【7013】株価暴落したIHI(旧:石川島播磨重工業)は買いなのか?チャート分析を含めて分析する。

IHI 株価

IHIは旧石川島播磨重工業です。2007年に改名を行っています。

また日本を代表する重工業メーカーでもあります。

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からIHIの今後の株価推移を分析していきたいと思います

 

■ 投資判断基準:投資対象外

以下の点を総合的に勘案し、IHIは「投資対象外」と予想。

■ 業績見通し:

▷19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1倍の657億円とV字回復していますが、20年3月期は前期比11.8%減の580億円に減る見通しと業績の回復に安定感がないこと。

■ 指標:

▷ ROEとROAも2019年を除き低値安定していること。

▶︎予想PER10.7 倍、予想PBRは1.07 倍でともに割安水準。これは人気がないため物色されないことから割安水準になっていると推測されること。

■ 他社との比較:

▷ 業績ならダイキン工業、割安度ならコマツと同業と比較して、投資効率が劣っていること。

■ テクニカル的な判断:

▷ すべての足で強い上値抵抗があり、株価の上昇が困難であること。

 

【企業情報】IHI (旧:石川島播磨重工業)はどんな会社?

IHIは1889年に設立された、日本を代表する重工業メーカーです。IHIの由来は古く江戸時代に遡ります。

IHIの創業はペリー来航による欧米列強への対抗に迫られた幕府が、水戸藩に造船所設立を指示。

1853年に石川島造船所が創設されたことに由来しています。

現在では造船・航空機産業だけではなく、宇宙産業にも進出しています。

 

①:資源・エネルギー・環境

石炭や天然ガス、原子力、再生可能エネルギー分野でボイラやガスタービン、プラント構成機器などを提供しています。

②:社会基盤・海洋

社会インフラの整備やセキュリティ分野、海洋開発、都市開発などの分野で、橋梁、コンクリート建材、水門などを提供しています。

③:産業システム・汎用機械

地球のさまざまな場所で産業インフラを進化させ、ものづくりの未来をサポートしています。

④:航空・宇宙・防衛

航空エンジン事業や宇宙開発事業にも進出しています。

 

IHIの過去10年の業績推移(PL)

ここでは日本を代表する重工業企業である、IHIの過去10年間の業績推移を見ていきます。

決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期利益
2007/03 1,221,016 -5,626 -8,732 -4,593
2008/03 1,350,567 -16,807 -30,812 25,195
2009/03 1,388,042 25,679 13,521 -7,407
2010/03 1,242,700 47,145 33,027 17,378
2011/03 1,187,292 61,390 51,482 29,764
2012/03 1,221,869 43,333 41,715 23,823
2013/03 1,256,049 42,141 36,219 33,386
2014/03 1,304,038 53,271 53,235 33,133
2015/03 1,455,844 63,253 56,529 9,082
2016/03 1,539,388 22,048 9,716 1,529
2017/03 1,486,332 47,389 22,011 5,247
2018/03 1,590,333 72,267 21,425 8,291
2019/03 1,483,442 82,488 65,749 39,889
2020/03予 1,400,000 80,000 58,000 35,000

 

わかりやすく図解すると以下となります。

IHIの業績推移

 

上記はIHIの過去10年間の業績推移です。IHIの売上高は1,187,292百万円~1,590,333百万円とほぼ横ばいで推移していることがわかります。

比較して、本業を表す営業利益は乱高下を繰り返しており、安定感にかける推移をしていることがわかります。

しかし、直近は2016年を底として順調に回復しつつある状態であるといえます。

 

IHIの2019年3月期決算分析

IHIは5月8日に最新の決算を発表しました。

19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1倍の657億円、20年3月期は前期比11.8%減の580億円に減る見通しを公表しています。

また配当に関しては60円→70円に増額、今期も70円を継続するとしています。

 

IHIROEROA

IHIのROEとROAは一見して営業利益同様、不安定な動きをしていることがわかります。

決算期 ROE ROA
2007/03 -2.02% -0.30%
2008/03 10.75% 1.63%
2009/03 -3.86% -0.50%
2010/03 8.20% 1.23%
2011/03 12.49% 2.19%
2012/03 9.52% 1.78%
2013/03 11.58% 2.45%
2014/03 9.60% 2.21%
2015/03 2.63% 0.54%
2016/03 0.48% 0.09%
2017/03 1.65% 0.31%
2018/03 2.55% 0.51%
2019/03 11.42% 2.40%
2020/03予 10.02% 2.10%

わかりやすく図解すると以下となります。

IHIのROEとROA

 

ROEは-3.86%~12.49%と大きな幅が出ているわけではありませんが、安定しない推移になっています。

しかし業績がV字回復した2019年はROEも11.42%と日本の東証一部の平均値である8%を超えています。

一方ROAは-0.50%~2.40%と低値安定しています。

ROAもROE同様業績がV字回復した2019年は2.40%と日本の東証一部の平均値である2%を超えています。

 

