【S&P500指数とは?】米国の代表的な株価指数の全容をダウ平均株価との違いも含めてわかりやすく解説する!

アメリカでは、株価の上下を見るのに様々な指標が使われます。

中でも「S&P500」は代表的な指標として知られています。

 

ただ、日本の経済ニュースを見ていても、そこまでS&P500は登場してきませんよね。

 

信太郎
アメリカ企業株に投資をするならば、S&P500に関する知識は必須じゃぞ!

 

今回は、S&P500について内容を詳細に解説していきます。

 

S&P500とは?

S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出を行っている代表的な米国株価指数の1つです。

S&P500の構成銘柄

ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、ナスダックに上場している約4000銘柄の中から500銘柄を抽出して算出されています。

構成銘柄は定期的に見直されます。

 

秀次郎
採用銘柄は時価総額や流動性、業種等を総合的に考えて選定されておるぞ!
信太郎
S&P500は時価総額は約25.5兆ドルで、米国株式市場のおよそ80%を占めておるんじゃ!

 

アメリカ経済の全体的な動向を確かめるのにS&P500は打ってつけの指標であると言えますね。

 

S&P500指数の今までの値動きの推移

1941年から1943年の平均を10として算出されており、2020年1月10日時点で3,265.35ポイントとなっています。

値動きの単位は0.01ポイントとなっています。

 

S&P500指数の超長期チャートは以下の通りとなっています。

 

S&P500指数の長期リターン

 

秀次郎
凄い伸びではあるが、値動きが激しいように見えるんですが….。
信太郎
上記の図からじゃと値動きが激しく見えるの。では、ログスケールでチャートを見てみようぞ!

 

ログスケールでみるとS&P500指数は安定的に推移

ログスケールチャートとは縦軸を均等ではなく割合に応じた幅として表示する方法です。

投資リターンを図る場合はむしろログスケールチャートを見た方が適切となるでしょう。

 

以下がログスケールを用いた超長期のS&P500指数です。

 

秀次郎
世界大恐慌ブラックマンデーITバブルリーマンショックといった金融ショックを乗り越えて順調に上昇していることがわかるの!

 

ログスケールのS&P500指数

参照:multp

 

S&P500指数はダイナミックな株式市場の成長を体現している米国の代表的な指数であることが値動きからもわかります。

 

S&P500の特徴!世界で最も有名な時価総額加重平均指数

S&P500は時価総額を加重平均して算出されます。時価総額の計算式は、

「株価×上場株式数」となります。

 

この時価総額の数値を使って、S&P500の数値を出していきます。

S&P500の具体的な計算式は以下の通りです。

 

「対象銘柄(500銘柄)の時価総額合計額÷基準点の時価総額合計」

 

S&P500では、1941年~1943年の平均を「10」としています。

たとえば、ある時期のS&P500が3,000であった場合、1941年~1943年と比べて「300倍」になっていることが分かります。

基準となる時期を設定することで、株価がどれくらい増えたかすぐに把握することができますね。

 

S&P500以外にも、時価総額加重平均で算出される指数がいくつかります。

たとえば、「TOPIX」や「上海総合指数」などが挙げられますね。

 

【TOPIX】トピックス(東証株価指数)とは?日経平均株価とは何が異なるかを初心者にもわかりやすく解説。

2019.02.01

 

これに対して、時価総額加重平均ではない方法で算出される指数もあります。

その方法とは、「株価平均型」と呼ばれるもので、

 

「対象銘柄の株価合計÷除数」の式で表されます。

 

ここで言う「除数」とは「銘柄を入れ替えた際に、不自然に株価が変化しない為に用いる調整値」を指します。

各銘柄を比較できるようにする「縮小・拡大ツール」というイメージです。

 

株価平均型で算出されている指標は、「日経平均株価」、「NYダウ」などが代表例です。

 

ダウ平均株価(ダウ工業株30種)とは?選別された代表企業と指数としての特徴をわかりやすく解説。

2019.08.07

 

世界的に見ると、S&P500に用いられている時価総額加重平均型の方が主流になっています。

株価平均型の場合、株価水準が高い銘柄の影響を強く受けてしまうからです。

市場全体の指標を正確に反映できないという事態に陥りますからね。

 

例えば分かりやすく日本の株式市場を例にして説明します。

日本の時価総額1位はトヨタ自動車です。

そのため時価総額加重平均指数のTOPIXではトヨタ自動車が構成銘柄トップですが、

平均株価である日経平均株価は株価の絶対値が70,000円近いファーストリテイリングがトップの構成銘柄となっています。

 

