株を購入していたり、保有している株式を売却する際にはいくつかの注文方法があります。
損失を抑える損切り注文として主に活用されているのが「逆指値」と「逆指値付通常注文(OCO注文)」です。
しかし実は、細かく分けると以下の4つの活用法があります。
現物買注文 信用新規注文 | 現物売注文 信用返済注文 | |
逆指値 | ①レンジ上抜け時の現物買い レンジ上抜けor下抜け時の 信用新規注文 | ②損失限定 ③限定的な利益確定 |
逆指値付 通常注文 | ④損失限定限度付利確狙い |
現物というのは通常の株式の売買で、信用取引というのは自分の資金以上の取引を行ったり、
現物ではできない売りから相場に入る空売りができる中級者以上向けの取引手法です。
今回は各①〜④の使い方について網羅的にお伝えしていきたいと思います。
①:レンジ抜けの場合の購入又は空売り注文
まずは逆指値の一般的な使用用途ではない、レンジ抜けでの購入又は空売りです。
まずは現物の買や信用取引の買でのレンジ抜けの局面を例にとって説明していきたいと思います。
株のチャートでは下の図のように一定のレンジで上下している『もみ合い』という状況に陥っている銘柄が数多く存在します。
投資家は本来であれば現在の株価1000円よりも低い800円とかで購入したいけども、なかなか株価は下落しない。
とは言っても現在注目している株なので価格が下がらなくても買いたいという場合に使用されます。
下記の例ですとレンジの上限の1200円を超えてきたら方向感が上向きになってくると考えていれば、
1200円で逆指値を注文することで株価が1200円に達した時に買い注文が発注されます。
更に逆指値付指値注文(OCO)注文で800円の指値と1200円の逆指値を注文することで、低くなっても高くなっても購入することができます。
又信用取引の『空売り』の場合も同じです。
空売りは基本的に高い株価の時に売って、安くなった時に買い戻すことで利益を得ることができます。
しかし現在株価1000円近辺でもみあっていて先にレンジの下限となっている800円を下抜けた時に方向感が出そうな場合に、
逆指値を注文しておくことで800円を下抜けた時に800円の空売りを約定させることができます。
逆指値付通常注文も買いの時と同様に設定することで一定以上まで上がっても、下がっても空売りを行う設定とすることもできます。
②:損失限定(Stop Loss)
2番目は最も逆指値注文が活用されている損失限定Stop Lossです。
逆指値は英語ではStop Lossと呼ばれていることからも最も使用頻度が多いことがわかりますね。
まずは現物で株を保有していたり、信用取引で買建玉を保有している場合で説明します。
例えばある銘柄を900円の時に購入して一時1100円まで上昇したものの現在1000円まで下がってしまった場合を考えます。
現在より更に下がって持ち値の900円より低い800円に下がった場合は損失を100円で確定させようといった場合に用いられます。
また予め信用取引で空売りをしている場合もStop Lossとして使えます。
例えば1,100円で空売りをしており、一時は900円まで下落したこともありますが徐々に上がってきて現在1,000円になっているとします。
まだ下落すると思っているけど、1200円まで上昇してしまったら損失を100円で確定しようという場合に使用用途があります。
③:限定的な利益確定
3番目の使用用途は限定的な利益確定です。
例えば900円の時に株を購入して1100円まで上昇したとします。
このまま株価は上昇し続けると考えているけど、
もし下がった場合は1000円で売却して利益を100円ぶんだけでも確定したいという場合に逆指値を使用します。
また空売りしている場合も同じです。
例えば現在1100円で空売りしている売建玉があるとします。
現在の株価は900円まで下落しているので現時点で200円分の値幅が取れているのですが、
この後更に下がるかもしれませんが最低でも100円分の利益は確定させたいという方は、
1000円に逆指値を設定することで最低でも100円分の利益を確定させることができます。
④損失限度付利確狙い注文
最後に損失限度を設ける逆指値に逆指値付通常注文(OCO)を組み合わせることによって、
利益確定を狙いながら損失限度を定める注文をだすことも可能となります。
②と③の発展バージョンですね。
たとえば先ほどまでの例をひきついで900円の時の購入していた銘柄が現在1100円まで上昇していたとします。
このあとまだまだ上昇するかもしれないけど、下落した場合に備えたいとします。
例えばAさんは1300円まで上昇したら利益を確定させたい一方、1000円まで下落した時には100円分の利益を確定させたい場合は、
- 1300円での指値注文
- 1000円での逆指値注文
の逆指値付指値注文(OCO注文)を発注することで、後は相場の流れに身をまかせるだけで400円又は100円の利益を確定させることができます。
またBさんは同じく1300円まで上昇したら利益を確定させたい一方、800円までの下落には耐えたいという場合は、
- 1300円での指値注文
- 800円での逆指値注文
の逆指値付指値注文(OCO注文)を発注することで、後は相場の流れに身をまかせるだけで400円の利益又は100円の損失を確定させることができます。
また空売りの場合1200円で空売りを行っていた銘柄が現在1000円まで下がってきたとします。
太郎さんは800円まで下落した場合は利益確定したいが1100円まで上昇してしまったら100円分だけでも限定利益を確定したいと考えていたとすると
- 800円での指値注文
- 1100円での逆指値注文
というOCO注文をいれることによって800円まで下落することで400円分の利益を確定することができる一方、
仮に1100円まで上昇したとしても100円分の限定利益を確定させることができます。
一方、次郎さんは800円まで下落した場合は利益確定したいが1300円まで上昇するまでは我慢すると決めているとします。
この場合は次郎さんは、
- 800円での指値注文
- 1300円での逆指値注文
というOCO注文をいれることによって800円まで下落することで400円分の利益を確定することができる一方、
仮に1300円まで上昇したとしても100円分の損失を確定させることができます。
まとめ
逆指値は損失確定の注文を出して、塩漬け株を作らないための有効な注文方法ですが、
- トレンドが出ている銘柄のエントリー注文
- 最低限の利益の確保
にも力を発揮します。
更に指値とともに併用することで、損失を限定させるとともに利益確定を狙う注文を同時にだすことができます。
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以上、「逆指値・ストップロス(Stop loss)」と指値・逆指値を同時にできる「逆指値付通常注文(OCO注文)」の使い方。有効利用で塩漬け株を回避しよう。…でした!