【7094】東証マザーズ小型案件のNexToneの初値を予想!エイベックスの著作権により業績拡大中。

NexToneの初値を予想

NexTone(7094)の上場日は3/30(月)で、上場市場は東証マザーズとなります。

主幹事はSMBC日興証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は3月12日(木)~3月18日(水)となっています。

 

今回はNexToneとはどのような企業なのかを目論見書を基に、

事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。

 

また、NexToneの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。

NexToneIPOスケジュール

NexToneの主幹事は国内大手5社の一角、SMBC日興証券です。

上場規模は、想定時価総額57.9億円、吸収金額20.0億円程度と、東証マザーズではやや大型の部類に入ります。

ブックビルディング期間3月12日(木)~3月18日(水)
市場東証マザーズ
公募価格決定3月19日(木)
購入申し込み期間3月23日(月)~3月26日(木)
上場予定3月30日(月)
当選株式数公募375,000株、売り出し550,700株、オーバーアロットメント138,800株
想定価格1,880円
仮条件価格
公募価格

 

NexToneの各証券会社の割当

それでは、NexToneの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。

証券会社株数割当率
SMBC日興証券(主幹事)-株-%
岡三証券-株-%
東海東京証券-株-%
SBI証券-株-%
マネックス証券-株-%

 

NexToneの事業内容

NexToneの基本スペックは以下のとおりです。

社名株式会社NexTone
コード番号7094(東証マザーズ)
設立2000年
資本金819,762,000円 (2020年2月25日現在)
本社所在地東京都渋谷区広尾一丁目1番39号 恵比寿プライムスクエアタワー20F
代表者代表取締役CEO 阿南 雅浩
従業員数62人
事業内容著作権等管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション事業、キャスティング・コンサルティング事業等

 

NexToneの事業内容

NexToneは、楽曲著作権者と利用者の間に立って、著作権の管理と利用促進を推進する著作権エージェントサービスを提供しています。

同社は、はエイベックス株式会社の持分法適用関連会社です。

経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる」ことを社訓としています。

 

著作権者自らがすべての利用者と交渉し、著作権使用料を受領することはできないため、

同社が間に立って音楽作品を管理しています。

 

同社は、音楽コンテンツを保有するレコードメーカーや音楽プロダクション、音楽出版社、アニメ・ゲームメーカーなど600社以上の権利者との契約を保有しています。

今では国内屈指のデジタルディストリビューターとして、音楽配信市場に特化した多くのノウハウを蓄積しています。

 

NexToneの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る

新規発行による手取り額

NexToneは上場することにより手数料を引いた手取り金額で6.39憶円程度の資金を獲得します。

資金使途は後述のとおりです。

 

調達資金の使途

調達資金ですが、目論見書によれば以下の用途に充当予定とのことです。

 

  • NexToneシステムズの各種システムの開発費として、3,700万円(2021年3月期)、2,800万円(2022年3月期)を充当予定

 

  • 著作権管理事業におけるシステムの開発費として、1億9,200万円(2021年3月期)、8,000万円(2022年3月期)、860万円(2023年3月期)を充当予定

 

  • 管理業務強化に係る基幹統合システムの開発費として、7,400万円(2022年3月期)を充当予定

 

  • 本社オフィス拡張に伴う設備投資のための資金として、2,700万円(2020年3月期)、1,200万円(2021年3月期)を充当予定

 

  • 増加する人員に係る採用・教育費も含む人件費として、4,200万円(2021年3月期)、5,500万円(2022年3月期)を充当予定

 

  • 権利者および利用者にむけての広告宣伝費として、1,500万円(2021年3月期)、1,800万円(2022年3月期)を充当予定

 

  • 本社オフィス拡張に伴い新たに発生する賃借料として、2,500万円(2021年3月期)、2,500万円(2022年3月期)を充当予定

 

NexToneは調達した資金を規模の拡大、設備投資及び財務体質の改善のために用いる様子です。

業績も好調で、資金需要の旺盛な上場に向いている企業であると考えられます。

 

