日本企業が実施したM&Aの買収事例を解説!「ソフトバンク」「楽天」「日本電産」の成功事例を紐解く。

企業規模を拡大していく際、企業自身が設備投資を行って規模を大きくしていくケースが多いです。

中には「M&A」を行って規模を大きくしていくケースも見られます。

 

日本の名だたる企業も、M&Aで拡大していったところが少なくありません。

今回はそんなM&Aによって事業拡大に成功した企業事例を紹介していきます。

 

M&Aとは?

まずはじめに、M&Aの基本知識を確認していきましょう。

M&Aとは「Mergers(合併)」と「Acquisitions(買収)」の略称で「合併と買収」という意味になります。

ある企業が他の企業を買収して、企業規模を拡大する手法です。

 

日本でも近年M&Aは拡大の一途を辿っています。

 

M&Aの成約件数の推移

参照:中小企業庁

 

 

買収する側は、M&Aによってビジネスの規模を大きくすることができ、

中小企業であれば「大企業」になるための第一歩となります。

 

買収される側にとっては、M&Aは悪く映るような印象ですが、実はメリットも多く存在します。

たとえば、M&Aを利用すればビジネスの事業継承をスムーズに行えます。

 

事業継承の際に会社内部での対立を防ぐために、外部の力を使って事業を継承させるのです。

また、資金調達をするためにM&Aを受け入れたりして、売る側も戦略的にM&Aを受け入れるケースが多く見られます。

 

現実問題として、中小企業の多くは高齢化などによって、後継者不足に悩んでいます。

事業継承ができないと最悪の場合「廃業」に至ることもあります。

 

日本の技術力は世界的に見ても非常に優れており、小さな町工場でつくられた部品がロケットや飛行機に使われていることも多いです(ネジ1個を買うために、日本の町工場へ発注を出す企業もあるほどです)。

このような優れた技術力が、後継者がいないという理由で無くなってしまうことは、日本にとって勿体ないことです。

 

企業経営者にとっても、雇っていた従業員を解雇しなければならず、迷惑をかけることになります。

このような事態を受けて、M&Aを使って中小企業を買収する企業が2000年代から多く見られるようになりました。

M&Aの仲介業者も登場してきて中小企業がM&Aを受け入れやすくなる環境が整えられてきたのです。

 

M&Aの目的

次にM&Aを行う目的を詳細に見ていきます。

経営再建

中小企業が業績悪化により倒産の危機に陥った場合、大企業に買収されることで倒産を免れることができます。

買収先から資金を援助してもらったり、技術的なバックアップを受けることもM&Aによって可能になります。

 

買収された企業が支配されてしまうのではないか、という心配もあります。

しかし、実際のところ買い手側も中小企業の技術力を評価して買収します。

そのため過度に介入してそれまでの技術力をないがしろにしたくありません。

 

したがって、ドラマなどで見るような「買い手vs売り手」のような対立はそこまで起きません。

「業績不振の中小企業でも、将来性がある技術を持っていれば、大企業の支援を得られる」という前向きな前提が経営再建のM&Aの骨子となっています。

 

新事業の拡大

M&Aの買い手側が抱く目的として多いのが「新事業の拡大」です。

新しい事業を一からつくるとなると、時間もコストも大量にかかります。

また、時間とコストをかけたとしても、その新事業が必ず成功するという保証はありません。

 

このようなリスクを防ぐために、「すでに存在している有望な事業」を買い取る選択をするわけです。

すでに存在している事業であれば、成功しているか否か客観的に確認できます。

また、買収先の企業の顧客や人員、設備をそのまま受け継ぐことも可能です。

 

事業継承

これは先ほども述べたものではありますが、事業継承を目的にM&Aを行う企業も多いです。

これはどちらかと言うと「買収される企業」の目的と言えます。

 

日本は少子高齢化の進展によって大廃業時代を迎える危機に瀕しています。

2025年までに中小企業380万社のうちの約3分の1の127万社が後継者不足で廃業の危機に晒されています。

更に、127万社のうち約半数は黒字という状況で国家的な損失が目前に迫っているのです。

日本の大廃業時代

参照:中小企業庁

 

