投資で値幅を追求してしまい、相場が元の位置まで戻ってしまった…そんな経験はありませんか?
さて、相場が変動しているのに、前日と当日の終値が似たような水準になることを「いってこい」と呼びます。
「いってこい」に引っかかると値幅を確保できず、トレードで利益を得られません。
このコンテンツでは、投資家にとって面倒な要素である「いってこい」の事例や対処法について解説します。
目次
Contents
「いってこい」とは?
金融市場では相場がある程度まで伸びたのに、一定期間でもとの水準まで戻る現象を「いってこい」と言います。
漢字に変換して「往って来い」という言葉で使われるケースもあります。
基本的には次の2パターンが「いってこい」の意味として使われます。
「いってこい」が発生する理由としては、投資家による利確や押し目買いなどが挙げられます。
例えば投資した株の価格が上昇すれば「プラスの間に売ろう」と考える投資家が現れるものです。
そして利確のために売る投資家が増えれば、株価は反転して下がってしまいます。
一定期間で相場がもとの水準まで戻ると、値幅を増やそうとした投資家は利益を狙えなくなるのです。
株式投資における「いってこい」の事例
株式市場では短期売買で利益を増やす投資家が多く、「いってこい」が発生する機会はよくあります。
例えばサイバーエージェント(4751)では2019年10月4日に大きな相場の変動が起こりました。
午前中の前半には悪材料によって約4,100円から4,000円近くまで株価が暴落。
しかし株価が安くなったことで投資家の買いが増えて、午前中の終わりには4,100円あたりの水準に戻っています。
この場合ではもし4,100円で空売りしていても、4,000円近くで買わなければ利益を得られません。
急に相場が変動したときはトレンドが反転して「いってこい」になる場合があることを本事例は示しています。
FXにおける「いってこい」の事例
外貨をトレードして利益を増やすFXにおいても、「いってこい」が発生するケースはよくあります。
例えば豪ドル/円では2019年10月4日から7日の間に以下のような相場変動がありました。
10月4日の20時あたりまでは72.2円弱の水準でしたが、その後に約72.4円まで上昇。
しかし10月7日になると相場が下落して、最終的には72.2円強の水準まで戻っています。
円安に期待して外貨を保有し続けていると、トレンドの反転によって値幅がなくなる可能性は大きいです。
相場の「いってこい」によって得られるはずの利益を失うリスクがあります。
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「いってこい」相場で儲けるには
「いってこい」が起こりやすい相場で儲けるにはコツが3つあります。
- トレードで欲張らない
- 決めたルールを守る
- テクニカル分析を学ぶ
それぞれのコツについて詳しく見てみましょう。
トレードで欲張らない
株式投資やFXなどのトレードではエントリーのタイミングを測り、値幅が伸びたら確定するのが基本です。
「いってこい」のリスクを抑えるには相場変動の一部だけを狙いましょう。
オススメの方法はトレンドに沿って売買し、値幅が増えたところで利確することです。
値動きについていくエントリー方法であるため、初心者でも利益を取りやすくなるメリットがあります。
相場の反転を読んで売買する逆張りという方法もありますが、エントリータイミングを読むのが難しいものです。
失敗すると順張りよりも損失が増えやすくなるリスクがあります。
投資の世界では「頭と尻尾はくれてやれ」という格言もあり、順張りで利益を取れるだけで十分です。
トレード回数を増やすことで小さな利益を積み重ねて、結果的には大きなリターンを得られます。
決めたルールを守る
既に株式やFXでトレードをしている投資家には、ルールを決めている人が多くいるはずです。
利益を増やすためには自己ルールを決めておき、ルールを守ってトレードすることも重要です。
例えば忙しくて1日中相場を見るのが難しければ、トレードする時間帯を決めておきましょう。
いつも同じ時間帯にトレードすることで稼ぎやすくなり、自生活への悪影響を防げるメリットがあります。
また、自分のリスク許容度を考えておき、失敗したときの損切りをするのもポイント。
2%から3%の損失幅が発生したときに損切りすれば、損失が大きくなることを防げます。
損切りや時間帯などのルールを守ることで、トレードでの勝率を上げることは可能です。
感情や雰囲気に流されないために、常にルールを守ることを意識しましょう。
テクニカル分析を学ぶ
相場の変動を読むには知識が必要であり、より利益を増やすにはテクニカル分析を学ぶ方法もあります。
過去の値動きから将来の値動きを予想できるようになり、より良いタイミングでエントリーしやすくなるのがメリットです。
例えばテクニカル分析からチャートの読み方を理解することで、値動きやトレンドを把握できます。
テクニカル分析の一種である移動平均線を見ることで、トレンドの方向性を推測できるのも利点です。
また、ボリンジャーバンドという範囲を見て順張りすべきか逆張りすべきかを判断できます。
さまざまな指標や分析方法によってトレードの技術を高められるのです。
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テクニカル分析を学ぶのにオススメの本
「テクニカル分析を学びたいけど、インターネットの情報は不安」と思う人はいるかもしれません。
インターネット上には嘘の情報も多くあり、間違った知識により損するリスクがあります。
信頼できるところからテクニカル分析を学ぶには、次のような書籍を読むことがオススメです。
- 株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書
- テクニカル指標の読み方・使い方
- システムトレード 基本と原則
それぞれの書籍における特徴を簡単に紹介します。
株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書
株式投資でトレードを始めたい人が読むべき本が「株価チャートの教科書」です。
チャートの基本やトレンドだけでなく、売買のタイミングや相場変動の分析について解説します。
テクニカル指標の読み方・使い方
テクニカル分析にはさまざまな指標があり、それらを図解で解説してくれる本が「テクニカル指標の読み方・使い方」です。
指標の使い方だけでなく、短所や有効性まで説明しています。
システムトレード 基本と原則
成功しているトレーダーの共通項からトレードで勝者になるためのノウハウを解説する本が「システムトレード 基本と原則」です。
ルールの作り方が分からない人が勉強するのに役立ちます。
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まとめ
「いってこい」は金融業界で使われる言葉の一種であり、一定期間で変動した相場がもとの水準に戻ることを意味します。
株式やFXでは1日で相場が戻ることが多く、値幅を伸ばすのは難しいこと。
投資家が「いってこい」による損失リスクを防ぐためには、テクニカル分析やルールを重視することがオススメです。
書籍などで相場変動の読み方を学んでおき、利益を増やすトレードをしましょう。
以上、相場の「いってこい」とは?トレードで値幅を狙うコツを解説!…でした。