株式投資初心者の方が投資について学んでいくと、様々なところで「損切り」(ロスカット)が大切と言われていることに気付くと思います。
「損切り」とは、含み損を抱えている投資商品を売却して、損失を確定させることを言います。
なぜそんなことをする必要があるのか?
疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、損切りは株の世界で生き残っていくためには欠かせないテクニックです。
ここではなぜ損切りする必要があるのか、どのように損切りを行うのかを説明していきます。
目次
Contents
損切りとは?
「損切り」とは、含み損を抱えている株などの投資商品を売却し、損失を確定させることです。
具体的には20万円で購入した株式を18万円で売却してしまうことです。
これでは2万円(10%)もの損が出てしまいます。
投資をする方の多くは資産を増やすために投資をしているのではないかと思います。
その理由は損失を拡大させないためにあります。
さらに具体的に解説していきます。
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損切りをしなかった場合に起きること
運が良ければ価格が上昇して含み損はなくなり、転じて「含み益」となるかもしれません。
しかし運が悪かった場合は、含み損はさらに拡大してしまいます。
最悪の場合だと、保有していた銘柄の上場廃止などによって資産が全て失われる可能性もあります。
たった1回のミスによって全ての資産が失われるというのは、あまりにリスクが大きすぎますよね。
そうならないためにも、損切りはしっかりと行う必要があります。
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損切りをするタイミング
損切りは含み損がある時にするものですが、そのタイミングは投資方法によって違います。
含み損がほとんどない状態で損切りすることもありますし、含み損が大きくなっても構わないということもあります。
ここからはどのようなタイミングで損切りをすればいいのかを、具体的な例を交えつつ紹介してみたいと思います。
個人のルールを定める
基本的な損切りタイミングの決め方として、「自分でルールを決めてしまう」という方法があります。
例えば、とある株に投資したとします。
その銘柄は成長が著しく、株価も10%ほど上昇するのではないかと予想しました。
しかし、予想が当たることは珍しいことですので、利益が5%出たら利益確定、
予想とは裏腹に反対に株が動いてしまった場合、5%と損失を確定するといった具合です。
これは一例ですが、ポイントは自分の感情に振り回されることなく、「必ず」ルールを守ることが重要です。
予想外の出来事が起こった場合
相場の世界では予想外の出来事がよく起こります。
投資していた企業が、大手取引先との契約を終わらせたと突然発表することもあるでしょう。
予想外の出来事が起きた時に、それが自分の投資先に悪影響を及ぼすかもしれないと思ったら損切りを考えましょう。
株価が上昇すると予想していたとしても、そうなるためにはいくつかの前提条件があったはずです。
予想外の出来事でその前提条件が崩れてしまうと、株価も予想通りに動かない可能性が大いにあります。
損切りを考えた方が良いというわけです。
上記のチャートをご覧ください。
順調に株価が上昇していたにもかかわらず、2,492円を付けてから、トレンドが転換し、株価が下降していることがわかります。
今なら株価が下落するということがわかりますが、この相場の最中にあった場合、それを判別することはできますか?
矢印の時点(1,905円―2,440円)で出来高が増加したことからも、相場のトレンドが転換したことがわからずに、
買いを入れた相場参加者が多く存在したことがわかります。
さて、こうした場面で2,000円で買いを入れたとします。
どうすればよいのでしょうか?