IHIのグループ経営方針

IHIでは2019年度を初年度とする「グループ経営方針2019」をスタートさせています。

ここではIHIの「グループ経営方針2019」を分析していきたいと思います。

 

長期視点のIHIの「目指す姿」

 

IHIの中期経営計画

IHI

 

≪グループ経営方針2016の3つの取り組み≫

  • 新たなポートフォリオマネジメントによる集中と選択
  • プロジェクト遂行体制の強化による収益力向上
  • グループ共通機能の活用によるビジネスモデル変革

 

「グループ経営方針2019」では「グループ経営方針2016」の取り組みをさらに進化させることで、持続可能な社会へ貢献していくことを目標にしています。

 

「グループ経営方針2019」の数値目標

ⅰ.10年後の目標

売上高2兆円を達成すること、営業利益率を10%以上に安定させること。

 

ⅱ.3年間の営業利益率と売上高目標

2021年に売上高1兆5,000億円を達成すること、営業利益率を8%に引き上げること。

 

IHIのテクニカル分析

ここではIHIは買いか売りかをテクニカル的な側面から分析していきたいと思います。

IHIの過去10年の株価推移

下記はIHIの10年間の株価推移です。

IHIのテクニカル分析①

一見して日経平均株価に連動していないことを見て取ることができます。

また2014年からの業績悪化に伴う6,370円から1,540円までのフリーフォールは東証一部の大型株では珍しい株価推移であるといえます。

IHIのテクニカル分析

現状IHIは基準値3,955円の雲の下で株価が推移しています。

IHIのテクニカル分析②

IHIは2013年にいったん雲を上抜くことに成功し、2年間で3,000円から6,370円に上昇することに成功しています。

しかし、業績の悪化から、2014年以降株価が急落し、アベノミクス前の株価まで落ち込んでいることがわかります。

 

よって、3,000円から6,370円の価格帯で出来高を伴う力強い上昇がない限り、戻り売りに押され、

本格上昇は難しいということができます。

IHIのテクニカル分析③

 

3か月から1年間の中期の株価を考えるのに適している週足チャートを見ても、IHIは分厚い雲の下に押し込まれている状況であることがわかります。

 

IHIはテクニカル的な判断からは「投資対象外」です。

すべての足で雲に押し込まれているような上値の重い銘柄を買う理由はありません。

 

IHIの競合他社比較

IHI(7013)を同業であるクボタ(6326)、コマツ(6301)、ダイキン工業(6367)と比較検討していきます。

IHI クボタ 小松製作所 ダイキン工業
PER 10.7 倍 14.1 倍 10.6 倍 20.1 倍
PBR 1.07 倍 1.50 倍 1.26 倍 2.73 倍
配当利回り 2.89% - % 4.55% 1.21%
ROE 11.42% 10.34% 14.13% 13.35%
ROA 2.40% 4.79% 7.05% 7.00%

 

PERとPBRはセクターとして割安

セクターのPERがコマツの10.6倍からダイキン工業の20.1倍とセクターで幅があります。

日経平均株価の平均はPER13~14倍であるため、IHIとコマツは割安であるということができます。

セクターのPBRがIHIの1.07 倍からダイキン工業の2.73 倍とセクターで幅があります。

ダイキン工業を除いた3社のPBRは日経平均株価の平均PBRの2倍以下になっているため割安であるということができます。

 

配当利回りはコマツが高配当で株主優待もコマツのみ

配当利回りはコマツの4.55%が圧勝です。

株主優待がある企業はコマツのみです。

株主優待の内容は、3月末日の基準日に300株以上を3年以上継続保有している株主に対して、自社製品のオリジナルミニチュア(非売品)を提供しています。

 

決算予測の比較

ⅰ.IHI

19年3月期の連結経常利益は前の期比3.1倍の657億円、20年3月期は前期比11.8%減の580億円に減る見通し。

 

ⅱ.クボタ

18年12月期の連結税引き前利益は前の期比7.8%減の1972億円、19年12月期は前期比5.5%増の2080億円に伸びる見通し。

 

ⅲ.コマツ

19年3月期の連結税引き前利益は前の期比29.4%増の3774億円、20年3月期は前期比16.0%減の3170億円に減る見通し。

 

ⅳ.ダイキン工業

19年3月期の連結経常利益は前の期比8.6%増の2770億円、20年3月期も前期比2.9%増の2850億円に伸びを見込み、7期連続で過去最高益を更新する見通し。

 

競合他社比較総合

業績が不安定なセクターの中で安定して7期も最高益を上げているダイキン工業に投資安定感があります。

そのため、ダイキン工業は割高水準まで株価が買われていると推測されます。

また出遅れといった意味では高配当のコマツが一歩リードしているといえます。

 

まとめ

今回はファンダメンタルとテクニカル両面からIHIの今後の株価推移を分析してきました。

ファンダメンタル的に業績が不安定であり、テクニカル的にも上値抵抗が強いIHIは「投資対象外」と判断することができます。




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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。