「マイホーム購入」は、誰もが夢見る大きなライフイベントの一つです。
しかし、その購入の際には、土地や建物の売買代金だけでなく、他にもさまざまな諸費用が必要となりますよね。
購入にかかる諸費用をあらかじめ計画に入れておかないと、いざ契約となった時に資金が足らないと慌てる結果にも繋がりかねません。
さて、新築一戸建て購入にはいったいどのような費用があるか、今回は、その相場や内訳について調べていきたいと思います。
目次
Contents
新築一戸建てに必要な費用とは
新築一戸建ての購入で必要な費用は、大きく分けて、「本体工事費」「付帯工事費」「その他諸経費」に大別されます。
割合としては、本体工事費が70%程度を占め、付帯工事費とその他諸経費が30%程度が目安となります。
家づくり総費用=「本体工事費」+「付帯工事費」+「その他諸経費」
本体工事費
本体工事費とは建築いうのは、住宅の「本体価格」のことです。
チラシやCMなどで謳われている住宅の価格というのは、この本体工事費のみであることが多いです。
内容としては、住宅の以下の設備に加え、建物を建てる際の人件費が入ってきます。
- 構造体(基礎・土台)
- 外装・内装
- キッチン・浴室・トイレ
しかし、実際の家づくりとなると、この他に、付帯工事費やその他諸経費が必要となります。
付帯工事費
付帯工事費とは、その名の通り、建物に関連した費用のことです。
例えば、家を建てる際に、土地の地盤が弱かったりすれば「地盤改良費」が必要になります。
水が出なかったり電気が繋がっていなかったりすると、電気やガス、水道などを引き込むための「整備費」がかかってしまいます。
その他諸経費
また、その他諸費用というのは、それ以外に必要となる手数料などですが、これもすべて合算すると、思ってもみないほど高額になることが多いです。
住宅ローン関連の費用は金融機関、住宅工事関連の諸費用はハウスメーカー、引っ越し関連は引っ越し業者、など諸費用は一括で請求が来るものではありません。
方々から分かれて請求が来ることになるので、自分自身でしっかりと把握して、管理をしていかないと、あとあと資金計画がくるってしまう恐れもあります。
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その他諸経費の中身は?
基本的に諸費用は、本体価格の7~8%程度であるとされています。
内訳としては、以下の通りに分けられますが、一つずつ内容を確認していきましょう。
購入にかかる税金
まずは購入にかかる税金を把握していきましょう。
以下のようにまとめております。
登録免許税 | 土地の所有権移転登記、家屋の所有権保存登記、住宅ローンに対する抵当権の設定登記などを申請する際に課税される税金です。耐震性を有するなど一定の要件を満たす住宅用家屋には軽減税率も適用されます。 |
不動産取得税 | これは購入後に一定期間経ってから請求される税金なのですが、家屋の床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下で耐震性を有するなど一定の要件を満たす一般的な住宅なら、軽減措置によって税額が0円となるケースも多いです。 |
印紙税 | 売買契約書や建築工事請負契約書、金銭消費貸借契約書などにかかる税金です。契約書の記載金額に応じて印紙税額は変わります。 |
消費税 | 新築住宅の建物代金部分に課税されるとともに、仲介会社や金融機関、司法書士などへ支払う報酬にも消費税が含まれます。 |
贈与税 | これは住宅購入に際して、他者から金銭などの支援を受けたときに課税される税金です。しかし親からの一定の要件を満たす住宅取得資金の場合であれば非課税措置の対象になります。 |
購入にかかる報酬等費用
住宅会社の仲介手数料(売買金額の3%+6万円が上限)、司法書士報酬、土地家屋調査士報酬などがあげられます。
住宅ローンを借りるときの費用
住宅ローン保証料、事務手数料、特約火災保険料などがあげられます。
その他
引っ越し費用や水道加入金、町内会費、私道負担金などが必要になるケースがあります。
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〜コラム〜新築一戸建てを購入する人の数は減っている?
マンションは購入すべきか、賃貸にすべきか、という話題でも触れました。
近年は柔軟にライフスタイルに合わせて住居を変えていきたいという思考の方が増えています。
新築一戸建て購入もマンション購入と同様に住居を購入することになりますが、こちらの需要はどうなっているのでしょうか。
以下は野村総合研究所の市場規模予測です。
新設住宅着工戸数は、全体で見ると2016年度の97万戸から、2020年度には74万戸、2025年度には66万戸、2030年度には55万戸と減少していく見込みです。
※1.新設住宅着工戸数およびリフォーム市場規模を予測:
本予測では、新設住宅着工戸数については2019年10月に予定されている消費増税の影響(増税前の駆け込み需要、および、反動減)を加味していますが、リフォーム市場規模についてはその影響を加味していません。また、景気動向などに伴って、着工が前倒しされたり、先送りされたりすることにより、実際の着工戸数やリフォーム市場規模は変動する可能性があります。※2.利用関係別:
住宅着工統計上の区分で、持家は「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」、分譲は「建て売りまたは分譲の目的で建築するもの」、貸家は「建築主が賃貸する目的で建築するもの」を指します。
新設住宅着工戸数の実績が日本バブル期、バブル崩壊後の経済回復時をピークに年々減少していることがわかります。
また、図2において「持ち家」も減少傾向にあり、今後も市場はさらに冷え込んでいく予測が立てられています。
リフォーム市場の規模は横ばいとなっており、昨今は新築を購入するよりも中古住宅を購入してリフォームを施し、住居を構える米国式の流れとなっているのかもしれません。
Airbnbなどの台頭により、シェアすることに慣れてしまった現代人には特に新築へのこだわりの意識も薄れているという話もあります。
新築は胸躍るのは確かですが、住宅を購入する際は老後の資産構築や、資金効率の面もしっかり調査した上で、実行していきましょう。
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住宅ローンは諸費用も含めて組める?
このように、各種の諸費用を考えると非常に大きな金額になり、自己資金で用意するとなると簡単に100万円以上の貯金がなくなっていきます。
一見、厳しい話に感じますが、地方銀行や信用金庫をはじめとした大半の金融機関で、諸経費は住宅ローンの金額に含むことが可能です。
しかし、直接的に住宅購入に関係しない費用など、ものによっては含むことが出来ない場合がありますので気をつけましょう。
事前に金融機関の職員と相談し、住宅購入にかかるすべての費用を、整理しておくと良いかと思います。
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まとめ
以上のように、住宅購入にかかる費用は、本体工事費以外にも多くのものがあり、事前にしっかり把握して、計画をたてておく必要があることがわかりました。
ハウスメーカーや金融機関の職員など、プロの人間との綿密な話し合いを重ね、たしかな資金計画をたてましょう。
以上、新築一戸建ての諸費用はどのくらい?シミュレーションして現実的な資金計画を立てよう…の話題でした。
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