以下はTOPIXと日経平均株価の構成順位の比較です。

順位TOPIX構成上位構成比率日経平均構成上位構成比率
1位トヨタ自動車3.38%ファーストリテイリング8.85%
2位三菱UFJ1.75%ソフトバンクグループ4.54%
3位ソニー1.69%ファナック3.26%
4位NTT1.42%KDDI2.90%
5位ソフトバンクグループ1.42%東京エレクトロン2.78%
6位キーエンス1.29%ユニファミリーマート2.26%
7位三井住友1.20%テルモ2.00%
8位ホンダ1.16%京セラ2.17%
9位みずほ1.08%ダイキン工業2.09%
10位KDDI1.07%信越化学工業1.63%

 

 

秀次郎
ダウ平均株価とS&P500指数の構成上位銘柄の比較は後で紹介するぞ!

 

時価総額平均型の場合、たとえ株価が高くても時価総額が高くなければ指標への影響は小さくなります。

株価平均型よりも、企業の規模、影響力を正確に反映できてると言えますね。

 

S&P500の構成企業

S&P500の構成企業は、「情報通信産業」の企業が多数を占めます。

いわゆる「ハイテク産業」とよばれる業種です。代表的な銘柄は以下の企業になります。

 

構成上位10銘柄
アップル4.30%
マイクロソフト3.80%
アルファベット3.00%
アマゾン2.90%
フェイスブック1.70%
バークシャー1.60%
JPモルガン1.50%
ジョンソン&ジョンソン1.40%
P&G1.30%
エクソンモービル1.20%
上位合計10銘柄22.70%

 

どの企業も、アメリカを代表する大企業ですね。

アメリカの株式市場における時価総額トップクラスの企業は、ハイテク産業が多いために、

自然とS&P500を構成する企業も情報通信系企業が多くなってきます。

 

『S&P500指数』と『ダウ平均株価』の違い

それではS&P500指数とよく比べられるダウ平均株価の違いについて紐解いていきたいと思います。

 

信太郎
日本におけるTOPIXがS&P500で、日経平均株価がダウ平均株価に該当するぞ!

 

構成銘柄数の違い

S&P500とNYダウは指標の算出方法が異なるのは先ほど述べた通りです。

加えて、それぞれの指標は対象としている銘柄数が異なってきます。

それぞれの構成銘柄数は以下の通りとなっています。

 

  • S&P500:500
  • NYダウ:30

 

 

NYダウは、米国を代表している30銘柄に絞っています。

NYダウは先ほど言及したとおり平均株価指数なので株価の絶対値が高い銘柄の構成比率が高くなっています。

 

ゆえにダウ平均株価では時価総額では全く上位ではない、ボーイングが最大のポーションを占めています。

以下はS&P500指数とダウ平均株価の上位10銘柄の構成比率です。

 

S&P500ダウ平均株価
アップル4.30%ボーイング8.85%
マイクロソフト3.80%ユナイテッド
ヘルスグループ
6.77%
アルファベット3.00%アップル6.46%
アマゾン2.90%ゴールドマンサックス5.35%
フェイスブック1.70%ホームデポ5.33%
バークシャー1.60%マクドナルド4.70%
JPモルガン1.50%ビザ4.46%
ジョンソン&ジョンソン1.40%スリーエム4.10%
P&G1.30%マイクロソフト3.66%
エクソンモービル1.20%ウォルト・ディズニー3.66%
上位合計10銘柄22.70%上位合計10銘柄53.34%

*これらの銘柄は、定期的に組み換えが行われます。

 

ダウ平均株価は対象の銘柄数は少ないですが、実はこの30銘柄だけで米国株式市場の25%の時価総額となります。

それだけ、巨大な企業で市場に対する影響力が大きいということですね。

 

S&P500の場合、時価総額が大きい順に算出しています。

フェイスブックなどNYダウには含まれていない企業も組み入れているため、

NYダウよりもより広範囲で米国市場の動向を見渡せる指標になっています。

 

業種別構成比率の違い

当然構成銘柄数がことなりますので業種別の構成比率も異なってきます。

以下はS&P500とダウ平均株価の業種別の構成比率です。

 

