日本の株式市場に参加しているのが誰なのか知っていますか?
株式市場の参加者について知っておくことは、相場の動きを予測する上で大変重要です。
株式市場には、全く自分と違う属性の投資家も参加しています。
そういった投資家について知っておくことは株トレードに役立ちます。
今回は、日本の株式市場にどういった投資家が参加しているのか、各投資家の特徴などについて紹介します。
目次
Contents
日本株式市場には誰が参加しているのか?
日本の株式市場には大きく分けて3種類の投資家が参加しています。
ここでは、それぞれの投資家について紹介します。
個人投資家とは
個人投資家は、個人で投資を行っている投資家のことです。
投資をしている一般人は個人投資家になります。
参加人数で言えば圧倒的に多いのが個人投資家です。
ですが個人投資家は取引単位が少ないため、人数が多くとも株取引の金額ベースでは少ないという特徴があります。
つまり、個人投資家の売買が株価に与える影響は大きくありません。
機関投資家とは
機関投資家とは、多数の顧客から預かったお金を運用する投資家のことです。
投資家といっても個人ではなく、会社などの集団になります。
具体的には、以下が代表例となります。
■ 機関投資家の種類:
- 年金基金
- 投資顧問会社
- 生命保険会社
- 投資信託会社
国内の年金基金と言えば、「GPIF」が有名です。
年金の運用を行っているGPIFは100兆円を優に超える資産を運用している世界最大の機関投資家として知られています。
投資顧問会社はいわゆるファンドのことです。
投資家から運用を委託され投資を行います。
生命保険会社も機関投資家の一つです。
生命保険会社は顧客から受け取った保険料を運用しています。
貯蓄型や年金型の保険などは、支払った保険料を上回る金額を受け取ることができます。
しかし、それは生命保険会社が支払われた保険料を運用して増やしているからです。
バブル期のように景気が良い時の保険ほど、利率が高い商品となっています。
投資信託会社は、投資信託を運用している会社のことです。
投資信託という金融商品を設定し、不特定多数の投資家から資金を集め運用します。
どの集団も多額の資金を運用しますので、運用額は個人投資家とは比べ物になりません。
ですが、国内の機関投資家は長期保有の株式取引を行っていることが多く、株式市場全体の売買シェアで見た場合はそこまで大きくありません。
場合によっては、個人投資家の売買額を下回ることもあります。
国内の機関投資家は運用額はとても大きいですが、長期保有がメインとなっているので、売買を頻繁に行わないという点が特徴です。
外国人投資家とは
外国人投資家とは海外から日本の株を取引する投資家のことです。
海外ヘッジファンドの他、海外の年金基金などが主な外国人投資家となります。
株式市場に最も大きな影響力のあるのが外国人投資家です。
日本株の売買シェアのおよそ6割~7割を外国人投資家が占めています。
半分以上を海外投資家が占めますので簡単に言えば、外国人投資が買えば株価は上昇します。
また、外国人投資家が売れば株価は下落します。
外国人投資家が株式市場の売買シェアの大部分を占めるのは、取引回数が多いことが理由です。
外国人投資家の一つであるヘッジファンドは、国内の機関投資家と異なり短期的な売買を頻繁に行います。
株価の下落局面では空売りも積極的に行うという、多少リスクをとっても大きなリターンを目指すというトレードスタイルです。
取引回数が格段に多いのです。
運用金額が大きく、取引回数も多いので必然的に売買シェアの大部分を占めることになります。
日本の株式市場に大きな影響力を持っている外国人投資家の動向はとても重要です。
特に個人投資家は逆張り指向が強いという傾向があり、下落局面で割安感から買いに走ってしまうということが多々あります。
しかし、外国人投資家が売っているのであれば、取引金額が大きく異なりますので、個人投資家の買いは外国人投資家の売りに負けてしまいます。
株式市場の動きは外国人投資家の売買に大きく左右されるということをしっかりと理解した上で取引を行いましょう。
つづいて、日本の株式市場に大きな影響を与える外国人投資家の売買動向について紹介します。
(目次に戻る)
