「働き方改革」の普及促進により、残業時間が減少し、本業とは別に収入(副業)を得ることを考えるサラリーマンが増えています。
副業についてはすでに以前の記事で紹介しています。
また、余暇を使って社外の情報を得る中で、起業を考える会社員の方も増えてきているようです。
安定した「サラリーマン」という立場を捨て、突然独立起業しようとすることはリスクが高いです。
しかし、「週末起業」といった形で収入を得るという選択肢をとっている人もいます。
今回はそういった形での起業を目指すサラリーマンの節税メリットについて解説していきたいと思います。
目次
Contents
サラリーマンをしながら起業家に?
「起業家」というと、ITビジネスで一攫千金を目指すような印象が強いですが、要は自ら事業を起こす人の総称を言います。
IT分野は参入ハードルが低く、副業ビジネスに適していることは確かです。
しかし、例えば週末だけで飲食ビジネスを行ったりするのも立派な起業家です。
サラリーマンは安定した収入を給与として得られる点で非常に魅力的ではあります。
逆に言えば安定した収入以上に得ることは難しいです。
昨今の消費税増税や物価上昇(インフレ)で生活費の負担が重くのしかかってきている状況においては、別の収入源確保が強く求められます。
そんな中で「起業」という選択肢が出てくるわけですが、起業それ自体は難しいことではなく「とにかく何かを始めること」が大切です。
考えるより行動することが望ましいわけですが、当然本業に影響を及ぼして総収入が減ってしまうなどのリスクを冒しては本末転倒でしょう。
本業収入を維持しつつ、プラスアルファで収入を得られることが理想的です。
「週末起業」という選択肢
では具体的にどのような行動を行っていけばいいのでしょう。
ここでは近年着実に増えてきている「週末起業」について解説します。
「週末起業」はサラリーマンにとって非常に適した起業形態であると思われます。
通常起業の場合、起業後にすぐ利益を出すことができなければ、固定費の支払いでどんどん生活が逼迫してくるというリスクがあります。
しかし、サラリーマンの場合は本業での収入があるため、ある程度は生活の心配をすることなくビジネスに集中できます。
将来的に脱サラをしたいという人にとっても、突然本業を辞めてしまうことはリスクが高いです。
週末起業といった形でまず始めて見て、軌道に乗るようなら本業にしてしまうという選択肢もとることができるわけです。
週末起業のメリット
サラリーマンが起業することの最大のメリットは本業以外の収入を得ることができるという点ですが、それ以外にも「節税」という利点があります。
個人事業主として事業届を提出して起業する場合です。
例えば事業で赤字を出してしまった場合など、本業の給与所得と損益通算をすることで税金還付を行うことが可能です。
(「事業所得」によるものなのか「雑所得」によるものなのかは注意が必要です)
また、青色申告を行えば10万円もしくは65万円の特別控除を受けることが可能であるため、こちらも税金面でのメリットが非常に大きいでしょう。
週末起業が本業と関連があれば、本業に通づる知識が深掘りされたり、本業の商売に対する理解が深まったりすることもメリットとして挙げられます。
60歳を迎える頃、つまり、定年退職後も、汎用的で専門性の高いスキルを身につけていれば、再就職先を見つけやすいというメリットもあります。
週末起業のデメリット
次に起業のデメリットについてですが、やはり多くのサラリーマンが気にしているのが「本業である勤務先にばれるのでは?」という点でしょう。
近年では副業を認める企業も増えつつありますが、やはり従来の「副業禁止」という企業も多く存在することは事実です。
また、本業以外に時間を取られることになる点もデメリットの一つです。
副業とはいえ事業として行うものですから、何もしないで収入が得られるわけではありません。
事業にかかる時間もありますし、確定申告等が必要になればそちらへ割くことになる事務負担も生じます。
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週末起業家が勤務先に知られないで済む方法とは?
