「あれ?昇給して年収上がったはずなのに、手取りの額が増えてないぞ?」
と不思議に思われたことはありませんか?
それもそのはず、所得税は年収が上がれば上がるほど、税率が高くなっていく、つまり割高になってしまう仕組みとなっています。
「所得税」を計算するときは「過累進課税率」というもので計算されます。
そのため、年収や儲けが多い人ほど多く所得税が課せられるという仕組みです。
所得税と聞くと、仕組みがよく分からなかったり、なんとなく引かれているという人が多いのではないでしょうか?
「所得税って結局なに?」「いろいろ税金がありすぎて訳がわからない」と感じている人も多いかと思います。
特にサラリーマンの方は知らぬ間にに給料から天引きされているため、どのように計算されているか知らない方が多いです。
今回はまず、サラリーマンの給与から引かれているものは何か?を解説していきたいと思います。
目次
Contents
給与(給料)の「手取り」の仕組み!所得税とは?
あなたが会社員であれば、日々の生活で使っているお金は給料の「手取り」から払っていますよね。
その「手取り」とは「所得税」「住民税」など諸々の税金が引かれた後の金額になっています。
日本の法律において、「所得」とは10種類に分別されています。
利子所得 | 配当所得 |
不動産所得 | 事業所得 |
給与所得 | 退職所得 |
山林所得 | 譲渡所得 |
一時所得 | 雑所得 |
これらの所得が発生した際に徴収される国税を「所得税」と呼びます。
サラリーマンなどの給与所得者の場合はその給与に対して、個人事業主などの場合は事業所得から経費を差し引いた利益に対して課税されます。
給与所得者(基本的に会社員の人)の場合、実際に得られた収入から「給与所得控除」「基礎控除」を差し引いて課税所得を計算します。
この「給与所得控除」の最低額が65万円であり、「基礎控除」の金額が一律38万円となっています。(控除については後に詳しく述べます)
つまり最低給与所得控除額65万円+基礎控除額38万円の合計額である103万円が、所得税が発生しないボーダーラインとなるのです。
これがいわゆる「103万円の壁」と呼ばれるものであり、扶養内で働く場合の一つの目安になったりしています。
「税金」は日本に住む以上、必ず納めないといけないものです。
税金の中でも「所得税」は、文字通り、自分が得た所得から払わないといけない税金のことを指します。
所得税に限らず、私たちは税金を納めることにより、色々な国営のサービスを受けることができています。
ゴミを処分してくれる、蛇口をひねればきれいな水が出る、役場がさまざまな手続きをしてくれている、学校に通うことができる。
これらは、全て税金を払っているから受けられるサービスなのでです。
会社員であれば所得税は「会社」(経理・総務部署など)があなたの代わり計算をし、払ってくれています。
所得税を計算するときは、1年間で得た収入(年収など)に「税率」を掛け合わせるため、金額に応じて額が変わってきます。
会社から支給された年収にまるまる税金がかかってしまうと、支払う税金の金額が、とても大きくなってしまいますよね。
例えば、同じ年収の人でも、生活背景も違いますし、得た収入を何に使っているかは異なるのに税金が同額だと、不公平感が生じます。
例えば以下の例です。
◾️ 年収400万円の会社員:
- 働いていない専業主婦が家庭にいる。
- 家族のために将来や万一のことも考えて生命保険に自分で加入している。
- 16歳以上の学費などにお金がかかる子供がいる。
同じ年収400万円の独身の人は上記のような金額が掛かりません。
そこで、国は「国民で養うべき家族がいたり、生命保険に加入していたり、特定の条件を満たす人は、税金を国が負担しましょう」ということで「所得控除」という制度があります。
元々は本人や家族の事情に配慮するために設けられた仕組みとなります。
上記でも一部述べましたが、配偶者控除(扶養控除)がその代表的な控除の一つですね。
ここからは実際に会社員の給与から引かれているお金(税金、その他)の種類についてもう少し詳しく解説していきます。
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「所得税」「住民税」などの「税金」
お給料から引かれている税金は「所得税」と「住民税」です。
そもそも税金を払うことは国民の義務で、税金による収入がなければ、国は様々なサービスを国民に提供することができません。
