不動産投資に興味のある方であればSPCという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
SPCは現在では不動産取引に欠かせない重要な存在です。
今回はSPCについてどういったものなのか?
どのようなメリットやデメリットがあるのかといったことを紹介します。
「SPCがどんなものか知りたい」
「不動産投資に興味がある」
といった方はぜひこの記事を最後まで読んでいただき参考にしてください。
目次
SPCとは?
SPCとは特別目的会社とよばれ、主に不動産取引などにおいて活用されています。
会社という言葉がついていますが、一般的な会社のように何かを販売・製造するといったことは行いません。
SPC(特別目的会社)はいわゆるペーパーカンパニーです。
従業員が働いているということもありません。
では、SPCはどのような目的で設立されるのでしょうか?
SPCは不動産を証券化する仕組みとしてよく利用されます。
つづいて不動産の証券化について紹介します。
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不動産証券化の仕組み
不動産取引は巨額の取引になることが多く、金額が大きければ購入が可能な人・企業は限られてきます。
そのため流動性が低くなります。そこで登場するのがSPCです。
不動産をSPCに一旦譲渡し、SPCが譲渡された不動産を担保に証券を発行します。
例えば100億円の物件であっても証券化により1万口の証券を発行すれば1口100万円となり、購入しやすくなりますので格段に流動性が増します。
このように不動産を小口にして広く投資を募る手法が証券化です。
通常の不動産購入と異なる点は、不動産自体を購入したわけではなく不動産を担保にした証券を購入したことになります。
ですので、不動産所有権ではなく信託受益権を得ることになる点が不動産を購入した場合との違いです。
このように不動産の証券化に利用されることが多いSPCですが、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?
それぞれについて確認していきます。
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SPCのメリット
SPCのメリットの一つが前述の通り証券化により取引の流動性を確保できるという点です。
SPC利用によって企業は資金調達がしやすくなります。
高額の不動産を売却しようとしても簡単に取引先は見つかるものではありません。
購入希望があったとしても価格の交渉などがうまくいかない場合もあります。
しかしSPCを利用し、不動産を証券化することで多くの投資家から資金調達が可能となるため、
SPCを利用することで資金調達がスムーズになるという点がメリットです。
SPCのもう一つのメリットがSPCに不動産を移すことでオフバランス化ができるという点にあります。
オフバランス化とはバランスシートである貸借対照表の対象から外れることです。
不動産は高額な物件が多く購入する際には負債が伴うことが一般的です。
物件を多く抱える企業の貸借対照表は負債を多く抱えるため、自己資本比率が低く財務基盤が弱くなってしまいます。
ですがSPCを設立しSPCに不動産を売却することで企業本体の貸借対照表から負債が減り財務の健全化をはかることが可能です。
SPCを実質運用しているのは設立した企業です。
この場合不動産を売却したといっても外部に売却した場合と異なりそのまま実質的に運用を行うことができます。
また、SPCに不動産を売却することはその不動産を守ることにも繋がります。
SPCに資産を売却することでオフバランス化されるということは企業とは独立した存在になるということです。
ですので、企業が倒産したとしてもSPC自身が保有する資産に問題が無ければSPCは何の影響も受けません。
このようにSPCを利用することで資産を守ることができますのでSPCは不動産を保有するだけでなく、
売掛金などの債権や設備を保有するためにも設立されます。
SPCの保有資産は本社の業績の影響を受けないので、
不動産を証券化した場合も投資家は企業業績に関係なく不動産の価値のみを判断して投資することができるのです。
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SPCのデメリット
SPCのデメリットとしてコストがかかるという点があげられます。
本社で資産を保有するのに比べSPCを用いた場合は、まずSPCの設立にコストがかかりますし、
融資を受ける場合は利子がかかります。
また証券化する際にもコストが発生しますので、SPCに資産を移し保有する場合、
SPCを通じて資産を売却する場合どちらのケースでも直接本社が行うのに比べて高コストです。
SPCの2つ目のデメリットはオフバランス化を悪用される可能性があるという点です。
SPCに資産を譲渡することで貸借対照表から切り離すことができます。
価値を失った不動産や不良債権をSPCに譲渡することで本社の財務状況をよく見せるということができます。
実際に悪用されたケースも過去にはありました。
現在では規制が厳しくなっていますがそれでも悪用される可能性が無いとは言えません。
また、タックスヘイブン地域にSPCを設立することで節税するなど、
本来の目的とはちがった目的で利用されていることもありますし、
世界的な金融危機を引き起こしたサブプライムローンはSPCにより証券化された商品でした。
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SPCとM&A
SPCはM&Aを行い際にも活用されることがあります。
ここではSPCを利用したM&Aについて紹介します。
M&Aとは企業の買収・合併のことです。
M&Aを行うことで企業規模を大きくすることができ他事業に進出することもできます。
また、最近では後継者不足問題をM&Aを活用して解決するというようなことも行われています。
M&AにSPCを用いる代表的な手法がLBOです。
LBOの代表的な仕組みは以下となります。
- SPCを設立する
- 資金を調達する
- 買収企業の株式を取得する
- SPCと買収先企業の合併
- 調達資金を返済する
SPCの独立性を利用した仕組みとなっており、あくまで買収を行うのはSPCとなります。
合併した企業の経営がうまくいかず借入金の返済などができなった場合でも、
SPCを設立した買収企業に返済義務が発生することはありません。
買収企業は最大の損失があった場合でも出資金を失うだけになります。
このような責任が限定されたローンをノンリコースローンとよびます。
また、LBOは資金調達の際に買収先企業の資産を担保にして借り入れを行うという点が特徴です。
これにより保有資金は少額でもM&Aを行うことが可能となります。
そして、合併した後に資産の売却や事業利益により借入金を返済するという仕組みです。
このようにSPCはM&Aの分野でもその特徴を生かし活用されています。
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まとめ
今回はSPC、特定目的会社についてどういった仕組みでどのように使われているのか、
そのメリットとデメリットを紹介しました。
最後に重要点をまとめますと以下の5点があげられます。
- SPCは特定の目的のために設立された会社でペーパーカンパニーの一種
- SPCは不動産の証券化に利用されている
- SPCに資産を譲渡することでオフバラン化することが可能
- SPCは本社とは独立しておりお互い影響を受けない
- M&AにもSPCは利用されている
SPCは様々な場面で活用されており企業のIRなどでも見ることの多い言葉です。
この記事を参考にぜひSPCについての理解を深めてください。
以上、SPC(特別目的会社)とは?設立するメリットとデメリットをわかりやすく解説!…でした。
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