大廃業時代の対策として近年注目されているのが事業承継目的のM&Aです。

実際、事業承継目的のM&Aは近年増加傾向にあります。

事業承継目的のM&Aの件数

参照:中小企業庁

 

買収される側の目的と買収する企業の目的が上手く合致したときにM&Aが実施されると見て問題ありません。

事業承継に関するM&Aに関しては以下のサイトが詳しくまとまっています。

事業承継プロ

 

M&Aの成功事例

それでは、M&Aの成功事例について見ていきましょう。

 

ソフトバンク


携帯電話のユニークなCMで知られるソフトバンクは、2013年にアメリカのスプリント・ネクステル・コーポレーションの事業を買収しました。

スプリント・ネクステル・コーポレーションは、アメリカ国内で携帯電話販売や通信事業を展開している企業です。

ソフトバンクがスプリントを買収した理由は、自社が展開する通信事業を「世界規模のものにする」ためです。

 

日本でも有数の通信会社でスプリントの通信事業を更に強化して、シェアを拡大できると考えました。

ソフトバンクは2004年にボーダフォンの日本法人を買収した経験もあり、

スプリントの買収も上手く成功できる自信があったのかもしれません。

 

このM&Aの結果、ソフトバンクは移動体通信事業の売上高で世界第3位となります。

売上高も着実に増加させていきました。

 

【9984】ソフトバンクグループの有利子負債が15.7兆円と巨額!持続可能性と株価の今後の見通しを予想する。

2018.11.19

 

楽天

次の事例は、楽天によるM&Aです。

楽天は、2016年に株式会社Fablicを買収しました。

株式会社Fablicはフリマアプリサービスを提供している企業です。

 

楽天はFablicの株式をすべて取得しており、Fablicを完全子会社としています。

楽天がM&Aを行った理由は、「個人間取引」の事業を拡大するためです。

 

もともと、楽天は企業や自営業者に向けてインターネット上の「店」を提供するサービスを展開してきました。

ただ、時代は「個人同士の取引」に移ってきており、この変化を見越してフリマサービスを提供しているFablicを買収したのです。

 

また、楽天はフリルが抱えている顧客の獲得も目指しました。

楽天はさまざまなジャンルを扱っている反面、特定の顧客層をもっていなかったので、

個人間取引の事業を進めるにあたって、「女性ユーザー」の獲得が急務でした。

Fablicを買収することで、フリマを利用している女性ユーザーを抱え込もうとしたのです。

 

楽天に買収されたFablicは、2017年に日本で初めてとなるフリマアプリ「フリル」の提供をスタートします。

フリルは若年層からの支持を多く集め、現在もサービス展開を続けています。

 

【4755】楽天の株価はどうなる?現在株価が低い理由を踏まえて今後の推移を予想。

2019.08.10

 

日本電産

日本電産は、小型・大型モーター、精密機器などの製造、販売を行っている企業です。

モーターのシェアは日本トップクラスで、外国企業からも多く受注を受けています。

 

日本電産は2017年にEmerson Electric Co.のモーター・ドライブ・発電事業を買収しました。

Emerson Electric Co.はアメリカ国にて電子部品の開発、製造、販売を行っています。

産業向け部品はもちろんのこと、一般向けにも商品を販売しています。

 

日本電産がEmerson Electreic Co.の事業を買収した目的として、「産業用事業の強化」が挙げられます。

Emerson Electric Co.はアメリカ以外にヨーロッパにも地盤を持っており自社製品の提供先を一気に広めることが可能になります。

世界から受注を受けている日本電産ではありますが、みずから海外に拠点をもつことで、

より販売力を高めていく狙いがあると言えます。

 

まとめ

M&Aは企業が拡大していく上で、非常に効率のよい手法です。

買収される企業も事業継承などの問題を抱えていることが多く、

買い手と売り手が互いにWin-Winの関係になるようなM&Aが現代の主流となっています。

 

高い技術力を持つ中小企業を残すために、M&Aが行われることも多いです。

最近では日本の大手企業による海外企業の買収も行われるようになりました。

 

今後もM&Aは頻繁に行われていくと予想されます。

大企業同士の合併が行われると、株価にも影響を与えてきますのでM&Aの情報は要チェックですよ。

 

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2019.07.08



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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。