S&P500ダウ平均株価
通信サービス10.40%6.16%
一般消費財9.80%15.42%
生活必需品7.20%8.20%
エネルギー4.20%4.37%
金融13.10%16.45%
ヘルスケアー14.20%13.74%
資本財9.30%15.45%
情報技術セクター22.80%19.00%
素材セクター2.70%1.21%
不動産セクター3.00%0.00%
公共事業セクター3.30%0.00%

 

ダウ平均株価は30銘柄しか組み入れられていないため、業種の偏りがS&P500に比べて大きくなっています。

 

ダウ平均株価はフェイスブックやアマゾンといったFAANG銘柄が入っていない分、情報技術セクターの割合が低くなっています。

また、ダウ平均ではウォルマートやP&G、マクドナルド等が組み入れられているため一般消費財の比率が高くなっているのです。

 

リターンは殆ど同じ

一番気になるのはやはりリターンの違いかと思います。

リターンは以下の通り「S&P500指数」と「ダウ平均株価」では殆ど同じリターンとなっています。

 

S&P500指数とダウ平均株価指数のチャートの比較

参照:Vanguard

 

大型株全体の傾向としては同じ値動きをしているということが出来ますね。

 

『S&P500指数』と『NASDAQ総合指数』の違い

NASDAQ総合指数はNASDAQに上場している全銘柄を対象にしています。

そのため、銘柄数は3300以上に及び、S&P500、NYダウと比べると網羅している銘柄が非常に広いです。

 

ただナスダック総合指数は新興銘柄の割合が多くなっているためテクノロジー系企業の割合が大きくなっています。

上位5社は全く同じ構成ですが組入比率はナスダック総合指数の方が高くなっています。

また6位以下もナスダック総合指数はテクノロジー系企業で占められています。

 

S&P500ナスダック総合指数
アップル4.30%アップル6.90%
マイクロソフト3.80%マイクロソフト6.73%
アルファベット3.00%アルファベット5.26%
アマゾン2.90%アマゾン5.20%
フェイスブック1.70%フェイスブック3.33%
バークシャー1.60%インテル1.46%
JPモルガン1.50%コムキャスト1.17%
ジョンソン&ジョンソン1.40%シスコシステムズ1.11%
P&G1.30%ペプシコ1.11%
エクソンモービル1.20%アドビシステムズ1.11%
上位合計10銘柄22.70%上位合計10銘柄33.39%

 

この10年間は米国のテクノロジー系企業が大躍進を遂げました。

結果的に以下の通り、ナスダック総合指数はS&P500指数を大きく上回る成績を残しています。

 

S&P500指数とNASDAQ総合指数の比較

参照:Vanguard

 

テクノロジーの進歩に長期的に期待するのであればナスダック総合指数が魅力的になります。

しかし、ITバブル崩壊時のようにナスダック総合指数はS&P500に比して価格下落時の勢いも凄まじいものがありますので注意も必要です

 

ナスダック総合指数前後のナスダックの動き

 

S&P500を利用した投資信託とETF

 

秀次郎
ところで、S&P500指数に投資するにはどうしららよいのですか?
信太郎
うむ。S&P500指数では投資信託やETFといった選択肢があるぞ!

 

S&P500指数の連動を目標とする投資信託

S&P500をベンチマークにした投資信託が、日本の証券会社でも販売されています。

販売されているS&P500関連の投資信託は以下の通りです。

 

運用会社投資信託信託報酬(税込)
三菱UFJ国際投信eMAXIS Slim 米国株式 (S&P500)0.0968%
大和投信iFree S&P 500インデックス0.2475%
ブラックロックジャパンiシェアーズ  米国株式インデックス・ファンド0.4125%
ステートストリート米国株式インデックスファンド0.4950%

 

購入手数料は全て無料ですが、年間発生する信託手数料が発生します。

殆どリターンは変わらないため、信託手数料が最も小さいeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が最良の選択肢でしょう。

 

これらの投資信託は、日本円で購入することが可能です。

ただし、為替変動のリスクが生じる為、円安の場合は円建で利回りがよくなります。

一方、円高に振れた場合は円建での利回りが悪化します。

 

S&P500指数の連動を目標とするETF

ETFは株式と同様に株式市場が開場しているときに常時取引ができる上場投資信託です。

 

【ETFとは?】その仕組みと一般投資信託との違い・取引するメリットデメリットをわかりやすく解説。

2019.02.16

 

S&P500指数に連動するETFとして一番有名で尚且つ手数料も低いのがバンガード社が運用するVOOです。

VOOは勿論取引手数料は無料で、更に信託報酬は年間0.03%という驚異の水準です。

 

信太郎
以下のコンテンツでVOOを徹底的に紐解いておるぞ!

