コマースOneホールディングス(4496)の上場日は4月9日(木)で、上場市場は東証マザーズとなります。
主幹事は大和証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は3月24日(火)~3月30日(月)となっています。
今回はコマースOneホールディングスとはどのような企業なのかを目論見書を基に、
事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、コマースOneホールディングスの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
コマースOneホールディングスのIPOスケジュール
コマースOneホールディングスの主幹事は国内二番手の大和証券です。
上場規模は、想定時価総額65.1億円、吸収金額13.2億円程度と、東証マザーズでは中型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 3月24日(火)~3月30日(月) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 3月31日(火) |
購入申し込み期間 | 4月2日(木)~4月7日(火) |
上場予定 | 4月9日(木) |
当選株式数 | 公募240,000株、売り出し436,900株、オーバーアロットメント101,500株 |
想定価格 | 1,350円 |
仮条件価格 | |
公募価格 |
コマースOneホールディングスの各証券会社の割当
それでは、コマースOneホールディングスの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。
引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
大和証券(主幹事) | 649,700株 | 96.00% |
みずほ証券 | 6,800株 | 1.00% |
いちよし証券 | 6,800株 | 1.00% |
松井証券 | 6,800株 | 1.00% |
SBI証券 | 6,800株 | 1.00% |
コマースOneホールディングスの事業内容
コマースOneホールディングスの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | 株式会社コマースOneホールディングス |
コード番号 | 4496(東証マザーズ) |
設立 | 2006年08月01日 |
資本金 | 1億円(令和2年3月4日現在) |
本社所在地 | 東京都千代田区四番町6番地東急番町ビル |
代表者 | 代表取締役社長 岡本 高彰 |
従業員数 | 113人 |
事業内容 | ECプラットフォーム関連事業 |
コマースOneホールディングスはEC事業運営者に対してECサイトインターフェース構築・運用アプリケーションサービスをSaaS型で提供しています。
また、多店舗展開するECサイト運営者のバックヤードを一元管理するシステム等を、顧客ニーズに合わせてカスタマイズしたうえでSaaS型にて運営しています。
更にECサイトの認証サービス及びデータ解析に基づく経営補助ツールをSaaS型にて提供しています。
各事業はECサイト運営支援という観点で密接に繋がっています。
同社は、ECプラットフォーム関連事業を展開する持ち株会社です。
傘下には、連結子会社の(株)フューチャーショップ、(株)ソフテル及び(株)TradeSafeが存在します。
(株)フューチャーショップでは、ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」の提供を行っており、2019年3月末時点で2,400以上の店舗での利用実績があります。
(株)ソフテルでは、受注在庫管理ソフトウェア「通販する蔵」などを提供しています。
(株)TradeSafeでは、トラストマークの認証業務等のサービスを提供しています。
コマースOneホールディングスの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
コマースOneホールディングスは上場することにより手数料を引いた手取り金額で8.50憶円程度の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。
- (株)フューチャーショップの新機能拡充及び(株)ソフテルの「通販する蔵」カスタマイズの効率化などの機能拡充のためのソフトウェア開発資金、事業拡大に係るグループ人材開発、残額を金融機関に対する借入金の返済資金に充当予定
コマースOneホールディングスは調達した資金を規模の拡大、設備投資及び財務体質の改善のために用いる様子です。
業績も好調で、資金需要の旺盛な上場に向いている企業であると考えられます。
目論見書から見るコマースOneホールディングスの売上高と利益推移
本項目では、コマースOneホールディングスの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2016年3月期 | 93,491 |
2017年3月期 | 213,689 |
2018年3月期 | 1,665,642 |
2019年3月期 | 1,952,433 |
2019年12月 | 1,604,016 |
※2018年3月期より連結ベースの値です。
上記のとおり、同社の売上高は堅調に上昇していることがわかります。
2020年3月期は、2019年12月までの数値を4/3倍すると2,138,688千円程度の売り上げが見込まれ、
前年比プラスとなりそうです。
経常利益の推移
経常利益(千円) | |
2016年3月期 | 3,289 |
2017年3月期 | 123,387 |
2018年3月期 | 280,044 |
2019年3月期 | 357,468 |
2019年12月 | 338,472 |
※2018年3月期より連結ベースの値です。
経常利益も、連結ベースになって以降は売上高同様安定的に推移しています。
2020年3月期は、このままのペースで推移すれば451,296千円となる見込みです。
EPSの推移
EPS(円) | |
2016年3月期 | 8.45 |
2017年3月期 | 35.99 |
2018年3月期 | 64.43 |
2019年3月期 | 81.49 |
2019年12月 | 64.92 |
※2018年3月期より連結ベースの値です。
EPSもおおむね堅調に推移しています。2020年3月期も、このままのペースで推移すれば前年比プラスの見込みです。
コマースOneホールディングスの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
岡本 高彰(社長) | 33.83% | 90日間 1.5倍 |
Asian Asset Acquisition Pte., Ltd. | 25.00% | 90日間 1.5倍 |
(株)フューチャースピリッツ | 14.99% | 90日間 1.5倍 |
(株)オプトホールディング | 11.88% | 90日間 1.5倍 |
星野 裕子 | 5.43% | 90日間 1.5倍 |
越智 哲生 | 2.33% | 90日間 1.5倍 |
北川 輝信 | 2.08% | 90日間 1.5倍 |
熊谷 儀七 | 1.89% | 90日間 1.5倍 |
NIFSMBC-V2006S3投資事業有限責任組合(SMBC VC) | 1.00% | 90日間 1.5倍 |
オリックス(株) | 0.83% | 90日間 1.5倍 |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねており、ロックアップも1.5倍と比較的緩いため、売り圧力は相応にかかります。
コマースOneホールディングスの初値予想
ここでは編集部独自のコマースOneホールディングスの初値予想を公開していきたいと思います。
コマースOneホールディングスの総合評価
コマースOneホールディングス購入のメリット
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 業績面が安定している
- ECコマースは成長産業であり、セクターとしての人気も高い
- 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい
コマースOneホールディングス購入のデメリット
- 小型株のため株価が乱高下しやすい
- 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
- 上位株主にVCが名を連ねており、売り圧力が生じる
- 株式市場の市況が悪い
コマースOneホールディングスの初値予想は2,243円
コマースOneホールディングスのEPSは2018年3月末時点で64.43、2019年3月末時点で81.49、2019年12月末時点で64.92でした。
コマースOneホールディングスと類似するサービスを提供すると考えられる上場企業として、
Eコマースに従事する企業であるZホールディングス、カカクコム、アスクル等が考えられます。
競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
Zホールディングス | 18.45 |
カカクコム | 23.52 |
アスクル | 24.84 |
北の達人コーポレーション | 36.10 |
オイシックス・ラ・大地 | 41.84 |
コマースOneホールディングスの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である28.95倍を用いることとします。
EPSは、同社の直近3年間の平均値である77.49を用いることとします。
なお、2020年3月期の数値に関しては、2019年12月の値を4/3倍した理論値である86.56を用いることとします。
以上より、想定初値は、PER28.95倍×EPS77.49=2,243円程度となります。
まとめ
4月9日上場のコマースOneホールディングスですが、業績や利益水準も安定的に推移している点で評価できます。
当初は、ロコガイド及びステムセル研究所との3社同時上場でしたが、他の2社は上場中止となったため、単独上場となり、資金の分散に関する懸念もなくなりました。
懸念点は市況の地合いの悪さですが、業績が好調であるため初値上昇も期待できるかもしれません。
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