10月8日上場予定のIPO「HENNGE(ヘンゲ)」。
HENNGEの事業内容は企業向けのクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」の提供と人気化しやすいIT関連であり、高勝率が期待できるIPOであるといえます。
今回はHENNGEとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、HENNGEの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
HENNGEのIPOスケジュールと各証券会社の割当
HENNGEの主幹事は国内最大手の野村證券です。野村證券は前受け金不要でIPOに申し込むことができます。
資金の拘束がなく、気軽にIPOに申し込みを行うことができるのが魅力です。
またHENNGEは当選株式数も1,504,200株と比較的当たりやすいうえに、初値の上昇が期待できる銘柄だといえます。
HENNGEのIPOスケジュール
ブックビルディング期間 | 9月20日(金)~9月26日(木) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 9月27日(金) |
購入申し込み期間 | 9月30日(月)~10月3日(木) |
上場予定 | 10月8日(火) |
公募株式数 | 50,000株 |
売出株式数 | 1,454,200株 |
当選株式数 | 1,504,200株 |
仮条件価格 | 1200円-1400円 |
公募価格 |
*1:仮条件価格は9月19日に決定されます。
HENNGEの各証券会社の割当*2
証券会社 | 株式数 | 割当率 |
野村證券(主幹事) | ||
クレディ・スイス証券 | ||
大和証券 | ||
いちよし証券 | ||
エース証券 | ||
岡三証券 | ||
丸三証券 | ||
SBI証券 | ||
マネックス証券 |
*2:割当率や株式数などは、仮条件決定時(9月19日)付近に発表されます。
HENNGEの事業内容
初心者でも気軽に参加しやすいIPO「HENNGE」。ここでは気になるHENNGEの事業内容をご紹介していきます。
HENNGEの基本スペック
社名 | HENNGE株式会社 |
設立 | 1996年11月5日 |
本社所在地 | 〒 150-0036 東京都渋谷区南平台町16番28号 Daiwa渋谷スクエア |
代表取締役社長 | 小椋 一宏 |
従業員数 | 72名 |
資本金 | 330,800,000円 |
事業内容 | クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」の提供 |
子会社 | 台灣惠頂益股份有限公司 |
HENNGEの事業内容
HENNGEは企業向けのクラウドセキュリティサービスである「HENNGE One」の提供を主たる事業としています。
ここでは「HENNGE One」とはどのようなサービスであるのかを解説していきたいと思います。
ⅰ.HENNGE Oneとは
HENNGE One はOffice 365、G Suite、Box、LINE WORKSなど複数のクラウドサービスへのセキュアなアクセスとシングルサイオンを実現するクラウドセキュリティサービスです。
具体的にはIP制限、デバイス証明書、セキュアブラウザ、二要素認証など豊富な認証機能を提供し、利便性と安全性のバランスのとれたセキュリティサービスを実現しています。
ⅱ.HENNGE Oneの機能
<<HENNGE Access Control>>
包括的でセキュアな複数のアクセス制限(シングルサインオン、ユーザアカウント管理、パスワードポリシー設定、アクセス状況監視)を一つの管理コンソール画面で提供するサービスです。
HENNGE Oneがユーザーの認証を代行する事ができるため、1 つのアカウントで各クラウドサービスに簡単にログインすることが可能になります。
<<HENNGE Secure Browser>>
セキュアブラウザ、アクセス先URL登録、管理者でのユーザー承認と停止ができるサービスを提供しています。
<<HENNGE Email DLP>>
Email DLPを活用することで、一時保留、監査フィルタリング、Zip暗号化、DKIM付与、ユーザー登録、チームメール、Azure ADとの送信グループ同期が可能になります。
<<HENNGE Email Archive>>
Email Archiveを活用することで、メールデータ永年保管、日本語検索、第三者への閲覧権限付与が可能になります。
見てきたようにHENNGE One を活用することで、企業内での仕事の効率が大幅にアップすることがわかります。
よって、将来性の高い業務内容であるといえます。
HENNGEの上場理由とは?上場で得た資金の使い道を探ろう!
HENNGEは上場して得た資金をどのように活用するのでしょうか?
