アメリカのハートフォードに本社を置く多国籍企業です。
事業は多岐に渡り、複合企業として活躍しています。
以下の非常に多くの分野で研究開発、製造を行っています。
- 航空機のエンジン
- 宇宙産業
- 空調設備
- エレベーターやエスカレーター
- 防火・消化製品
- セキュリティーサービス
- その他工業製品
ロケットエンジン、燃料電池、ヘリコプターの事業は売却され、現在では事業再編を進めています。
空調事業やエレベーター事業はそれぞれ独立、航空宇宙事業はレイセオンに経営統合させる計画を進めています。
1929年にボーイング、プラット&ホイットニー・エアクラフトなど数社が統合してユナイテッド・エアクラフト・アンド・トランスポートとして誕生しました。
1934年にトラスト法によりボーイングやユナイテッド航空と分割されユナイテッド・エアクラフトとなり、1975年にユナイテッドテクノロジーズとなりました。
1976年にエレベーターの落下防止装置を発明したエリシャ・オーチスが創業者であるエレベーターメーカーのオーチス・エレベータ。
1979年にはエアコンを発明したウィルス・キャリアが創業した空調設備メーカーのキャリアを買収しました。
■ 投資判断基準:中長期的に買い
▷ 以下の点を総合的に勘案し短中期的に$140〜155で推移、将来的には200ドル超えが見込まれる。
■ 業績見通し:
▷ 現状は堅調に推移、今後の軍事産業の動きにより大幅に増収増益の可能性もあり
■ 指標関連 :
▷ PER18倍程度で安定。最新の決算では1KABU利益が市場予想上回り通気利益見通しも引き上げ
■ 株主還元策の動向:
▷ 連続増配26年。長期保有でキャピタルゲインとインカムゲインを狙う。
Contents
ユナイテッドテクノロジーの事業内容
ユナイテッドテクノロジーズは多種の会社(部門)によって組織されています。これらの会社の経営はハートフォードにて行われています。
- プラット・アンド・ホイットニー
ガスタービンエンジンやロケットエンジンなどの設計、製造を行なっています。
航空用ジェットエンジンについては、GEアビエーションとロールス・ロイスplcに並ぶ3大メーカーの1つです。
ボーイングやエアバス、ボンバルディア等の民間航空機だけでなく、戦闘機や爆撃機にも広く使われています。
- コリンズ・エアロスペース
商業や軍事、国などへの航空宇宙システムの設計、製造を行なっており、国際宇宙計画における主要事業者です。
また化学、食品加工、建築、採掘に至る様々な工業製品をてがけています。
- UTクライメイト・コントロール&セキュリティ
キャリア→世界シェア上位の空調設備メーカー。
エアコンディショナーなど空調システムの製造販売を行なっています。
日本では東芝との合弁企業である東芝キャリアで事業展開しています。
UTCファイア・アンド・セキュリティ→防火製品及びセキュリティサービス業務を行なっている。
- オーチスエレベーター
業界トップの地位であり世界シェア上位のエレベータ・エスカレーターメーカー。
製造、設置、メンテナンスサービスを行います。
ビルの中にあるものだけではなく、貨物エレベータや動く歩道も製造しています。
日本法人は日本オーチスエレベータ、ライバルはスイスのシンドラーやドイツのティッセンクルップです。
- UTRC
ユナイテッドテクノロジーズにおける新技術、新プロセス開発をサポートする中央研究所。
流体力学、先進材料およびエレクトロニクス、コンピュータサイエンスなどの分野のエンジニアや研究者がその技術で世界をリードしてます。
このようにいくつもの企業が複合されているものがユナイテッドテクノロジーズです。
事業内容からも分かる通り、航空機の中核となる部品やシステムを製造している企業であるため、んボーイングやエアバス社にとって必須のサプライヤーです。
また軍関連の製品を提供しているので米国政府としてはつぶせない企業の1つでもあります。
ユナイテッドテクノロジーズの業績推移は右肩あがり
まず業績を見てみましょう。
この5年、売上高は右肩上がりです。
Dec-14 | Dec-15 | Dec-16 | Dec-17 | Dec-18 | Dec-19 | |
売上高 | 57,900.00 | 56,098.00 | 57,244.00 | 59,837.00 | 66,501.00 | 77,031.77 |
営業利益 | 9,593.00 | 7,291.00 | 8,221.00 | 8,138.00 | 8,551.00 | |
