1限目では、経済とはそもそもどのような意味なのか、経済を回しているのは取引であり、「信頼」が経済に波を起こしていることを説明してきました。
2限目は、経済成長とはどのようにして起こり、どのようなサイクルで拡大していくのか。
何故経済サイクルは循環するのかという点を、わかりやすく順序を追って解説していきたいと思います。
目次
Contents
経済成長はどのようにして起こるのか
0限目では、経済の波の変動はお金の「貸し借り」(=信頼)によって起こることを解説してきました。
例えば、「クルマ」を生産するには、誰かがクルマの設計図を書き、部品を仕入れ、組み立てる必要があります。
一人でこの工程をこなしていたら、1台を作るのに何日も掛かってしまいそうですよね。
それに、そもそもお金がなかったら部品を仕入れることもできません。
お金を貯めて、全ての工程を一人で終わらせ、誰かに販売する。
そして、またそのお金を貯めて、クルマを生産するのでは、時間があっという間に過ぎてしまいますよね。
そこでクルマを効率よく生産するために考えます。
設計をする人。
部品を仕入れる人。
組み立てる人。
販売する人。
それぞれを雇います。
部品も、例えば10台分を仕入れてしまえば、10台のクルマが一人で生産するよりも格段に早くなります。
しかし、上記を実現するには、お金が必要です。
手元にはお金はないので、借りる必要があります。
借りるには「信頼」が必要です。
信頼があれば、お金を借りて、クルマを短期で何台も生産ができるのです。
経済成長の波を起こすのは「信頼」であるというのがわかりますよね。
当然、社会にはこのようにクルマを生産したい、という人の他にも、バイクを生産したい、テレビを生産したい、という人がたくさんいます。
そして、大量生産を短期でしたい、という人たちの集合体がまさに経済に波を起こしていくのです。
「信頼」でお金を借りることによって生産性が上がるのはもちろんですが、お金を借りて人を雇うことにより、「雇用」も生まれ、所得を得た人がまた別の場所でお金を使います。
そして所得が増えることで、『クルマ』の需要が上昇し、クルマの生産も拡大していくのです。
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〜コラム〜なぜ日本の経済は平成の30年間停滞してしまったのか?
一つ目は日本の少子高齢化による総人口並びに労働人口の減少です。
働く人が少なくなれば生産量も少なくなりますし、総人口が減少すれば需要も減少しますからね。
日本全体としてみた時のモノ・サービスを欲しいという気持ち(=需要)は
日本の人口 × 所得
で決定します。
第1項の日本の人口は減少するので、所得が上昇しない限り経済のパイは萎みます。
しかし、日本の可処分所得は1995年比で2015年はなんと減少しています。
一方企業の利益はバブル期を大きく上回っておりますので、最大の原因は企業が労働者に出す給与が低いことと言えます。
日本の労働分配率は60%台後半で、米国の80%と比べても相当低いですね。
日銀の金融緩和だけでは限界を迎えています。
安倍首相がしきりに賃上げを要請している通り経財界もそろそろ本格的な賃上げを行うべき段階にきています。
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経済サイクル:Economic cycle とは?景気が良い時悪い時
一例として「借り入れ」をして生産性を高める、と上記で述べました。
一人で頑張ってクルマを生産するよりも、お金を借りて雇用、仕入れを増やすなどする方が生産性が高まります。
しかし、経済サイクルとして、いつまで右肩上がりにはいきません。
「お金を借りる」ということは、「未来の自分」から借金をすることを意味します。
お金を貸してくれた人に返す時期は必ずきます。
その時期は、今まではお金を借りて生産力を上げていましたが、返済を実行していくので、次の投資に回していくお金がないのです。
正確には、次の投資に回していくお金は、より多くの商品(ex.クルマ)の販売に成功していれば、0になることはありません。
しかし、やはり投資に回せる金額はどうしても縮小してしまうので、生産性の伸び、販売量は減少傾向になってしまいます。
上昇時は景気がよくなり、下落時は景気が悪くなってしまうのです。実にシンプルですよね。
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まとめ
2限目では「経済成長はどのようにして起こるのか」、「経済のサイクルとは?」という点を解説してきました。
ここで経済の仕組みの基本中の基本の解説は終了です。
次回からは、「インフレ」や日本銀行の経済においての役割など、具体的な解説に入っていきます。
『お金の知識』を学んで将来的にお金に困らない人生を歩んでいきましょう!
以上、【2限目】経済の仕組みをわかりやすく・簡単に解説!「経済成長」とはどのように起こるのか?そのサイクルとは。…でした。