サラリーマン起業のデメリットとして挙げた「勤務先バレ」についてもう少し掘り下げましょう。
だいたい勤務先に知られてしまうパターンとしては「確定申告」「SNS」「同僚にうっかり話してしまう」というケースです。
自分で話してしまったり、SNSに副業の状況を掲載したりなどして知られてしまう問題に関しては、自身で注意する以外に対策はありません。
週末起業に取り組んでいることが知られるメリットなどないので、どんなに仲のいい同僚や上司にも話さないなどの対策は必須です。
確定申告で会社に知られてしまうケースの多くは住民税です。
よく「年間所得が20万円以下なら確定申告は不要」「住民税の支払い方法を『普通徴収』にすれば問題ない」などというアドバイスが見られます。
これでも、完ぺきではありません。
20万円ルールは所得税のものであって住民税は別途申告が必要です。
また、普通徴収にしたところで副業収入がアルバイトなどの給与所得であればほぼ間違いなく本業に通知が届きます。
赤字申告等にした場合は給与所得との損益通算で給与から天引きされる住民税が減少し、それで会社には知られてしまいます。
「副業で給与収入を得ない」「普通徴収を選択する」「事業所得で黒字にするか、雑所得で申告する」といった対策が必要になります。
できれば税理士の方と相談しながら進めていくのが良いかと思います。
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週末起業で必要になるもの
給料が足りないと感じるサラリーマンの方は、すぐにでも週末起業をはじめたいところです。
給料が足りないと感じるサラリーマンの方は、すぐにでも週末起業をはじめたいところです。
週末起業をはじめるときには、何を準備すれば良いのでしょうか。
大まかにいうと次の3つが必要になります。
- 資金の確保
- 時間と場所の確保
- ジャンルの選択
ある程度の資金が必要
ビジネスはじめるにはある程度の資金が必要です。
ギリギリの資金だと後で不足しかねないため、余裕のある資金を準備したほうが良いでしょう。
ただし、資金のかけすぎは後で失敗したときのリスクが高まります。
自宅ではじめられる週末起業なら、少ない資金で済むため失敗したときのリスクは低いです。
まずは少ない資金ではじめ、顧客ニーズが見えてきて利益が伸びてきたら、資金を増やしていくという方法もあります。
ある程度の時間と場所が必要
週末起業では一般的な副業と違い、すべて一人でやらないといけません。
余裕のある時間で週末起業したいところですが、週末起業はできる時間が限られることが多いです。
休みは日曜だけ、土曜は休めない日が多いというサラリーマンの場合、週末起業できる時間は日曜のみとなります。
看護師など土日勤務が多い職業の方はなおさらです。
そのため、次のような業務に時間がかかりすぎる週末起業は避けたほうが良いでしょう。
- SNSサイトなど広告収入による週末起業(ユーザーが集まるまで時間がかかる)
- 代理店など営業が必要な週末起業(営業に時間がかかる)
時間のほかに必要になるのが、週末起業する場所となります。
自室でできる週末起業なら、集中しやすい場所を確保しやすいです。
ジャンルの選択が必要
ジャンル(アイデア)が決まらなければ、週末起業をはじめるのは難しいでしょう。
ジャンルがなかなか決まらないときは、どうしたら良いのでしょうか。
まずはいくつかのジャンルをピックアップし、絞り込んでいくという方法だと決めやすいです。
- ホームページ作成(企業やお店などのホームページ作成)
- ネットショップ運営(ハンドメイドアクセサリーなど)
- システム開発
- Webデザイン制作
- イラスト制作
- ライティング
- コンサルティング
上記は週末起業で特に成功しやすいジャンルです。
ジャンルの選び方
自分が好きなジャンル、得意なジャンルであれば長続きしやすいです。
本業と週末起業が似たジャンルであれば、週末起業での経験を本業に生かせます。
マンション経営・不動産投資などのスキルがある方は、コンサルティングを週末起業としてはじめると稼ぎやすいです。
本業と似たジャンルが見当たらないという方は、ライティングなど未経験でもはじめやすいジャンルを選ぶと良いでしょう。
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週末起業を手軽にはじめる方法
次からは、週末起業を手軽にはじめる方法の紹介です。
アウトソーシングサイトへ登録する
男性はもちろん、女性でも週末起業を手軽にはじめられるのが、アウトソーシングサイトです。
主に次のようなアウトソーシングサイトがあります。
- クラウドワークス(プログラミングやライティングなど)
- ランサーズ(プログラミングやSEOなど)
- Craudia(Web系やビジネス相談など)
- ザグーワークス(ライティング)
- ココナラ(イラストや占いなど)
- ビザスク(スポットコンサルティング)
- JOB HUB(Web系など)
- Skillots(ソーシャルゲームのイラストなど)
クラウドワークスやランサーズなどのアウトソーシングサイトなら、ネットで登録するだけではじめられます。
アウトソーシングサイトによって登録してある仕事のジャンルが異なります。
自分にあったジャンルを登録しているアウトソーシングサイトを選びましょう。
フランチャイズで開業する
ゼロからお店を開業するとなると、手間がかかることが多いです。
そんなときでもフランチャイズなら、手軽に開業できます。
週末起業に便利なのは、次のジャンルのフランチャイズです。
- 学習塾
- 英会話スクール
- オンライン家庭教師
- カフェ
- 結婚相談所
- ハウスクリーニングなど
フランチャイズなら運営から指導が受けられるため、未経験でもはじめやすいです。
ゼロから開業するより、フランチャイズで開業したほうが少ない資金で済むでしょう。
ただし、フランチャイズだと運営にロイヤリティを支払しないといけません。
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週末起業のそのほかの注意点
週末起業には、ほかにも次のような注意点があります。
モチベーションのダウン
週末起業のモチベーションがダウンすると続けるのは難しいです。
モチベーションを維持したいときは、はじめる前に1,000円でも良いので目標額を決めておきましょう。
目標額を達成したら、次の目標額を決めていきます。
しだいに週末起業での収入が増えていくと、経済的にも精神的にもゆとりができやすいです。
失業保険がもらえなくなる
週末起業の収入が本業より上回ったときが、独立するチャンスとなります。
しかし、独立するため会社を退職するときに注意したいのが失業保険です。
個人事業主として開業届けを行っている場合、退職後の失業保険が受けられないことがあります。
そのため、失業保険を当面の生活費にあてようと考えている方は注意してください。
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まとめ
サラリーマンの起業について、最近の社会情勢は追い風が吹いている状態です。
しかし、企業側の体制が追い付いていないという現状も確かです。
まずは自身の勤め先の就業規則などを確認し、周囲の状況を確認したうえで始めるべきでしょう。
場合によっては転職なども視野に入れ、総合的に人生設計を考えていく必要があるのではないでしょうか。
以上、【サラリーマンが起業する時代?】流行りの「副業」「週末起業」に挑戦して節税メリットを獲得?…でした!
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