税引前 当期利益 | 8,712.00 | 6,467.00 | 7,133.00 | 7,763.00 | 8,280.00 | |
当期利益 | 6,220.00 | 7,608.00 | 5,055.00 | 4,552.00 | 5,269.00 | 6,176.94 |
製品の販売に依存せずに、サービスやメンテナンスで継続的に稼いでいます。
またサービスやメンテナンスのアフターサービスは、継続的に収益が見込めるので経営が安定していると言えます。
利益率も約16%前後をキープしているため、本業でしっかりと稼いでいると言えます。
ユナイテッドテクノロジーズのEPSとBPSも増加貴重
1株あたりの純利益(EPS)と純資産(BPS)をみてみましょう。
Dec-14 | Dec-15 | Dec-16 | Dec-17 | Dec-18 | Dec-19 | |
EPS | 6.75 | 4.58 | 6.19 | 6.64 | 7.51 | 7.39 |
BPS | 34.32 | 32.63 | 34.1 | 37.05 | 44.63 | 48.18 |
売上高同様、大きな変動なありませんが、堅調な動きを維持しています。
BPSも保有株式数も減らしながらも増えており大手企業にしては珍しく右肩上がりです。
また数値も高いですので、安定性の高い銘柄と言えます。さすが米国政府がつぶせない企業の1つです。
26年連続増配の配当貴族銘柄!
次に配当をみてみましょう。
以下は予想を含めた6年分の配当金の推移です。
Dec-14 | Dec-15 | Dec-16 | Dec-17 | Dec-18 | Dec-19 | |
配当 (ドル) | 2.36 | 2.56 | 2.62 | 2.72 | 2.84 | 2.96 |
配当利回り | 2.05% | 2.66% | 2.39% | 2.13% | 2.08% | 2.17% |
配当もこの5年でみても緩やかに上昇しています、
配当利回りは株価変動もありますので多少の動きはありますが2%代を推移しています。
10年でみても配当は約2倍になりました。
増配も連続26年になっています。リーマンショック時にも増配をやめていない企業です。
継続して配当を出せるということは安定したキャッシュフローがあるからです。
航空関連は設備投資が必要なため、将来のキャッシュ創出のために投資キャッシュフローのボラティリティが高いですが、
航空会社の株よりかは安心感があると言えます。
ユナイテッドテクノロジーズの株価とPER水準について
まず過去10年の株価水準を見てみましょう。
この10年で株価は約2.5倍弱にまで成長しました。
30年に間、多少の上下はありますが株価は上昇し続けています。
リーマンショック、チャイナショック時にか大きく下げました。
しかし、そのあとすぐに上昇トレンドへ入り回復していますので株価としてはかなり力強いのではないかと思います。
次にPERを見ていきましょう。
Dec-14 | Dec-15 | Dec-16 | Dec-17 | Dec-18 | Dec-19 | |
PER (倍) | 17.03 | 20.98 | 17.71 | 19.23 | 18.15 | 18.45 |
この5年でだいたい17〜20倍あたりで推移しています。
まとめ
2019年6月には防衛関連企業のレイセオンとの統合交渉が進んでいるとの報道がありました。
もしこれが実現すれば今以上にユナイテッドテクノロジーズは米国にとっては重要な企業になり、今後大きく成長する可能性があり企業と言えます。
米国での軍事産業は重要な課題でもあり、世界中にとっても大きく左右される問題ですので、どういう動きになるのか注目してみていくべきだと思います。
また2019年の見通しとして、オーガニック売上高の3〜5%の増加予想、調整後の利益は1〜5%の増加を見込んでいます。
今後の期待値も高い銘柄ではないでしょうか。
■ 投資判断基準:中長期的に買い
▷ 以下の点を総合的に勘案し短中期的に$140〜155で推移、将来的には200ドル超えが見込まれる。
■ 業績見通し:
▷ 現状は堅調に推移、今後の軍事産業の動きにより大幅に増収増益の可能性もあり
■ 指標関連 :
▷ PER18倍程度で安定。最新の決算では1KABU利益が市場予想上回り通気利益見通しも引き上げ
■ 株主還元策の動向:
▷ 連続増配26年。長期保有でキャピタルゲインとインカムゲインを狙う。
以上、【UTX】配当貴族銘柄であるユナイテッド・テクノロジーズの株価推移を予想!空調から宇宙事業まで携える多国籍企業を分析する。…でした。
コメントを残す