インクルーシブ(7078)の上場日は12/20(金)で、上場市場は東証マザーズとなります。
主幹事はみずほ証券で、IPOの申し込み期間(BB期間)は12/4(水)~12/10(火)となっています。
今回はインクルーシブとはどのような企業なのかを事業内容や業績をチェックしながら詳しくご紹介していきたいと思います。
また、インクルーシブの気になる初値予想やIPOでの購入情報もご紹介していきます。
Contents
インクルーシブのIPOスケジュール
インクルーシブの主幹事は国内大手5社の一角、みずほ証券です。
上場規模は50億円程度と、東証マザーズではやや小型の部類に入ります。
ブックビルディング期間 | 2019/12/4 (水) ~ 12/10 (火) |
市場 | 東証マザーズ |
公募価格決定 | 12月11日(水) |
購入申し込み期間 | 12/12 (木) ~ 12/17 (火) |
上場予定 | 12月20日(金) |
当選株式数 | 425,000株 (公募200,000株、売出:225,000株) |
想定価格 | |
仮条件価格 | 2,010円~2,110円 |
公募価格 |
インクルーシブの各証券会社の割当
それでは、インクルーシブの引受証券会社及び引受シェアを確認していきたいと思います。引受シェアは以下のとおりです。
証券会社 | 株数 | 割当率 |
みずほ証券 (主幹事) | 361,500株 | 85.06% |
SBI証券 | 42,500株 | 10.00% |
岩井コスモ証券 | 4,200株 | 0.99% |
いちよし証券 | 4,200株 | 0.99% |
丸三証券 | 4,200株 | 0.99% |
楽天証券 | 4,200株 | 0.99% |
東海東京証券 | 2,100株 | 0.49% |
マネックス証券 | 2,100株 | 0.49% |
インクルーシブの事業内容
インクルーシブの基本スペックは以下のとおりです。
社名 | インクルーシブ株式会社 |
コード番号 | 7078(東証マザーズ) |
設立 | 2007年4月3日 |
資本金 | 2,170万円 |
本社所在地 | 東京都港区南青山5-10-2 |
電話番号 | 03-6427-2020 |
代表者 | 代表取締役社長 藤田 誠 |
従業員数 | 47人 |
事業内容 | インターネットサービス運営・収益化支援 広告・プロモーション企画 アドネットワークサービスの提供 ブランディグ・PRコンサルティング ウェブエンジニアリングサービス |
インクルーシブの事業内容
インクルーシブは、以下の4つの事業を展開しています。
- メディアマネジメントサービス
…24社、35のメディアのソリューションを提供
- 広告運用サービス
…広告の運用支援や企画サービスを提供
- プロモーション企画・PRサービス
…広告企画・代理、戦略PRサービスの提供
- エンジニアリングサービス
…アプリケーションやウェブサービスの開発。
インターネットサービス関連の企業であるため、IPOでは人気の高い銘柄となりそうです。
売出株数も少ないうえ、前後に赤字上場の企業も多いため、黒字である同社の注目度は高いと思われます。
インクルーシブの上場理由は?上場による資金調達の目的を探る
新規発行による手取り額
インクルーシブは上場することにより手数料を引いた手取り金額で11.1憶円の資金を獲得します。
資金使途は後述のとおりです。
調達資金の使途
目論見書によると、調達した資金は、オフィス移転及び統合に伴う階層等の移転費用、
新規人材採用及び研修費用の一部並びにSaaS化を目的としたシステム開発費用に充当するようです。
具体的な金額は以下のとおりです。
- オフィス移転及び統合に伴う改装等の移転費用
…2億9,000万円
- 新規人材採用及び研修費用の一部
…6,000万円
- SaaS化を目的としたシステム開発費用
…7,600万円
インクルーシブは調達した資金を自社の発展のために用いる計画であった様子です。
特に規模の拡大のための本社機能の拡充と人材の確保が大きな課題であり、
それを解決するための上場であると捉えることもできます。
過去のインクルーシブの売上高と利益推移
本項目では、インクルーシブの業績を分析していきたいと思います。
売上高の推移
売上高(千円) | |
2018年3月期 | 1,014,328 |
2019年3月期 | 1,669,188 |
