10月2日上場予定のIPO「レオクラン」。レオクランは東証二部に上場予定の中型IPOです。
今回はレオクランとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、レオクランの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
レオクランのIPOスケジュールと各証券会社の割当
レオクランの主幹事はIPOに定評のあるSMBC日興証券です。
また当選株数も484,400株と少ないため、勢いに乗れば意外高も期待できるIPOであるといえます。
レオクランのIPOスケジュール
ブックビルディング期間 | 9月13日(金)~9月20日(金) |
市場 | 東証二部 |
公募価格決定 | 9月24日(火) |
購入申し込み期間 | 9月25日(水)~9月30日(月) |
上場予定 | 10月2日(水) |
当選株式数 | 484,400株 |
仮条件価格 | - *1 |
*1:仮条件価格は9月12日に決定されます。
レオクランの各証券会社の割当*2
証券会社 | 株式数 | 割当率 |
SMBC日興証券(主幹事) | ||
みずほ証券 | ||
大和証券 | ||
野村証券 | ||
エース証券 | ||
SBI証券 |
*2:割当率や株式数などは、仮条件決定時(9月12日)付近に発表されます。
レオクランの事業内容
レオクランの基本スペック
社名 | 株式会社レオクラン |
設立 | 2001年1月12日 |
資本金 | 3億3150万7千円 |
本社所在地 | 大阪府摂津市千里丘2丁目4番26号 |
代表者 | 代表取締役 杉田昭吾 |
従業員数 | 109名 |
グループ会社 | (株)ゲイト (株)レオクラン東海 京都プロメド(株) (株)医療開発研究所 (株)L&Gシステム |
レオクランの事業内容
レオクランは医療機関向けに医療機器・医療設備を販売するメディカルトータルソリューション、医療用画像の遠隔診断をおこなう遠隔画像診断サービス、介護福祉施設向けの給食サービスを中心にサービスの提供を行っています。
ⅰ.コンサルティング
全体・最適を考えた医療機器整備、効率的な施設の運営計画など医療機関を多角的にサポートするコンサルティング業務を提供しています。
ⅱ.建築・設備
最適な空間、同線を実現するための医療機器のレイアウトプランの作成を行っています。
ⅲ.ヘルスケア
医療分野で培ったノウハウを予防医療の分野でも提供しています。
ⅳ.医療機器
最適な医療機器の選定、施設の設備投資計画に合わせた医療機器の更新や保守点検サービスを提供しています。
ⅴ.情報系コンサルティング
医療情報システムの導入支援などICTに係る様々な悩みをサポートしています。
見てきたようにレオクランは医療機関に医療機器・医療設備を販売するメディカルトータルソリューション、医療用画像の遠隔診断をおこなう遠隔画像診断サービス、介護福祉施設向けの給食サービスを中心に事業を展開しています。
レオクランの上場理由とは?上場で得た資金の使い道を探ろう!
レオクランは上場して得た資金をどのように活用するのでしょうか?
ここでは目論見書から資金のつかいみちを探っていきたいと思います。
新規発行による手取り金額
レオクランは上場することにより手数料を引いた手取り金額で452,377千円の資金を獲得します*3。
*3:有価証券届出書提出時における想定発行価格(3,070円)を基礎として算出した見込額です。
手取り金の使途
ⅰ.医療画像システムの更新にかかるシステム投資資金:45,000千円
ⅱ.販売管理システムの更新にかかるシステム投資資金:20,000千円
ⅲ.営業強化のための採用費:75,000千円
ⅳ.借入金の返済費:188,650千円
ⅴ.社債の償還資金:88,200千円
レオクランの上場で得た資金の使途を見ると、借入金の返済が188,650千円、社債の償還資金が88,200千円になっていることから上場で得た資金の半分以上を借金の返済に充当することがわかります。
よって、上場理由は少々後ろ向きの理由からではないかと勘ぐってしまいたくなる資金の使途になっています。
目論見書からみる『レオクラン』の売上高と利益推移
ここではレオクランの業績を分析していきたいと思います。
大幅に回復し最高を更新している売上高
以下はレオクランの売上高の推移です。
売上高(千円) | |
2014年9月期 | 18,941,462 |
2015年9月期 | 25,705,441 |
2016年9月期 | 20,521,030 |
2017年9月期 | 19,060,958 |
2018年9月期 | 25,715,941 |
2019年6月期 (第三四半期) | 28,248,468 |
レオクランの売上高は一見すると、不安定に推移しているように見えます。
しかし、連結での売上高の推移は順調に右肩上がりになっていることがわかります。
2019年度も3Qですでに前年度の売上高を超過しているため、本決算に期待の持てる状況であるといえます。
最高益を大幅に更新する純利益の水準
当期純利益(千円) | |
2014年9月期 | 8,205 |
2015年9月期 | 514,661 |
2016年9月期 | 391,391 |
2017年9月期 | 242,509 |
2018年9月期 | 357,645 |