目論見書から見るNexToneの売上高と利益推移

本項目では、NexToneの業績を分析していきたいと思います。

売上高の推移

 売上高(千円)
2015年3月期1,034,758
2016年3月期1,172,755
2017年3月期1,604,432
2018年3月期2,331,899
2019年3月期3,239,801
2019年12月3,181,089

※2018年3月期より連結ベースの値です。

上記のとおり、同社の売上高は堅調に上昇していることがわかります。

2020年3月期は、2019年12月までの数値を4/3倍すると4,241,452千円程度の売り上げが見込まれ、

前年比大幅なプラスとなりそうです。

 

経常利益の推移

 経常利益(千円)
2015年3月期60,859
2016年3月期46,643
2017年3月期36,085
2018年3月期103,467
2019年3月期186,254
2019年12月251,720

※2018年3月期より連結ベースの値です。

経常利益も、連結ベースになって以降は売上高同様安定的に推移しています。

2020年3月期は、このままのペースで推移すれば335,627千円となる見込みです。

 

EPSの推移

 EPS(円)
2015年3月期14.61
2016年3月期-114.75
2017年3月期19.60
2018年3月期27.19
2019年3月期47.93
2019年12月65.80

※2018年3月期より連結ベースの値です。

EPSもおおむね堅調に推移しています。

2020年3月期も、このままのペースで推移すれば前年比プラスの見込みです。

 

NexToneの上位10位までの大株主とロックアップ情報

株主名保有比率ロックアップ情報
エイベックス・ミュージック・パブリッシング(株)26.48%180日間
(株)フェイス10.05%180日間
(株)アミューズ10.05%180日間
(株)JRCホールディングス8.63%180日間
三野 明洋8.25%180日間
(株)ソニー・ミュージックエンタテインメント4.42%180日間
(株)創通3.95%180日間
(株)博報堂DYメディアパートナーズ3.35%180日間
(株)コーエーテクモゲームス3.01%180日間
(株)インターネットイニシアティブ2.34%

 

ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。

上位株主には軒並みロックアップが付されています。

上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねていませんので、上場時の売り圧力は小さいと考えられます。

 

NexToneの初値予想

ここでは編集部独自のNexToneの初値予想を公開していきたいと思います。

NexToneの総合評価

 

NexTone購入のメリット

  • IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
  • 業績面が安定している
  • 小型上場のため、需給面に不安が少なく株価が上昇しやすい
  • 上位株主にVC等が存在しない

 

NexTone購入のデメリット

  • 小型株のため株価が乱高下しやすい
  • 業績が悪化した場合株価が急落する可能性がある
  • 業種が不人気である
  • 同日にニッソウとバリオセキュアの上場が控えており、資金が分散してしまう
  • 株式市場の市況が悪い

 

NexToneの初値予想は2,401

NexToneのEPSは2018年3月末時点で27.19、2019年3月末時点で47.93、2019年12月末時点で65.80でした。

現状、NexToneと同様のサービスを提供している上場企業はありません。

 

NexToneと類似するサービスを提供すると考えられる上場企業として、音楽・エンターテインメントサービスに従事する企業であるエイベックス、オリコン等が考えられます。

競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。

 

企業名PER
エイベックス40.47
オリコン14.65
スペースシャワーネットワーク39.00
日本コロムビア14.73
スクエアエニックス31.19

 

NexToneの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合5社の平均値である28.01倍を用いることとします。

EPSは、同社の最新の業績を反映し、2020年3月期の理論値である85.73を用いることとします。

以上より、想定初値は、PER28.01倍×EPS85.73=2,401円程度となります。

 

まとめ

3月30日上場のNexTone。

業績や利益水準も安定的に推移している点で評価できます。

一方、3月30日はニッソウバリオセキュアの3社同時上場であり資金が分散してしまう恐れがあります。

3社の中では注目度も高く、マイナス要素も少ない点で評価できます。

 

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2020年2月2日

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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。