日本株の外国人投資家の売買動向
前述したように、日本の株式市場の売買シェアトップ(=出来高トップ)は外国人投資家です。
良くも悪くも外国人投資家の取引によって日本の株式市場は、大きく変動しますのでその売買動向を理解しておくことはとても重要となります。
外国人投資家は大型株や先物の取引がメイン
外国人投資家の取引は大型株を中心に行われます。
外国人投資家の取引金額は大きいため、小型株では流動性に問題があるのです。
小型株では大型株ほど毎日の取引金額が大きくありませんので、そこに外国人投資家の多額の注文が入っても消化できなくなってしまうのです。
よって、取引が円滑に行える大型株での株式売買がメインとなります。
具体的には日経平均採用銘柄やTOPIXコア30銘柄などが主な売買対象です。
TOPIXコア30は東証一部上場銘柄のうち、流動性・時価総額が特に高い30銘柄で構成されています。
ですので、外国人投資家の大量注文にも耐えられる銘柄ばかりです。
また、外国人投資家は先物取引も頻繁に行っています。
日経平均先物は売買高が多く、流動性が高いので外国人投資家に取引されることが多いです。
日経平均先物での売買は、日経平均採用銘柄を全て含んでいます。
従い、個別に取引を行うより手間がかからず、外国人投資家のような多額の資金を投資するのに向いています。
実際、株式市場では先物が先に大きく動き、その後に現物株が追随するということが多々あります。
これは外国人投資家が日本株をすぐに売買するような出来事があった場合、まず日経平均先物で取引を行うからです。
外国人投資家の動きは知るには先物動向を見ることも重要なポイントとなります。
また、リアルタイムの情報ではありませんが、外国人投資家の売買動向を確認する方法として、
東京証券取引所が発表している「投資部門別売買状況」を確認することも有効です。
投資部門別売買状況
投資部門別売買状況は1週間の株式売買状況を投資部門別にまとめたもので、毎週第4営業日に前週分が発表されます。
祝日などが無ければ毎週木曜日に、前の週の月曜日から金曜日までの売買状況が発表されることになります。
投資部門別売買状況を分析することで、おおよその外国人投資家の売買動向を知ることが可能です。
投資部門別売買状況の内容は以下の大きく4つに分かれています。
- 法人
- 個人
- 海外投資家
- 証券会社
法人はさらに投資信託や金融機関などに細かく分類されて記載されています。
海外投資家が外国人投資家です。
実際は海外からの注文は海外投資家に該当しますので、日本人が海外から発注した場合も海外投資家として計上されます。
しかし、海外投資家部門のほぼ全ては外国人投資家です。
外国人投資家の売買動向を分析するには海外投資家部門を確認すれば問題ありません。
以下は今年の8月第2週の投資部門別売買状況です。
海外投資家の取引金額が文字通り他と比べて桁違いであることが分かります。(単位は千円です)
これだけの金額を取引している海外投資家が、買い一辺倒あるいは売り一辺倒になった時は、株式市場が大きく動くことになるのも当然です。
海外投資家の売買は基本的に順張り傾向があります。
上昇している間は買い越しが続きますし、下落している間は売り越しが続きます。
個人投資家の多くが投資で勝てないとされているのも、個人の売買動向と海外投資家の売買動向が逆になることが多いからです。
つまり、海外投資家が買い越ししている時に個人は売り越ししており、
反対に海外投資家が売り越している時に個人が買い越しをしているということが多々あります。
再度、上記画像を確認していください。
売買金額は個人と海外投資家では圧倒的に違うのです。
株で勝ちたいのであれば、海外投資家の動きに逆らうのではなく、海外投資家の動きに乗ることを心がけましょう。
ただ、前述のように小型株は外国人投資家はほとんど取引しませんので、
小型株は海外投資家の売買動向と関係ないということも覚えておきましょう。
(目次に戻る)
まとめ
このコンテンツでは、株式市場の参加者について紹介してきました。
外国人投資家、機関投資家の動向を読みながら、株トレードを進めていきましょう。
以上、日本株式市場参加者は誰がいる?日本株の外国人投資家・機関投資家の売買動向を読んで株トレードをしよう。…でした!