2019年6月期 (第三四半期) | 715,723 |
純利益も売上高同様、一見すると不安定な推移に見えますが、連結での経常利益は驚異的な伸びを示していることがわかります。
2019年度も3Qですでに前年度の利益を大幅に超過していることから、経営状態は良好であることがわかります。
1株あたり利益(=EPS)の伸びは緩やか
株価は『1株あたり利益(=EPS) × PER』で算出されます。
EPSは『純利益 ÷ 発行済株式数』で算出されます。
たとえ純利益が上昇したとしても、発行済株式数自体が上昇すればEPSは上昇しません。
以下はレオクランのEPSの推移です。
当期純利益(円) | |
2014年9月期 | 9.37 |
2015年9月期 | 582.09 |
2016年9月期 | 398.57 |
2017年9月期 | 246.95 |
2018年9月期 | 323.64 |
2019年6月期 (第三四半期) | 401.64 |
当社は、2015年8月10日付で普通株式1株につき2株の割合で、2018年9月13日付で普通株式1株につき200株の割合で株式 分割を行っております。上記「1株当たり純資産額」及び「1株当たり当期(四半期)純利益」の各グラフでは、第14期の期首 に当該株式分割が行われたと仮定して算定した場合の数値を記載しております。
引用:レオクランの目論見書
株式分割を行なった前提での推移となっているので、株式分割の効果は除外されています。
つまり利益は伸びていますが、発行済株式数自体も伸びているので純利益ほどEPSの伸びは大きくなっていません。
今期もこのペースだとEPSでは最高値は更新できない状況ということができるでしょう。
レオクランの上位7位までの大株主とロックアップ情報
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
ロックアップが設定されていることで、株価の下落の危険性が低いのでポジティブとなります。
株主 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
杉田昭吾 | 44.01% | 180日間 |
㈱A&M | 13.42% | |
レオクラン従業員持株会 | 4.38% | |
大阪中小企業投資育成㈱ | 3.63% | |
八上重明 | 1.54% | |
吉川謹司 | 1.38% | |
医療法人藤井会 | 1.32% |
レオクランの上位株式保有者はすべて180日間のロックアップの設定がなされています。
またロックアップ解除が設定されていないため、レオクランは比較的売り圧力が低い銘柄であるといえます。
気になるレオクランの初値予想!
ここでは編集部独自のレオクランの初値予想を公開していきたいと思います。
レオクランの総合評価
<<ⅰ.レオクラン購入のメリット>>
- IPOは上値抵抗がないため、株価が上がりやすい傾向がある
- 推定PERが16倍、PBRが1.4倍程度とIPOとしては割安水準である
- 連結での業績が急成長している
- 高齢化社会のど真ん中の業種であるため、将来性がある
- 当選株式数が少ないため、需給がよい
- 30万円以上と値嵩株であるため、勢い次第では意外高が期待できる
- ロックアップの解除条件が設定されていないため、大株主の売り圧力が低い
<<ⅱ.レオクラン購入のデメリット>>
≪9月~10月のIPO≫
PBシステム | 9月12日 |
アミファ | 9月19日 |
サイバーバズ | 9月19日 |
ギフティ | 9月20日 |
チャットワーク | 9月24日 |
HPOシステムズ | 9月26日 |
パワーソリューションズ | 10月1日 |
レオクラン | 10月2日 |
- 上記のように9月~10月はIPOが多いため、人気が拡散してしまうという懸念がある
- 上場によって獲得する資金の使途の半分以上が借金の返済である
- 30万円以上と手が出しにくい価格帯である
- 医療系と地味なセクターである
- 不人気の東証二部への上場である
レオクランの初値予想
今期の第三四半期時点でのEPS401.64円から逆算すると年間EPSは530円程度となることが予想されます。
現在の発行済株式数は1,784,000株で新規に発行する株は163,000株となるのでEPSも91%に希釈されます。・
今回の資金調達を加味して1株あたり利益は480円近辺となります。
成長銘柄ではありますが東証二部上場で尚且つ上記の要因も加味して日経平均と同程度のPER12倍を用いて初値を算出します。
すると初値の予想は5500円近辺ということになります。
まとめ
10月2日上場のレオクラン。
上場先が東証二部であり、人気化しにくいセクターであることから上値が追いにくい銘柄であるといえます。
また、9月~10月はIPOが多いため、IPOに流入する資金も分散されることから公募割れのリスクもある銘柄であると考えます。
ただし、業務内容は高齢化社会のど真ん中である「医療系」であるため、将来性のある銘柄であるといえます。
よって、レオクランに参加するのであれば、初値で高値追いはせずに、株価が底打ちを見せてからのセカンダリーでの参加が良い銘柄であるといえます。
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