実は、ジブリと株価には面白い関係性があります。
日本のテレビでジブリ作品が放送されると、株価に変化がでるのです。
この変化は、巷で「ジブリの法則」と呼ばれています。
今回は、この法則について、徹底解説していきます。
目次
Contents
ジブリの法則とは?
ジブリ作品が日本のテレビで放送されるのは、主に金曜日の夜9時から始まる「金曜ロードショー」です。
金曜ロードショーでは、数週間にわたってジブリ作品を連続放送するなど、ジブリ作品を頻繁に扱っています。
金曜ロードショーでジブリ作品が放映されると、その後に「円高」と「株価下落」が起こることが頻繁に確認されています。
これがネット上で話題になり、「ジブリの影響」によるものと憶測されるようになりました。
この現象は「ジブリの法則」と呼ばれるようになります。
ジブリ作品が金曜ロードショーで放映される度に、ネット界隈で「ジブリの法則」が叫ばれるようになったのです。
実際、2013年にウォールストリート・ジャーナルに「ジブリの法則」として発表されたほどです。
しかし、ジブリの法則自体には、科学的な根拠はありません。
株取引の法則や理論から見ても、説明できないこのような現象のことをアノマリーと呼びます。
ジブリの法則自体には、科学的な根拠はありません。
「偶然、株価下落、円高が重なっただけではないのか?」とも叫ばれています。
ただ、金曜ロードショーで、ジブリ映画放映後に株価下落、円高が確認されたことが頻繁にあるため、これを「偶然」の一言で片づけるわけにはいきません。
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なぜジブリの法則が起こるの?
ジブリの法則が発生する理由の1つとして、「米国の雇用統計の発表」とジブリ映画の放映日が重なる点が挙げられます。
米国の雇用統計の発表によって、市場に影響が走るため、株価や為替に変動が起こるのです。
金曜日の夜に米国の雇用統計の発表があることで市場に影響が走るため、株価や為替に変動が起こるのです。
2013年~2015年に米雇用統計とジブリの放送日が重なった日と、それぞれの日経平均終値は次のとおりです。
2013/1/4 ハウルの動く城 ▲89円
2013/7/5 耳をすませば ▲200円
2013/8/2 天空の城ラピュタ ▲208円
2013/9/6 紅の豚 +344円
2014/7/4 もののけ姫 ▲57円
2015/10/2 ハウルの動く城 +280円
このデータを見てもわかるとおり、すべてではありませんが下がった日が多いことがわかります。
ジブリ映画の放送日が、米国雇用統計の日に近いがために、「ジブリの法則」が発生している可能性があります。
ただ、ここで不思議なことが1点あります。
それは、米国の雇用統計発表のみでは株価の著しい下落や円高が起こらないことが多い、という点です。
もし、米国の雇用統計発表に、市場が過敏に反応しているのであれば、ジブリ映画が放映されない日でも、変化が大きくでるはずです。
それが、ジブリ映画と米国雇用統計が重なったときに、大きな反応が起こるのです。
ジブリ映画の放映日は、日本国内に周知されているぐらいで、海外の投資家たちは、ジブリ映画が放映されてることなど知りません。
それでも、ジブリ映画が放映されたときに、変動が大きくなっているのです。
これは推測の域をでませんが、ジブリ映画の放送サイクルと株価、為替変動のサイクルが重なっている可能性が考えられます。
株価、為替は、一定期間に上昇、下降のリズムを繰り返しています。
そのリズムに、ジブリ映画の放映が被っているのかもしれません。
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人間の心理面も影響を与えてる?