2019年9月 | 769,578 |
上記のとおり、インクルーシブの売上高は順調に右肩上がりに推移していることがわかります。
特に2018年3月期から2019年3月期にかけては売上高が60%程度増加しており急速な成長を見せています。
2019年9月末日時点の売上高は769,578千円ですので、このままのペースで売上高が推移する場合、
2020年3月期は前年度と同程度からやや減少程度になりそうです。
2019年3月期に黒字化に成功
経常利益(千円) | |
2018年3月期 | -21,404 |
2019年3月期 | 307,678 |
2019年9月 | 176,356 |
経常利益は2019年3月期にプラスに転じました。
このままのペースで経常利益が積みあがっていく場合、2019年9月時点では前年度より1割程度多い水準のため、
経常利益は前年比増となりそうです。
EPSも成長基調
EPS(円) | |
2018年3月期 | -16.71 |
2019年3月期 | 71.46 |
2019年9月 | 53.29 |
EPSは、2018年3月期にプラスに転じました。2019年3月期もプラスでした。
インクルーショブの上位10位までの大株主とロックアップ情報
株主名 | 保有比率 | ロックアップ情報 |
藤田 誠(社長) | 70.81% | 180日間 |
アーキタイプ㈱ | 9.70% | 180日間 |
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱ | 4.36% | 180日間 |
安達 真 | 4.20% | 180日間 |
㈱カヤック | 2.82% | 180日間 |
後藤 健太郎 | 2.20% | 180日間 |
大向 一輝 | 0.99% | 180日間 |
㈱デルフィス | 0.87% | |
原 直志 | 0.34% | |
渡邊 淳一 | 0.27% |
ロックアップとは、株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないようにする制度のことです。
上位株主には軒並みロックアップが付されています。
ですが、上位株主にベンチャーキャピタル等が名を連ねておらず、エグジット上場ではなさそうです。
インクルーシブの初値予想
ここでは編集部独自のインクルーシブの初値予想を公開していきたいと思います。
インクルーシブの総合評価
【インクルーシブ購入のメリット】
- 時代のトレンドにあった事業を展開しており、成長性大
- IPOは上値抵抗がないため、比較的株価が上昇しやすい
- 発行株式数が少なく、比較的値上がりしやすい
- 注目の高いインターネットビジネスに従事しており、人気が高い
- 上位株主にベンチャーキャピタル等が存在しない
【インクルーシブ購入のデメリット】
- インターネット業界は競合他社が多い
- 上場規模が小さく、株価が乱高下しやすい
- 黒字化して間もないため、次回の決算に大きな注目が集まる
- 12月はIPOラッシュであるため、資金が分散しやすい
インクルーシブの初値予想は3,797円
インクルーシブのEPSは2019年3月末時点で71.46、2019年9月末時点で51.46でした。
インクルーシブの競合として考えられる上場企業として、メディア関連企業であるサイバーエージェントや電通、博報堂等が考えられます。
競合他社のPERを用いて同社のEPSから推定株価を算出します。
企業名 | PER |
サイバーエージェント | 61.10 |
電通 | 32.23 |
博報堂 | 15.03 |
ネットイヤー | 77.00 |
インクルーシブの直近の業績を鑑み、上記のうちPERは競合4社の平均値である46.34倍を用いることとします。
EPSは、平均値である81.95倍を用います。
以上より、想定初値は、PER46.34倍×EPS81.95=3,797円程度となります。
まとめ
12月20日上場のインクルーシブ。
魅力的な銘柄であるものの12月はIPOラッシュであるため、他企業の上場も控えており投資家の資金不足が懸念されます。
しかし、他社の赤字上場を経たのちの黒字上場ですので好感を得られる可能性が高いです。
今後どのように会社規模を拡大していくのかに注目が集まりそうですね!
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