ここでは目論見書から資金のつかいみちを探っていきたいと思います。
新規発行による手取り金額
HENNGEは上場することにより手数料を引いた手取り金額で44,340千円の資金を獲得します*。
*:有価証券届出書提出時における想定発行価格(1,040円)を基礎として算出した見込額です。
手取り金の使途
ⅰ.HENNGE One事業における販売力及び開発力強化の為の営業部門及び研究開発部門の人材採用に係る人件費及び採用関連費用 116,032千円
ⅱ.HENNGEの認知度向上及びHENNGE One事業の拡大のための広告宣伝費 116,032千円
HENNGEの資金の使途から、HENNGEは上場することによって更に事業を拡大していくことがわかります。
目論見書からみる『HENNGE』の売上高と利益推移
ここではHENNGEの業績を分析していきたいと思います。
売上高は右肩あがり
当期純利益(千円) | |
2014年9月期 | 1,108,868.00 |
2015年9月期 | 1,337,819.00 |
2016年9月期 | 1,723,683.00 |
2017年9月期 | 2,225,762.00 |
2018年9月期 | 2,834,900.00 |
2019年6月期 (第三四半期) | 2,515,840.00 |
HENNGEの売上高はきれいな右肩上がりに増加しています。
また今期も3Qで2,515,840千円となっていることから、本決算に期待が持てる数値であるといえます。
当期純利益は覚束ないが将来性に期待
売上高が増加しても費用がかさんでいる場合は利益が増加するとは限りません。
当期純利益(千円) | |
2014年9月期 | 21,973.00 |
2015年9月期 | -16,328.00 |
2016年9月期 | 66,602.00 |
2017年9月期 | 172,421.00 |
2018年9月期 | 123,331.00 |
2019年6月期 (第三四半期) | 79,995.00 |
HENNGEの経常利益は前期まで素晴らしい伸びを示しています。
今期は3Qで前期の半分ほどの利益とさみしい数値になっています。
しかし事業拡大のための投資費用が嵩んでいるためであり、ポジティブな費用支出であるといえるでしょう。
『株価 = PER × EPS』で算出されますが、EPSは1株あたり純利益のことを指します。
EPSは純利益を発行済株式数で除すことによって算出されますがHENNGEは純利益と同じ動きをしています。
HENNGEの業績は利益といった観点から見ると、若干不安定であるといわざるを得ません。
しかし、今後も働き方改革や企業のIT化といった、現代の花形企業として脚光を浴びるセクターであることから、
設備投資などで一時的に利益が減少しても、大きな見返りが期待できる業種であるといえます。
HENNGEの上位10位までの大株主とロックアップ情報
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
HENNGEの上位株式保有者の多くはロックアップの設定がなされています。
株主 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
小椋 一宏 | 27.61% | 90日間
|
宮本 和明 | 14.73% | |
永留 義己 | 13.72% | |
(株)ブイ・シー・エヌ | 5.91% | 90日間 1.5倍 |
太陽生命保険(株) | 5.38% | |
HENNGE従業員持株会 | 5.19% | 180日間 |
佐野 力 | 4.81% | |
(株)サンブリッジコーポレーション | 4.66% | 90日間 1.5倍 |
投資事業組合オリックス11号 | 3.05% | |
大和企業投資(株) | 2.30% |
しかし、HENNGEはベンチャーキャピタルを中心として売出価格の1.5倍以上のロックアップ解除が設定されています。
おそらくHENNGEは売出価格の1.5倍以上でロックアップが解除される可能性が高いため大株主の売り出しに注意が必要です。
気になるHENNGEの初値予想!
ここでは編集部独自のHENNGEの初値予想を公開していきたいと思います。
HENNGEの総合評価
ⅰ.HENNGE購入のメリット
- IPOは上値抵抗がないため、株価が上がりやすい傾向がある
- HENNGEの当選株式数は1,504,200株と当たりやすく参加しやすい規模であること
- 花形業種のIT関連で人気化しやすいセクターであること
- HENNGEはIPOで人気化しやすいマザーズの中規模案件であり、初値の高騰が期待されること
- 今後も働き方改革関連、IT関連と物色のされやすいセクターであること
- 上場で得られる資金の使い道が、しっかりと企業の事業規模の拡大に使われること
ⅱ.HENNGE購入のデメリット
- ロックアップが設定されているが、高確率で解除要件に該当すること
- 想定価格1,040円から概算したPERが130倍、PDRが25倍と非常に割高な設定であること
- 役員のロックアップの90日と他社と比較して短期間であることから、市場で売却してくる可能性もあること
HENNGEの初値予想
今期のEPSは70円-100円に落ち着きますが、売上高が右肩あがりで本格的に収益が拡大するPhaseにあります。
そのためPERは30倍台が適切と考えられますので公募価格の予想は3000円程度とします。
まとめ
10月9日上場のHENNGE。
比較的当選しやすいうえに人気化しやすい花形業種のIT関連のため、非常に期待感の高いIPOであるといえます。
特に初値は高確率で高騰することが期待できるため「稼げる」IPOであると推測されます。
よって、積極的に参加してぜひ入手したい銘柄であるといえます。
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