水道などのライフラインの整備、ゴミの収集や処理、役所などの運営、学校など税金によって支えられているサービスは数え切れません。
「所得税」は所得に課せられる税金で、所得の多さによって変わってきます。
「住民税」は、その町に住んでいるので支払わないといけないお金です。
所得税で給与から毎月天引きされているのは、今年の収入の「見込み」が引かれていることに注意してください。
あくまで見込みであり、確定した金額ではないため、正しい所得税の額を申告する必要があるのですが、そのために「年末調整」というものがあります。
住民税は「前年の」所得を元に算出されますので、現在給与から天引きされている住民税は、昨年の年収に対して課せらたものとなります。
ちなみに、住民税が住む街によって変わるというのはよくある勘違いですので、気をつけましょう。
iDeCoでは投資利益の非課税だけではなく、所得税と住民税の課税対象額を減額させることができるのでおすすめです。
その他の控除についてもお伝えしてますので、参考にしてみてください。
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「保険料」も給与から天引きされている
税金の他に、「保険料」が給与から天引きされている点も忘れてはいけません。
保険料は、「健康保険料」と「厚生年金保険料」、さらに「雇用保険」「労災保険」が天引きされています。
健康保険
健康保険の保険料を支払うことにより、「健康保険証」が発行され、医療機関で診察、入院、手術などを受けた場合に、実際にかかった費用の3割の負担で良くなります。
さらに「高額療養費」といって、どれだけ長く入院しても、手術を受けても、1ヶ月の自己負担の上限が9万円程度で済むという制度もあります。
健康保険組合によっては「付加給付」という制度があり、自己負担の上限がさらに3万円ほどまでに減ります。
厚生年金
厚生年金は、老後などにもらえる年金のために天引きされています。
老後にもらえる年金を「老齢年金」と言います。
これ以外にも、自分が亡くなった時に家族が受け取ることができる「遺族年金」。
自分が所定の障害状態になった場合に受け取ることができる「障害年金」といったものを受け取ることができます。
厚生年金は、自営業やフリーランスの方が加入する国民年金よりも、受け取れる年金の額が多いため、サラリーマンの特権と言えます。
ちなみに支払った保険料は自分の将来のために積立てられるのではなく、いま年金を受け取っている高齢者の方に仕送りされている形となります。
以上が給与から天引きされている「保険料」ですが、実際に天引きされているの額は実は半額だけです。
健康保険は健康保険組合と、厚生年金は勤めている会社とそれぞれ保険料を折半している形となります。
雇用保険と労災保険
また、上記2つ以外にも雇用保険と労災保険の保険料が引かれています。
雇用保険は自分が退職をした場合に失業給付などを受け取ることができ、労災は仕事中にあった事故などで負ってしまった怪我などに対して保障がおります。
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その他の組合費なども天引き対象
最後に、上記2つに加え、給与から天引きされているものとして、例えば労働組合の「組合費」があります。
会社の社宅や寮に入居している人は、その賃料や利用料が天引きされます。
また、天引きで財形貯蓄などの貯蓄制度を使っている人は更に手取りの額が低くなります。
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まとめ
このコンテンツでは所得税の概要と実際に会社員の方の給料から天引きされているのはどのような項目があるのかを紹介してきました。
毎月の手取りの金額を銀行口座で眺めているだけでは、節税の対策などを打てません。
まずはどのような仕組みになっているのかを理解することがスタートです。
節税をしっかりして、手元に残るお金を増やす努力をしていきましょう。
続編として、別コンテンツで、所得税の計算方法について解説していますのでそちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
以上、【年収と手取り】会社員の給与から天引きされている項目は何か?所得税・保険料・組合費を把握し「手取り」金額を正確に理解しましょう…の話題でした。
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