ジブリの法則が、ネット上で騒がれてる原因として「人間の心理的側面」もあります。
これは「噂」が人々の間で広がるのと同じなのですが、「人を驚かせるような情報は、根拠がなくても広がりやすい」というものです。
週刊誌による芸能人のスクープなど、信憑性が怪しいものでも、興味関心を強く引ければ、すぐに拡散していきます。
TwitterなどのSNSでも同じ現象が起こります。俗に言う「バズる」というものです。
ジブリの法則は、「ジブリ作品が放映されると、市場が反応する」という一種のオカルト的な考えでもあるため、
人々の興味を強く喚起する側面があります。
正確な根拠がないにも関わらず、噂が独り歩きしてしまうのです。
ジブリの法則の場合、幸か不幸か、ジブリ放映後に市場が反応するケースが複数回見られました。
「超常現象」の色を濃くしてしまったことも、興味を惹きつけてる原因と言えます。
金曜ロードショーで、ジブリ映画が放映される度に、必ず株価が下がったり、円高が進行するということはありません。
実際に、株価が上がり、円安が進むことも多々あります。
ただ、「ジブリ映画が悪影響を与える」という面ばかりが、人々の間に印象付けられてしまっているのです。
ギャンブルで、「勝ったことは覚えてるけど、負けた経験は忘れる」という現象と同じ類です。
都合の良い情報は入ってきて、それ以外は弾かれてしまうのです。
これは、人間の脳の構造上、仕方がない面もあります。
もともと、人間は「忘れる」ことで、ストレスを軽減しています。
都合によって情報を選別してしまうのは避けがたいです。
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ジブリの法則以外にもアノマリーがある
ジブリの法則は有名なアノマリーですが、他にも株取引の世界には有名なアノマリーが存在します。
株取引の世界には8月に、次のようなアノマリーがあります。
・夏枯れ相場
8月は次ごとの平均を見ても、株価が最も低い月です。
夏休みに入る市場関係者が多いことが原因と考えられています。
・彼岸底
春分の日前後に株価が底値を記録し、その後反発に向かうことが多いと言われています。
・8月に円高になることが多い
8月は円高になりやすい月とも言われています。
米国債の大量入札と償還が8月中旬に行われること、本邦企業が8~9月に外貨建て資産を回収することが多いことが理由として考えられます。
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ジブリの法則を過信してはいけない
金曜ロードショーで、ジブリ映画が放映されると、TwitterなどのSNS上で「ジブリの法則」を期待するようなコメントが多く流されます。
中には、ジブリの法則を信じて、実際に額を大きく張って投資をする人もいます。
ただ、ジブリの法則を過信するのは避けるべきです。というのも、ジブリの法則は投資理論上の根拠がないからです。
あくまでも、ジブリの法則は「噂」に過ぎず、そのような噂だけを頼りにして投資を行うのは「博打」と同じことになります。
結果として、ジブリの法則が発動されたとしても、それは再現性のある投資ではありません。
根拠がない投資を継続すると、いつしか資産は底をついてしまいます。
本気で資産を増やすことを目的とするなら、ジブリの法則を信じることはお勧めしません。
話題作りや余裕資金の範囲内で、ジブリの法則を検証するのは、まだ良いかもしれません。
しかし、資産運用としてジブリの法則を利用することは到底できません。
ジブリの法則を信じて投資を行うことは、競馬やパチンコなどのギャンブルと何ら変わりません。
統計や業績など、根拠に基づいた投資を行うことが、資産を増やす投資に繋がります。
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今後もジブリの法則は騒がれる?
毎回の金曜ロードショーで、ジブリ映画が放映される度に、「ジブリの法則がネット上」で話題になります。
今後も、ジブリの法則が騒がれることに変わりはないでしょう。
最近では、雑誌やネットコラムでも、ジブリの法則を取り上げて、投資家たちの興味関心を惹きつけようとする向きがあります。
ただ、ジブリの法則を信じて、長期的に利益を出すことはまず困難です。
たまたま、1回ジブリの法則がはまって、利益を出せたとしても、次も同じように利益を出せる保証はありません。
ジブリの法則を肯定している記事は、内容を疑ってかかった方が無難と言えます。
ジブリの法則に限らず、根拠に乏しい法則や理論が、ネット上に広がっています。
そのような法則、理論はあくまでも「1つの情報」として捉えてください。
それらを過信して、投資を行うことは辞めておきましょう。
2020年は、米中貿易摩擦やイギリスのEU離脱などが起こっており、世界経済の状況は予断を許さない状態です。
ジブリの法則は確かに興味深いですが、他にも株価相場の下落が起こりそうな要因はいくらでもあります。
ですから、ジブリの法則などにばかり目を奪われることなく、世界情勢などをしっかりと注視していくことが重要です。
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まとめ
ジブリの法則は、ジブリ映画がテレビで放映された後に、株価が下がったり、円高が進行するという現象を指します。
ただ、この現象には経済学的な根拠がなく、単に米国の雇用統計発表と被ったり、人の心理によって強調されてる面が強いです。
実際に、ジブリ映画が放映された後に、必ず市場が反応するというものではありません。
現在も、金曜ロードショーでジブリ映画が放映されると、SNS上でジブリの法則が叫ばれますが、このような情報に踊らされてはいけません。
ジブリの法則を過信して、投資を行うことは「ギャンブル」に等しいです。
投資を行う際は、正確な情報や統計に基づいて、論理的に行うことが大切になります。
ネット上の情報に惑わされずに、投資と向き合っていきましょう。
以上、【ジブリの法則とは?】金曜ロードショー・映画の後に株価が上がる?ネットで騒がれている都市伝説について解説!…でした。