もしあなたが土地を保有していたとして、それを売却するとしたいくらで売りますか?
高く売れるに越したことはありませんが、相場を逸脱して高く売っても今度は買う人が現れません。
では、いくらくらいで売ればいいのでしょうか?
今回は土地の価格がどのように決まるのかについて、査定の方法についての解説と、実際に査定を行うにはどうすればいいのかをご紹介します。
目次
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土地の価格はそもそも「決まった価格」はない
当然ですが、土地には「決まった価格」というものが存在しません。
「価格」というのはどんなものでも「市場」が決めるものです。
そもそも全く同じ場所に存在する土地というものもありえません。
似たようなエリアにある土地とはいえ「形状」や「接道状況」などによって大きく価格が変動します。
さらには取引の「時期」における買主・売主の状況も価格の変動要因となります。
土地価格の査定に際しては、そう言った個々の状況を踏まえ、総合的に判断をしていく必要があるのです。
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土地の価格査定の方法(路線価・取引事例法・公示地価、基準地価)
ここでは、主に3つの価格査定方法について解説します。
「路線価」による査定
路線価とは国税庁が年に1回発表する土地評価額のことです。
路線価は市街地的形態を形成する地域の「路線」に面する宅地の1平方メートルあたりの「評価額」です。
主に相続税や贈与税の計算基準の査定に使用されており、「相続税路線価」ともいいます。
路線価自体は国税庁のホームページで容易に調べることが可能です。
調べたい土地の接する道路を見てみると「数字+アルファベット」の表記になっており、これがいわゆる「路線価」となります。
例えば「200C」の場合、1平方メートルあたりの価格が20万円であることを示しています。千円単位です。
上の図の千代田区でいえば、「8,720B」「7,220B」「8,990B」「2,130B」とありますが、これを×1000した金額が1平方メートルあたりの価格です。
872万円、7220万円、899万円、213万円とさすがに東京の土地価格は高いですね。
アルファベットの方は「借地」の場合に使用することになりますが、土地の価格査定では特に気にする必要はありません。
実際には「奥行価格補正率」「側方路線影響加算率」と言った倍率を乗じることで土地の価格を査定します。
なお、路線価の土地価格は実勢価格の「約80%」を目安に作られています。
そのため、路線価によって算出された土地の査定価格を80%で割り戻すことで価格を計算することができます。
「取引事例比較法」による査定
土地の価格査定でもっとも多く利用される手法が「取引事例比較法」になります。
これは読んで字のごとく、対象となる土地と条件の近い取引事例を収集し、それらを比較して価格を決める手法です。
試算された価格を「比準価格」といいます。
この査定方法の最大のポイントとは「誰にでもわかりやすい」という点でしょう。
過去の取引事例を参考にするため「こういう取引が過去にあったのであれば、この価格で妥当だな」と誰もが納得しやすい査定価格を算出することができます。
問題点としては、比較する取引事例によってはその土地が持つ実際の価値から乖離する可能性があるという点です。
先にも述べたように土地には決まった価格が存在しないため、様々な要因で取引価格が変動することになります。
鑑定士の感覚的な判断でもあり、想像とは大きく異なった査定結果になることがある点は要注意です。
公示地価・基準地価による査定
公示地価・基準地価とは、それぞれ国土交通省・都道府県が年に1回公表する地価のことです。
毎年、公示地価は1月1日時点、基準地価は7月1日時点の価格が不動産鑑定士の鑑定評価により算出されます。
実際に不動産鑑定士に評価を依頼すると安くない金額がかかりますので、無料で得られる情報としては価値が高いです。
とはいえ、すべての土地に関して発表されるということは無く、だいたい標準的とされる地点の地価が評価されることになります。
そのため知りたい土地の地価の査定には、その土地から近い標準地を探し、その地点の地価を参考に個別要因で加算・減算する必要があります。
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〜コラム〜東京23区の基準地価はどこが最も高い?
以下は土地代データが提供している東京23区別の基準地価ランキングです。
1位はぶっちぎりで「ザギン」(古い?)こと銀座がある「中央区」です。(当たり前ですが日本一です)
驚くべきことに、未だに土地価格が上昇しています。
東京都中央区銀座4丁目2番4といえば銀座のどの辺なのでしょう?
グーグルマップで見てみると、「数寄屋橋交差点」あたりがヒットしますね。
2018年の3月には以下のような記事も金融新聞より投稿されておりますが、銀座は12年連続で公示地価最高額を記録しています。
国土交通省が27日に公表した公示地価によると、全国の最高価格地は、12年連続で東京都中央区銀座の「山野楽器銀座本店」で、1平方メートル当たり5550万円となり、前年の5050万円に続き3年連続で過去最高額を更新した。
ちなみに日本で最も「安い土地」は検索すると北海道南部の土地など出てきますが、色々見ていくと面白いですし、「なぜその土地は高いのか?」など思考することで、不動産投資として土地を購入する機会などあれば役に立つ知識になっていきます。
このように「どこの土地が高いのか?」と土地を遺産などで保有し、売却を考えている人は色々な土地と価格を照らし合わせ、「勘」を鋭くしていきましょう。
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簡単に無料で土地の価格査定を行うには
既に過去に取引した経験があるなど、信頼できる業者がいるのであればそちらに査定をお願いすることもいいでしょう。
しかし、不動産業者との取引なんてそうそう頻繁にあるものではありません。
そう言った際、インターネットで検索をすると多くの「不動産一括査定」のサイトがヒットします。
その名の通り、一度の情報入力で複数の不動産会社に「無料」で査定依頼を行うことのできるサービスです。
特定の懇意にしている不動産会社等が無い場合、こういった一括査定はおすすめです。
よく知らない1社だけに頼んだ場合、本当にその査定額が正しいのか不安ですよね?
複数業者がそれぞれの査定額を提示するため、相見積り効果が発生し、おおよそ相場に近い金額前後で提示されることが期待されます。
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まとめ
今回は土地の査定方法について解説させて頂きました。
査定方法はいくつもありますが、実際の土地取引は買主・売主それぞれの状況が価格に影響を与えるケースが多くあります。
相場を知り、情報収集を積極的に行うことで有利な土地取引を実現させましょう。
以上、【土地の価格査定】方法・調べ方とその仕組みをわかりやすく解説します(路線価・取引事例比較法・公示地価・基準地価)…でした。
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