 

バンガード社の人気ETF「VOO」と「VTI」はどちらが良い?楽天証券を使ったお得な購入方法と共に解説する。

2019.06.03

 

VOOは楽天証券等のネット証券で購入することが可能です。

VOOは海外のETFですが、日本のETFでもS&P500指数に連動するものも存在しています。

 

銘柄コード銘柄名信託報酬(年率)運用会社
1547上場インデックスファンド米国株式(S&P500)0.165%アセットマネジメントOne
1557SPDR S&P5000.0945%ステート・ストリート・グローバル

 

 

信太郎
手数料は低いにこしたことはないからの!VOOの信託報酬0.03%は非常に魅力的じゃぞ!

 

S&P500指数への長期投資が有効となる理由

S&P500指数は長期投資を行うことで株式投資初心者でも高いリターンを獲得することができます。

実際バフェットも妻に死後の資産の90%をS&P500に連動する投資商品に投資するように遺言しています。

 

My advice to the trustee could not be more simple:

Put 10% of the cash in short-term government bonds and 90% in a very low-cost S&P 500 index fund. (I suggest Vanguard’s.)

I believe the trust’s long-term results from this policy will be superior to those attained by most investors

BerkshireHathaway Annual Report

 

信太郎
何故、S&P500指数への長期投資が有効になるのか説明していくぞ!

 

以下は1928年からのS&P500指数の年率リターンですが、年によってリターンに大きなばらつきがあります。

金融危機が起こった時のリターンのマイナス幅は大きくなりますが、基本的にはプラスリターンの年が大きいことが見て取れます。

S&P500指数のインフレ調整後の年率リターン

 

単年度だとブレ幅が大きいので30年間のリターンを図にしたのが以下となります。

わかりやすくいうと1950年に投資した場合に1980年までの30年間で年率どれだけのリターンが平均してでたかということです。

平均リターンの算出方法について興味のある方はCAGRの記事を覗いて見てくださいね!

30年間運用した場合の年率リターン

1928年からの30年リターンで最大のリターンとなったのは1932年-1961年の年率8.8%です。

また、最小のリターンでも1965年-1994年に投資した場合の年率4.3%となっています。

 

上記にリターンはインフレ率を差し引いた場合の年率リターンです。

平均インフレ率を低く見積もって2%とすると名目では最低でも6%以上のリターンが出ていることになります。

 

年率6%で30年間運用したとすると30歳時点で100万円を投資すれば60歳時点で575万円を手にすることができます。

また、つみたてNISA上限の年間40万円(月3.3万円)を積み立てて年率6%で運用できた場合、30年後に3162万円を構築できます。

 

信太郎
巷で騒がれておる老後2000万円問題も簡単に解決することができるの!

 

まとめ

S&P500は、アメリカの株式市場から厳選された500銘柄の株価、時価総額をもとに算出された指数です。

アメリカ経済全体の動向を把握するのに適した指標となっています。

 

S&P500を利用した投資信託やETFも販売されており、アメリカ銘柄に対して分散投資が行える優れものとなっています。

アメリカ経済が落ち目にならない限りは、S&P500は堅調に伸びていくことが予想されます。

 

日本の株式市場の場合、少子高齢化に伴い、国内消費が落ち込んでいますが、アメリカは国内消費も堅調に伸びています。

まだ世界経済の中心は「アメリカ」であると言えます。

 

株式投資の世界で「神」と称されているウォーレン・バフェット氏は、自分が亡くなった後の資産運用について、

「S&P500に資産の90%、残りの10%を政府短期国債」に投資するよう、妻に語ったとされています。

それほどに、投資初心者の人間でも着実に利益を挙げられるのがS&P500関連の金融商品であるということですね。

 

米国のその他の株価指数については以下でまとめております。

 

【アメリカの株価指数】初心者が知るべき米国代表株価指数(ナスダック総合指数・S&P500・NYダウ・ラッセル2000)をまとめて紹介!

2019.08.07



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マネリテ!編集部は東京大学経済学部卒の証券アナリストを中心とした金融知識が豊富なメンバーが株式投資初心者に向けて有益な情報を提供しています。株式投資を行う意義から基本用語、おすすめのネット証券・投資先情報をお伝えするメディアです。日本人の金融リテラシーの向上と明るい未来を目指しています。