株価推移をみると1か月後にはおよそ半値になっています。1年後には1/4まで下落しています。
こうならないためにも「あがる」と思って購入した銘柄が逆に動いたら、迷わず一旦ポジションを清算しましょう。
このように、戦略的に資産の減少を防止するために行うポジションの整理がロスカットなのです。
自分の想定通りに相場が展開しない場合の対処方法はロスカットしかないと肝に銘じておきましょう。
よく「ロスカット直後、株価が反転した」ということも存在することは確かです。
しかし、ロスカットはすべきであると考えます。
上図のドリコムの場合、即ロスカットすることで、1年後には3倍もの株式を購入することができることがわかります。
大きな含み損を持ちながら100株保有するよりは、新たに3倍もの300株を購入したほうが利益を上げやすくなります。
精神衛生上もすっきりして不安などを抱えることがなくなるからです。
価格に変動がない
とある銘柄に投資してみたものの、長い間価格が動かない場合にも損切りを考えて良いかもしれません。
株価が上昇すると思っていたのに値動きがなかったのなら、それは想定外の出来事が起きているとも言えます。
もちろん意図的に価格の変動がない銘柄へ投資をしている場合は構いません。
しかし、そうでない場合は一旦損切りして、新たに他の銘柄へ投資してみても良いかもしれません。
■ 超初心者が覚えるべきテクニカル・ポイント:
- ロスカットは相場の必要経費だと認識しましょう。
- ロスカットの判断が遅れると大きな損失を被ります。自分の想定と逆に動いたら即ロスカットしてしまいましょう。
- 早期にロスカットを行うことで、後々多きな利益を上げやすくなります。
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損切りができない・株がどうしても売れない人も?その理由。
あらゆる所で損切りは大切だと言われていますが、損切りがなかなか出来ない投資家もいます。
損切りをした方が良いと頭ではわかっていても、実際に行動を起こせないのです。
結局損切りが出来ずに相場から退場してしまったり、退場しなかったとしても大きな含み損を抱えたまま。
いわゆる「塩漬け株」を作ってしまい何も出来なくなってしまったりする投資家がいます。
そういった投資家たちが損切り出来ないのにはいくつかの理由があります。
損切り出来ない理由には2つあり、まずひとつ目は損失を確定させたくないからです。
損失を確定させるまでは実際にお金が減ったわけではないと、心のどこかで思っている投資家もいます。
実際は評価額が減っているのでお金が減っていることには間違いありません。
しかし、売却することで言い逃れ出来ない状況になってしまうので損切りが出来ないのです。
そしてふたつ目は、運が良ければ含み損がなくなって含み益になるのではないかという淡い期待を抱いているからです。
たしかに含み損がなくなる可能性もありますが、この選択の危険性は先ほど説明した通りです。
一度この方法で助かった方は二度三度と同じように繰り返すこともあります。
しかし、運良く何回か助かったとしても助かり続けることはほぼ不可能なのです。
最終的には塩漬け株を作ってしまうことになる可能性が非常に高いでしょう。
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損切りが出来るようになるには
損切りするのが難しいという方は、損切りが出来るようになる方法がいくつかあるので、まずその方法を試してみましょう。
最初は難しいと思っていても、損切りすることに慣れてくると自然に出来るようになります。
最終的にはこれらの方法を使わなくても損切り出来るようになるので、まずは練習と思って試してみてください。
少額で投資する
あなたに資産が100万円あるとしましょう。
全額を投資して30万円の含み損となってしまった時、あなたは損切りができますか?
損切りするのが難しいと答える方も多いのではないでしょうか。
このように、資産に対して含み損が大きすぎると、なかなか損切りしにくくなってしまいます。
そうならないように、まずは少額で投資をしてみましょう。
損切りの感覚に慣れてから、資金は大きくしていくのが良いでしょう。
10万円を投資して3万円の含み損が生まれてしまったとしても、30万円の含み損と比べると損切りしやすいはずです。
自分にとってどの程度なら損切りがしやすいのかを考えて、それに見合った額で投資してみましょう。
逆指値注文を使う
「逆指値注文」とは、指定した価格よりも高くなったときに自動的に買ったり。
指定した価格よりも安くなったときに自動的に売ったり出来る注文方法です。
株を買ってすぐに損切りポイントで逆指値注文をしてしまえば、
株価が下がって含み損になった時に自分の意思とは関係なく自動的に損切りをすることができます。
出来ることなら損切りは自分の意思で行えるのが一番ですが、
自分の意思で損切り出来ないかもしれないと思ったらこういった自動注文を使う方法もあります。
自動注文には逆指値注文以外のものもあるので、より自分に合ったものがないか探してみても良いかもしれません。
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まとめ
投資では利食いの事ばかりを考えてしまいがちですが、損切りも利食いと同等かそれ以上に重要です。
利食いに比べて心理的なハードルが高く、損をするだけなので出来る限り考えたくないかもしれません。
しかし、長く投資生活を続けるには欠かせない技術なので、しっかりと出来るようになっておくことをおすすめします。
株の「買い時」などについては世界の投資家ウォーレン・バフェット氏のコンテンツ「ウォーレン・バフェットが考える株式銘柄の買い時(タイミング)を株価サイクルの上昇・下落・調整などの局面から解説。」も参考にしてみてください。
以上、株式投資における損切りとその適切なタイミングとは?損切りしない・できない・株を持ち続けて売れない人の特徴を紹介。…の話題でした。