それでは本文にうつっていきます。
市場は引き続きインフレ率の上昇を懸念している。
6月の消費者物価は9.1%上昇し、前年比の上昇率としては1981年以来最大となりました。
こうした懸念を踏まえて、S&P500が発表している第2四半期の純利益率はどうなっているのでしょうか?
純利益率は低下しているが、まだ5年平均を上回っている
2022年第2四半期のS&P500の(ブレンド)純利益率は12.4%で、四半期開始時(3月31日)の予想値12.7%を下回り、前年同期の純利益率13%も下回っています。
しかし、5年平均の純利益率11.2%を上回り、前四半期の純利益率12.3%を若干上回っている。
仮に12.4%が当四半期の実際の純利益率であれば、当指標の純利益率は2四半期連続で前年同期を下回ることになります。
一方、2008年にFactSetがこの指標の追跡を開始して以来、同指数が報告した純利益率の高さは、2021年第4四半期と並んで第4位となる。
セクター別では、2つのセクターが2022年第2四半期の純利益率を2021年第2四半期比で増加させると報告している(または報告すると予想される)。
エネルギー(15.6%対6.5%)と資本財(9.8%対9.0%)である。
一方、2022年第2四半期の純利益率が2021年第2四半期と比較して低下した(または低下すると予想される)セクターは、金融(16.1%対21.9%)を筆頭に9つある。
純利益率の前年比減少の要因は?
コスト上昇が純利益率に悪影響を及ぼしていると思われる。
6月の生産者物価は11.3%上昇し、2022年3月に記録した11.6%上昇に近づいた。
前回の決算期には、第1四半期の決算説明会でS&P500の417社が「インフレ」を挙げ、10年以上ぶりの高数値となった。
しかし、S&P500種構成企業の収益成長率が6四半期連続で10%を超えると予想されることから、企業はこうしたコスト上昇を補うために値上げも行っています。
また、前年同期の異常に高い純利益率に対して、企業は厳しい前年同期比を強いられている。
2021年第2四半期、S&P500は13%の純利益率を記録し、これはFactSetが2008年にこの指標の追跡を開始して以来、同指数が報告した純利益率の最高値となった。
高インフレが続いているにもかかわらず、アナリストが今年いっぱいはS&P 500の純利益率が2022年第2四半期を上回ると考えているのは興味深いことである。
本日現在、2022年第3四半期と2022年第4四半期の推定純利益率はそれぞれ12.9%と12.7%となっています。