東京証券取引所は、第一部、第二部、マザーズ、ジャスダックの4つに大別されています。
現物株の取引は勿論のこと、先物取引も行われています。
中でもジャスダックはベンチャー企業などの成長企業が多く上場しており、株価が急上昇する企業も少なくありません。
今回は、そんなジャスダック上場企業の先物取引について詳細に解説していきます。
ジャスダックとは?
ジャスダックとは、東京証券取引所にて開設されている株式市場です。
主にベンチャーなどのスタートアップ企業が所属する市場となります。
上場の登竜門的な位置づけがなされております。
現在、東証一部・二部に所属している企業も最初はジャスダックからのスタートであった企業が多く存在します。
例えば、家電量販店のノジマ、焼き鳥居酒屋チェーンの鳥貴族などが挙げられますね。
また、現在もジャスダックに上場している大企業として、日本マクドナルド、ワークマン、セリアなどが挙げられます。
ジャスダックは、「スタンダード」と「グロース」にそれぞれ市場が分かれています。
スタンダードは主に老舗企業が上場しています。
スタンダードに所属するためには一定の規模、利益が要件となっております。
起業したばかりの会社にとっては少々条件の壁が高くなっています。
グロースは、スタートアップの企業が中心となっています。
こちらの市場は赤字企業であっても成長可能性が高いと判断されれば上場が可能です。
利益の条件もないので、将来性があるビジネスをしている企業にとっては有利な市場ですね。
以下の通り、グロースには上場基準に利益又は時価総額の基準が設けられていません。
ジャスダックのスタンダード、グロースの市場規模を比べると、スタンダードのほうが圧倒的に大きいです。
2019年9月現在、スタンダードに上場している銘柄数は673、グロースに上場している銘柄数は36となっております。
グロース市場に上場する際の条件が曖昧な面もあり、スタンダードの条件を満たして確実に上場する企業が多い様です。
先物取引とは?
先物取引とは、「将来の売買を約束する取引」です。
現時点において、将来の売買価格や個数を約束して、期日になったら契約した価格、個数の売買を行うのです。
先物取期は、もともと株式市場ではなく穀物などの原材料を取引する市場で利用されていました。
穀物や野菜は天候や天災の影響を直に受ける為、
大量に仕入れを行う業者にとっては価格急騰や個数不足等のリスクがついてまわります。
このリスクを回避するために、先物取引を行って安定して買入ができるようにしたのです。
ただ、先物取引で設定した価格よりも期日の現物価格の方が安い可能性もあります。
それらを考慮した上で、先物を選択するか否か決定していいきます。
株式投資における先物取引は、「株価指数」をもとに行われます。
これを「株価指数先物取引」と呼びます。
株価指数の代表例として日経平均株価やTOPIXなどが挙げられますね。
これらの指数を原資産として売買が行われます。
先物取引では、現物の受け渡しは行われず、「指数の売買」となります。
よって、最終的には期日における精算価格と先物価格の差額が利益として入ってきたり、損失として支払うことになります。
国内の株価指数を対象とした先物取引は以下の通りです。
対象指数 | 先物取引の種類 |
日経平均株価 | 日経225先物 |
日経225mini | |
日経225オプション | |
Weekly オプション | |
TOPIX | TOPIX先物 |
ミニTOPIX先物 | |
TOPIXオプション | |
JPX日経インデックス400 | JPX日経インデックス400先物 |
JPX日経インデックス400オプション | |
東証マザーズ指数 | 東証マザーズ先物指数 |
TOPIX Core30 | TOPIX Core30先物 |
東証銀行業株価指数 | 東証銀行業株価指数先物 |
東証銀行業株価指数オプション |
ジャスダックの先物はあるの?
ジャスダックにも株価指数として「日経ジャスダック平均株価」と呼ばれるものがあります。
この指数はジャスダックに上場する全銘柄を対象にして平均株価を算出されたものです。
ジャスダックがかつて店頭取引として扱われていたことから、最初は「日経店頭平均株価」と呼ばれていました。
平均株価は日経平均株価と同じく単純に株価の絶対値が大きい銘柄の構成比率が大きくなります。
過去10年の値動きは以下の通り3倍以上に上昇しました。
直近はコロナショックの影響もあり大幅に下落しています。
残念ながら、今のところ日経ジャスダック平均株価を原資とした先物は存在しません。
よって、ジャスダックはまだ現物での取引のみということになります。
ジャスダックに上場している企業は、スタートアップの企業が多く、まだまだ安定的な経営ができていない所もあります。
したがって、短期間のうちに倒産してしまう企業もあります。
入れ替えが激しい市場で先物取引を行ってしまうと、指数の対象となる企業が倒産している可能性があり、
適正な価格が反映されなくなってしまうのです。
東証第一部・第二部のように経営が安定している企業であれば、先物取引を行っても期日までに企業が倒産する可能性は低いです。
仮に倒産するとしても、倒産前の前兆が表にでてきます。
ただ、ジャスダックの場合、企業内の情報が適正に公開されていない場合もあり先物の対象にするにはリスクがあります。
今後、ジャスダックの先物が出てくる可能性はゼロではありません。
しかし、現状としてはジャスダックを利用して先物取引はできませんので注意してください。
初心者におすすめの先物
ここまで読んで頂いて、「ジャスダックは利用しなくても良いから、先物取引をしてみたい」と思っている方におすすめの先物として「日経先物225」が挙げられます。
日経先物225は日経平均株価を対象とした株価指数先物取引となります。
日経平均株価は、東京証券取引所一部に上場する株式のうち「225」銘柄を対象にして算出されています。
日経225銘柄については当サイトでも個別株分析としてまとめています。
日経先物225が初心者の方におすすめな理由は、この先物自体が「リスク分散」を行えている点です。
225もの銘柄で構成されているため、仮に1つの企業の業績が大幅に悪化したとしても指数全体はそこまで降下しません。
急激に高騰することも少ないですが、その分、価格推移があまり激しくならない面があります。
「日本の経済全体」を対象とするため、1つ1つの企業を細かく分析する必要もそこまでありません。
先物で何に投資すればよいか分からない場合は、日経先物225から始めてみてください。
まとめ
ジャスダックの指数を利用した先物取引は、現時点で存在していません。
今後、登場してくる可能性はゼロではありませんが、ジャスダック市場の性質上、なかなか実現は難しいでしょう。
先物取引をしたいと考えてる方は、東証一部上場企業を対象とした日経先物225がおすすめです。
比較的、値動きが安定している先物を使って、投資経験を積んでいきましょう。
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