比べても非常に魅力的です。

 

Dec-14Dec-15Dec-16Dec-17Dec-18Dec-19
配当(ドル)1.041.121.21.281.361.43
配当利回り3.34%3.48%3.70%3.54%3.19%3.91%

 

ファイザーの配当金と配当利回りの推移

 

まとめ

薬品の開発は相当な年月や費用をかけて行われるもので、しかも必ずその研究開発がうまくいくとは限りません。

研究開発では補いきれない分を有望なベンチャー企業などを買収することによって新たな商品を販売するという戦略が世界中で相次いでいます。

 

また、政府からの薬価引き下げ圧力など製薬会社を取り巻く環境は非常に厳しくなっています。

そのため、世界最大の製薬会社であるファイザーについても今後苦戦を強いられることが多くなるでしょう。

 

しかし、薬品需要自体は景気動向に左右されず世界人口や平均寿命が伸びて行けば自動的に増えていくはずです。

アジアを中心として爆発的に人口が増加している新興国で経済が発展していきます。

 

病気やケガをしたとききちんとした治療が受けられる環境が整ってくれば、今後さらに薬品需要は増えていくでしょう。

ファイザーには業界内でも他を圧倒するブランド力があります。

 

豊富な研究開発やM&Aの経験をもとに、今後も現在の地位を維持していけるでしょう。

そのため、短期的な業績下振れや政策による影響などを受けたとしても長期で見ればポートフォリオに組み込んでもいい銘柄であると思います。

 

足元では、モルガン・スタンレーが主力薬に対する規制強化、新薬開発の利益率低下、特許切れ医薬品の価格低下などが収益の重荷になるとの見方から、投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたことで株価が大きく下がっています。

 

しかし、上記の通り長期で見ると薬品需要は緩やかながらも伸びて行くでしょう。

PERや配当利回りから見て割安になっているタイミングでは押し目買いをしてみるのもいいかもしれません。

 

■ 投資判断:買い

モルガン・スタンレーの投資判断引き下げの影響から株価が大幅安のまま戻らず。

しかし、長期的に薬品需要は増加し、その恩恵を受けることが出来れば業績・株価も成長するでしょう。

■ 業績推移:

▷ 売上・利益ともに安定的。

■ 株価指標:

▷ PERは19倍ほど。過去数年は25倍ほどで推移してきたので、やや割安な水準。

▷ 配当利回りも4%を超え、かなり魅力的。

 

 

今回はファイザーを分析してきましたが、株式投資で高いリターンを獲得するには市場分析、銘柄選定、そして「正しい情報」が必須です。

つまり、どうしても勉強が必要なのですが、独学で株式投資に挑んで、失敗して株式市場を退場してしまう人は後を絶ちません。

 

これはひとえに学習方法が間違っていたか、市場、銘柄選定などの知識不足です。

 

現代では、株式投資を効率よく学べる手段がたくさん存在します。

以下のコンテンツでは、株を勉強するにあたっての効率的な進め方について特集していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

株式投資の勉強法

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以上、【PFE】世界最大の製薬会社『ファイザー』の株価を業績から予想!高配当利回りが魅力的。…でした。

 

 

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2019年9月17日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。