【7082】ジモティーの初値を予想!2020年最初のIPO銘柄を紐解く。

【7082】ジモティーの初値を予想!2020年最初のIPO銘柄を紐解く。

ジモティー(7082)の上場日は2/7(金)で、上場市場は東証マザーズとなります。

主幹事は大和証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は1月23日(木)~1月29日(水)となっています。

 

今回はジモティーの目論見書を元にどのような企業なのか業績を含めてチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。

また、最後に分析した内容を元にジモティーの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。

 

ジモティーのIPOスケジュール

ジモティーの主幹事は国内大手5社の一角、大和証券です。

上場規模は14億円程度と、東証マザーズでは小型の部類に入ります。

ブックビルディング期間1月23日(木)~1月29日(水)
市場東証マザーズ
公募価格決定1/30(木)
購入申し込み期間1/31 (金) ~ 2/5 (水)
上場予定2月7日(金)
当選株式数公募5万株  売出122万700株

(オーバーアロットメントによる売出19万600株

想定価格960円
仮条件価格
公募価格

 

 

ジモティーの各証券会社の割り当て

それでは、ジモティーの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。

 

証券会社株数割当率
大和証券(主幹事)
みずほ証券
SBI証券
藍澤證券
岩井コスモ証券
松井証券
いちよし証券

 

ジモティーの事業内容

ジモティーの基本スペックは以下のとおりです。

社名株式会社ジモティー
コード番号7082(東証マザーズ)
設立2011年
資本金33,569,000円
本社所在地東京都品川区西五反田1-30-2
代表者代表取締役社長 加藤 貴博
従業員数41人
事業内容クラシファイドサイト「ジモティー」の企画・開発・運営

 

クラシファイドサイトとは、インターネット広告の形態の一つで、数行程度の短い広告文章を分類・集約して表示するタイプのWebサイトやサービスのことです。

 

ジモティーの事業内容

ジモティーは、地元の様々なカテゴリの情報を掲示板形式で掲載するサービスを運営しており、投稿は個人法人に関わらず無料で行うことが可能です。

掲載情報のカテゴリは、「中古品の売買」、「アルバイト情報」、「ペットの里親募集」など多岐に渡ります。

「300坪の土地を無料でお譲りします」、「いらなくなった冷蔵庫を差し上げます」といった不用品を地元でリユースする目的での投稿が多くなっています。

 

ジモティーの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る

新規発行による手取り額

 

ジモティーは上場することにより手数料を引いた手取り金額で2.2憶円の資金を獲得します。

資金使途は後述のとおりです。

 

調達資金の使途

 

調達資金ですが、以下の用途に充当予定とのことです。

 

  • 本社オフィス移転費用:事業拡大のための本社オフィス移転に伴う内装設備及び敷金差入の投資資金として38,000千円、本社オフィス移転に伴い増加する賃料等の資金として45,000千円を充当予定

 

  • 社内基幹システム構築:業務効率向上を目的とした、社内基幹システム構築のための投資資金として50,000千円を充当予定

 

  • サーバー費用:ユーザー数増加に伴う、サーバー費用等の増加に対応する資金として30,000千円を充当予定

 

  • 人材採用費及び人件費等:今後の事業拡大に伴い、専門的知識を有した優秀な人材の確保のための採用活動費に16,000千円、カスタマーサポートに係る人件費の増加分に44,000千円を充当予定

 

ジモティーは調達した資金を自社の発展のために用いる計画であった様子です。

特に規模の拡大のための本社機能の拡充、サービスの円滑な提供及び人材の確保が大きな課題です。

それを解決するための上場であると捉えることもできます。

 

目論見書からみるジモティーの売上高と利益推移

本項目では、ジモティーの業績を分析していきたいと思います。

売上高の推移

 

 売上高(千円)
2014年12月期57,652
2015年12月期122,182
2016年12月期340,238
2017年12月期660,296
2018年12月期983,643
2019年12月期935,892

 

上記のとおり、2018年12月期から2019年12月期にかけて売上高が減少しているものの、同社の売上高は概ね堅調に上昇していることがわかります。

 

経常利益の推移

 

 経常利益(千円)
2014年12月期-103,852
2015年12月期-327,189
2016年12月期-686,849
2017年12月期-380,730
2018年12月期7,061
2019年12月期152,252

 

経常利益は2017年12月期までマイナスでしたが、2018年12月期に黒字化に成功し、2019年12月期には前年を大幅に上回る経常利益を計上しました。今後安定的に経常黒字化できるかどうかが課題と言えそうです。

 

EPSもプラスに転じる

 

 EPS(円)
2014年12月期-41.04
2015年12月期-88.69
2016年12月期-153.63
2017年12月期-81.93
2018年12月期3.94
2019年12月期25.67

 

EPSは2016年12月期大きなマイナスとなりましたが、その後は堅調な成長を見せ、2018年12月期に若干のプラスとなった後、2019年12月時点で25.67と前年比大幅増加しています。

 

ジモティーの上位10位までの大株主とロックアップ情報

 

株主名保有比率ロックアップ情報
(株)オプトホールディング30.68%90日間
(株)NTTドコモ16.22%90日間
(株)プロトコーポレーション10.71%90日間
IVP Fund Ⅱ A,L.P.9.32%90日間
加藤 貴博8.71%180日間
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合5.49%90日間
IVP Fund Ⅱ B,L.P.4.91%90日間
(株)LIFULL4.29%90日間
EEIスマートエナジー投資事業有限責任組合4.02%90日間
ジャパンベストレスキューシステム(株)2.14%90日間

 

ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。

 

上位株主には軒並みロックアップが付されています。

加えて、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねているため、エグジット上場である可能性がありますので注意が必要です。

 

ジモティーの初値予想

ここでは編集部独自のジモティーの初値予想を公開していきたいと思います。

ジモティーの総合評価

ジモティー購入のメリット

  • 急成長中の企業であり、今後の期待が高い
  • IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
  • 発行株式数が少なく、比較的値上がりしやすい
  • 人材ビジネスは利益率が高い

 

ジモティー購入のデメリット

  • 上場規模が小さく、株価が乱高下しやすい
  • 競合の参入により、業績が悪化する可能性がある
  • 上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねており、エグジット上場の可能性がある

 

ジモティーの初値予想は1,116

ジモティーのEPSは2018年12月末時点で3.94、2019年12月末時点で25.67でした。

 

現状、ジモティーと同様にクラシファイドサイト専業の企業は存在しません。

ジモティーの競合として考えられる上場企業として、web広告企業であるトランスコスモス、サイネックス等が考えられます。

競合他社のPER及びEPSから推定株価を算出します。

 

企業名PEREPS
トランスコスモス26.62106.90
サイネックス12.6048.36
オプト19.4713.80
インタースペース27.4238.33

 

ジモティーの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合4社の平均値である21.53倍を用いることとします。

EPSは、同社が直近まで赤字であったことから、競合4社のEPS平均値である51.85を用います。

 

以上より、想定初値は、PER21.53倍×EPS51.85=1,116円程度となります。

 

まとめ

2月7日上場のジモティーですが、業績が直近2期は黒字です。

黒字化して間もないことに加え、エグジット上場である可能性があります。

 

2020年最初のIPO銘柄であるだけに注目は高いです。

2020年にさらに業績を拡大することができれば、株価も安定的に上昇していくと思われます。

今後どのように調達した資金を用いて会社規模を拡大していくのかに注目が集まりそうです。

 

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2020年2月2日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。