世の中には富裕層向けのサービスはたくさんあります。
以前のコンテンツで紹介した富裕層向けのプライベートバンク(資産運用、投資商品紹介などのオーダーメード)もその一つです。
「ファミリーオフィス」に関してはその上をいく「超富裕層」向けのサービスとなっています。
内容としてはPBと同様、資産運用のサポートは当然のこと、会計・税務面、遺産相続、子息の教育など人生のフルサポートを提供する内容となっていることが特徴です。
今回のコンテンツでは、もう少し具体的にファミリーオフィスの概要とプライベートバンクとの違いについて解説をしていきます。
目次
ファミリーオフィスとは
—欧米の超富裕層が運営する「ファミリーオフィス」とは何でしょうか?
日本ではあまり耳にすることがありませんが、米国やヨーロッパにはすでに多くのファミリーオフィスが存在します。欧米の超富裕層のニーズから誕生したもので、本来は、ご家族を取り巻く様々な問題を解決するために雇われた「プライベートな組織」のことを指し、番頭的なスタッフや資産管理、法律、税務会計などの専門家で構成されています。
ファミリーオフィスは一族が所有する資産の保全や運用、承継に関わり、家業における役割分担や家の憲法と言うべき「家憲」の制定、家業や資産の承継プランの設計と運用、さらに次世代の育成までをサポートすることで、「家」の永続的な発展を目的として運営されます。また、一族内の平和を保つために、ファミリーの間に入り、議長のような役割を果たすこともあります。
—日本で「ファミリーオフィス」が浸透しない理由は何でしょうか?
欧米の超富裕層の方々はひとえに「ファミリー」と言っても、その「名家」が代々続くものであれば、「ファミリー」の総数は数百人を超えることもあります。戦後日本ではこれまで、それだけの規模のファミリーを束ねるというニーズはさほどありませんでした。
また、もう一つの大きな要因として、個人の方がご自身で深い知識を持った専門家を見つけてアレンジし、「チーム」をつくることの難しさが挙げられます。ファミリーオフィスの運営には資産管理や家業への助言、法務や会計など異なる分野のエキスパートが必要です。
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ファミリーオフィスとプライベートバンクの具体的な違い
ファミリーオフィスの成り立ちとして、富裕層が自分でファミリーオフィスを設立し、家族の資産管理を始めとした様々な問題解決をしていく組織を「ファミリーオフィス」としています。
ビル・ゲイツ氏もファミリーオフィスを保有していることは有名です。
資産家のジョン・ポールソン氏はヘッジファンドをファミリーオフィスに転換するという話も話題になりました。
The descendants of oil tycoon John D. Rockefeller have them. So do Microsoft Corp. founder Bill Gates and hedge-fund manager Bill Ackman. They are family offices, the loosely regulated, privately owned companies that manage vast amounts of money for wealthy clans. They’re also among the most secretive firms in the world, and by all accounts they are expanding rapidly. Ask any family-office expert how to define them and the likely response will be: “If you’ve seen one family office, you’ve seen one family office.” Like each family, they vary — widely.
(引用:Bloomberg Businessweek「How New Wealth, Few Rules Fuel Family-Office Boom」)
Billionaire John Paulson said publicly for the first time he may convert his hedge fund into a firm that solely manages his fortune, joining other high-profile names who made the change. Paulson, 63, said he will probably make a decision over the next couple of years. He may run a hybrid business, with one part managing his money and the other running client capital with a profit-sharing arrangement with his partners, Paulson said in an interview on Mike Samuels’ “According to Sources” podcast.
(引用:Bloomberg「Paulson to Decide on Switching to Family Office in Two Years」)
「家族」と「継承」に重きを置いている結果、様々な問題に対処していくために、会計士、弁護士、時には子息の教育の専門家といったチームを組みトータルサポートをしていきます。
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ファミリーオフィスはビジネスとして成り立っているのか
ファミリーオフィスの起源は6世紀の欧州の王族の資産管理といわれており、権力の集中しているこの時代の王族を相手にしていたとしています。
ファミリーオフィスが浸透しだしたのは、有名なロックフェラー家やモルガン家がパイオニアとなり、その後に富裕層の間で有名な存在となりました。
ビリオネア(1000億円程度の資産)を中心にファミリーオフィス事業をしているとすれば、フォーブスによるとビリオネアの数は世界に2208人いますので、市場規模の資産は最低でも200兆円以上という巨大な市場になることがわかります。
フォーブスは6日、今年で32回目となる世界長者番付を発表した。今年はアマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)がマイクロソフト創業者のビル・ゲイツを抜き初の首位に輝いたほか、保有資産額10億ドル(約1060億円)以上で番付入りした「ビリオネア」は過去最多の2208人に上った。
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まとめ
ファミリーオフィス、プライベートバンクと解説をしてきました。
これらの金融機関のサービスを受けられるのは、資産運用で財産を着実に重ね、富裕層となった人です。
資産運用とは、勉強すればするほど結果が出やすいものでもあります。
弊サイトの資産運用に関するコンテンツで、自身の資産形成に役立てていただければと思います。
以上、【富裕層】ファミリーオフィスとは?プライベートバンクとの違いとビジネスとしての成り立ちについて解説…でした!